上官殿!
今回は久しぶりに、「
酷道」の偵察を行いたいと考えております!! (`Д´)ゞ ビシッ!
(上官殿)そう言えば去年、国道なのに2ヶ所も道が途切れている所の報告を受けたな。
はっ!さすがでございます!!
国道152号の、2ヵ所の分断箇所を偵察したのであります!!!
1つ目の分断箇所 →
【青崩峠】
2つ目の分断箇所 →
【青崩峠・地蔵峠】
今回はそのすぐ近くに新たな酷道を発見しましたので、早速偵察に行って参ります!
【酷道とは】
「国道」は、道路法に基づき国が政令で指定する、まさに国が管理している道路。
しかし中には「ここホントに国道!?」と疑いたくなるような道も存在しており、それらをマニアは「
酷道」と呼んでいます。
今回偵察を行うのは、「
国道256号」
岐阜県岐阜市と長野県飯田市を結ぶ、総延長233kmにおよぶ長大国道です。
最大の特徴は、一部に約12kmの車両通行不能の区間、いわゆる「
点線国道」の区間があること。
と言っても、車両通行不能な点線国道は日本にそこそこ存在しており、冒頭の
国道152号 青崩峠・地蔵峠もその1つ。
ですがそのほとんどは、長い国道の中の、どこか途中に存在しています。
つまりどんな国道であっても、起点と終点付近はソコソコ整備され、ちゃんとしている。ということです。
しかし、この国道256号の終点は例外。
何と国道がスタートしてわずか300メートル程で、
国道256号はどこかに消失してしまいます。
さらにその後、
唐突に国道は復活します。それも意外な形で。
今回はその
国道256号、長野側終点付近の偵察を行って参ります!
《飯田市上村》
この先のT字路にて、国道256号が出現。
案内標識には、左折する道が国道256号であることが、はっきり示されています。
しかし不穏なことに、行先の地名は無い。
この段階で「
この国道は何かおかしい」と感じる人が大半だろう。
案内標識から150mほどで名前の分からないT字路があり、ここが国道256号の終点となっています。
はるばる岐阜から、200km以上も走ってきた苦労人の256号が辿り着いた、じみ~な終点。
《国道256号》
T字路を曲がって国道256号へ入ると、
向橋にて上村川を渡る。
橋の先に見える立派な建物は、飯田市上村自治振興センター、いわゆる旧村役場である。
国道256号は、この旧役場前で特に案内は無いが右折。
右折した直後の前面展望。
決して広くはないが、センターラインのある整備された道が伸びていて、国道の威厳は十分に保っている。
・・・かに見えるが、左前方に何か設置されている。
全面通行止ェェェェェ!
国道に入って、まだ200m程度。
ただ全面通行止となってはいるものの、この先にはまだ民家があるためゲートやバリケードは無く、普通に通行が出来る。
そしてその全面通行止看板の隣には、「
長野県道251号 上飯田線」の標識。
あれ?国道どこ行った??
一番信用の置けそうな、国土地理院の地図を見てみましょう。
赤色が国道、黄色が都道府県道で表記されています。
赤丸の地点が、先にも報告した国道256号のじみ~な終点。
青丸の地点を境に、急に黄色表記(=県道)になっているのが分かります。
ちなみに先ほどの県道標識があった場所は、国土地理院地図では国道のハズ(=県道の始点はもう少し先)なのですが、何故かフライングで表示されています。
国道に入っているのに国道標識は無く、それどころか、まだ始まっていない県道標識が設置されているという状態。
国道と県道の境目はどこなのか?
国道はどこで消えてしまっているのか?
ここです。
右側に見える橋までが、国道256号。
橋から向こうは、県道251号です。
では本当に国道256号は、ここで消失してしまったのか?
結論から言うと・・・
答えは「NO」
国土地理院地図にて県道251号の先を見ると、突然国道(赤色点線表記)が登場します。
※青丸(画像下)が国道/県道の境目
もうお気づきだと思いますが、突如として現れたこの点線国道の正体こそが、消失したと思われた国道256号です。
ではこの国道256号が突如として現れる場所を目指し、県道251号を進行します。
《長野県道251号 上飯田線》
この先(赤石トンネル付近)が崩落して通行出来ない事から、整備状況は良くない。
崖側路面に多くのヒビ割れが発生しており、道路としての寿命もそう長くないだろう。
《国道256号 合流地点》
のハズなのだが・・・国道はどこ?(舗装路は県道)
何やら木製の看板らしきものがあるので見てみると・・・
【秋葉街道】 別名 ”塩の道”
我々人間が生きるために必要な塩が、昔は内陸の長野では取れなかったため、秋葉街道を通って大量の塩が運び入れられると共に、多くの人が行き来していました。
この道は太平洋と内陸の長野県を結ぶ、超重要な道だったのです。
↑の画像にも記載がありますが、「
小川路」こそが、突如現れた点線国道、そして国道256号の正体です。
ところで、その国道はどこでしょうか。
皆さん、分かりますか?
答えは・・・
拡大すると・・・
絵に描いたような点線国道(笑)
つまり、道なき道。
またこのすぐ近くには、県道251号の標識が。
国道との合流点のハズなのに、相変わらず国道標識は皆無。
気持ち的には点線国道区間も踏破したいところだが、さすがに装備(登山靴や雨具・熊鈴など)が必要。
短パンにサンダルというこの日のワタクシ二等兵では無理と諦め、これにて国道256号の偵察は終了。
帰り道、すぐ近くにある
国道152号の点線国道区間「
地蔵峠」に立ち寄る。
左が林道、直進が国道。
知らない人からすれば、どう見ても直進方向が国道とは思えないだろう。
そして変わらぬ道路状況。
普通であれば目の前にこの光景が拡がれば落胆してしまうだろうが、ワタクシ二等兵のような一部のマニアにとっては、安心感すら覚える。
以上で偵察活動は終了となりま・・・
せん!新情報入手!!!
国道256号の終点から300mほどの橋の所で、国道は突然消失し、それは国土地理院地図でも証明されたのですが・・・
実は、ほとんどの地図で示されていない、真の道が存在したのです!!!
これは「
オープンストリートマップ」というアプリの地図なのですが・・・
このマップには、何と消失した先の国道256号が!!!
橋を渡り、民家の間を抜けるように国道が伸びています。
しかし国道はここを右だと言われても、信じがたいような風景である。

(ストリートビューより)
橋の先は集合住宅(上村市営住宅)が建ち並んでいるだけで、おおよそ国道らしく見えない。
それどころか、どこかへ通じているような道に見えない。
どう見ても、集合住宅への進入路だろう?!
橋を渡った後は、突き当りを左に。
一番奥にある建物と、その手前にある建物の間を、国道は突き抜けている。
2つの建物の間に着き、右折するべく右方向を向くと、
そこには驚くべき国道風景が!
行き止まり(笑)
もしも、ひとつ奥の道が正解だったとしても、やっぱり答えは「行き止まり(笑)」
国道256号の ”真の道” に辿り着くには、もう少し調査が必要なようだ。
国道が突然消えたり、突然点線国道として復活したりと、とても興味深い路線でした。
我ら「陸上自走隊 横浜方面隊」は、引き続き調査・偵察を継続致します!(`Д´)ゞ ビシッ!
(おわり)