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2025年05月27日 イイね!

COLOR-SKOPAR 28mmF2.8を買った話。

COLOR-SKOPAR 28mmF2.8を買った話。こんばんは、銀匙です。

さて、SONYのEマウントレンズはNEX3の発売当時に比べれば随分とにぎやかなラインナップになったのですが、銀塩時代のミノルタレンズラインナップと比べると大きな穴が存在します。それは

28mm単焦点レンズの少なさ

です。
先日紹介したSEL16F28も換算24mmですし、E/FE全て見回しても28mm単焦点はFE28mmF2.0の1つだけ。
そしてこのレンズも別にGとかでもなく、ワイコンとか付けて遊べますよ的な、あまり力を入れている気配が感じられないレンズです。

別にミノルタ時代を回顧したいわけではないのですが、私はずっとGRDigital4が手放せない、写真の広角といえば28mmという人間です。
そして28mmという画角に相応しい使い方といえばフットワーク、つまり自分が歩き回って近寄って離れてを繰り返して撮影するので重たいレンズは似合いません。

ゆえに銀塩時代から最新、一眼から引き延ばしレンズまで、特に小さくて軽そうな色々な会社の28mmレンズはだいたい手を出してきましたし、気に入らない物は下取りに出して整理しているのですが、これがなかなか残らないのです。
GRDigitalと同じメーカーであるリコーのライカMマウント用のGR28mmも買いましたが、α7Ⅱでもマゼンタ転びが酷くて使いこなせませんでした。
なのでいつまでもGRDigital4を手放せずにいますし、GRは1から3まですべて買いましたが、全部気に入らず1ヶ月と経たずに手放しました。
本当にGRDigital5が出ないかしらと肩をすくめるしかありません。

私が現在手元にフルサイズボディとして置いてるのはα7SⅡで、これはほとんどバルナックライカレンズ専用機と化しているのですが、マウントアダプタを豊富に揃えたとしても小さいレンズを求めればフランジバックが短いレンジファインダーレンズかミラーレスレンズを求める事になります。
換算24mmのSEL16F28や換算30mmのSEL20F28があんなにパンケーキなのはその辺りの焦点距離がパンケーキとして作りやすく需要もあるからだと思うのですが、なぜかソニーはAPSCなら18mm、フルサイズなら28mmというレンズを出してくれない。
24mmと28mmと30mm(35mm)は全部意味の異なるレンズなのですが、24と30があるから28は要らんと判断されてしまったのでしょうか。
24mmは複数ラインナップしているというのに、とても残念でなりません。

そして先程示したSEL28F20は実は何度も買いに行っては店頭で唸って結局買わないレンズの代表格なのですが、何故かといえば鏡筒が長過ぎ、そしてボケが汚いのです。
さらにいうとミノルタ時代のAF28mmF2を持っていて、そちらの方が描写や色表現は遥かに良いのです。LA-EA4経由前提になるので御世辞にも小さいとは言えませんが。
どうしてLA-EA5はあんな中途半端なまま捨て置かれているのか理解に苦しみます。ミノルタのラインナップをカバーするつもりがないなら、LA-EA5で全てのEマウントボディでコントラスト検出AFで良いからとりあえずAマウント全部AF化出来ますよとファームアップすれば今開いてる幾つもの穴をカバーできると思うのですが。

一眼レンズでも例えばオリンパスのOM28mmF3.5のように、写りも良く鏡筒が短くコンパクトなレンズはあります。ただ、直接OMボディで使うならともかく、OMマウントとEマウントのフランジバックの差が結構あり、α7SⅡでマウントアダプタを経由すると長物になってしまうのです。
オリンパスはオリンパスで社内が大変な事になって、フォーサーズ規格にとらわれすぎてフルサイズを出さないので折角のOMマウント規格が死蔵されてるとか色々ありますけどね。
フォーサーズで友達だったはずのパナソニックはシグマと共にライカバヨネットL規格でフルサイズ路線に乗っちゃいましたし。

じゃあ今まで買った中で良かったものは何かといわれると、
1)ORION15-28mmF6(L39マウント):
→圧倒的に軽く小さく、ライカマウントなのでアダプタも短く、写りも良い。ただし解放Fが6とかなり暗いし、パンフォーカスの実用はF8から。せめて解放F4ならと思う。逆光のゴーストとボケのざわつきに注意。なお今はまず売ってない。

2)OM28mmF3.5(オリンパスOMマウント):
→軽く小さく写り良し、ただしもともと一眼のOMマウント用なのでアダプタが長いのでα7での取り回しは普通。少々ボケがざわつく。最近妙に高騰中で店頭で見なくなった。

3)MINOLTA-AF28mmF2(ミノルタAマウント):
→写り良しボケ良し。一眼レンズとしては小さい方だがLA-EA4前提となるのでデカいし重い。まともな個体はほとんど見なくなった。

次点)MINOLTA-MF28mmF2.5(ミノルタMDマウント):
→写り良しでとても安価。一眼レンズなのでアダプタ長め、レンズ自体も長め。逆光のゴーストとボケのざわつきは多め。MDレンズの中でも割と珍品なので店頭であまり見かけない。

こんな感じです。PENTAXのSMC28mmもレンズ自体は小さいのですがいかんせんM42にしろAにしろフランジバックが長い。同じ理由でニコン・キャノン・リコーのレンズも候補から外れます。
フランジバックの短さだけなら圧倒的にライカですがズマロンにしろズミクロンにしろ、もはや狂気の沙汰のお値段となっています。
例えばズマロン28mmF5.6なんて46万、ズミクロン28mmF2に至っては80万とか100万とかそれどこの中古車って感じです。
MのELMARIT28mmなら中古で15万くらいからあるよっていう情報が妙に安く聞こえますけど普通に考えたら高いですからね。
唯一買えそうなのはL39の35mmズマロンでしたけど、そもそも28mmではなく35mmですし、それでも中古で7万です。
そういう意味では1のORION15は売っていれば中古で4万くらいですが、アルミ鏡筒が黒く腐食しやすく程度が良い物がまず出てきません。最近では店頭で見ること自体無くなってしまいました。
20mmルサールは再販されたのですがオリオンは出てこないですね・・

なのでSEL28F20で妥協しようかと思えば中古で3万くらいで買えてしまう。
焦点距離を2mm我慢すればSEL16F28なら1万円以下です。
単焦点に拘らなければSEL1855なら1万少々です。
いかにフットワークが軽くなるコンパクトな28mmレンズというものを欲すると酷い事になるかが解りますね。
なので前回はSEL16F28とNEX5Rというコンパクトなコンビを組み合わせてみた訳ですが、やっぱり欲しいんですよね、ちゃんと撮るための28mmってのが。

