Hand toolsと呼ばれるレンチやペンチは、Life Time Warrantyと言う保証が付いてくる。
渡米当初(35年前)の頃は、工具メーカーと言えばSnap-onかCraftsmanしかしらなかった。そしてこの二社のHand toolsは、そういう保証が付いてくる。
学校の実習には、自分の工具を持ち込んでその実技を受ける。学校で販売している工具は、Craftsmanだった。今でもその時に買った工具を使っている。長い間使っていると、やはり工具に不具合が出てきたり壊れたりもする。Life Time Warrantyを使って工具を交換した回数多々有り。
先月、エンジン交換を行っている際に、一つの工具が壊れた。ネジが取れないのだ。浸透材を吹きかけてしばらく置いた。
「浸透材かけたし。ネジの頭たたいたし。何とかとれるんやない?」
そう思いながら今度は、壊れた工具の一回り小さい工具でその作業を行った。「壊れても、交換できるし。」と言う思いもそこにはあった。
そして、案の定。二番目の工具も壊れた。オヨヨ。
その場は、最終手段として外さなければならない部品の一部をそこに残してこの作業を終えた。空冷エンジンのバッフルと呼ばれる冷却用空気の流れを遮る部品なので構造はシンプル。それの修理もシンプル。問題は無い。
問題は、壊れた工具。後日取り換えに向かった。そこは、最寄りのSears。Craftsmanを販売しているデパートだ。
交換手順は、壊れた工具と同じものを棚から探し出し、レジへ持って行きそこで壊れた工具と交換する、と言うもの。簡単だ。
ところが、壊れた工具と同じ物が陳列されていない。工具売り場を二~三往復したが、見つからない。
レジの方に行って、その旨伝える。
「この工具、交換したいんやけど。新しいの見つからんのよ。探してくれへん?」
係りの人は、おっさん。多分60歳ぐらい。胴回りは、ワタシの二倍はありそうだ。歩くのがつらそうに見える。そして、その工具が陳列してあるだろう棚の高さは、膝ほど。おっさんが唸りながら下を覗く。そして再び唸りながら、立ち上がり、右に立っているワタシの方に首だけ向けた。
「ねえよ。」
・・・・・・。
そして、沈黙。
「土曜日に来い。新しい商品が入荷するのは土曜日だ。」
「じゃー。この工具が入荷する商品の中に入っているかどうか調べてくれる?」
「上の奴らは、何が入ってくるか教えてくれねえんだ。」
「そんな事、あるかい?おかしいやん。土曜日に来て、また工具が無かったら無駄足やん。」
そんな事できるか?レジの方に戻って、おっさんが何やらやるが、
「わからん。何が来るかわからん。」
おっさんの言い方が、良くない。段々、ムカついてきた。
「ストアマネジャー呼んでんか。話がしたいわ。」
「今日は、マネジャー休みだ。」
「俺、ムカついてきたわ。んじゃー、アクティングマネジャー呼んで。」
「ああ、チョット待て。此処にあるセットの中に、要る物が入ってるかも知れない。有ったらそれと交換は、出来る。」
はじめっからそう言わんかい!!
不透明なプラスチックのレンチセットの箱を開けるとそこには、欲しい工具が入っていた。
「Now, you are making me happy。」
「I am happy, too.」
この工具を交換するのに、1時間。その分の人件費を考えると、新しいセットを買った方が安くなると考えられる。しかし、そうすると重複した工具が増える事になる。工具が壊れるたびにそれをやることは考えられない。必要な分を交換して正解だと思う。
近年、自社ブランドの工具を販売するホームセンターや部品屋が増えた。トラックで工具移動販売を展開するSnap-onはもちろんMacなどもある。そしてそのほとんどすべてがLife Time Warrantyを提供している。
別の日、今度はアジャスタブルプライヤーが使えなくなった。つなぎ部分がすり減ったんだろう。力を加えると外れてしまう。これは、ハスキーと言うホームデポのブランド。交換して貰うべく店内に入るが、またもや同じ物が無い。そう言えば、ハスキーの工具を交換するのは初めてだな。
しょうがないので店の入り口にあるカスタマーサービスに行って交換したい旨、伝える。30代ぐらいの尾根遺産は、
「レシートは?」
「無いよ。これLife Time Warrantyだから。交換したいけど同じ物が無いんだ。」
「じゃー、ハスキーに電話してね」
え?マジで?めんどくさ。交換をしないとは、言っていない。ホームデポぐらいじゃこれぐらいのサービスなんだな。そう思って店外に出るが、やはり納得しない。もう一度店内に戻る。そして、工具売り場にもう一度向かう。するとさっきは居なかった工具売り場の係りらしき尾根遺産が、Makitaのロゴが入ったおっさんと談話していた。
「これさ。壊れて交換したいんだ。でも、ハスキーに電話せえ、って言われたんやけど。本当にそうせなアカンの?」
尾根遺産に工具を見せながら訴える。
「ハスキーは、Life Time Warrantyやで~。」
と言いながら、類似工具を手渡した。
「これと交換してくれって、言って来て。ジュディーが、Okayって言ってたって言いなさい。」
だって。
再び、サービスカウンターに戻る。今度は、さっきと違う尾根遺産がさっきの尾根遺産の隣で受け持ってくれた。何やら、嫌な感じがするけど、しょうがない。
「どうしたの?」
「これ、交換したいんだけど。」
「何が、悪いの?」
「つかむと外れるし、今は、固着して動かすのに使い辛い。」
「Okay」
レシートを見せろと言わないし。ハスキーに電話せえとも言わない。
レジをカチャカチャやって、、、
「はい、Okay。もう行っていいよ。」
あれ? そんなに、あっさり?
そんな、もんなんね。
交換すべき工具が有れば、ゴネル必要も無かったんだけどね。
思い通りに行かんかったら。 なんでも、一応ゴネルに尽きるな。
改めて、そう自覚しました。
とさ。
Posted at 2016/09/18 23:46:20 | |
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