エストレアのシリンダーヘッドオーバーホール【解体編】
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
エストレアのシリンダヘッドのオーバーホールと
吸排気バルブのバルブ交換、シール類の交換を行います
整備手帳では見づらい写真やサービスマニュアルのイメージを
アルバムにまとめて入れています
項目気になるけど写真小さくて分かりにくいときは
ここから写真探して御参考くだいさい
https://minkara.carview.co.jp/userid/1621560/album/768690/
エンジン左側のジェネレーターケース(発電コイルが入ってる)の
車載工具のコインレンチで外す丸い穴です。
開けてもオイル漏れてはきません
うちのはエンジン点検口を使って空冷エンジンを油冷にしてるので
純正車よりオイルが数百cc入りますが問題無しです
あとは
・点火プラグ取る
・カムチェーン左側面の上側にカバー開ける
・ヘッドの吸排気バルブクリアランス調整部のカバー(吸排気とも)外す
・カムチェーンの自動テンショナーを機構ごと外す
カムチェーン外してシャフト抜く前にドライブシャフト(ピストン)と
カムの位置関係を特定して組むとき同じく組まないと爆発タイミングズレてエンジン痛めます
マニュアルをちゃんと見ない自分は
吸排気バルブクリアランス調整時の時と同じドライブシャフト回転位置にしてからカムのポンチ位置を確認した上でカムチェーンを取り外しました
(多分このやり方が正解でしょう、他に思いつきません)
【バルブクリアランス調整時と同じ方法のピストン=カムの位置:】
(ドライブシャフトとバルブの関係を分かりやすくするように動画載せてます。またエンジンを数年かけない時もこの方法で爆発無しでオイルポンプ循環してエンジン内部にオイル循環できるのであまり乗らない方のバイク維持の裏ワザになるかもしれません)
ドライブシャフトをCCW(カウンタークロックワイズ:逆時計周りに回して)
⤵︎
バルブ右:インテーク(吸気)が降りてくるのを確認(ドライブシャフトはCCW方向へ回転をキープ)
⤵︎
ドライブシャフトをCCWでゆっくり回してるとインテーク(吸気)が上がってくる
⤵︎
CCWに回してるドライブシャフト左側にあるアイマーク
ケース内部に▲突起があります
M14のドライブシャフト側にTの文字(トップ)と位置合わせのための
『 I 』のマークがあるので▲の突起とTの 『 I 』線を合わせましょう
注意) すぐ右にF がありますがこれば偽物。
行きすぎてもドライブシャフトは時計回しに回しちゃダメ!
行きすぎたら次のCCW回転で合わせましょう
この吸気圧縮上死点の状態でカムを見てもらうと
カムスプロケット、及びカムシャフトの位置合わせのポンチは
真上12時方向に向いてます
<<あとは余談です>>
うちのエンジンは92年のどう考えても設計不良の初期エンジン。
カムチェーンが伸びてテンショナーが内から外にチェーンを自動で張るとアルミ鍛造鋳造の成型部をテンショナーで張ったチェーンが削って削ったアルミはオイルポンプを循環して最終的にピストンリングに切り粉が回ってシリンダーケースが傷付いてオイル上がりを起こして最終的にエンジン焼き付いておしまい。
で当時文句をKawasakiに入った人間だけがリコールの対象で
対策エンジン部品に交換するという、少し前のトヨタのワンボックスの欠陥シリンダーヘッドみたいな事をしてたのです
でうちのエストレア、
当時シリンダー焼き付く事件は結構有名で
Beetとか数社からシリンダーボウリングしてシリンダーケース打ち替えて焼き付き目的用ボアアップキットが出てたのです
当時高校生位だったのでたしか5万程度で一通りやってもらってました
(今考えると激安ね)
なもんでシリンダー、ピストンは何があってもこれ以上なにも出来ない
チャンス無しエンジンなので次行ったら中古エンジン載せ替えます
でお写真の順で外してきます
2
ほんでもってまたお写真の順で。
① オイルポンプからバルブロッカーアームと吸排気バルブ潤滑用のオイルラインの配管を外します
4点中1点、パイプが邪魔でM8スパナしか最初は入りません
5ミリほど緩めるとパイプが動いてくれるのでラチェット使えます
オイルシール用のここにはゴム製のガスケット入ってます
劣化してると剥がすとき破れるから注意して
過去のレストア作業で整備手帳には収まり切らず、事細かくブログに素人技を掲載。その後後世へと引き継がれ
みんカラ内外問わずド素人皆様のバイブルになってます♪
② ここでは
ロッカーアームの抜け留め(+ネジ1本)
カムシャフトベアリングの抜け留め(+ネジ2本)を可能なら抜きます
初めての人、手作業でボロい工具だと100%ナメます
ナメたら相当ややこしいです。この奥まった場所。
ホームセンターにインパクトドライバー(+ドライバーで持ち手が金属でハンマーで叩くと緩め方向に衝撃加えながら緩ませる)のを買った方が良いでしょう
ここは前回自分のDIYでネジロック塗った事もあり、
2回目はインパクトドライバーでは外れず、やっぱナメました
( ̄◇ ̄;)
+ネジ3本外したら、同じくカムチェンケース内、
その下はシリンダーケースなんですけどカムチェーン側の手前2本、M8の六角でシリンダーヘッドとシリンダーケースが連結されてるので取ります
あとエンジンマウント側の太くて下まで貫通してる長い六角4本も外しときます
エンジンマウントもネジ3本とブラケットも撤去しないとヘッド抜けません
③ シリンダーヘッド下から来てるカムチェーンが落っこちないように注意しながら上方向に持ち上げつつ、
シリンダーケース側から2センチほどヘッド内側にはみ出してるチェーンテンショナー(ゴム製の黒いチェーンガイド)を交わしつつ
シリンダーヘッドを持ち上げながら、フレームより右側から抜くようにしてあげるとヘッドが取れます
(少しプラハンで叩きました、ヘッドとケースはノックピンが入ってます
過度な傾きつけないよう平行にたたいてあげましょう
④ カムチェーンをシリンダーヘッドの枠から抜いたら落っこちないようにフレームに吊っときます
このネジ、プラス使っちゃダメよKawasakiさん!
