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３時半ごろ、フライトスクールの女将から電話が入った。

「ね。スターターが回らんのやて。見てくれへん？」

「おお、エエでぇ。」

「パホーキーにあるんよ、それ。」

「へっ？」

パホーキーとは、フロリダ半島真ん中にあるオキチョビー湖の南端にある空港だ。農薬散布機が常駐しているだけで、他には何もない。整備士がいない空港だ。ここから車じゃ時間が掛かる。着いたころには日が暮れてるよ。飛行機でレスキューだ。

「ええけどさ。替えのスターターまだ持ってる？」

「この間、売ったわ。」

手ぶらで行ってもどうもならん。ワタシの在庫のスターターは、午前中に別の機体に使ったよ。だれか、在庫持ってへんかな？
んで、一個見つけたよ。

それ持って、工具持って。

離陸したのが、４時ごろ。

パイロットは、ディブ。








進路は、西に。レスキュウー機も今朝ワタシが直したやつだ。（笑）




程なくして、パホーキーのファイナルに入る。
手前の川と向こうの湖の境目、右に滑走路が見える。





無事着陸。黄色い機体は、農薬散布機だ。
左には、もう三機駐機してあった。


スターターが回らない原因は、他にも考えられたが、結局それだった。
チャチャっと交換完了。



暗くなる前に、パホーキーを後にする。

二機編隊の前なので、後続機が見えなかった。
その代わり、満月が見える。




上昇中。




写真用の笑顔を作るディブ。






高度１５００フィートでのんびり月見フライトだ。



無事、ホーム空港についてミッション　コンプリート。
良かったね。