• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

銀匙のブログ一覧

2017年07月13日 イイね!

500円ミシンをバージョンアップさせてみた。

こんばんは、銀匙です。
暑い日はエアコン効いた部屋で縫物でもしてるに限ります。


で、カバンの硬い部分を縫う為にDIYで作ったミシン(手縫い機)ですが、カバンは出来たものの、その縫製作業中に幾つか操作性で不満を覚えていたのです。

どうせDIYで作った物ですから納得するまで作り直しちゃえ、というわけでミシンのバージョンアップを致しましたよというのが今回のお話。

前回出来上がったミシンで不満だったのは

 ・糸が不必要に繰り出されてしまう
 ・糸を戻しにくい
 ・縫ってるうちに糸がテンショナーから外れてしまう

という3点でした。
もともと前回のミシンを設計する際、糸を戻すという行為は多発しないが出来るようにはしておきたいという考えだったのと、引き攣れが起きないようにボビンはテンションの為に若干の手ごたえはあっても基本的に引っ張られるままカラカラ回るようにと作っていました。

ところがこの仕様の手縫い機で縫うと、

1.針を布に通す
 →この時ボビンが勢いよく引っ張られて無駄に糸が出る。

2.針を少し戻し、出来た輪に下糸を通す
 →この時輪を広げることがあり、少しでも上糸を引っ張れば
  更にボビンから糸が出てしまう

3.針を引き戻し、片方の手でミシンを、残る手で下糸を持って両方から引っ張る
 →この時ボビンから糸は出てほしくないが手が両方塞がってて固定出来ない!

4.糸を相当巻き戻す

5.1に戻る


という経過を辿り、4のところで盛大に糸をボビンに戻さねばならない訳です。
ところが糸テンショナーが送り出す方向しか考えてなかったために、逆流させると徐々に巻き付けが解けてしまい、長距離戻すとあちこち絡まる訳です。
そしてサイド出しのボビンが地味に縫ってる時に引っかかる。


というわけで、ミシンバージョン2はこうしました。
じゃん。


前バージョンはこんなでしたからずいぶん変わりました。



まず、ボビンはサイド配置から同軸内配置としました。
これは単純にボビンが少しでも邪魔にならないようにという配置ですが、もう1つ意味がありますので後で説明します。
ボビンの着脱はどうやるかというと、ミシンボディの後半を後ろに引き抜きます。
すると木軸だけになりますから、ボビンも後方に引き抜けます。
こんな感じですね。


ボビンに糸を補充したら木軸に通します。


ミシン後半も戻した後、ここも変えたところですがボビン上部に来ている金属「輪」をくぐらせます。


前回のテンショナーは画鋲の周囲に「巻き付ける」でしたが、今回は「輪の中」をくぐらせます。
この変更により糸が前進しようと後退しようとテンショナーから抜けることが無くなりました。

さらに前方のテンショナーも金属の「輪」にしましたので、ここに糸をくぐらせます。


今回はテンショナーとは言ってますが、金属輪にテンションをかける能力はありません。糸のルートもほぼストレートですから巻き付けトルクも発生しません。
じゃあどこでテンションをかけるかというと、ボビン部なのです。

もう一度、ボビンを外した写真を出します。


ボビンを刺す木軸はミシンボディ後半に行くほどテーパーがかかり、細くなっているのが解るかと思います。
一方、ミシンボディ前半に行く寸前で、ボビン直径を超える太さになるようにしているのです。
ボビンをミシンボディ後半にずらせばフリーで回り、前半にずらせばロックされる訳です。
その差は5mmから1cmないくらいという僅かな距離です。
フリー状態


ロック状態


この仕様のミシンで縫うとこうなります。

1.針を布に通す
 →この時ボビンが勢いよく引っ張られ、ボビンがミシンボディに対し前進。
  自動的にボビンがロックされ、最小限しか糸が出ない。

2.針を少し戻し、出来た輪に下糸を通す
 →この時すでにボビンはロックされているが、必要に応じ手でアンロックし
  引き出すこともできる。

3.針を引き戻し、片方の手でミシンを、残る手で下糸を持って両方から引っ張る
 →2でアンロックしていても再びボビンが自ら前進し、ロックされる。
  手は糸を引っ張ることに集中できる。

