TCM Markのブログ一覧

昨日、Ａｖｉｏｎｉｃｓ　ＳｈｏｐのＧｅｏｒｇｅが朝早くに、
困った顔をしてワタシのところに来た。

「うちの、メカが下手うったんよ～。１２Ｖシステムに２４Ｖのチャージャー繋げたらしいんよ～。バッテリーが、パー。バッテリー　ソレノイドが、パー。」

小型飛行機には、バッテリー　パワーを完全に切るために、バッテリー　スイッチと言うものが装備されている。このスイッチでコントロールされるのが、ソレノイド。リレーとも呼ばれる。日本語にすると、電磁接続器って言うのかな？

「んでサー。ソレノイド。外そうとするんやけど、取れんのよ。何とかしてくれん？」


「エー。ワタシ、仕事いっぱいあるんよ～。忙しいんやけど～～～。」


と、断ろうとするが、Ｇｅｏｒｇｅの顔が、悲壮感であふれてる。今日、お客が、飛行機取りに来るって。何とかせざるを得ないわな。


機体は、Ｍｏｏｎｅｙ　Ｍ20Ｃ。１９６２年型。古～～～。
でも、内装外装、お金かけてある。丁度、リッチのＭｏｏｎｅｙみたい。ともあれ、問題のソレノイドを留めてるボルト。コックピット内のとんでもないところに埋もれてる。

「これの設計者。アホや。」

「それか、後付の備品をつけたやつがアホや。ハード　マウントしてるやん。脱着不可や。この備品は未来永劫的に使えるんかい？」

などと、メカどうしで悪態をついた後、二時間ほど色々試したが、使える工具が無い。手を入れるため外したい備品が外れない。

では、工具を作るしかない。

と言うことで、作りました。Ａｎｏｔｈｅｒ　Ｏｎｅ－ｏｆｆ　Ｔｏｏｌ。




いつやっても、見事な芸術的溶接やね～！
この複合角度でないとボルト　ヘッドにたどりつかないのね。しかも使ってるときは、目とボルトの位置のせいで、ほとんど手探り状態。この形にたどり着くまで小一時間かかった。

そして、ようやく取れたソレノイド。注文して届いた新しいソレノイドは、ピカピカだ。

「これって、どっちむきで付くの？」

Ｇｅｏｒｇｅが言う。んで、調べると、なんかオカシイ。この部品を取り寄せたメカを呼び出して、

「これが、バッテリー　ソレノイド？間違いないね？」

「え？要るのは、スターター　ソレノイドじゃないの？」

「ＯＭＧ～～～。オヨヨ。」

そうこうしてるうちにお客さんは来るし、飛行機は終わってないし、金曜日で正しい部品、たのんでも月曜日まで来ないし、、、、、、


コックピット出たり入ったり、２０回以上、その度に計器板の後ろに頭突っ込んで首が痛い。一生懸命やった努力のかいも無く、、、、

自分の仕事がおくれるし、、、




あー、疲れた。疲れ倍増だったわ。