六角穴付きに変えます、組む時。
(この状態でネジ緩めるの不可能と考えてシリンダーヘッドエンジンから降ろした後に電動式のインパクトで取れました。)
ふーε-(´∀`; )アブね〜
エンジン腰下の整備は終えております
・ジェネレーターケース
・クラッチ側ケース
・クラッチフリクションプレート
・クラッチスプリング
・ギヤシフトリターンスプリング
・カムチェーン交換
・バルブクリアランス調整
・純正景品CVKキャブのニードル&ジェット類交換&セッティング
ここに載ってない記事は
同時期にレストアをはじめた
『双子PAPA』さん
『ぼっちライダー』さんの
整備手帳を参考ください
皆さん綺麗に分かりやすく書かれています
今回はエンジン腰下は開けませんので
カムチェーンがドライブシャフト側のギヤから外れないように持ち上げながらシリンダーヘッドを抜いて、最後はフレームに吊るしておきます
ドライブシャフト側とカム側のチェーンを外しますがそれぞれ関係性は組む時合わせればいいので気にしなくて良いです
ド素人が触るには最高の素材のエンジンです
空冷、キャブ車、単気筒
DIYメンテを志す方は絶対やった方が良いです
すご〜くエンジンについて理解できますし、機械が好きになりますよ〜
もう他のバイク乗らなくて良いくらい。
同じエンジン何機か買って色んなベース違いの車体に乗せて遊びたい位で^^
3
シリンダーヘッドを降ろしまして
(残ってたオイルまみれになります
ウエスひいときましょう)
カムベアリングの+ネジ取ってプレート外す
ロッカーアーム(カムベアリングのさらに上)のロックプレート+ネジ1本取ってロッカーアームプレート外す
あとはシリンダーケースをカムシャフトが地面を見るように傾ければすぽっとカムシャフトが抜けます
(ダメージらないようにウエスの上へ)
4
ロッカーアーム(オイルパイプのあったライン)に
アームの軸パイプの穴がありまして
そこにコンプレッサーでエアガンで吹くとロッカーアームとシャフトがコロンと飛ばされて抜けます
インテーク側、エキゾースト側双方に
ロッカーアームとシャフトを抜きましょう
見た感じロッカーアームもシャフトも同じ品
カムチェーン(エンジン左側を正面に見て)
ロッカーアームの反対側にバルブクリアランス調整する為のロック付きネジの機構がついてます
アームもシャフトも同じ品で吸排気のクリアランス量で調整してるだけっぽいですね
ロッカーアームはカムシャフトの上に乗って永遠回るシャフトの上をなぞるので場合によっては劣化もするでしょうから
カムシャフト同様に目視や接触にて劣化を確認しておきましょう
手前のカムが右側:車両後方側=インテーク(吸気)用カム
奥側のカムが左側:車両前方側=エキゾースト(排気)用カムです
5
カムシャフトです
偏摩耗やキズをチェックします
(サービスマニュアル持ってますが、性格上困らないと見ません
真面目な方がマニュアル通りにやってください)
各部品には使用限度等のSpecがあります
今度マニュアル見たときに追記しておきます
カムを抜き時
バルブクリアランス調整時と同じ方法のピストン=カムの位置:
ドライブシャフトをCCW(カウンタークロックワイズ:逆時計周りに回して)
⤵︎
バルブ右:インテーク(吸気)が降りてくるのを確認(ドライブシャフトはCCW方向へ回転をキープ)
⤵︎
ドライブシャフトをCCWでゆっくり回してるとインテーク(吸気)が上がってくる
⤵︎
CCWに回してるドライブシャフト左側にあるアイマーク
ケース内部に▲突起があります
M14のドライブシャフト側にTの文字(トップ)と位置合わせのための
『 I 』のマークがあるので▲の突起とTの 『 I 』線を合わせましょう
注意) すぐ右にF がありますがこれば偽物。
行きすぎてもドライブシャフトは時計回しに回しちゃダメ!
行きすぎたら次のCCW回転で合わせましょう
この吸気圧縮上死点の状態でカムを見てもらうと
カムスプロケット、及びカムシャフトの位置合わせのポンチは
真上12時方向に向いてます
このルールで組めば何にも心配要りません
理解しながら学び、機構を知りながら組みましょう
なもんでこのあと
ドライブシャフトCCWぶ回してピストン上下させて
シリンダーケース内部の劣化や傷が無いか見たり
シリンダーケースの清掃時にも圧縮上死点にしたり
爆発下死点にしたり^^
6
先に申し上げました悪しきKawasaki罠のエンジン通り焼き付きにつき
20年以上前にシリンダーボウリングとボアアップをしております
純正249ccのピストンではありません
だからここは目視のみ
線キズ無し
専用品は圧縮上死点部だけシリンダーケースが真鍮のような色してます
キズ無しなのでこのまま行けます
ピストンがナニ使っていたのか情報無いから
使えるピストンリングも不明です
エンジン内部のカーボン蓄積の洗浄を行います
アタスはWako Loveなので高くて困りますが
どのケミカルも群を抜いて最上級です使えば分かります
何度も言いますが他社より全然高いです!
このケミカル
本来キャブからつっこんで
泡を燃料に混ぜてエンジン内で燃やして燃焼させながら
カーボン除去する製品なのですが
エンジン冷却の全バラ状態で使ったのにも関わらず
モノ凄い洗浄力
さすが世界のWAKOと思いました
スプレー掛けて5分後にウエスで水分拭いただけです。
磨いたり一切してません
7
シリンダーケース内は正直、洗浄する必要無いと考えます
下手にゴミ入れる方がリスキーと考えます
自分は塗装用にコンプレッサー持ってるので
シリンダーケース内も清掃し清掃後はエアブローしてゴミ飛ばしてます
今回ヘッドの吸排気バルブは新品を購入しています
(バルブやシール等純正パーツはパーツレビューに掲載します)
バルブは交換するので良いのですが
それ以外の場所のカーボン堆積が気になるため
プラグ取り付けて孔埋めて、
そこに泡をプシュー!
モコモコ泡が2-3分でオイル状になります
そしたら綺麗なウエスで拭いて
3-4回繰り返したら左下の状態になりました
8
シリンダーヘッドにまだ吸排気それぞれのバルブが残ったままです
吸排気バルブをヘッドから抜くのには
・バルブコンプレッサーという専用工具(SST)
・バルブとシリンダーヘッドの接触機械面の密着性を馴染ませるためにバルブ用コンパウンド
・シリンダーヘッド側のバルブ当たり面が削れや劣化していた場合はタコ棒と呼ばれるSSTが必要です
エンジン組んだらピストンの圧縮圧力計測するゲージツールが必要です
内燃機関やバイク屋じゃ無い限り、これらのツールはプライベーターにおいてはきっと人生に1回〜2回程度しか使わないでしょう
高いツールでもありませんが、揃えても嬉しくなれい超マニアックツールです
Estrellaは歴が長くコアでレアなみん友さんだらけ。
SSTは貸し借りしようね〜と云って数名で始めたエストレアのレストア
自分だけ途中で放り投げて『変態専用機』なるカスタムビルダーになってしまったので厳かになっていましたが、当時のレストア仲間の
Estrellaのアクセスランキング常に1位の
『双子PAPA』さんとSSTは貸し借りしようね〜と
あれから丸5年・・・
ついにその時がやってきました
明日はセデ子に、Estrellaのシリンダーヘッドヘッド積んで
神奈川 → 山梨 (山中湖) に
5年振りのデートを予定です
バルブ終わったら
オレのバイク貸すから
(同じ変態だからバイク沢山持ってて全部DIYでレストアしてる(笑)
久しぶりに一緒に走らない?って
・:*+.\(( °ω° ))/.:+
走りを忘れたカスタム専門となった丘ライダーが
バイクの良さをしってしまったら...
益々、クルマがメルセデスである必要無くなってきたw
明日神奈川の変態は山中湖界隈に居ます
変態出没注意ʕ•ᴥ•ʔ
シリンダーヘッド
吸気排気バルブのバラしは以下のリンクの整備手帳に載せてます
https://minkara.carview.co.jp/userid/1621560/car/1204979/5367128/note.aspx
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