
今日から9月に入りました。
秋はチューニングを試せれる季節ですが、今回は日本の自動車チューニングの歴史について語りたいと思います。
※写真は現在発売されていない、ニスモのナビ・イン・マルチメータです。
1.創明期[はじまり]
自動車チューニングの始まりは、1960年代後半から1970年前半に掛けて始まったとされます。
この頃はまだバイクが全盛期の時代で、高価な車には手が出せなくチューニングと言う概念も確立できていない時代です。
1960年代の当時は日本でもモータスポーツがようやく開始された頃で、サーキットを走る為に性能向上を行ったことから始まったとされます。
その頃はまだチューニングと言う概念はなく、自動車の改造でエンジンの排気量アップやオーバーフェンダ等で構造を変える車両改造ということで、車検証にも「改」が記載されてました。
パーツもほぼワンオフに近い形で製作され、当時はまだ特殊と言われるほどのチューニング環境でした。
しかし1974年のオイル・ショックを気に、日本の自動車メーカもレースから撤退し自動車の改造も行える風潮ではなくなりました。
2.発展期[1980年代]
オイルショックもひと段落した1980年に入り、モータリゼーションが発展してきました。
トラストやHKSなどのチューニングメーカも一般販売に乗り出しました。
星野一義がインパルを設立したのも、1982年設立でこの時代になります。
オートサロンがこの頃に開催されましたが、当時はまだチューニング文化が無くマニアックな人が来場していたと聞いてます。
それでようやくチューニング文化が広まりましたが、まだ自動車の法規制が多く数多くのパーツが改造扱いとなっています。
また自動車メーカも、1980年代後半にカスタマイズパーツや特別仕様車に乗り出し始めた頃でもあります。
これから一気に、チューニング文化が加速していきました。
2.成長期[1990年代]
90年代はバブルの時代でより一層、各社チューニング・パーツが出されてきました。
この頃は法規制もかなり緩和され、チューニングのメーカも参入しやすくなりました。
特にあの日産の名車R32GT-Rの登場で、一気にチューニング・パーツが幅広く揃えられるようになってきました。
また小型FRスポーツのシルビアやロードスターなども好調に売れて、チューニングがさらに広がっていきます。
でもメーカ直系の販売会社のディラー等では、チューニング・パーツを表立って取り付けられない状態でした。
チューニング=改造と言う文化はまだ払拭できず、一部の自動車好きにしかチューニングは広まりませんでした。
1990年代後半はバブルが崩壊し、チューニングも値段が高いより価格を抑えて性能向上を目指したマーケットを考えた発想となっていきます。
それによりチューニングも色々な種類(ドレスアップ派、走り派、ドリ派・・など)に分かれた時代となっていきました。
3.成熟期[2000年代]
2000年代に入ると各自動車メーカーもオートサロンへ参入し、チューニングもようやく認められるようになってきました。
自動車メーカも参入したことにより性能を極限まで上げるチューニングよりも、乗り易さや安定性を向上したセッティングの志向に向かっていきました。
スポーツ系の車以外にもカスタマイズ・パーツが増えて行き、ようやくチューニングも文化として認められていきます。
また自動車ディーラでも、アフターパーツで車検対応が出来れば社外パーツでも取付けできるようになってきました。
特にカー用品店でも全国各地にスーパー・オートバックスが誕生し、チューニング相談も可能となってきて一般にも手軽にチューニング出来るようになりました。
しかし自動車技術の進歩もあってか、昔のチューニングの技術が通用しなくなっていきた時代となりました。
特にエンジン制御ではメカ・チューンを行っても昔は性能が向上していたのに、今のエンジンはECU制御で性能がダウンする場合も発生することも。。。
成熟期にはいったチューニング業界は、トータルチューニングのセッティングが必要となり全体バランスを考えてチューニングする必要となってきます。
4.チューニングの現在[2012年]
チューニングもサーキット派、スポーツ走行派、ドレスアップ派、ドリ派、痛車派など様々に分かれて、自動車も色々な車種もチューニングできるようになりました。
種類も様々で豊富になったので、現在はチューニングのパーツを選ぶのに苦労します。
またチューニングメーカーも、車種・グレードによってはパーツの対応できない場合があり複雑化になっていきています。
自動車の性能が向上のためチューニング幅が狭くなり、直系のワークスでも手が出せない位に現在のチューニングは難しくなってきています。
現在はチューニングの文化がある程度確立されてきたため、新たな方向性に向かう必要がありますね。
さらにユーザ車検などでDIYなども進んで個人でもチューニングが出来るようになりましたが、しっかりとした法知識を持ってチューニングしないと車検不適格で再検査も多くなっているようです。
乗り易さを追求するにはデ・チューン(再チューンニング)も場合によっては必要かもしれません。
5.チューニングの未来[20XX年]
今後のチューニングはITなどを駆使して、ショップで取付け前に体感できるチューニングになっていくでしょう。
プレステのグランツーリスモ感覚で動きが体感できるシュミュレーション装置使用し、色々なパーツを選んでチューンの方向性を見けることが出来そうです。
エアロも取り付け前の車体画像を登録すれば、エアロ取付後のイメージを確認できるとかファッション感覚のチューニングとなっていきそうです。
現在はパーツを取付けしないと感じることが出来ないので、ミスマッチのチューニングを無くしていく方向に向かっていくと思います。
それにより自分にあったセッティングを分析し、よりチューニングが更なる向上していくことを願っています。
6.最後に・・・・ニスモ命が考えるチューニング[いつの時代も]
チューニング=改造ではありません。
チューニングは言葉の通り調整であり、暴走族などの違法改造とは違います。
安全マージンを削って性能調整を行うので、チューングをするとメンテナンスはコマ目にする必要があります。
性能アップや楽しく走れるチューニングはとっても重要ですが、安全も十分確保してから行ってください。
正しいチューニングをすることで、安全もより確保されることがあります。
もしチューニングに迷ったら取付けには急がずに、少し時間を掛けて第3者の体感レポートなどを参考にした方がいいと思います。
安全はお金では買えませんので、
チューニングは自己責任となることを理解した上、無理しない範囲で取り付けして楽しんでください。
まだまだ書きたいことはありますが、ここまでにします。
また次回、
チューニングについて語り合う時にお会いしましょう。