大きさだけなら少し前からアマゾンで見かける、中国製の某28mmF4.5のレンズなんかは結構良い線いっているのですが、致命的な事に絞り機構がなく、よりによって中途半端なF4.5での固定と解った時点で候補から外れました。

この辺りをカメラ屋の店員と話したのですが、たとえば最近中国製レンズメーカーでライカレンズのレンズ構成を丸パクリして10数万の値段をつけてたりするのですが、初動は良くてネットで評判になるも、少し経つと中古市場でだぶついて程なく新品が売れなくなるというパターンに陥るそうです。
そしてその中国から今も大量に転売ヤーが日本や欧米のレンズを買いに来ると。

現在は特許社会ですから、全く同じ形や機構にすると訴えられ、膨大な賠償金を払う事になります。
なのでフォーカシング機構で動かすレンズの枚数を変えたり、レンズ形状をほんの少し変えたりしているようですが、そこで弄り過ぎて肝心な描写やボケまで台無しにしたり、その形状なら必要ない筈のフォーカスロック機構をつけたりと、どうにも対応にチグハグな印象があります。
結局彼らは特許だけ小手先の技術で回避しようとするから、その製品がなぜそういう形をしているか、なぜそこが動くのかという意図を理解していないのだろうと店員は言っていました。
確かにCCTVレンズにライカ風フォントを印刷しただけの数年前の製品に比べれば製造精度は上がっていますが、進歩には光学的、あるいは使い勝手を意識した設計をする気があるかどうかが重要ですし、だとすればタイヤ同様、現在の中国製品にあまり大金を投じることに意味はないと思います。
刹那的に特許を回避した、安さだけが売りの見掛け倒し的製品のままなら、です。
韓国に関しては例えばサムヤンはMFに限ればかなり良いレンズを作っていますので、中国よりは技術をモノにしている感じがします。怖い怖い。

景徳鎮や料理、酒などを見れば分かるように、元々中国人は器用で頭も良く努力できる人達です。なのになぜ刹那的で短絡的な詐欺を働くことだけ本気になり、技術を会得しようとしないのか。
鄧小平があれだけ先進国の工場や企業を誘致したのに、クマのプーさん時代までかかっても何も変わらないのは勿体ないなあと思ってます。
戦後の現中国政権が国民同士を疑心暗鬼にさせる政策を止めない限り、刹那的に他人を騙して生きていくやり方は変わらないのかもしれません。
もっとも、本気で変わったら変わったで日本が没落するので困りますし、日本や欧米、ロシア、インドだって中国の事言えるのかといわれると黙るしかないです。
ポル・ポト率いる旧カンボジア軍事政権なみに冷酷な共産党政治になったのも、あまりにも多民族すぎる状況を力で押さえつけるしか内政安定策が無かったともいえますし、結果として賄賂で役人が堕落し、漢民族への恨みが集まり、そこに日本以上に急速な少子高齢化が襲っているとかそこまで話を広げてどうするんだ私。

さて、話を元に戻しまして。

そんな訳で28mmレンズ探しを続けている中で、今回買ったのがフォクトレンダーのCOLOR-SKOPAR 28mmF2.8というレンズです。
私が買ったのは写真の通り、Type1というバルナックライカ風味の強い外装を持つシルバーの個体で、マウントはVM、つまりライカMバヨネットマウント。
新品です。
何故かというと全然中古が出てこないんです。
L39マウントとかType2はいくばくか出てきましたが中古でも新品Type1のVMマウントよりはるかに高いんですよ。
そうこうしてるうちに新品在庫までどんどん売り場からなくなっていて、これは在庫があるうちに買うしかないと思い、中野のフジヤカメラさんで買ったのでした。
支払った値段は大体52000円。
下取り値引きとかあったので恐らく最安値に近いと思います。
ちなみにSEL28F20やSEL20F28で妥協していれば中古で3万少々。
それに比べれば高いわけですが、居並ぶライカレンズのプライスタグを見ていると文字通り1ケタ安いわけです。ライカレンズって中古でも2桁万円ですし。

で、買う前に心配していたのが鏡筒がシルバーであるがゆえの色のマッチング。
SEL16F28の時にも言いましたが、ボディが黒一色でレンズがシルバーって微妙に浮くんですよ。
もっと困るのはα7Cのようにボディにシルバーが配色されていても、そのシルバーとレンズのシルバーが微妙に色が違う場合。正直これが格好良くない。
ただ言ってしまえば格好の問題なので性能優先で考えればどうでもいいのです。
もちろんフォクトレンダーというかコシナはその辺もフォローしていて、COLOR-SKOPAR 28mmF2.8は全てのバージョンでブラックペイント版があります。
ただ、1万円以上高いんですね。
性能全く同じなのにお値段高いって私は納得できないんですよ。
あれば中古で全く構わないですし。
なのでシルバーを買ったわけです。
じゃあどうだったかというと、



意外と浮かなかったのはひとえに銘板と標準添付のレンズフードがブラックだったからでしょうね。
SEL16F28でもそうでしたが、銘板とフードが黒いと黒ボディに割と溶け込んでくれる気がします。
あとはこのシルバーの質感がプラスチックに銀色塗りました的な銀色ではなく、重さを伴った鈍い銀の発色という事もあると思います。

私はコンパクトさを求めてType1にしましたが、工夫にもなりませんがEマウントとVMマウントを埋めるアダプタにはヘリコイド機構がついています。
そして普段はアダプタ側のヘリコイドでピントを合わせているので、このレンズ自体についているフォーカスロック機構はどうでも良いといいますかマクロ撮影の時にしか使っていません。
ただ、ライカ本家よりロック機構の解除もロックも滑らかで力がいらないので撮影の邪魔になる事は少ないかと思います。
また、Type2は直進ヘリコイドになった以外にアルミを多用していますので、僅かでも耐久性を求めるならType1に分があると思います。
ただまぁ、初代UltraWideHeliarはもう修理不能となりオーバーホールまで拒否されましたので、コシナさんの会社としての姿勢には疑いを持ってますけどね。
ライカレンズを作る会社なら製造終了後1世紀は修理可能にしてもらわないと(ry

肝心な写りの話になるのですが、さすが最新設計の新品レンズ。
ピントピークのきちんと出た描写は鋭く、発色はやや青っぽくも豊かです。
青空を多めに入れた風景写真とか良さそうです。
ボディ側でコントラストを上げて彩度を落としても良いですし、逆にコントラストを減らして彩度を上げても良いです。
花や人物目的なら赤に転ばせても良いかもしれません。
外観はレトロでも中身は最新。ボディについていけるレンズです。
もっとも、私は1200万画素しかないα7SⅡで撮影してますので、α7RⅣとかの超高画素機で撮影してどうなるかは知りません。
ただ、ライカ自体が6000万画素機などを投入している中での新品ですから、相応の高画素対応はされてるとは思います。
1枚だけ雑なサンプル。フロントガラス越しに撮ってますが撮って出しです。
ナンバーだけは塗りつぶしましたけど。