4.必要に応じ、ボビンをアンロックして出ている糸を巻き戻す。

5.1に戻る

要はボビンは常時ロック状態にし、引き攣れた時などにいつでも指先でアンロック出来る、ただし次の工程ではすぐにロックされる、という仕組みにしたのです。
それはただ単にミシンから糸が繰り出される方向に引っ張られたらボビンが木軸の太い方向に引っ張られ、自ら締め上げるというだけなのですが、これが結構具合がよろしいです。
写真に写っているのはカバンにも使った厚さ1mmの合皮ですが、全く力をかけることなく針が通せますし、余計な糸が出てこないのでサクサク縫えます。

ミシンの針は使い終わったらボディ内に仕舞えますから安全です。


最近は針は14号をメインに使ってます。
革と面ファスナーに一気に刺すには11号だとちょっと心配なので。


あと、手縫い機にはもう1つ問題があります。

最初に引き出しておく下糸を、行程2で上糸の輪の中に入れる部分が面倒なのです。
一針毎に糸通ししてるわけですが、糸はふにゃふにゃなので実に通しにくい。
上糸の輪も毎回綺麗に開く訳でもないですし。

このため、下糸側にも針を付けたこともありましたが、何回か片結びしても緩んできますし、針を遊ばせとくと思わぬタイミングで自分の手に刺さったりするわけです。
で、その答えがこれです。




作った人が不器用ですから歪んでますけどゴミじゃないんですよ。
右側にくるくると2周ほど鉄の輪が出来てますよね。
使い方は簡単で、鉄の輪と輪の間に下糸の先を挟むんです。
上糸の輪の中に入れる時は左側の針金先端で糸の輪を適度に開きつつ押し込んでいきます。
途中で鉄の輪の反対側から出た針金が来ますが、上糸の輪が左から通ってくると、針金が鋭角に折り曲げてあるのでそのまま糸の輪が広がり、下糸を挟んでる鉄の輪をくぐらせてくれるという訳です。
もちろん用が済んだら挟んであるだけなので糸を引き抜けばOK。糸を痛めることもありません。



そんなわけでミシン(手縫い機)のバージョンアップ、完了です。


手縫い機自体を仕舞っておくケースでも縫おうかな・・・
Posted at 2017/07/13 21:35:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2017年07月09日 イイね!

アルカンターラで作ったRX100用ケースと革のカメラバッグ。



こんばんは、銀匙です。

前回、カメラバッグ沼にはまり、終いにはDIYする為にミシン(手縫い機)から作った話を書いたわけですが、やっとこさ物が完成しましたよというのが今回の話。
作った物は2つです。
1つは大きなカメラバッグ、もう1つはRX100用のケース。

ではRX100用のケースから。

全体像はこんな感じです。


このケースに使用した革はアルカンターラでございます。
タイトルに書いてるんだから解ってますよね。

アルカンターラなんて初めて触りましたが、これ、通販で反物として普通に売ってたりします。
およそ1メートル四方で3500円くらいでしたかね。
自動車用じゃないビニールレザーとかなら同じくらいで1000円も出せば買えますから、めっちゃ高いです。

でも手触りは間違いなくバックスキンです。
手触りも仕上げも良いですし、厚さは1mmくらいありますかね。
それでも裏は布っぽい。決して革のそれじゃありません。
そもそもデニムでさえ布の「厚み」なんて無いに等しいですから、しっかり断面が見えるという時点で布じゃない。

革のようで革じゃない、布のようで布じゃない。

例えば縫製に関しては皮革用の糸で縫っていきますし、私はパンチングレザーでパンチ穴に沿って縫いましたので穴あけはしていませんが、穴の無いタイプなら菱目打ちで先に穴を開けていくのが必須となるでしょうから、ここは革の作法です。
でも切っただけでコバも裏面も奇麗でカスは出てきませんからトコノールは要りませんし、コバ磨きも要りません。これは布の作法です。

革か布、どちらかの扱いではなく、どちらの扱い方も知ってなければ扱いにくい。
人造皮革は人造皮革という1つの分野なんだなとしみじみ思いました。

さて。
このケースは実はかなりタイトな作りになってます。
なぜかというとRX100M3を横に納め、腰ベルトに通す仕組みなのですが、車のシートベルトをした時に変に足の動きを邪魔しないようにしたかったのです。
その為にベルト通し部分にはナイロンバンドを2重に使用し、ベルトとの接触面には別の布を挟み、面圧をかけるようにしています。


表地はアルカンターラで、裏地にはしじら折の布をあしらいました。
表地と裏地の間にはアルミ保温シートを全体に施したことでより肉厚にふんわりとした感触になり、また、ベルト通しがある背面には樹脂パネルを挟み、耐久性に配慮しています。
サイド部分は30mm幅の織ゴムを使用。適度にケース前面を引き戻すことでタイトなホールド感と取り出しやすさを兼ねています。


実際にカメラを入れるとこんな感じです。ぴったりしてるでしょ?


