独立懸架で、4WDで、ATで、5ナンバーサイズの、ステーションワゴン。車中泊が容易ならば、なお良し。
これが私の車選びの条件でした。
この車は荷物室に段差がないので、対角線に寝れば、手足を曲げずに寝られます。
私にとって最高の相棒で、大震災の日々を含め、もう百数十晩は、お世話になっています。
最低地上高は約20cm。
荒れ地や雪道を走行するため、DIYで約5cm(ノーマル比※)ほど持ち上げました。
使い勝手の良さを楽しみながら、20年。
総走行距離も、25万キロを超えました。
※……2018年に「4ナンバー化」構造変更。この際の陸運局による計測で、車体高152cm(←すなわちノーマルより5cm高)と車検証に明記されています。
さすがに初度登録から20年も経過した車ですから、買い換え候補が気になるところですが、いまや日本では、いや世界中どこでも、私の希望を満たす車種が、ただの1種類も製造されていないようなのです。
独立懸架で、4WDで、ATで、5ナンバーサイズ(=車幅170cm以下※)のステーションワゴン。
これって、そんなに難しい条件ですかねぇ。
10数年前までは、いろんなメーカーが作っていた仕様なんですが。
でも、もう、見当たらないんですよね。
なんとも寂しく、哀しいことですが、今は、「これからも末永く、おまえさんと一緒にマイナーな人生を歩むよ」と、この車に語りかけています。
さて、私の車履歴です。
ホンダ→ホンダ→マツダ→トヨタ→スズキと乗り継いできて、これが初のスバル車でした。
スズキ以外は、それぞれ5~7年ずつ乗り続けたので、前回買ったスズキの初代スイフトも当然長く乗るつもりでしたが、4WDなのに後輪が軽トラックみたいなリジット懸架。
乗用車とも思えぬ乗り心地の悪さに閉口し、半年ほどで叩き売ったのが、この車を買ったキッカケでした。
リジット懸架は、バネ下に巨大な重量系をぶら下げる形式。
荒れた道路での乗り心地が最悪なのは理屈から言って当然とはいえ、痛い学習をしました。
主に輸出用の姉妹車(シボレー・クルーズの四駆版)に独立懸架が与えられていることを知った時には、心の底からガッカリしました。
日本人と日本のマーケットを舐めるんじゃないよ、と。
それまで乗った4台すべてが独立懸架だったので、独立懸架の重要性に、気が付かなかったんです。
たった半年で、恐ろしいほど値下がりしてしまいましたが、叩き売るしかありませんでした。
というわけで、購入したのがこの車だったわけです。
私はスキーやアウトドアが好きなので4WDは必須。
近所の抜け道がポール規制されている関係で、車幅が1m70cm以内※であることも必須。
また独立懸架であることも必須という条件でワゴン系を探し、この車を買ったのでした。
スバリストという言葉も知らず、スバルのディーラーの顧客対応が、どんな評判なのか※※も知らずに。
300馬力でも対応できる大きさ・重さの車体に、わずか100馬力、1.5リットルのNAエンジン。
しかも4速ATなので、超アンダーパワーの「おそインプ」ですが、これまでもアンダーパワーの車を乗り継いできたので、ATシフトをガシガシ変速し、エンジンをブン回し、走っています。
高速の合流では2速に固定しないと80km/hまで引っ張れない。どれほどアンダーパワーなのか、分かろうというものです。
注※……メーカーが、ちょっと車幅を増やしただけで、とたんに車を買えなくなる日本人がいるという事実。日本の自動車メーカーの上層部には御配慮いただきたいものです。
注※※……最近はどうなのか、知りません。
ディーラーにはもう十数年も行っていないので、私の中での評判は、昔の「塩対応」のままで固定されています。