オールドボルボの青のグラデーションやビルのガラスの質感など、私は現代的なレンズ設計だなあと判断しています。
確かF5.6位ですが、ボケもガサガサしてないですよね。

というわけで、私は総じて良いレンズと評価します。
解放Fが2.8を気にするかもしれませんが、風景やスナップシュートならF8以降まで絞るでしょうから1.4でも2.8でも大した問題ではありません。
何より写りが良くてコンパクトな事が重要です。
唯一星空撮影なら解放F値が物を言うかもしれませんが、その時はα7SⅡの最大ISO40万まで可という仕様に物言わせてF3.5か4位で撮ろうと思います。
もっとも、夜景ならRX10M3やRX100のM3以降で撮る方が良い結果になるでしょうけど・・彼らは普通に天の川撮れますからね。

まとめれば、軽快なフットワークを28mmに求める場合、Eマウントユーザーは難民になりがちですが、COLOR-SKOPAR 28mmF2.8を頼ると幸せになれる可能性が高いですよ、という事になります。やっぱり中古市場で見かけないレンズは名品が多いですね。
あ、当然ですがこのレンズはMFです。
AF機構は入ってませんのでご注意を。
また、Type1に関して言えばフィルタ径が34mmととても小さい為、プロテクタでさえ入手性に難がある事に注意です。

では、では。
Posted at 2025/05/27 21:52:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | α7とオールドレンズ | 日記
2025年04月27日 イイね!

2025年時点でのオールドレンズとカメラ事情

こんにちは、銀匙です。

私は2007年頃からカメラの趣味を始めたので、後数年で20年になります。
そして時々中古カメラやオールドレンズ事情とかオススメレンズとかを紹介してきたので、今回もちょっと触れてみようと思います。

まず結論から言うと、カメラもレンズも高くなり過ぎて、おいそれと手が出せないものになってしまいました。
主たる要因は国内外の給与格差とインバウンドに紛れた外人転売屋の流入です。
そこにNISA等による円資産での米国株購入で歴史的な円安に振れていることも外人にとって割安感を加速させています。
元々あった半導体不足と物価高のトレンドなどがぴたりと嚙み合い、2013年発売の初代α7Rが18万円前後だったのに対し、最新のα7R5はついに57万円に達してしまいました。
ちなみに初代無印α7は14万9800円だったりします。
更に言うとAPS-Cボディでは初代NEX-3がレンズキットで7万円でしたが、現在のα6400はボディだけで13万円です。

α7系だと第2世代のα7Ⅱ、APS-C系だとNEXと呼ばれていた頃はまぁまぁ買える値段だったわけですが、その後はうなぎのぼりでしたね。
とはいえ、その頃はまだ「新品の価格」だけであり、中古価格は妥当でした。
ところがコロナショックの後の異様ともいえるスタグフレーションで円の価値が暴落し、食料品の値上げに気を取られている間に中古市場もまた、静かに急速に値上がりしたのでした。
さらにここ2年程度に限るとコンパクトカメラがブームになっているようで、たとえばもう修理すらしてもらえないGRDigital4でも5万以上の値が付いています。
新品でも39800円だったニコンのB700なんて、まともな程度なら5万円です。
ただし、何でも買取値はしょぼいままなんです。だから売り時でもない。
例えばGRDigital4は完全動作している物でも下取りで大体2万円、B700に至ってはたった15000円にしかなりません。
ちょっと異常ですよね。

なので今からボディを買ってレンズを買って1から始めよう、ちょっと試して合わなければ売れば良いや、というスタイルはさすがにタイミングが悪いです。
特に新品で買うのは費用対効果が悪すぎると思います。
待ったところで値が下がるのかと言われると、金相場を見る限り・・ね。
プーチンが死んで欧州の穀物事情が落ち着かない限りは無理な気もします。
更に言えば何でもスマホが駆逐していくので、状況が戻ってももはや製造してくれない、なんてこともあるかもしれません。
コンデジは防水モデルとかを除けばそうなりそうな気がします。
実際、車のアフターパーツでもカーオーディオとポータブルカーナビは本当に国産品が駆逐されかけています。こちらはスマホと粗悪な中国製品のダブルパンチによるものですが、車内でショートして燃え出しては困りますから、ちゃんと製造された国産メーカー品が消えない事を願いたいものです。

さて、カメラの中古市場で始めようとした場合ですが、こちらも考える事は皆同じですし、さらに外人の転売ヤーと争う事になります。
現に最近新宿の中古カメラ屋に行くと、中国人と思われる連中が何人も店内で中国語で通話しながら店内を我が物顔で歩き回り、日本人の客を押しのけて店員を呼びつけては大声で結果を通話する、なんてことが日常茶飯事なのだそうです。
私も現地文化を無視した傍若無人なさまを見ていましたが、こんなことなら1ドル70円位の超円高時代の方が良かったなあとしみじみ思いました。
だから中国人は世界から嫌われるという事をそろそろ学んだ方がお互いの為だと思うんですが。
ただ、日本人もエコノミックアニマルとか言われてたバブル時代、欧米であんな事してたんだとしたら恥ずかしい限りです。

とはいえ。
いわゆる性能では最新の物には劣りますが、エントリー機として普通に使えてオールドレンズの相手位なら出来るよ、という選択肢はあります。
現状だと例えばα7の第2世代、α7Ⅱ、α7RⅡ、α7SⅡ辺りですね。
オススメはα7SⅡでしょう。
このシリーズはバッテリーがNEX系と同じNP-FW50なのですが、純正も互換品も数多く出回っており、初代よりはボディ強度も受光部のクセも少ない。
連写性能や果てしない細部の描写となれば最新型の方がいいでしょうが、今度はオールドレンズの方が対応しません。
例えば私はライカのズマールというとんでもないクセ玉を持ってますが、α7SⅡに取り付け、ピクチャプロファイルをPP7のモノクロとかにして撮影してます。
この方がクリエイティブスタイルでモノクロを選ぶより色々弄れるんですよ。
α7SⅡは35mmフルサイズ機ですが、高感度対応する為に1200万画素しか持っていません。その割に暗いとすぐノイズ入りますけどね。
しかし第2次世界大戦前の1938年とかに作られたズマールはCMOSなんて設計前提にしていません。
それどころか何でも受け入れてくれる銀塩フィルムの、それも大して技術が進んでいない時代のレンズですから、受光部側が悪食であればあるほどいいわけです。
ちなみに64GBのメモリカードで撮影可能枚数は6000枚を超えます。
1週間の撮影旅行でスナップショットし続けても使いきれませんし、MF専用のオールドレンズだとバッテリの減りも穏やかなので、実質バッテリ1本で1日撮り放題です。
PCにコピーする時も1枚2MBくらいしかないのでとても快適です。
それでも画像サイズは2700x1800くらいなので、24インチ前後の2Kモニタならそのまま、フルHDMI程度の画面なら切り取るか縮小して壁紙として使えます。
先ほど言ったピクチャプロファイルとかで色々弄るとフランス映画風の写真になったりモノクロ写真でも設定の幅が広いので面白いです。