上蓋には8mm幅の織ゴムが縫い付けてあり、ケース前面にあるボタンにゴムを引っかけて固定します。
織ゴムをの着脱は人差し指1本ですぐに出来ますし、無音です。
静かな環境で出し入れする時に、マグネットホックのパチンという音や面ファスナーのビリビリバリバリというような無粋な音を立てる必要はありません。


私は、こういうのが欲しかった。
でも、どこにも売ってなかったんです。




では次、カメラカバンです。



幅36cm、奥行20cm、深さ25cmというサイズは、やや小ぶりなクーラーボックスのような、全く面白みのないデザインです。
ただし表面に使われているのは自動車のシートや内装材に用いられる難燃性の合成皮革です。
実際、製作中に何度も皮革用紐の端末を焼き止め処理する為にターボライターの火を近づけましたが、全く燃えることも溶けることもありませんでした。
表面は普通のシボのある革という感じです。
アルカンターラほど厚みが無いこともあり、かなり厚めの布と同じようなマナーを示しますが、伸びはほとんどありません。
手縫いも出来なくはないですが、せめて目打ちか長針のステッチルレットでガイド穴を開けておく方が良いでしょう。
コバ磨きとかが要らないのはアルカンターラと一緒ですが、こちらの裏布は真っ白なので、縫製の仕方によっては白い裏地が見えます。
どーんと裏布を見せてしまうと意外と気になりませんが、側面とかからちらちら見えるのは割と気になるので裏布を黒く塗った方が良い場合もありました。
こちらは1.5mx1mで送料込み4000円強でしたから、結局アルカンターラとそう変わりないです。


さて、ふたを開けていきます。
蓋は本体に覆い被さっているだけなので、無音で開けることができます。
携行する時は被さっている前タレの部分を本体側につけてあるナイロンバンドに通せば勝手に開いてしまうこともありません。

蓋とかばん本体とは面ファスナーで固定しているだけですから、御覧のように外すことも出来ます。
蓋の内側はしじら織の布をあしらっています。
表地と裏地の間にはこちらもアルミ保温シートをクッション材として全体に施しています。



本体側の内部はこのようになっています。
本体側裏地は耐久性に優れたデニム生地を採用しています。
底には0.75mm厚の樹脂板を敷いて型崩れの防止と荒れた地面に置いた時の保護を兼ねてます。


機能性について、奥(写真でいう上)から説明します。
まず、幅はA4用紙が入るクッションケースが余裕をもって入れられます。
内側側面には、深さ方向の上下2段に面ファスナーを1周ぐるりと縫い付けています。
写真でいう左側面には3つのポケットを装備したサイドパネルがありますが、このパネルは面ファスナーで固定されているだけなので必要に応じ着脱できます。
最もスペースを消費しているのはエツミのE-746というカメラ用クッションボックスを2個縫い合わせたものです。

じゃあ、この中にどれくらい入るか。



この写真では、上から順番に
・A4クッションケース:A4書類30枚を挟んだクリアフォルダを格納
・カメラボックス:以下の通り。
 ・SIGMA dp0クアトロ
 ・SONY NEX-5R+フォクトレンダー Ultra wide heliar 12mmF5.6(初代)
 ・オリンパス OM 300mmF4.5
 ・KMZ Jupiter-3 50mmF1.5
 ・マイクロファイバークロス
 ・ミニブロワー
・サイドポケット:以下の通り
 ・SONY RX100M3
 ・スマートフォン&ガラケー
 ・絆創膏や爪切り、耳かき等の小物
その他、空きスペースに2つ折り財布も入れてます。

このほか、カメラボックスには更にNEX-6に標準ズームの組み合わせを入れられますし、A4書類は更に1束位入りますし、カメラごとの充電器と予備バッテリーもRX100近くの空きスペースに十分入ります。
そのうえでウインドブレーカーや小さなお土産の箱くらいなら蓋と本体の間の上部空間に納められます。

