フロントフォークオーバーホール(DIYに必須の工具は?)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
![](/images/icon_difficult_on.svg) ![](/images/icon_difficult_on.svg) 中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
さて愛車も初年度登録から3年、走行2万キロ弱となり、フロントサスペンションの手入れをしたいところです。だって、ものの本とかWebなんかでは、かなり早めのメンテを推奨していますし。私の愛車も、よく見ると、ダストシールに微小なひび割れが出ていました。ダストシールを交換するとなると、どうしてもOHに踏み切らざるを得ません。今回、オイル2缶からいわゆるSST類まで、すべてコミコミで、2万8000円ぐらいかかったでしょうか。オイルシール類やメタル、ガスケットなど、サービスマニュアル上で再使用禁止となっている部品は全て揃えてソレですから、外部でお願いするのとあまり変わらないかなとも思います。
今回、英文ですがサービスマニュアルはあります。先人の体験もネットにあります。そのうえで、DIYで実施する際に心配したポイントは、
(1)フォークを圧縮する道具(フロントフォークスプリングコンプレッサー)をどうしよう。やはり自作?
(2)ダンパーロッドの供回りを防ぐツールはどうしよう?
(3)ダンパーロッドを保持するツールは必要そうだが?
ということです。せっかくなので、ここでは、上記のポイントを中心に記します。
心配していた点その1。
まずは、ホームセンターで揃う材料で、フロントフォークスプリングコンプレッサー的なものを自作しました。下から、四輪のタイヤ交換用に家にあったシザーズジャッキで押し上げる仕組みです。木材は2x4で格安ですが、L字金具や長いネジなどの部品にお金がかかり、結局3000円弱ぐらいかかってしまいました。
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今回は、筒状の樹脂製スペーサーの穴に棒を入れて押し下げるタイプではなく、カラーというかスプリングリテーナーを押し下げるタイプで作ってみました。カラーをアウターチューブ上面まで押し下げられるので、便利です。ただし、このL字金具(間隔約27.5mmで作りました)が開いたらネジがビヨーンと大爆発して惨劇になるので、次回は開き止めを用意したいです。例えばネジ穴間をワイヤで締結するとか。
写真のようにもう、ボルトが引き出せました。
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実際に分解してみると、フォークオイルはほぼ透明。ラバーシールは健在で、ストッパーリングは錆なし、メタルのテフロン面も磨耗しておらず、もったいないくらいでした。スプロケット交換の時にも感じましたが、動くパーツの劣化は結局、走行状態や保管状況など、車両ごとに全然違うもので、走行キロとかでは管理しきれないと思いました。
もっとも、そういう微妙なことは、バラしてみないと分からないわけですが。
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心配していた点その2。
フロントフォーク底部の8ミリ六角とダンパーロッドを供回りさせずに綺麗に分離できるかです。純正は1万超え。今回は値段重視で、KYBやSYOWAの20mmオープンカートリッジに適合すると謳う「テクニクスギア」というブランドで、約4000円の「カートリッジホールディングツール」TFTF-011というものを用意しました。純正フォークは多分KYB製です。
この商品の、細い方のエンド(右端、外径28.3mm、内径24mm)は、純正工具と同様の形状に見えます。少し切り欠きが深いようですが、
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装着してみると、ダンパーロッドにカッチリ食いつきました! やったー! が、惜しくも全長がわずかに短く、穴に、付属の回り止め棒が入りません! 本品は大体全長293ミリぐらい。写真の残念さがお分かりでしょうか。全長35センチぐらいの商品があれば最適でしょうか。ただし、今回は細めの棒(4ミリT字六角レンチの長いやつ)が上手いこと貫通して、用を果たしました。
まぁ、次使うなら、今の場所から90度回った上方に穴でも開けますか。
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心配していた点3。
オイルを入れた後のエア抜きや、最終段階にダンパーロッドを引っ張った状態で保持する棒、これも非常に重要です。よく、ダンパーロッド/インナーロッド上端のロックナットから針金で吊るみたいな方法を見ますが、工程上、エア抜きのため10回以上ロッドを上下しろという指示がありますし、最終盤の再組み付け時に、重要な役目をします。やはり、しっかり保持できるに越したことはありません、このSST、わずか2000円程度で、是非欲しかったのですが、品切れだったのです。仕方なく1000円強で自作して悦に入っていたのですが、ネットで仕入れた情報が間違っており(あるいは私が誤解した)、M16の極太仕様で作ってしまっていました。正解はM10です。寸切りと、高ナットの組み合わせで簡単に出来ますから、是非こういった部品を作るか純正ツールを用意すべきです。今回、再組み付けの際にダンパーロッドを引き出して保持おくのに難儀しました。くちばしが長いプライヤーで代用しましたが、ねじ山にダメージ与えそうで全然ダメです。ここは是非ツールをおすすめします。心配していた点2と3が解決すると、オーバーホールは随分楽です。
注)後で分かったことですがロッドのプーラーはどうやらM10はM10でも、ピッチが1.0のようで、自作は容易ではないようです。ご注意を。わずか2000円ほどのものですが、在庫がない時があって。。。その後手に入れました。
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あとオイルシールドライバーといいますか、オイルシールプッシャーも必須だと感じました。一時的に、結構ガツンと打つ場面があるので、手作りの塩ビパイプ半割りとかは、ちょっと不安かもです。写真はストレートの、お安め4000円ぐらいの工具。十分用を果たしました。液面を決める注射器ツールは、便利でしたが、なければないで済むかもしれません。メスシリンダーは使いませんでした。かぶるぐらい多めに入れてから液面を合わせて抜くのがお決まりのようなので、きちんと計量する場面がありませんでした。
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最終的に、無事出来上がったように見えます。先程説明した、ダンパーロッドを引き上げるツール一つのせいで、最終盤の組み付けで難渋したのは心残りです。時間がたっぷりあったら、ツール作りのため、ホームセンターに走ったと思います(注:ホームセンターにあるネジでは作れません)。
今後、多分、2回目、3回目ぐらいになると確証を持って取り組めることでしょう。特に液面調整と最後の組み立て。ここに不安が残ると、なんだかモヤモヤしたままです。次回、いつかやるフォークオイル交換でリベンジしたいと思います。
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