画質で言うとα7RⅡが一番ですね。4240万画素は伊達ではありません。
撮影した一部を切り取って壁紙に使う、なんてことも出来ます。ファインダーもT*コートですし見やすいです。α7SⅡと比べてもさほど高い訳でもありません。
注意点としては1枚の画像サイズが大きいので撮影テンポが遅くなること、それなりに転送速度が高く、記憶容量のあるSDHCメモリカードが必要ですという事ですが、後者は今なら大丈夫。十分良いものを選んでも妥当なランニングコストで運用できるでしょう。なお無印は初代からの伝統通り一番そつがなくお安いです。
α7の第2世代は複数のオーナーを渡り歩く間に荒っぽく使われた個体も増えてきているようです。液晶のコート剥がれ、本体の凹み、傷、塗装の剥がれなどが目立つ機体は避けましょう。
また、インバウンドのせいでしょうが、日本語非対応の個体も見受けられますので買わないようにしましょう。Ebayとか見てて思うのは、海外の人って使い方が荒いです。傷とかゴム剥がれとか何も処置せずに使ってますし。
何がExcellentだMintだジャンクだろうこんなものと立腹したのは1度や2度じゃありません。

APS-C受光部のボディについては、今は買う理由がありません。
NEX系のカメラボディは中古屋でほぼ値段がつかなくなりましたし、市場からも消えました。
αの4桁ボディに関しては地味に高いのに電子水準器さえついてない個体もあり、さらに撮影範囲が狭くなること、販売価格などを考えると推奨できません。
7万でα6300を買うなら8万でα7Ⅱ買った方が良いと思います。
まぁ連写性能を重視し、APS-C専用のEマウントレンズだけでやりくりしていくんだっていう考えなら止めませんけども。
後は奇跡的に出てきた程度の良いNEX6で遊んでみたいとかね。

そして何より勧められないのがコンデジです。
上に述べたGRDigital4を5万で買うとか、GR3を12万で買うなら、正直スマホに良いカメラアプリ入れた方がいいんじゃないかと思います。
確かにスナップショット専用とか価値が無いわけじゃないんですけど、今のブームの理由はレトロな写りだそうですから、スマホでレトロ風に撮影したも変わんないと思いますし、意外と普通に写るんですよ、コンパクトカメラって。
ただ、困るのはアフターレタッチがほぼできません。パパッと撮って誰もがまぁ及第点といえる写りを大体のシーンにおいて行えて、そつのない写りというのが大抵のコンデジの作り方です。
ただ、そうじゃないコンデジもある。
私もこう言ってますけどGRDigital4やdp0クアトロ、RX10M3とか持ってますしね。
ただ、稼働率という意味で言えばクセの強いdp0クアトロが一番多いです。
「完全静止状態で風景を撮影する持ち運べる中判カメラ相当のコンデジ」と、ハッキリ使途が決まってますからね。それが必要なら必ず持ち出します。
遠方に出かける際にRX10M3だけとか、出来るだけ荷物減らしたくてGRDigital4だけってこともしなくはないです。ちょっと不安ですけど。
ただ、いずれにしても今買うには高すぎるんですよ。
せめて今の半額位でないと。
GRDigitalは3なら5年くらい前なら2万切って売ってましたからね。
さすがに今の相場はおかしい。

それと、レンズの方でも1つ注意したい情報があります。
名指ししてしまいますが、コシナ、つまりフォクトレンダーとライカ用の一部のカールツアイスレンズです。
何が問題かというと、もう修理不可なんです。
例えばUltraWideHeliarの初代は修理不可と断られます。これはメーカーもそうですし、一般の修理業者でも私が知ってる所はアウトでした。
確かに新規発売年は2000年であり、そこから考えれば25年前なんだから無理と思われるかもしれませんが、同じく電子部品を持たない金属とガラスの塊という意味では100年近く前のライカの戦前のレンズなんかは普通に修理してくれるところがある訳です。

私が外国というか欧米で評価している数少ない点の1つに、レンズに限らずとんでもなく古い製品でも部品が手に入るという事。
車で言えばイギリスやアメリカでは60年代の車であろうとも部品を作ってくれる業者が無数に存在し、T型フォードでさえ直せるわけです。
日本車のように製造終了後7年経ったら後は基本的に在庫部品のみ売るという姿勢よりこの辺は好ましく思います。中国もこの辺は欧米を真似したらよかったのに、どうして日本や韓国の使い捨て文化を真似してしまったのか・・
まぁ日本車の部品を中国製の互換部品があった所で買いたいかと言われると微妙ですけどね。ミッションギアとか焼き入れして無くてアクセルひと踏みで歯が欠けそう。それで連絡しようとしたら既に倒産してて行方不明ってね。

さて。
カメラボディを持ってる人なら次にレンズとなるでしょうが、こちらも新品市場はあまり芳しくありません。品数は確かに増えましたが、初代NEX-3とかの時代に比べ、ミラーレスカメラ用のレンズは信じられない程大きく重く高くなりました。
結局一眼レフのデジカメが駆逐され、ミラーレス自体が肥え太った形です。
プリズムファインダーがEVFになっただけやんかってね。
個人的にはNEX6の受光部がフルサイズになった物を見たかったですが、それをもう少し太らせたのが今のα7Cシリーズと言えなくもありません。
圧倒的に重くて大きいですけど。

で、レンズに話を戻しますが、特定個体をオススメすると外人転売ヤーに荒らされるから言えない・・というわけでもなく、さすがに1980年代のレンズと言えどもう40年前なので、一概に勧められないんです。
まず状態の話があって、直せるのか直せないかがあって、ちゃんと動くならどれくらいの良さや特長があって、それで販売価格が幾らだから買って良いよ、みたいな感じなんですよ。