また、RX100だけサイドポケットにしているのは理由があります。
このバッグは車に乗り込む際、助手席に置くことを想定しています。
バッグの蓋は折りたたむなり外してしまえば上が丸ごと開きます。
そしてサイドポケット側を運転席側にする形で置いておきます(写真でいうとバッグ左側に運転席という配置)。

走行中、ふと見ると良い夕日で、駐車スペースもあったとしましょう。
田舎では割とある事態です。
そんな時はスムーズにカメラ持って外に出たいじゃないですか。
だからRX100は取り出しやすい位置に置けるようにしたのです。
こんな風に。



スマホもこの辺りの位置にあればすぐに取り出して撮影し、SNSなんかに送れます。
運転中の操作は「ダメ・絶対」ですが。

ちなみにこのカメラバッグはショルダーバッグです。
ただ、一応肩紐はワンタッチで外すことができます。
肩紐に連なるDカン部分は30mm幅の頑丈なナイロンベルトを使用しており、これがバッグの底面を通り、反対側のDカンまでつながっています。

実際、このかばんを富士山の撮影や海での撮影等に連れ出しながら仕様を煮詰めていったので、自分としては満足しています。

結局のところ、カバンそのものはズタ袋じゃないですが、なんでも入る適度な容量と、くにゃくにゃ変形する融通性がある方が良いんです。
北海道に持って行ったケースロジック製のリュックはまさにこの逆で、あれはここ、これはそこといったように厳密に置き場を指定され、融通が利かず、その割にデッドスペースの多い代物でした。
更にはそこかしこに分厚いクッションが入ってるわけで、見た目で予想するよりずっと物が入らなかった。
空きスペースはあるのに融通が利かないのが更に拍車をかけました。
DOMKEのF-2は、要は幌布の袋です。
それはもうくにゃくにゃと変形してくれますし、クッション材が全く無いので見た目以上にバンバン入ります。
ただ、サイズがちょっと足りなくてA4用紙が入らない。
正確には入るけど曲げないといけない。
クッション性ゼロというのも気になりますし、肩紐が縫い付けられてるのも気になる訳です。

まぁレンズシステムも大体落ち着いてきましたので、それを入れられるよう、色々なカバンを見て、あんまり安くもないのですが様々なカバンも買いました。
確かに表参道に電車で行くのにこのかばんを使うかと言われればNOです。
それこそF64のコンパクトなカバンの方が都心の電車内では溶け込めるでしょう。
でも、田舎で、車の助手席で、空港で、車からホテル、車から撮影場所までで、保有する機材を納め、運ぶ時には私はこのかばんを手に取るでしょう。
ちなみに三脚は三脚で別のケースに入れて持ちます。一緒には入れません。
精密電子機器の隣に重い鉄(アルミ)パイプ置きたくないですから・・

また使ってるうちに気になるところが出てくると思いますし、もう1個作るかとなるかもしれませんが、今のところはこれで満足です。
ミシン(手縫い機)から作ることになるとは思いませんでしたけどね。
でも、市販されてるもので納得できるカバンが無い以上、作るしかないじゃないですか。

え?諦めろ・・ですか?
車でも試乗の時に気になったことって手放すその時まで気になるじゃないですか。
それと同じで、人間、本当は諦められないんですって。
ただ我慢してるというか、見ないふりをしているだけで。

諦めたらそこで試合終了です。
探しても無いなら自分で作る。
作れないなら作れるように知識を増やす。
練習して及第点の腕になる。
縫うのが痛ければ工具から作る。
そうして納得出来るところまでやったほうが、たとえ完成までたどり着けなかったとしても後々満足できると思うのです。
そう。
今まで買ったカメラバッグ全部と工具代と材料費と書籍費全部合わせればDOMKEのF-2が何個買えたかなあという状況であったとしてもです。

まぁこういう人がドロ沼にはまるんですよというオチですねw
Posted at 2017/07/09 20:59:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2017年07月01日 イイね!

