上官殿!
本日は前回に続き、酷道走破訓練の後編を報告させていただきます!! (`Д´)ゞ ビシッ!
【”酷道”とは?】
まず一般的に「
国道」というと・・・・・・
・ 主要都市間を結ぶ幹線道路
・ 交通量が多い、トラックも多い
・ 市街地の沿道では、店や商業施設が立ち並ぶ
・ 例え山間部であっても道幅や路面状態は良好で、通行には何の問題もない
つまり適切に整備されていて利便性の高い、都市間道路というイメージだと思われます。
そもそも国道は、道路法に基づき国が政令で指定するもの。
まさに、国が管理している道路です。
しかし中には「
ここホントに国道!?」と疑いたくなるような道も存在しており、それらをマニアは「
酷道」と呼んでいます。
今回走破訓練を行ったのは「
国道471号」
石川県羽咋市と
岐阜県高山市を結ぶ、一般国道です。
その中でも、富山・岐阜県境付近の「
楢峠(ならとうげ)」前後区間は、全国屈指の酷道としてその名を轟かせており、
・ 道幅は、ほぼ全域で普通車1台分
・ 路面に落石が転がっているのは日常
・ アスファルト舗装から雑草が生えている
・ 場所によっては、ダートと見分けがつかない
・ 川沿いであっても、ノーガードレール
という、国道のイメージとはかけ離れている道路状況。
さらに国道471号は、とある二つ名を持っています。それは・・・
「開かずの国道」
年間を通じて、通行可能な期間が非常に短いことが由来です。
冬季(11月中旬~6月初旬の7ヶ月間)は当然のごとく閉鎖され、冬季閉鎖が解除になった瞬間に、今度は「災害(復旧工事)のため通行止」という日が圧倒的に多く、1年の大半は人々の往来を許さない日が続きます。
2008年には、
1年を通じての開通期間はわずか1週間(!)という記録もあるくらい。
前回報告した国道157号もそうですが、酷道はその性質上、いつ道中で崩落が発生して、いつ通行止めになってもおかしくない。
通行可能との情報を仕入れたら、即訪問する勢いが必要です。
《岐阜県飛騨市》
古川町野口にて、国道41号から分岐。
分岐から6km程で、宮川町交差点を左折。
左側に見える赤い橋を渡ります。
センターラインのない橋を渡り、突き当りを右折。
ここからは、国道360号との重複区間となります。
橋を越えてから先は、意外にも2車線の快走路が続いている。
が、しかし。
国道360号から分岐する交差点の案内標識が、普通ではない。
まず手前の標識は、国道471号の行き先の地名だけが、あからさまに消されている。
さらに奥の標識に至っては、
地名もろとも国道471号の存在まで消されている。
しかも、こちらもあからさまに。
これは期待できそうだ
《国道471号》
国道471号へは、信号のない河合町交差点を右折。
右折した先は二手に別れているが、右奥へと続く道路が国道です。
既に怪しさを惜しげもなく発揮しているが、国道標識はしっかりあるので、ルートミスでは?と自身を疑う事はないだろう。
数件の民家の前を通り過ぎると、早くも集落が途切れてしまう。
左が国道で、右が市道。
この1.0車線幅が、この先の基本です。
市道との分岐から直ぐの地点に案内標識があり、そこには富山県の地名表示が。
国道360号からの分岐では消されていたものが、ここには残っている。
つまり、わざわざここに進入するのは極少ない物好きくらいなので、消す必要も無いという事なのだろう。
この時点では、離合(すれ違い)スペースこそ無いものの1.5車線幅はあるので、これからやって来る酷道区間に向けてリラックス走行。
が!
しかし!!
民家の前を通り、市道との分岐を抜けたわずか2分後。
富山への案内標識があったすぐ後。
全国屈指の酷道としてその名を轟かせる国道471号は、その名に恥じないプロローグを奏でてくれました!!!
※注 ここは国道です
《酷道区間》
路面状況が一気に激変。
舗装は荒くなり、コケと雑草が路面を緑に染めている。
なおここから先、ガードレールの姿を見ることはほとんどありません。

※注 ここは国道です
そんな怪しげな道路でも、国道は国道。
ご丁寧に、R471/R472の国道標識がきっちり立てられている。
とは言え、道路は相変わらず裏山にあるような私道状態。

