上官殿!
今日はとある ”公園” の偵察を行って参ります!!
(上官殿)む・・・もちろん普通の公園ではないのだろう?
今回偵察を行って来たのは「
完成まで、あと75年かかると言われる公園」でございます!!
(上官殿)
か、完成まで75年!?(⊃ Д)⊃≡゚ ゚ !?
はっ!
何故そんな事になっているのか、早速報告をさせていただきます!! (`Д´)ゞ ビシッ!
皆さまは、
計画から85年経っても3割しか完成していない、東京最大級の公園をご存じでしょうか?
その計画地を歩くと、柵で囲まれた空き地、小さな公園をたくさん見掛ける事が出来ますが、これらは全て ”
1つの公園” です。
何とその広さは、東京ディズニーランド3個分に相当する「164ha(ヘクタール)」
しかし現在、東京都では議会でも話題にしないほど、計画は進んでいません。
それどころか、地元の区役所がその公園予定地に、
無断で小学校を建設しています。
もちろん仮設の校舎などではなく、今も現役バリバリ。
鉄筋コンクリート4階建ての建物です。
もちろん法律違反。
ちなみにその区役所、小学校を建てる8年前には
「公園の計画地に勝手に建物を建ててはいけません!」
「私たちは、そのパトロールをして来ました」
と、区の広報で宣言している。
そして1999年には
「土地区画整理は成功しました!」
「緑豊かな公園が広がる安心空間が出来ました」
と、成功体験の本を書いている。
ちょっと何を言っているのか分からない、「この区は漫才がしたいのか?」
そう本気でツッコミたくなるのは
「江戸川区」
そして完成まで、あと75年かかると言われている未完成の公園とは
「篠崎公園」
どうしてこんな、ギャグみたいな事が起きてしまっているのか?
いろいろ調べたので、簡単に説明させていただきます。
時は戦前にまで遡り、当時の ”
東京市” による「
東京緑地計画」が、篠崎公園建設の起源となります。
とは言え、この計画を実現するためには多額の資金を必要とします。
そこで、ひとまず核となる6つの大公園を作り、これを軸にして「
東京緑地計画」を実現しようとなりました。
その1つ、東側の大公園が「
篠崎公園」だったのです。
その後日本は戦争に突入するも、”官” が広大な土地を確保するのは、飛行場や工場の建設など、様々な軍事目的に転用出来ることから土地の買収は進み、当初の計画だった124haを上回る162haの買収に成功。
しかし公園として機能していたのは、わずかに16haほど。
他の計画地は近くの農家に貸し出し、田んぼや畑となっていました。
しかしこれが、現在まで続く混乱の始まりとなります。
何と、農家たちが勝手に家を建て始めたのです。
さらに戦後の行政改革「
農地解放」の後押しもあり、これらの土地は実際にそこを耕していた農家の手に渡ることに。
残ったのは、本当に公園として整備していた「現在の篠崎公園A地区」と「現在の谷河内テニスコート・野球場」だけ。
そしてここからが、現在まで続く「都市計画法」と実際の土地の所有者、そしてお金の戦いになります。
時代は高度成長期に入り、土地価格は年々上昇。
田んぼと畑だらけだった江戸川区 篠崎エリアはベッドタウンとなっていき、どんどん買取交渉も難航。
1967年の朝日新聞には、当時の悲惨な買取交渉の状況が載っています。
5年間かけて行った土地の買取交渉の成果物は、野球場が1つのみ。
この頃までは東京都に協力的だった江戸川区も、30年経ってもほとんど進まない計画に加え、ベッドタウン化し人口が増加し続ける状況に耐え切れず、不足していた小学校を篠崎公園の計画地に作ったのです。
それが「
篠崎第四小学校」
東京都に真っ向からケンカを売った、世にも珍しい「
都市計画法違反の小学校」の誕生です。
当然東京都は、建築確認申請を投げ返すほど激怒しますが、もはや東京都の公園計画は破綻していました。
さすがに東京都も夢を諦め、公園の計画面積を164haから87haに、大きく減らします。
しかし現在、公園として確保している土地は34ha。
まだ買取が出来ていない土地は53haにのぼりますが、2005年の東京都会議録を読むと、1年で買収で来たのは、たったの0.7ha。
全て買い終えるのに、あと75年かかります。
ちなみに2024年現在でも、
公園のど真ん中に廃工場が残っている状況。
一応、東京都は篠崎公園の完成予想図を書いている。
また江戸川区も公式HPに「篠崎公園地区まちづくりの概要」として計画を乗せているが、これから整備を行っていく ”都市計画公園(計画)” とされている薄い緑色の地域には、既に多数の住宅、つまり地権者が存在している。
完成された篠崎公園。
それは、私たちが亡くなった後の世界で見れる景色になるだろう。
(おわり)
Posted at 2024/04/20 21:48:33 | |
トラックバック(0) |
偵察活動 | 日記