500円でミシンを作ってみた。

どうもこんばんは、銀匙です。

本日はカメラの話題のような、そうでもないような。

カメラの趣味で意外と深い沼、というのは幾つかあります。
元々底なしと知られているレンズ沼は別格として、フィルタ沼やフード沼、三脚沼、雲台沼なんてのもあります。

で、私は少し前から「カメラバッグ沼」に足を突っ込んじゃった。

カメラバッグほど数多世に出てるものもそう多くありません。
また、別に「カメラバッグ」として売られてるものでなくたって、用を足せればそれで良いわけです。
保護性の薄いカバンの中に入れるインナーバッグなんてのもありますし、ますます多様な選択肢が出てくるわけです。

カメラバッグ沼がそれほど恐れられていないのは、実は特効薬がいくつかあるんですね。
たとえばDOMKEのF-2、それも色はサンドのみ。
意外と多く入り、意外と色々な人の用途に耐え、意外と満足させてしまうバッグの1つです。

ところが。
私の持ち運びたいラインナップはどう計算してもF-2に入らない。
今年の春にはF-2より大容量のケースロジック製リュックを買いましたが入ったけど使い勝手が悪すぎて投げ捨てました。

じゃあどうしよう。
作るか。

というわけで現在カメラバッグをチクチクチクチク縫ってるんです。
100%手縫いで。

だってミシン持ってないですから。

しかし。

カメラって意外と重いわけです。
重い物を支えられるとなると、やはり要所要所に革とか、ナイロンベルトとか、金具とか、そういったものを扱わなきゃいけません。
もちろん接着剤や両面テープで止めたってすぐべろんと剥がれますからしっかり縫わなければならない。

しかし。

そういう連中は大体縫いにくい。
幸いにもまだ針を折ったことはありませんが、ぐにーんと勢い良く曲がってあぶねーとなったことはある訳です。

また、連中のなかでも特に縫いにくいのが

 面ファスナー(マジックテープともいう。特にざらざらしたオスの方)

です。
もうほんとこいつ大っ嫌いなんですが、頻繁に着脱する部分にはどうしても適用しないといけない。
なぜ嫌いかというと、とにかく針が入らないくらい土台が硬い。
コンチクショウおんどりゃあ!と青筋立てながら押し込まないといけない。
それこそ刃の付いた皮革用の針を使ってもそうです。
当然手はマメだらけです。
革の指ぬきなんて余裕で押し返されて貫通してくるので金属製の指ぬき使ってますが、するっと指ぬきが滑ってた生の指めがけて針がきます。
革用の針は指も良く貫くので、流血が避けられないため使うのやめましたけど。
で。
それこそ30番手位のごつい糸を持ってきてもテープの部分が絡む絡む。
お前は半グレかチンピラかというくらい糸に絡みまくります。
そしてしつこく離さない。力いっぱい引っ張ってやっと解ける。
だから1針縫うごとに奥歯食いしばって引っ張る羽目になりますし、終盤で引っ張ったときに糸がふっつり切れると殺意が沸く訳です。

こいつをどうにかしよう。

そんなわけで導入したのが手縫い機。手動のミシンです。
革も縫うからこの辺りかなーと買ったのが、スピーディーステッチャーという製品。
2千円くらいでした。
革や分厚いセイル、幌布とかでも縫えるようで、実際使ってみると確かに手が痛くならずに縫えます。
面ファスナーでも殺意が沸かずに縫えましたよ。
ただね・・

 針がとんでもなく太いから、普通の布と面ファスナーを縫ったら穴だらけになる。
 正確に言うとそこから布が破れてくる。

オーノー・・・

どうすんのこれと思いつつググりますと、16号くらいのミシン針使えるよと書いてあった(16号でさえ標準添付の針に比べれば余裕で細い)ので買ってきて使ってみますと、今度は標準の糸が太すぎて通らない。
仕方なく糸も30番くらいに取り換えると、今度はスピーディーステッチャーの部品に対して糸が細すぎるからか、糸への必要なテンションがかからず縫いにくい縫いにくい。
一旦糸が出てしまうと戻すのが手間な構造なので、テンションが低いと糸がだばだば出てきてしまい、それが絡んで結構致命的なわけです。
この始末を始めると結局手縫いと時間的に変わらなくなってきます。

スピーディーステッチャー自体は革でも縫う時に使うとして、細い糸や針でも行ける手縫い機をどうにかして手に入れたい。
ところがスピーディーステッチャー以外の市販品だと変な中国製千枚通しもどきか、やけに高い国産品くらい。