※注 ここは国道です
途中、飛騨市河合町二ツ屋集落を通過。
集落と言っても人家は見当たらず、石垣の存在がかつて生活が営まれていた事を示すのみとなっている。

※注 ここは国道です
二ツ屋集落から先もこれまでと同じような道路状況が続く。
一見ダートと見間違うような、昔からの古いアスファルトも残っています。

※注 ここは国道です
楢峠が近づくと、強烈な急勾配+ハンドルをフルロックさせて回るようなヘアピンカーブが連続、一気に標高を上げる。
《楢峠(ならとうげ)》
連続ヘアピン地帯を抜けて少し走ると、ついに「
楢峠」に到達。
峠と言っても特に眺望に優れているわけでもなく、加えて県境でもないので、傍らにお地蔵さんがあるだけの、少し寂しげな峠となっています。
楢峠というビッグネーム(酷道業界のみで通用)を想像して訪れると、拍子抜けしてしまうかもしれません。

※注 ここは国道です
峠から先は当然の事ながら下り坂。
それ以外は南側と同じような状況だが、相変わらずガードレールの整備率は低く、ハンドル操作を誤るわけには行かない緊張した状況が続く。
峠から500m程先のヘアピンカーブで、「
富山・岐阜県道34号 利賀河合線」と交差します。
この県道34号もセットで語られる「
険道」として有名。(もちろん道路マニアの間でのみ通用)
ただ案内標識からは、県道表示と行先が雑に消されている。
↓2020年当時
しかも県道34号は崩落等により、通年通行止めだったはずだが、ゲートも撤去されている!
とは言え、そもそも国道区間すら通行量がほとんど無いので、全面復旧させる気があるとは考えにくい。
行ってみたいのはヤマヤマだが、時間の都合と調査不足もあり、今回は見送り。
ちなみにここまで、1台も対向車に出会っていません。
と思っていたら!
対向車登場

※注 ここは国道です
幸いにも対向車側に離合(すれ違い)出来るスペースがあった為、両車事なきを得る。
まさかこの雨の中、ワタクシ二等兵以外にも物好きが居たとは・・・
これ以降、路面状況は劇的に改善。
ただしここは、冬季であれば豪雪地帯。
雪の重みで歪んでしまっている国道標識が多い。
こちらに至っては、標識を支える支柱自体が大きく傾く。
加えて国道471号の標識が落ち、国道472号のみとなってしまっている。
《岐阜・富山県境》
ゲートの辺りが県境。
ただし、国道にも関わらず富山県および富山市の県境標識はなく、半ば見捨てられた感が漂う。
しかもこの先 ”通行止” 表示。
ただ逆の考え方をすれば、ほとんど交通量の無い酷道であっても維持・管理をしているとも取れる。
腐っても国道であるという事か。
ゲート(県境)通過し、岐阜県側を振り返ってみると、こちらにはちゃんと県境標識が立てられている。
この県境での両県の対応の違いから想像できる事は、富山県側の方がよりハードなのでは?というもの。
これは期待できそうだ(2回目)
富山県富山市へ。
約500m走ると長谷第4発電所を通過。
このゲートを越えると、酷さがさらに上がる。
通常は峠を下りゲートを越えると酷さは下がるものなのだが、楢峠にそれは通用しないようだ。
断崖絶壁を走るくせにガードレールなんて上品なものはなく、

※注 ここは国道です
常に落石&転落の緊張から、景色に見とれてる余裕はありません。

※注 ここは国道です
緊張しながらも前進を続けるワタクシ二等兵と、乙三三式車両改。
しかしその先に待っていたのは・・・
どデカい落石

※注 ここは国道です
その大きさもさることながら、どう見ても最近落ちてきたもの。

※注 ここは国道です
ギリギリ横をすり抜けられなくもないが、こんなデカい落石を食らったら、無傷では済まない。なので、

※注 ここは国道です
撤退ー!─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
あの酷道区間を、再び走行。
反対側から通ると、往路では見れなかった景色を見ることが出来て、それはそれで良き。

※注 ここは国道です

※注 ここは国道です

※注 ここは国道です
復路も乗り越え、無事下界に到着!
国道360号 河合町交差点から約15.0kmほどの距離ですが、1時間くらいの時間を要しました。
シャコタン&35偏平タイヤ装着、サーキットも走るワタクシ二等兵の乙三三式車両改では、凸凹路面や落石を避けるため、ほとんどの区間を徐行運転。
普通の車両で、かつ同じ道路状況であれば、もう少し早く走破出来ると思いますが・・・
交通量も少なく、今回の訓練では1時間の道中、対向車に出会ったのは1台のみ。
逆に対向車が無いのが当たり前のような感覚になってしまうので、決して気を緩めず慎重な走行が必要です。
集落のない区間に限ればかなりハードな酷道で、「
開かずの国道」の名は伊達ではないと思わせるのに充分な酷さを備えてました!
以上で報告を終わります!
(往路 楢峠にて)
(おわり)