例えば私は先日、ずーっと探していたカールツァイスのフレクトゴン25mmF4のゼブラモデル(M42マウント)を25000円で買いました。
注釈にオーバーホール済とあって、実物でもレンズが大変綺麗で、絞りもピントリングも滑らかに動いていて、それでこの値段なら良いという判断です。
実際α7Ⅱにつけてますが悪くないですよ。昔から良いとされている広角レンズですからね。
ただ、まぁ28mmクラスのレンズがゴロゴロ良いものがありますし、値段も安いわけです。それこそEマウントレンズの最初の1本であるSEL16F28だって35mm換算24mmで、大きさ比べたら天と地の差があります。
そしてそこまで写りに差が出るかと言われたら、出ません。
SEL16F28だってF8くらいまで絞り込んだら結構いい写りしますよ。さすがに両者横並びできちんと撮ったらフレクトゴンに軍配が上がりますけど大きく重いのはそのとおりですからね。
だから25000円なんだと言われればそうなんですが、まぁ書物やレビューとかで見ていて、いつか縁があったら手にしたいなと思っていた1本と巡り合ったから買ったという、その人にしか分からない部分込みでの「買い」な訳です。
ちなみにこれは昔の方が高かったです。
10年前は6万とか8万とかのタグがついてる事もありました。
新しいレンズが11mmとか14mmといった超超広角レンズがゴロゴロ出てきて、今となっては25mmなんて広角でもないよ的な評価になったんですかね?
かくいう私も最広角はHeliarHyperWideの35mm換算で10mmというレンズを持っていますけど、18-24mm程度の広角の方が撮影しやすいんですよね。それ以上広いと余計なものを画面から外すのに苦労しちゃって。

そういうわけで、例えば私のようにカタログとかレビューとかで想像を膨らませつつ巡り合った時に買えたら買うとか、常に世界で最も広角を集めるんだとか、カーレースの撮影の為に超望遠の一番良いレンズを探し続けるんだとか、自分の旅行にあったセットを探すんだとか、自分と同い年のレンズをコレクションするんだとか、まぁ人によって理由も用途も違います。
ただ、いずれにせよオールドレンズは傷んでいて普通です。一概には言えませんけど、新品で売ってる最新のレンズに比べたら性能で劣るかもしれません。
必ず言えるのは、自分の目で実物を確かめて、動かせる部分は動かして、何となく引っかかる気になる点が無ければ買ったら良いという事です。
見落としてたら自分が損するだけですし。
見る所は異なりますが、概念としては中古車買う時と同じ嗅覚が求められます。

全体的に回りくどかったり曖昧な表現になっているのは転売ヤー対策ってのもあるんですが、上辺だけさらって自分のネタとして発表するどこぞのチューバー対策という意味もあります。
彼らは自分で探さずボットに収集させてAIで要約しますからね。
なのでここにたどり着いた普通の人はさらっと書いてある事とか、行間を読んで頂けると嬉しいです。

Posted at 2025/04/27 14:31:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | α7とオールドレンズ | 日記
2024年05月03日 イイね!

カビたレンズを買いまして。

カビたレンズを買いまして。











ご無沙汰しています、銀匙です。

ええっと、昨年まではコロナに怯えたり罹ったり、会社から見捨てられるような大病にかかって一世一代の大手術を受ける羽目になったりと散々なもんでしたが、どうにか厄の山場も過ぎたようでして。

それで久しぶりにネットで中古カメラの様子を見たんですが、すっかり様変わりしてますね。
とにかく古いレンズが無くなってる。無くなってるから値段も上がってる。
まぁこれは歴史的な円安を政府が放置プレイしてるから訪日外人が買い漁っていったのかもしれません。

で、私はというと一旦手放していたα7系のフルサイズミラーレスをもう1度買おうかと思いまして、ほうぼう探して中古のα7Ⅱを手にしたのでした。
α7Ⅱは何度か買って全部手放してきたのですが、α7R2とかα7Sとかα7Cとかに比べると、一番そつがないんですよね。
確かに斜めの光についてはα7R2が一番強かったですが、いかんせん画素数が多すぎて良いSDカードを買っても保存時間が遅い(画素下げればいいんですけど)
α7Sは別に良い所が無かったし(高ISOでは普通にノイズが乗った)、α7Cはとにかく重かった。α7Ⅲ以降は重すぎて問題外。

程々の重さで、4桁αやNEX6といったAPS-C系ミラーレスと共通のバッテリであるNP-FW50が使えて、オリジナルα7よりはオールドレンズ耐性があり、純正レンズじゃなくても手振れ補正が使えるってなると、α7Ⅱなんですよね。
数日前で8万円位とフルサイズ勢としては手頃な値段というのもありますし。
ただ、一番持ち出したのはオリジナルα7だった気がします。
とにかく小さくて軽かったから。広角では割とマゼンタ被りには悩みましたけど、軽さは武器なんですよ。

話がそれました。

で、そんなフルサイズミラーレスを買ったので、レンズもひとつ純正のいいやつ買おうかしらと思ったら、この数年で何があったのというくらい、デカくて、長くて、重くて、物凄く高くなってる。
一昔前の一眼レフ用レンズより酷い。

売り場に案内されて2秒で買う気を無くした私は、すごすごと店を後にしてカメラ街を彷徨いまして。
人間何年たっても基本的な習性、特に落ち込んだ時とかの行動って変わんないもんでして、気づいたら中古でもジャンク系の店を回ってまして。
昔に比べたら高くなったもんだなあと思いつつも見知ったレンズがある事にほっとしつつ、気づいたら2本ほど買っていました。

1本目は、オリンパスOMの28mmF3.5。
オリンパスOMレンズ(マニュアル一眼レフ用レンズ)は、庶民用の安価なレンズの方が良い性能を叩き出す名玉が揃ってます。
目しかピントが合ってない剃刀ピントとかボケを求める向きには合わないでしょうが、この28mmクラスでもF2やF2.8とかを差し置いて、一番安価だったF3.5が一番良い写りをします。
いわゆるオリンパスブルーを色濃く映し出し、コンパクトでそつがなく風景撮りにぴったりです。
フルサイズαとの相性も良く、安価なOM-αアダプタ1つで機能します。
今回手にした1本は大カビありでしたが、絞りもヘリコイドも問題なく、分解した形跡もなく、3500円でした。

2本目は、ペンタックスSMCタクマー55mmF1.8。
もう定番中の定番。旧世代の金属ローレット版ですが、タクマー55mmはM42レンズでもオールドレンズでもとにかく最初の1本として定番です。
単焦点に求められるキレイなボケと先鋭な写りを同居させ、45cmから無限まで普通にピントが合い、シンプルで頑丈な構造はよほどのハズレ個体を掴まない限り修理可能で、特にSMCコートはカビにも割と耐性がある。
私も一時期探していましたが、8枚玉の50mmF1.4なんてのもありまして、あちらはコレクターが暗躍したのか馬鹿みたいに値段が跳ね上がりましたね。
正直歩留まりとか実用的な意味での扱いやすさでは圧倒的に55mmF1.8の方が上です。ラフにシャッターを切ってもそこそこ見れた写真にしてくれるんです。
こちらの個体も大カビあり、曇りあり、黄変ありでしたが、絞りとヘリコイドは正常、分解した形跡なしで3000円でした。

10年くらい前なら両方とも500円とか1000円で見かけたもんですが、今更それを言った所で仕方ありません。ガソリンだって昔はリッター100円切ってたんですからね。

その2本と中古のフィルタ2つ買って持ち帰り、早速α7Ⅱにつけます。
操作性は問題無し。カビはやっぱり写りに影響が出てますね。
というわけで久しぶりに工具一式を引っ張り出し、極薄のニトリル手袋をはめ、薬剤を並べてオペ開始。老眼が進んだなあ。
OM28mmF3.5にせよ、smcタクマー55mmF1.8にせよ、何度となく分解した事のあるレンズですから手が何となく覚えてるもんでして。
何組か手袋をダメにしながらカビたレンズ面にたどり着き、富士フィルムのレンズ用カビ落とし剤と70%エタノールをつけたシルボン紙で交互に拭いていくとあらかた落ちました。
後は乾いたシルボン紙とエアダスターで吹き飛ばしつつ組み立てていきます。
そりゃまあLEDの強烈な直線光で見れば、特にクモリの方は見えてしまいますけども、白熱球程度の光なら小ゴミあり、程度には回復し、パッと見て判るような白っぽい濁りやクモの巣状のカビは消し去りまして。
α7とマウントアダプタでちょっとだけ∞を通り越すようにピント位置も調節しまして。
オペというか、オーバーホール完成でございます。

ところで、オールドレンズの魅力とは何かというと、一言で言えば郷愁、懐かしさなんですね。
物体が反射する光をデジタル的に正確に記録して保存して再現する事は、正直スマホカメラでも出来ますし、現在新品で売ってるレンズとカメラなら出来ると思うんです。
ただ、人間40だの50だの過ぎてきますと子供の頃とか若い頃の文化に懐かしさがあって、居心地が良くなるんですね。昭和という時代と文化なんて今から考えればとんでもないブラックな文化だった訳ですが、その時子供だった人間は、その頃の文明の端っこを現在見ると、ああ良いなあと思ってしまうわけです。
だから今若い人にその感覚を共感してもらうのは不可能です。今若い人達は30年40年先に、今の文化に触れると同じ感覚を有してくれるとは思いますが。

例えば。


こんな写真がありまして、撮ったのが一昨日と言ったらどう思いますか?
これがオールドレンズに嵌ってしまうか否かの分岐点とも言えます。

こういう、こってりした色遣いや、決して解像度の高くない、それでいて柔らかさ、優しさのある写りは、一言で言えば銀塩カメラの描写です。
それも電動モーター世代よりもう1つ前の、手でフィルムを巻き、ファインダーで2重像が1つに重なったらおもむろにシャッターボタンを押し込む、あの世代の感覚です。PENTAXならSPとか、CANONならF-1とか、ミノルタならSRT101とか、そんな辺りです。α7700より前です。
もう少し表現が古くなるとモノクロが似合うようになり、ライカの小さなレンズを血走って追い求めるようになるでしょう。

往年の写りで現在を撮ってみたい。

それが琴線に触れたら、きっとオールドレンズは楽しいと思います。
ちなみにこれを撮ったのはMD45mmF2という、ミノルタのパンケーキレンズとNEX6です。アダプタにフォーカルレデューサーをつけているのでAPS-Cカメラでもフルサイズと同じ画角で撮影出来ます。
MD45mmF2はパンケーキレンズですがダブルガウス構造を有しており、ボケの綺麗さに定評があります。ミノルタらしいこってりした色乗り、滑らかなボケ、いかにもという1枚になりました。

ずいぶん高くなってしまいましたが、ジャンクを直す技術が無くてもまだ2万もあれば定番や基礎的なレンズが買える今が、オールドレンズを趣味とする最後のチャンスかもしれません。ボディとしてもまともな程度のα7Ⅱは今後減っていくでしょうし。まぁこちらは別に何が何でもα7Ⅱでなければいけないわけではないので、まだ猶予はあるでしょうけども。

さて、特に今日からのGW後半戦は天気も良く休日の並びも良くて多くの人が4連休でしょうから、昨日の夜から首都圏を脱出する方向の高速は大渋滞、なーんてニュースを横耳にレンズを弄り回すのは楽しかったです。
折角大手術を経て半身不随にもならず、多少歩行困難になったぐらいで済んだわけですから、やれることをやって生きていこうと思います。

人間、楽しみが無いと労働とかいう苦役なんてしたくないもんです。
ただ生きるのだって一苦労なんですから。
皆様にも良い楽しみが見つかりますように。

では、では。
Posted at 2024/05/03 20:54:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | α7とオールドレンズ | 日記
2021年06月17日 イイね!

広角よりちょっと広め、でも広すぎない20mm前後のレンズについて(6/19追記アリ)

こんにちは、銀匙です。
さて、「レンズシステム」の構築を考える際、超広角レンズの選択は結構悩ましいものです。
なぜなら情報がめっきり減るからです。
大体普通の人が使う焦点範囲は、広角端で24mm(35mmフルサイズ換算)なんですね。
なので28mmとか24mmのレンズは割と低価格で買えるし情報も多いのですが、そこから1mmでも広角になると途端に値が上がり、買う人が減り、情報が減る。

私は以前から超広角の終着点はVoigtlanderのUltraWideHeliar12mmF5.6だと言ってきましたが、これはもう極地の世界です。

 そこまでは要らない。
 でも24㎜じゃ狭いんだ。
 もうちょっと、あとちょっと、ほんのちょっとでええんじゃ。

そんな方の為に、現在入手可能な20㎜前後のレンズ3本について、同じ環境で撮った写真を元にお話ししたいと思います。
ただ、NikonのAi20mmとかCanonのNewFD 20mmとかOM 21mm F3.5ではありません。
その辺はきっと誰かが紹介してるはずですからね。
ちなみにこれらは大体中古で2~3万とお考え下さい。
なお、SONY純正の20mmF1.8(SEL20F18G)は新品で約11万円です。
そんな所を背景として含めつつご覧ください。


α7CにPENTAX SMCT20mmF4.5を装着した場合


最初の1本目はPENTAXのM42マウントレンズ、20mmF4.5です。
これは1970年代の発売であるので、オールドレンズとして紹介します。
とはいえ10群11枚で最短撮影距離は0.2mと、20mmレンズとしては十分現代に通じるスペックを持ってます。
鏡筒径は58㎜前後であり、PENTAXのM42レンズとしては太く、重いです。
中古の実売は新宿でおよそ2.5万位です。なのに買取の方は1万切ります。
しかしあまり見かけないという不思議な相場観です。

開放がF4.5ゆえ、開放でもそう滲んだりボケまくることはありません。
1ノッチ動かしたF5.6以降の方が絵は締まりますが、絞り羽が5枚しかないので逆光でもろに絞りの形が出てしまいます。