無いなら作るしかない。

というわけでミシンというか手縫い機を自作することになったのです。

大変前置きが長くなりましたが、要は

ミシン針でいう11号か14号が使えて
50番手から20番手位の糸がつかえて
ちょうど良い糸テンションがかけられて
面ファスナーが縫えて
糸を巻き戻せるとか細かい対応が出来て
安価なコストでぶきっちょでも作れる

そんな手縫い機を設計することにしたのです。

まずは100円ショップを巡回し、こんなものを見つけてきました。

手縫い機のボディは手に馴染んで欲しいので、これを。



テンショナー兼、糸の誘導にはこれを。



糸のボビンはこれを(糸自体は使いません)



後は汎用的な部材としてこれを


後は家にあった小さな木ねじ3本ですかね。
あ、ミシン針は家にあるものを使いました。糸も以下同文。
ですので材料費は432円です。

加工ですが、まずは竹の箸を使い、ボビンを固定する仕組みを作ります。

まずはボビンを竹箸に刺し、軽く回るギリギリの太さを探します。
そしてボディを貫通する長さも考慮し、それ以外を切り落とします。



ボビンに通すとこんなかんじ。


ボディ側にも竹箸と同じくらいの穴をあけて・・


こんな感じですね。
私はボビンが軽く動く位置で止まるよう、竹箸に木ねじを1本ねじ込みました。


後はミシン針ホルダーとして、先端から後端に向けて、全長の1/4位、直径2mmの深い穴をあけます。
その穴に向けて途中1か所で小さな横穴を開け、そこに木ねじをねじ込みます。
要はミシン針の台座部分を2mmの穴に刺し、木ねじで横から押して固定するわけです。

ボビンや針穴を考慮し、テンショナー(白画鋲)を付ければ完成。
私はこんな感じにしました。
ピンクの糸は100円ショップのミシン糸のままです。


別角度から。


糸にどうやってテンションをかけるかはボビンから針までのルート次第ですが、ボビンから引き出す時にしっかり手ごたえがあるくらいのかけ方が良いと思います。
テンショナーにどう糸をくぐらせるかとか、ボビンを指で押さえながら針を刺すとか、色々やり方はあると思います。
スピーディーステッチャーと違ってボビンが外に出てるので、糸が出すぎたら巻き戻すことも出来ます。
というか出来るようにテンショナーの配置をした方が良いです。

で。

お前こんなので縫えるの?と思うような代物ですよね。
そこで試しにミシン糸のまま縫ってみましたが、縫い目の脆いしじら布でも普通に縫う事が出来ました。


縫い目はミシンの縫い方そのものですね。

で、ボビンからミシン糸を外し、ロウをくぐらせた20番のビニモに入れ替えて完成です。


仕舞う時はミシン針を固定している木ねじを緩め、ミシン針の先端をボディの穴に差し込む形で納めます。


別に仕舞うと必ずなくしますから、内部に仕舞える方が良いと思います。
まぁセットアップと片付けの時に精密ドライバーが1本必要なのはどうするのよ、という話はありますけど、精密ドライバーは大体部屋の隅か机の中には転がってますから問題ないかなと。

まだ怖くてこれで面ファスナーは縫ってないんですけどね・・
うまくいくといいんだけど・・

Posted at 2017/07/01 22:07:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「みんカラ:モニターキャンペーン【KENWOODディスプレイオーディオ】 http://cvw.jp/b/161516/48529177/
何シテル?   07/06 21:25
BMW318、ギャラン、ボルボS80、アベンシス、BMW525、そして現在のスイフトと乗ってきました。 セダン好きと言い切っていたのですが、スイフトの性能と使...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2017/7 >>

       1
2345678
9101112 131415
16171819202122
23242526272829
3031     

愛車一覧

スズキ スイフト スズキ スイフト
現在の所有車です。 前回のXSは1型(初期型)、今回のRSは3型(最終型)になります。 ...
三菱 パジェロミニ 三菱 パジェロミニ
24年落ち、12万5千キロ走行した中古車として購入。 もはやクラシックカーの域である。 ...
スズキ スイフト スズキ スイフト
2016年10月まで約5年所有しました。 素の性能が良いので、細かい所だけ手を入れてまし ...
BMW 5シリーズ セダン BMW 5シリーズ セダン
5シリーズです。 E39の最終型(03年式)で、当然中古車です。 Mもハイラインもない本 ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2005年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation