上官殿!
毎年恒例となっている、北アルプスにおける山岳訓練を、今年も実施したいと思っております!
ただし最近はコロナ対策による外出自粛などもあり、例年以上に体力に不安がございます。
そこで今年は、昨年の大キレットのような難所中の難所で訓練を行うのではなく、技術的な難易度はそれ程高くない地域での訓練を行いたいと存じます!!
はっ!
今回は「
常念岳」であります!!
日本百名山のひとつで、標高は2,857M。
山体全てが長野県にあり、安曇野からはその全容が望めます。
ピラミッド型のその端正な山容は一目瞭然で、すぐ見つけられる印象的な山です。
複数の登山ルートがあり、一番メジャーな一ノ沢コースは登山口から片道4時間30分程度で常念岳ふもとにある常念小屋に辿り着け、道中も技術的に難しい所はなく、初めての北アルプス山岳訓練地としてこの山を選ぶ偵察部隊・隊員も多いようです。
ですので上官殿、久しぶりにワタクシ二等兵と共に訓練を行ってはいかがでしょうか?
そう言えば上官殿、先日服を選びにご一緒させていただいた際、比較的ゆったりした服をお選びになっておりましたね!
ご自分に厳しい上官殿が、体のサイズが変わるなどという事はあり得ないので、正直意外でしたが、ご趣味が変わって来たのかと思い・・・・・・
上官殿?
(上官殿)・・・って・・・のか・・・
はい??
(上官殿)私の・・・は・・・って・・・のか・・・
上官殿???
(上官殿)私の見た目は変わったのか?変わってしまったのかぁぁぁ??
い、いえ。
決してそのような事は・・・\(;゚∇゚)/☆
(上官殿)
基地から逃げるように脱出。ピューッ!≡≡≡ヘ(*゚∇゚)ノ
一路北アルプスへ向かう。
中央道から長野道へ入り、安曇野インターにて下道へ。
目指す常念山脈は、完全に雲に包まれています。
今回も上官殿がご参加されないとの事なので、ちょいキツめのルートに変更。
三股登山口→前常念岳→常念岳を目指す、三股ルートを選択。
基本コースタイムは宿泊地である常念小屋到着まで含め、上りで8時間ほど。
ガイドマップを見ると、周囲の登山道と比較して明らかに急登なのが分かる。
(赤矢印のルートです)
出発地点である、
三股登山口。(8:20)
今年初めての山岳訓練、がんばるぞい!!
登山口から直ぐに分岐。
画像左奥に進むと、
蝶ヶ岳へ。
三股登山口から登る人のほとんどが、蝶ヶ岳へ進んでいきます。
常念岳を目指すワタクシ二等兵は右へ。
画像でもその片鱗が伺えますが、分岐した途端にそこそこの上りとなります。
しばらくの間は、樹林帯の中をひたすら登っていきます。
先ほどの分岐から、3.1km地点。(11:00)
ここまで2時間40分かかりました。
謎の建造物跡?を通過すると、
まだまだ急登は続きますが、少しずつ視界が開け始めます。
経由地である前常念岳も、その姿を少しだけ見せるようになります。
登山者が多いルートでこの様な大きな段差がある場合は、管理者の方がより歩きやすいように、木などで階段を設置してくれている事が多い。
しかしこのルートは登山者が極少なので、人工物の設置はほぼ無い。
唯一あるのは、このハシゴのみ。
突然現れるので、逆にビックリした。
このハシゴを登ると、一気に山の稜線に飛び出します。(12:00)
常念岳~蝶ヶ岳へ向かうルート。
前を向けば、前常念岳へのルートも良く見えます。
ただし、前にも後にもこのルートを進む登山者の姿は全く見えない・・・
時間もちょうどお昼なので、ここでごはん。
30分くらい休憩し、再び登り始めます。
ここから先は、岩場を乗り越えていくルート。
とは言え手を使って登るような箇所は少なく、また手を使って登る所も手掛かり・足掛かりに困ることはないので、三点支持でスイスイ登れます。
