前回の続きです。前回のブログは
こちらから。
簡単におさらいすると、前回はATの種類を知ろうと色々調べて、そこで分かったことをまとめました。
今回はドライビングを楽しむためにATを採用したクルマについて色々書こうと思います。
前回の冒頭で話題に挙げた新型NSXですが、NSXには9速オートマチックが採用されています。
サーキットを走る動画では、パドルシフトで変速を行い、良いエンジン音を響かせて走っています。加速時に右手側、シフトアップのレバーを引くとスムーズに変速され、気持ち良く加速しています。ですが私が特に印象に残ったのは、シフトダウンの方なんです。ブレーキを踏み、シフトダウンのレバーを引くと、ヴォンとエンジンがブリッピング(空ぶかし)をしてエンジン回転数を合わせています。NSXはスポーツ+(プラス)モードにすると、自動でブリッピングをしてくれるようです。その音の歯切れの良さが非常に気持ち良いのです。
MTを運転していてMTらしさを感じる場面はいくつかあります。加速の変速時にエンジン音が途切れてまた少し低い音から高い音に変わっていく様子。そして、シフトダウン時にブリッピングをして回転数を合わせてシフトして減速する様子。他にも色々ありますが、この2つはNSXでも同様に感じ取れるわけです。これが今回ATを調べてみようと思ったきっかけです。
動画から感じ取れる範囲で、NSXの変速の気持ち良さはすごく良く乗ってみたいと思うのですが、新車価格は2370万円。残念ながら、とても手が出る価格ではありません。値段も紛れもないスーパーカーとなったのです。
多分いつもの私ならその後中古のNSXを調べたりするのでしょうが、今回は他の運転が面白そうなAT車を調べました。
NSXの次に思いついた楽しいAT。それが、日産GT-Rでした。スーパーカーとして新たな地位を築いたGT-R。ATTESA E-TSという4WDシステムをもち、あらゆる状況下でもパワーを確実に路面に伝える。雪国に住んでいる私たちにはとても良いスーパーカーですね。
ですが、GT-Rでも価格は996万円を超えます。グレードによっては1100万円を超えます。(NSXや他のスーパーカーと比べると、非常にお手頃な価格に思えるのですが...)
もう少し多くの人が手に入れられる、面白いATのスポーツカーはないか。
同じ日産のページで見たフェアレディZがその一つです。
フェアレディZはMTも面白いのです。MTで世界初の、シンクロレブコントロールと呼んでいる機能があります。これはシフトダウンすると、一瞬でエンジンの回転数とミッションの回転数を同期させ、ヒール&トゥを行ったようになるシステムです。開発ドライバーが、「俺の30年間を返せ!」と言ったくらい完成度の高い物のようです。
そしてATですが、これも「世界一MTライクなATを開発時のスローガンに、変速速度を優先した」と語っており、相当の自信作のようです。
このフェアレディZ、価格は384万円からとなっています。先ほどまでのスーパーカーと比べると圧倒的に手に入れやすいですね。
...でも庶民の私たちにとってはまだまだ高額なものだと思います。
もっと多くの人が手に入れやすいクルマでドライビングを楽しむためのAT車はないか。
ありました。割と最近発売されたあの軽自動車。
スズキ アルトターボRSとアルトワークスです。
スズキではAGS(Auto Gear Shift)と呼んでいますが、前回のブログでAMTとして紹介したやつです。つまり、基本的にはMTと同様の構造であり、ダイレクト感が高いです。
さらにスズキのAGSでは、一般的なAMTには無い、Pレンジやクリープ現象(AT車で、ブレーキを離すとゆっくり走りだす現象)と言った、私たちがATで慣れた機能が同じく備わっています。なので操作感はATと同様なわけです。ここがスズキの進んでいるところですね。クリープ現象は人によって違うかもしれませんが、Pレンジはきっと誰もが欲しい機能だと思います。
価格も130万円から(ターボRS)と、これまでのクルマと比べると非常に購入しやすい価格なのも魅力です。さらにさらにダメ押しのセールスポイントして、4WDもラインナップしているという事で雪国に住んでいる皆さんにも嬉しいクルマですよ。
Mレンジを使い自分で変速するようにすると、非常にワクワクする走行が楽しめるでしょう。
他に海外のメーカーはどうかと思い、フォルクスワーゲンを調べました。職場の人が乗っていて、変速が非常に良いと言っていたからです。フォルクスワーゲンのup!というコンパクトカーにも、AMTが採用されています。そのシフトノブは見慣れないもので、確かにPレンジが見当たらなかったです。
ところで私が今注目しているAMTですが、AMTの弱点の一つとして、MTの変速を自動で行っているのでクラッチが切れる時があるが、その時に変速ショックが他のATと比べると大きいというのがあります。MTに乗っている人でも、おそらくそのショックは感じるでしょう。MTは自分で変速しますが、AMTは自動で変速するので、変速する事をドライバーが感じないと不意にトルクが抜けて体が前に押されるようになります。
そのショックを小さくするコツが、フォルクスワーゲン up!サイト内の紹介動画で言っていました。(リンクは
こちら)このなかで、5.「5ASGを楽しむには」をご覧下さい。カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子さんによると、「変速時に、アクセルペダルをスッっと離す」とのこと。
これなのですが、言葉だけだと変速のタイミングを伺わなければならず難しい作業のように思うのですが、まるも亜希子さんは自然にやっていました。慣れれば簡単なのでしょうか。どうやらトルクが抜けた時にアクセルペダルを離すと上手くいくようです。
あと、同じ部分の動画で、「クリープ現象がない」と言っていますので、先ほどのアルトのクリープ現象が「日本に向けたクルマらしい一つ進んだオプション」である事を理解できると思います。
さて、色々調べてみた「ドライビングを楽しむためのAT」ですが、どうでしょうか。
個人的には、今回調べたおかげで、AT車全てを毛嫌いするのは良くなく、楽しむ事を目指したAT車があると言う事を再認識しました。パドルシフトでシフトダウンすると歯切れ良くブリッピングしてくれるのが良いですね。ゲームのようです。
希望的観測ですが、今後はよりダイレクトな運転が出来、かつシフトアップ・ダウンの操作は自分で出来るクルマが増えて来るのではないかと思っています。価格を抑えたクルマであるアルトにもAMTが採用されました。今後は多くのクルマに増えて、「ATのクラッチを操作しない楽な運転が出来るけど、時々MTのような運転する楽しさを求めたい」という欲求不満な私たちを満たしてくれるクルマが増える事を願っています。
...ただ、今のところは乗っているMT車を楽しみ尽くす事になりますね。
Posted at 2016/09/04 22:54:59 | |
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