開放F4.5の1枚


1コマ絞ったF5.6の1枚


順光F5.6では画面四隅の端に流れが若干認められる場合もあるものの、総じて絵の締りはよく、端に行くに従って2字曲線的にどっすんと暗くなることもなく、広角だから特別と身構える必要はありません。

F5.6サンプル



ただ、開放でF4.5なので、夜景の撮影、特に星景写真に用いることは不可能でしょう。
暗すぎてシャッターが30秒を越えてしまい、星が動いてしまいます。




α7CにVoigtlander ColorScoper 21mmF4を装着した場合


次は現在も販売されている、ライカMマウント用のカラースコパー21mmF4です。
値段は新品でおよそ4万。中古は相場の動きが激しく、下手すると新品並みの値段を提示されたりします。
これはれっきとした現行レンズですし、画質を徹底的に追求とメーカーはうたってるのですが、一言で言ってクセ玉です。
まずは逆光を見てみましょう

開放F4


F5.6


以前説明したように、赤茶系のゴーストが映り込んでます。
その形も開放F4から複雑な有機形状ですので嫌な人は徹底的に気になるでしょう。
また、逆光でさえも四隅にはPENTAXの20mmF4.5より明らかな暗さがあります。
順光、斜光であっても全く変わりません。

順光、斜光サンプル



ただし、これだけコンパクトなレンズで四隅に至るまで流れがない点は素晴らしい。
いっそモノクロでハードコントラストとかにして撮ると良いのかもしれません。
クセをどう生かすか、撮影者に問われているレンズという感じがします。
例えばリコーのGR21のようなレンズと考えるとしっくりくるかと。
これもまた開放F4なので、星景写真には向きません。



α7CにTTArtisan 21mmF1.5を装着した場合


最後は今年2021年4月に追加されたばかりのレンズです。
バリ最新です。
製造元は中国は深圳の銘匠光学というメーカーのレンズです。
中国製レンズというとアマゾンでAPS-C専用レンズを5千円から1万円程度で売ってたり、マウントアダプター内にイメージサークルを0.7倍に縮小するレンズを組み込んだ、フォーカルレデューサーを売ってたりするメーカーに多いです。
彼らの源流は監視カメラ、CCTVカメラ用のレンズから成長してきたと思われます。
その為ColorScoperのようなクセ玉は無いのですが、味が無さ過ぎてスマホカメラと比べて何が良いのか悩むので、近年様々なマウント用に売り出されている、数万円クラスのMF専用レンズは手を出しませんでした。
今回のレンズはもともとライカM用で6万以上の高値がついていたのですが、ソニーEマウント用だと新品で3万少々と手頃になったので、21㎜という超広角で、明るい開放F値を持つレンズであることから購入に踏み切りました。
出たばかりのレンズなので中古が無く新品を買いました。
目的はもちろん星景写真に用いるためです。
星景写真の為だけに15万もするフォクトレンダーのノクトン21mmF1.4は買えないのです。

とはいえ、緊急事態云々のせいで星の綺麗な場所に行けないので、近所の昼間ではありますが撮影してきたわけです。
まずは逆光を見てみましょう

開放F1.5


F2


F5.6


開放の場合、もはや1/4000のISO100では足りずにオーバー露出となります。
さらにはこのレンズの評価で言われている通り、開放に近いと凄まじく滲みます。
一方でF5.6では普通の写真ですよね。これはF2.8辺りからこうなります。
また、今までの中国製レンズらしく、四隅にどっすんとした闇が出来るとかも無いです。プレーン。
広角レンズらしくない長い鏡筒の中には割と多いレンズが入ってるようです。
その証拠に結構重い。







ご覧頂いたように四隅の流れはないのですが、ボケという観点でこのレンズは微妙です。
ゾナー等の良いボケをするレンズでは、ボケ批評として「とろけるような」という表現を用いますが、このレンズでは「摺りガラスで滲んだような」という表現が合っています。
これは似て非なるものです。
銘匠光学はこのレンズのボケ具合を割と自慢しているのですが、私は好きじゃないですね。ピントから外れた所が唐突にザリザリする感じ。
昔の銀塩一眼のファインダーというと大げさかな?そういう感覚です。
とはいえ、このレンズの本領は宵闇の星が流れない程度のシャッタースピードで写す事。
また、星景写真ではわざとソフトフィルタを使って滲ませることで星を大きく見せ、明るく見せるテクニックもありますから、この滲み効果が意外と良い結果をもたらしてくれる・・・といいなあ。
実際撮ってないので何とも言えないです。

【追記】
自宅からですが、天頂方向に向けて撮影してみました。
F1.5(開放)


F2(1段絞った)


その他の撮影設定はISO1000の5秒シャッター(三脚固定)で同じです。
ただし空を暗くするためにトーン補正をどちらにもかけています。
2枚の写真どちらもで赤丸をしたのは同じ星ですが、F1.5だとこのぐらい滲みます。
F2で十分シャープになりますが、その分消えた星もありますね。
そこはシャッターを開くなりISOを上げるなりで対応できると思います。
ただ、上で書いた通り空が明るいのが自宅付近の家明かりによる光害の問題だけか、レンズにクセがあるのかは読み切れませんでした。

参考になれば幸いです。


蛇足ですが、星景写真を手軽に始めたいなら、実はMF世代の24mmF2.8レンズがあればいいのです。
(MFはマイクロフォーサーズじゃなくてマニュアルフォーカスの略ですよ、念の為)
なぜなら24mmという画角で開放F2.8を出す手法は枯れており、どのメーカーでも安定して良い絵を出します。
そして安価です。中古なら大体2万の予算で十分でしょう。
また、ターゲットが天の川などの場合、決してAFレンズ、特に電子制御式AFは避けた方がいいです。
電子制御式とは、フォーカスリングが永遠に回せてしまう奴です。距離指標が刻印されてない事が特徴。
なぜならまず、最新型のよほどの物を除けば、天の川の星では暗すぎてAFが合焦してくれません。
なのでMFモードでフォーカスリングを回して調節するのですが、電子制御式の場合、電源を切る度に焦点距離をリセットする仕様が多いのです。
星景写真では撮影に10秒とか30秒とかシャッターを開けるため、バッテリーの消耗が激しいです。
ゆえに使ってない時は電源を切るのですが、その度に焦点が例えば最短位置にリセットされるとその内人が再設定するのを忘れます。
ベストショットだと思ったらボケボケの写真、では泣くに泣けません。
その点、もともとMF専用のレンズなら、1度手動でピントを合わせたら、その位置でフォーカスリングにパーマセルテープでも貼って固定してしまえばズレません。
ピント合わせ自体は背面液晶で拡大しながら合わせればいいので結構厳密に出来ます。
AFが合焦しないよーなどと叫ばなくていいのです。
天の川とかになると45mmや35mmではちょっと狭いですね。
28mmならギリ良い所だけ入るかなって感じです。
裏返せば24mmで余裕な位広い空のある暗い場所でないと、天の川撮影には向いてないのです。
結構困るんですよね・・撮影場所。

いや、まぁ、ネットでなんぼでも天の川の綺麗な写真なんて転がっとるやんという話はナシにしてください。
スーパーの鮮魚コーナーでぎょうさん魚が並んでても釣りを趣味とする人がいるのと同じです。
自分で釣り上げることに意義があるんです(だんだん早口)
Posted at 2021/06/17 18:40:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | α7とオールドレンズ | 日記
2021年03月21日 イイね!