ただし、高度感のある場所もあるので、慎重に行きましょう。
そうこうしているうちに、
前常念岳(2,662M)へ到着。(13:25)
赤い建物は、避難小屋です。
ここまで来ると、やっと常念岳が雲の向こうに微かに見え始めます。
当日はガスってイマイチでしたが、天気が良ければ雄大な眺望を拝める事でしょう。
常念乗越との分岐。(14:00)
画像右へ行くと、常念小屋へ直接アクセス出来るルート。
ですがかなり荒れているとの話もあるので、ここは素直に常念岳を目指して直進します。
常念小屋~常念岳へと向かうルートに合流。(14:40)
ここまでの6時間20分で出会ったのは、登っていく登山者ゼロ、降りていく登山者には5人程度。
ただしここまで来ると、常念小屋に荷物をデポして常念岳を目指す方々がいるので、急激に人の気配が増えていきます。
本来であれば、ここから穂高連峰の素晴らしい山並み、そして昨年の訓練地である大キレットも見えるはずだが、ご覧の通り。
頂上制覇にはあまり興味がないワタクシ二等兵、今日の眺望は直ぐに諦め常念小屋に向かいます。
って・・・
ええ!?あんなに降りるの!?
この時点でワタクシ二等兵、明日天気が回復しなければそのまま帰る事を決意。
それにしても風が強い!
前常念岳付近も当然ながら周囲に何もないので、備えていないと体制を崩しそうなほど強風が吹いていたが、小屋への下り坂でもまだまだ強い風が続く。
ただこの風も日常的なのだろうか?
小屋付近の樹木は、ご覧の通り完全に曲がって育っている。
常念小屋に到着。(15:10)
基本コースタイムは8時間のところ、およそ7時間。
常念岳登頂をパスしたとは言え、せいぜい+20分くらいだろうから、なかなかのペースで歩いた事になる。
・・・ん!?
小屋の入り口には、こんな注意書きが。
そうかー。
あのコースは毎年、疲労による遭難があるのかー。
確かに体力的にはシンドイ、途中山小屋はもちろん、水場すら無いですからね・・・
ま、とにかくいい感じでここまで来れたので、サッサとチェックインを済ませてゆっくり休養しよう。
で、翌朝。
天候は前日と変わらないどころか、雨も加わる。
常念岳頂上を目指しても眺望は望めそうにないので、頂上制覇に執着が無いワタクシ二等兵、早々に下山を決定。
来たルートをそのまま戻るのもツマラナイので、常念岳登山ではメジャーな一ノ沢コースにて下山。(6:30)
下りの基本コースタイムは3時間10分です。
コースに入ってすぐ、樹林帯に突入。
三股コースのような開放的な眺望はありませんが、一ノ沢コースは変化に富んだ道程が魅力です。
何度も川渡りを楽しんだり、
このような断崖も歩きますので、足元には注意しましょう。
胸突八丁へ到着。(7:10)
ここまでは結構な勾配が続いたので、一ノ沢登山口から登ってくる場合は、しっかり体力を温存しておきましょう。
胸突八丁から先の下りは、これまでに比べたら緩やかな道が続きます。
古池まで辿り着けば、登山口まではあと少し。
一ノ沢登山口に到着。(9:30)
ここまではタクシーも入って来られるので、一気に日常感に包まれます。
ベンチにてゆっくり休憩。
ただし、乙三三式車両がある三股登山口には、とてもではないが歩いて行けない(行きたくない)。
ので、他の登山者の方と一緒にタクシー相乗りにて駐車場に到着。
上官殿!ただいま基地に帰還致しました!
以上で訓練報告を終わります!!
(上官殿)・・・・・・・・・・
上官殿?
(上官殿)・・・って・・・のか・・・
はい??
(上官殿)私の・・・は・・・って・・・のか・・・
上官殿???
(上官殿)私の見た目は変わったのか?変わってしまったのかぁぁぁ??
(おわり)