どうもこんばんは、銀匙です。
本日はカメラの話題のような、そうでもないような。
カメラの趣味で意外と深い沼、というのは幾つかあります。
元々底なしと知られているレンズ沼は別格として、フィルタ沼やフード沼、三脚沼、雲台沼なんてのもあります。
で、私は少し前から「カメラバッグ沼」に足を突っ込んじゃった。
カメラバッグほど数多世に出てるものもそう多くありません。
また、別に「カメラバッグ」として売られてるものでなくたって、用を足せればそれで良いわけです。
保護性の薄いカバンの中に入れるインナーバッグなんてのもありますし、ますます多様な選択肢が出てくるわけです。
カメラバッグ沼がそれほど恐れられていないのは、実は特効薬がいくつかあるんですね。
たとえばDOMKEのF-2、それも色はサンドのみ。
意外と多く入り、意外と色々な人の用途に耐え、意外と満足させてしまうバッグの1つです。
ところが。
私の持ち運びたいラインナップはどう計算してもF-2に入らない。
今年の春にはF-2より大容量のケースロジック製リュックを買いましたが入ったけど使い勝手が悪すぎて投げ捨てました。
じゃあどうしよう。
作るか。
というわけで現在カメラバッグをチクチクチクチク縫ってるんです。
100%手縫いで。
だってミシン持ってないですから。
しかし。
カメラって意外と重いわけです。
重い物を支えられるとなると、やはり要所要所に革とか、ナイロンベルトとか、金具とか、そういったものを扱わなきゃいけません。
もちろん接着剤や両面テープで止めたってすぐべろんと剥がれますからしっかり縫わなければならない。
しかし。
そういう連中は大体縫いにくい。
幸いにもまだ針を折ったことはありませんが、ぐにーんと勢い良く曲がってあぶねーとなったことはある訳です。
また、連中のなかでも特に縫いにくいのが
面ファスナー(マジックテープともいう。特にざらざらしたオスの方)
です。
もうほんとこいつ大っ嫌いなんですが、頻繁に着脱する部分にはどうしても適用しないといけない。
なぜ嫌いかというと、とにかく針が入らないくらい土台が硬い。
コンチクショウおんどりゃあ!と青筋立てながら押し込まないといけない。
それこそ刃の付いた皮革用の針を使ってもそうです。
当然手はマメだらけです。
革の指ぬきなんて余裕で押し返されて貫通してくるので金属製の指ぬき使ってますが、するっと指ぬきが滑ってた生の指めがけて針がきます。
革用の針は指も良く貫くので、流血が避けられないため使うのやめましたけど。
で。
それこそ30番手位のごつい糸を持ってきてもテープの部分が絡む絡む。
お前は半グレかチンピラかというくらい糸に絡みまくります。
そしてしつこく離さない。力いっぱい引っ張ってやっと解ける。
だから1針縫うごとに奥歯食いしばって引っ張る羽目になりますし、終盤で引っ張ったときに糸がふっつり切れると殺意が沸く訳です。
こいつをどうにかしよう。
そんなわけで導入したのが手縫い機。手動のミシンです。
革も縫うからこの辺りかなーと買ったのが、スピーディーステッチャーという製品。
2千円くらいでした。
革や分厚いセイル、幌布とかでも縫えるようで、実際使ってみると確かに手が痛くならずに縫えます。
面ファスナーでも殺意が沸かずに縫えましたよ。
ただね・・
針がとんでもなく太いから、普通の布と面ファスナーを縫ったら穴だらけになる。
正確に言うとそこから布が破れてくる。
オーノー・・・
どうすんのこれと思いつつググりますと、16号くらいのミシン針使えるよと書いてあった(16号でさえ標準添付の針に比べれば余裕で細い)ので買ってきて使ってみますと、今度は標準の糸が太すぎて通らない。
仕方なく糸も30番くらいに取り換えると、今度はスピーディーステッチャーの部品に対して糸が細すぎるからか、糸への必要なテンションがかからず縫いにくい縫いにくい。
一旦糸が出てしまうと戻すのが手間な構造なので、テンションが低いと糸がだばだば出てきてしまい、それが絡んで結構致命的なわけです。
この始末を始めると結局手縫いと時間的に変わらなくなってきます。
スピーディーステッチャー自体は革でも縫う時に使うとして、細い糸や針でも行ける手縫い機をどうにかして手に入れたい。
ところがスピーディーステッチャー以外の市販品だと変な中国製千枚通しもどきか、やけに高い国産品くらい。
無いなら作るしかない。
というわけでミシンというか手縫い機を自作することになったのです。
大変前置きが長くなりましたが、要は
ミシン針でいう11号か14号が使えて
50番手から20番手位の糸がつかえて
ちょうど良い糸テンションがかけられて
面ファスナーが縫えて
糸を巻き戻せるとか細かい対応が出来て
安価なコストでぶきっちょでも作れる
そんな手縫い機を設計することにしたのです。
まずは100円ショップを巡回し、こんなものを見つけてきました。
手縫い機のボディは手に馴染んで欲しいので、これを。
テンショナー兼、糸の誘導にはこれを。
糸のボビンはこれを(糸自体は使いません)
後は汎用的な部材としてこれを
後は家にあった小さな木ねじ3本ですかね。
あ、ミシン針は家にあるものを使いました。糸も以下同文。
ですので材料費は432円です。
加工ですが、まずは竹の箸を使い、ボビンを固定する仕組みを作ります。
まずはボビンを竹箸に刺し、軽く回るギリギリの太さを探します。
そしてボディを貫通する長さも考慮し、それ以外を切り落とします。
ボビンに通すとこんなかんじ。
ボディ側にも竹箸と同じくらいの穴をあけて・・
こんな感じですね。
私はボビンが軽く動く位置で止まるよう、竹箸に木ねじを1本ねじ込みました。
後はミシン針ホルダーとして、先端から後端に向けて、全長の1/4位、直径2mmの深い穴をあけます。
その穴に向けて途中1か所で小さな横穴を開け、そこに木ねじをねじ込みます。
要はミシン針の台座部分を2mmの穴に刺し、木ねじで横から押して固定するわけです。
ボビンや針穴を考慮し、テンショナー(白画鋲)を付ければ完成。
私はこんな感じにしました。
ピンクの糸は100円ショップのミシン糸のままです。
別角度から。
糸にどうやってテンションをかけるかはボビンから針までのルート次第ですが、ボビンから引き出す時にしっかり手ごたえがあるくらいのかけ方が良いと思います。
テンショナーにどう糸をくぐらせるかとか、ボビンを指で押さえながら針を刺すとか、色々やり方はあると思います。
スピーディーステッチャーと違ってボビンが外に出てるので、糸が出すぎたら巻き戻すことも出来ます。
というか出来るようにテンショナーの配置をした方が良いです。
で。
お前こんなので縫えるの?と思うような代物ですよね。
そこで試しにミシン糸のまま縫ってみましたが、縫い目の脆いしじら布でも普通に縫う事が出来ました。
縫い目はミシンの縫い方そのものですね。
で、ボビンからミシン糸を外し、ロウをくぐらせた20番のビニモに入れ替えて完成です。
仕舞う時はミシン針を固定している木ねじを緩め、ミシン針の先端をボディの穴に差し込む形で納めます。
別に仕舞うと必ずなくしますから、内部に仕舞える方が良いと思います。
まぁセットアップと片付けの時に精密ドライバーが1本必要なのはどうするのよ、という話はありますけど、精密ドライバーは大体部屋の隅か机の中には転がってますから問題ないかなと。
まだ怖くてこれで面ファスナーは縫ってないんですけどね・・
うまくいくといいんだけど・・