ヤフオクとレンズ修理とカラースコパー21㎜

ヤフオクとレンズ修理とカラースコパー21㎜こんばんは、銀匙です。

外が大荒れの中、宅配便の方が苦労して持って来て頂いたのが、先日ヤフオクで落札したオリンパスOMマウントの28mmF3.5というレンズ。
これ、以前持っていて結構好きだったのですが、ボディを変えていくうちにあまり使わなくなり、手放したのでした。

ところがα7Cが来て、そういえばOM系はコンパクトだし、ミノルタSR系に次ぐフランジバックの短さから、あまりアダプタも長くないよねという事で再び手を伸ばしたのでした。

ただ、そもそもの開始値が500円だった事もあり、まぁ凄いんだろうなと思ってましたが、到着したレンズは予想以上でした。

 ・後玉群の複数枚に大カビ
 ・ヘリコイドほぼ固着
 ・絞りリングがやたらスカスカ

そんな訳で冒頭の写真になるわけですが、久しぶりに分解整備の工具やら薬剤やらウエス類やらを取り出したわけです。

写真は整備完了時点で撮影したので綺麗になってますが、中を開けたら乾ききって変色したヘリコイドオイルがこびりついていたり、埃というか汚れの塊がボロボロと・・
洗浄用アルコールとシルボン紙がわっさり減りました。

とはいえ、この年代のレンズは大抵の部品が金属で、メンテナンスの為に分解する事を前提に設計されているので、工具がきちんと揃い、手順さえ間違わなければ修理する事が出来ます。

最終的にはヘリコイドはやや軽め、絞りはきちんとクリックストップするようにし、2mmだけオーバーインフに設定。
(きっちり無限でストップするようにすると気温等の影響で無限が出なくなることがある)

α7Cにもアダプタを経由してきっちり取り付けました。
老眼が進んで眼鏡の着脱に困りましたけど、久しぶりの修理はうまくいきました。送料含め千円ちょっとの投資が無駄にならなくて良かった。


で、こちらも以前持っていたのですが、フォクトレンダーのカラースコパー21㎜F4という、ライカMマウント用のレンズがあります。
以前も言っていたようにこのレンズは斜光逆光で茶色系のゴーストが出やすく、なかなかに扱いが難しいのですが、

 絶対α7Cに似合うだろマジで

と思いまして、中古を漁ったのですが・・とにかく物がない。
そして高い。
更になぜか新品が安い。
並の中古38000円、新品39100円てどういうこと・・・?
いや、このプライスタグをつけてるのはフジヤカメラとマップカメラだけでしたけど、中古なさすぎでないですか?
誰が持って行ったの!?

というわけで、肩をすくめつつ新品をオーダー。
気兼ねするからあんまり新品好きじゃないんですよねぇ。
1つでも傷つくと後は平気で使えるんですけど。

で、どうなったかというと、



いいでしょ。
これでフルサイズの21mm撮れるんですよ?
なお、α7やα7R等で見られていたマゼンタ被りはα7Cでは発生しません。
なので本当に普通に使える21mmレンズなのです。

NEX-6に標準ズーム(SEL1855)をつけて並べると、こんな感じ。


ようやくフルサイズが手の中に収まる世の中が来ましたね。
ちなみにEマウント専用のカラースコパー(21mmF3.5)もありますけど、性能は上でも高くてデカくて重いのでハナから論外です。VMマウント一択。

α7Cがコンパクトだからこそ、フルサイズ対応の今の大きなレンズは似合わないんですよ。

例えばロキノン(要はサムヤン)の14mmF2.8とかはまだしも・・


LA-EA4を経由してつけたMINOLTAの24-85mmF3.5-4.5なんかはこうです。


とにかくLA-EA4が不格好。
でもレンズの性能は良い。
せめてスマートなLA-EA5がα7CでもAFモーター動くようにして欲しいものです。
中央1点AFでも良いからどうにかなりませんかね、ソニーさん・・

とはいえ、FE24-70GMとかはこれ以上にでかくて重いんですよね。
もうどうするのってくらいアンバランス。
そもそも標準ズームがそんなにファットでどうするのと思うんです。
α7C用にこさえたSEL2860はあまりにも中途半端だし。

結局の所、α7Cはミラーレスの本文である、

 小さくて軽くて画質が良い、コンデジと一眼レフの良いとこ取り

という点を久しぶりに前面に押し出したカメラです。
また、控え目なシャッター音も(完全無音のサイレントシャッターもありますが)相まって、本当にライカLM系のような小さな本物のレンズが似合います。

私が今手元に残しているレンズで、これに該当するのは

ウルトラワイドヘリアーの12mm
今回のカラースコパー21mm
オリオン15(トポゴン系)の28mm
ノクトンの40mm
FED10(エルマー系)の50mm
そしてジュピター3(コンタックスゾナー系)の50mmあたりです。
この中から2~3本つまめば軽装の旅行には充分です。

相当画角が変動する場合は基本NEXにSEL1855ですが、高感度まで想定したらα7CにMINOLTAの24-85ですかね。
まぁロキノンは天の川撮影といった極端に限定的な用途ですから、出番が少ないのは仕方ないし、他に代えがたい性能を持ってる以上この容姿でも仕方ないんですよね。
夜に星空を撮るという状況で、UWHのF5.6とロキノンのF2.8は絶望的な戦力差ですからね。2mm望遠であっても。

なかなかレンズシステムに完成形が見えないうえ、手放したレンズを呼び戻すといった無駄な事ばかりしておりますが、ともあれ、軽くて性能が良いシステムに一歩ずつ近づいてる感じがして、素直にうれしいです。

ようやくNEX-6がオールドレンズ母艦トップを明け渡すことになるのかな?
でも現時点でのコスパ考えると圧倒的にNEX-6有利なんですけどね。
後はLA-EA5のモーター無しレンズがα7CでAF対応するか否かがカギを握るかな。
どうなることやら。

では、では。
Posted at 2021/03/21 20:17:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | α7とオールドレンズ | 日記

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「COLOR-SKOPAR 28mmF2.8を買った話。 http://cvw.jp/b/161516/48454387/
何シテル?   05/27 21:52
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