上官殿!
ワタクシ二等兵の知人である名古屋方面隊長より、連絡が入りました!
(上官殿)どのような内容だ?
名古屋には、国内で唯一となる”謎の鉄道路線”があるとの事です!!
(上官殿)ほう、面白そうだな。分かった、偵察活動を許可する。
はっ! (`Д´)ゞ ビシッ!
(上官殿)ところで・・・
( ・ω・) ???
(上官殿)私への献上品(お土産)を忘れぬこと!
は・・・はぁ・・・
(いつもの事だけど、お好みじゃないと面倒なんだよなぁ)
(上官殿)お ・ ね ・ が ・ い ☆
はっ!
ワタクシ二等兵の全てを賭して調達いたします!!( ง ᵒ̌∀ᵒ̌)ง⁼³₌₃.フンフン
《
大曽根駅》
上官殿に見事に乗せられてやって来た、愛知県名古屋市東区にある鉄道駅です。
ここを起点に「
ゆとりーとライン」という、世にも奇妙な鉄道が発着しているという。聞くところによると「バスにしか見えない鉄道」との事。
「ゆとりーとライン」とは、名古屋市交通局の新交通システムであり、ガイドウェイバスと呼ばれるものです。
(。´・ω・)ん? バス??
ただ「ゆとりーとライン」は、法律上では鉄道として分類されているらしい。
どういう事だ???
大曽根駅の駅舎からは、ビルの3~4階に相当する高い位置に高架橋が通されており、ずっと先に続いている。モノレールのような感じだろうか?
っと・・・
おお!ちょうど駅に向かって車両が走って来た!!
ん?
ってか、バスっぽくね?
ってか、どう見てもバスだよね??
ってか、ここ鉄道路線じゃなかったけ???
バスでした(笑)
ますます混迷の度合いを深める、ワタクシ二等兵。
走っている車両は、どう見てもバス。
なのに鉄道路線とは、どういう事だ?
真実を探るべくワタクシ二等兵、駅舎に突入!
《
大曽根駅内》
停留所ではなく、しっかり大曽根「駅」と表記されています。
駅舎もそうだったが、改札もモノレール乗り場っぽい。
エスカレーターを上がってホーム?へ。
進行方向を見ると、軌道があるのが分かる。
つまりこれは道路ではなく”案内軌条”となり、よって鉄道扱いになっているという事になります。
近づくと分かるのですが、ガイドレールと呼ばれるものが左右にあります。
バスの側面には軌道走行用の車輪(案内輪)があり、これが普通のバスとは違う所。
それをこの軌道でガシッと挟むことで、運転手はハンドル操作を一切行わず、アクセル踏むと決まった通りに進み、カーブでの減速や駅に停止するときにブレーキを使って止まります。このあたりは、列車と同じですね。
外から見たらただのバスにしか見えませんが、全然違う乗り物であることが分かります。
さぁバス・・・じゃない、列車がやって来ました!
(イオンの屋上駐車場にしか見えない)
ホームに入線してくるバス・・・じゃない、列車。
(もう面倒なので、以下はバスで)
乗り方は路線バスと同じ。
乗車時にICカードをピッとあてて、降りる時も同様。
早速車両の中へ。
まず最初に目に付く「15」と書かれたプレート。制限速度の表示です。
こういう表示は、鉄道路線ならでは。
当たり前だが、信号などの遮るものが全く無い一直線の道路・・・じゃない、軌道を進みます。
《
守山駅 手前》
途中にはキツめの勾配もあり、これを電車で行くのは結構大変じゃないかと思います。
《
白沢渓谷駅 手前》
その先には、ゆとりーとライン鉄道区間の最急勾配。
JRの最急勾配が40‰(パーミル)ですが、ここは何と60‰もあります。
ちなみにここまでの勾配だと、普通の電車で上ることは無理です。
ただし勾配に強いバスであれば、何の問題もありません。
《
小幡緑地駅》
この駅で鉄道区間は終わりとの事なので、下車します。
乗車したバスを見送る、ワタクシ二等兵。
ただしまだ乗車したままの方が結構います。何故?
!?!?
何と、ここから先は普通の”路線バス”として運行していくようだ。
駅を飛び出し、切り替えのポイントへと向かう。
《
名古屋ガイドウェイバス ロータリー》
ロータリーは残念ながら立入禁止。
左側の看板では「人・自転車・車」 進入の進入が規制されており、「じゃ何が入れるんだ!」と思うかもしれませんが・・・そうです、鉄道なら入れるんです。
ここからは、敷地外の歩道から偵察。
小幡緑地駅から伸びる高架橋(=鉄道区間)の末端には、ゲートが設置されています。
おっ!
今まさに、鉄道区間を走り終えた車両(まだ列車です)が高架橋を降りてきました!!
ゲートの手前まで、軌道がありますね。
ここで、軌道を走るための案内輪を格納。
ゲートを通過。
このカットだと、車両(ここからバス)から案内輪が見えなくなっているのが分かります。
ちょうど反対側から、バス路線を走ってきた車両(まだバス)が、鉄道区間を走るため(これから列車)にやって来ました。
列車からバスへと変化した車両は、乗客を乗せたまま悠然と一般道を走っていきます。
一方、バスから列車へと変化しようとしている車両は、ゲートの前で停止中。
まだ案内輪は出ていません。
しばらく様子を見ていると、おーっ!
案内輪が出て来た!!
そしてここからは、”鉄道”として進んでいきます。
つまり・・・
ゲートの向こう側は「鉄道事業法」および「軌道法」が適用。
こちら側は「道路交通法」および「道路運送法」が適用。
ゲートがその境目。
いやー、面白すぎるな。
ちなみに大曽根駅から小幡緑地駅までの運賃は、たったの250円。
しかも朝夕でなくとも、10分おきにバス・・・じゃない列車が到着するので、機動性も文句なし。
以上が日本でもここでしか見られない、新交通システム。
バスにしか見えない鉄道路線、ゆとりーとラインの偵察報告となります!
《
おまけ1》
小幡緑地駅から大曽根駅に向かっている途中、車窓から気になる風景を見つけ、緊急下車。
何と、一般道の直ぐそばに戦車が置かれているのを発見!(陸自 守山駐屯地)
我ら「陸上自走隊 横浜方面隊」としては、見逃せない光景であります!! (`Д´)ゞ ビシッ!
《
おまけ2》
上官殿への献上品。
たいそう喜ばれておりました。(肉は正義)
(おわり)