上官殿!
今年の盆休み期間は、ワタクシ二等兵が任務により休暇を取得することが出来ず、大変申し訳ございませんでした!!
ちなみに我らが大日本帝國においては、東名高速において朝から55kmの大渋滞が発生するなど、國民も多数行楽・・・・・・いや、偵察活動を行っているようです。
遅ればせながら我が『陸上自走隊 埼玉方面隊』もこの夏の暑さを克服し、更なる偵察能力の向上を目指すため、訓練を行う事を進言させて頂きます!!
はっ!!
ご快諾、ありがとうございます!!!
今回も山岳訓練の舞台となるのは、3,000Mを超える山が多数鎮座する
北アルプス。
そして北アルプスの核心部分とされる
穂高連峰は、長い間アルピニストの聖地という不動の地位に君臨しています。
今回は、その穂高連峰の3,000M峰である「
前穂高岳」(3,090M)と、日本第3位の標高を誇る「
奥穂高岳」(3,190M)を縦走するコースに挑戦するのであります!!
上高地から岳沢を経由、前穂高岳に直登し奥穂高岳を巡るこのコースは、北アルプスを代表する急坂の
重太郎新道を登ることになります。
Wikipediaでは健脚者向けとされており、ワタクシ二等兵が宿泊する予定の穂高岳山荘までは8時間以上を要します。
また事故も多いので慎重な行動が必要とされますが、そのぶん展望に優れ、また上高地から時間をかけずに登山道に取り付けるという点が、このルートの大きな魅力です。
早朝4時に、沢渡バスターミナルの駐車場に到着、SG式車両を駐車。
上高地へはマイカーでの立ち入りが禁止されていますので、シャトルバスに乗り込みます。
4:40始発のバス待ちの列には、ワタクシ二等兵含め60L以上の ”でかザック” を抱えた人がいっぱい!!
5時すぎに上高地バスターミナルに到着。
上高地は昨年の秋に槍ヶ岳に登りに来て以来だから、約1年ぶりか。
まずは
河童橋方面へと歩きます。
早朝の上高地はなかなか寒く、まだ人もあまりいないので梓川のせせらぎも心地良い。
今回は1泊装備なので荷物も軽めのはずだったのですが、久しぶりのお泊り登山だからか、妙に重たく感じました。
途中に水場がないので2.0L持ってたのですが、今考えたら多すぎだったかもしれない。。。
上高地の名所、河童橋。
重太郎新道へ行く場合はこの橋を渡っていきます。
ほとんどの人はこの橋を渡らず、歩きやすい徳沢方面へ行くので、この橋を渡ると一気に静かになる。
上高地バスターミナルの賑わいどこへ行ったの??っていうくらい、こっちには誰もいませんでした。
岳沢登山口到着。
上高地バスターミナルから20分ほどで登山道に入れるのが、このルートのいいところ。
前穂高岳まではここから約6時間。
細かなアップダウンもほとんどなく、山頂までひたすら登りが続きます。
5:40に登山開始。
しんと静まり返った上高地の森を進んで行きます。
途中にある天然クーラー、風穴。
ガレ場もありますが、岳沢小屋までは淡々と標高を上げていく通常の登山道。
視界が開けると目指す前穂高岳の山頂がチラッと見えたりもします。
岳沢小屋も見えて来ました!!
それにしても身体が重く、全然ペースが上がらない。。。
明らかにワタクシ二等兵より荷物重そうな、後ろから来る人にどんどん抜かされていきます。
とりあえず7:25に
岳沢小屋に到着。
上高地からここまで2時間弱。
思っていたほどペースは悪くないはず。 周りが速すぎるんだ、きっと!
距離はすでに半分以上来ていて、山頂まで残りはたったの2.5km。
たったの2.5kmなんだけど、山頂までは4時間かかるって言うんだから、この先相当な登りが待ってるってことで・・・・・・
いよいよ
重太郎新道へ。
入口の注意書きには「危険いっぱい、時間もかかるよ」というようなことが書かれています。
落石多発ということなので、一応ヘルメット装着。
なお重太郎新道でのヘルメット装着率は、7割近かった印象です。
ここから先は、岩場やハシゴがどんどん出てきます。
一気に標高を上げていくにつれて穂高岳の岩壁の迫力も増していき、緊張感ありつつも面白さが出てきます。
奥に見えるのは、昨年行った西穂高岳かな?
カモシカの立場と呼ばれるポイントまで来れば、
焼岳(2,455M)の標高も超える。
焼岳に初めて登った時は、北アルプス自体が初めてだったから相当高い山に感じましたが、登り慣れて他の山を知るようになると、焼岳って意外とちっこいっていうのがわかってきます。
まだまだ急登は続きます。
鎖場も出てきますが、岩登り経験があれば使う必要ほとんどありません。
急登なので、あっという間に森林限界を超え、ハイマツの道に変わります。
結構登ってきたはずなのに、山頂はまだ見上げるほど高い位置にある。
城のように聳える山頂部の岩山、何か大ボスのように見下ろしてる感がカッコいいじゃないか!
小さなお花畑を抜けると、
雷鳥広場という場所が。
その後も鎖場を含む急登が続きますが、このルートを通る人はそれなりの経験がある人がほとんどなので、みんなヒョイヒョイ登ってく。
鎖場待ちの渋滞とかも全く発生してなかったです。
前穂高岳山頂にようやく近づいてきました。
穂高岳の前衛と呼ぶにはあまりに大きくて、この山単体でも大ボス級の迫力がありました。
少なくとも奥穂高岳の手下なんてちっぽけな存在では全然なかった。
後を振り返ればいつでもこの景色。
左に霞沢岳、右に焼岳。 中央が乗鞍岳でさらにその奥に御嶽山も見えています。
上高地からの距離感が全く変わらないから、本当にひたすら上に登っているってことだな。
そして10:20、
紀美子平に到着。
ここは奥穂・前穂の分岐でもあり絶好の展望台でもあるポイント。
まずは前穂高岳山頂へ。
登り30分、ほとんどの人が荷物デポってアタックしてたので、それに倣って軽身で登ります。
この先もひたすら岩場の急登ですが、目印も親切なほどついているので、それに従ってヒーヒー言いながら登り続けます。
11時20分、
前穂高岳 山頂(3,090M)に到着。
登りの所要時間は、休憩を含めて5時間40分ほど。
急登続きだったので、結構疲れました。。。(;≧皿≦)。゜°。
山頂は思っていた以上に広い。
中央右側に北穂高岳、左側に涸沢岳が良く見えます。
北アルプスのシンボル、槍ヶ岳。
眼下には涸沢カールを見ることができます。
そして何よりも目を惹くのが、この後目指す
奥穂高岳の展望。 迫力ありすぎ!
目の前にどっしりと構えた岩の殿堂、その風格をまざまざと見せつけられます。
紀美子平から吊尾根を経て奥穂高岳へ登るルートも見えますが、上から見るとより一層岩の急斜面が続くように見える。
あそこを通るのか。。。 結構疲れそう。。。
この日は天気が良くて、東側には八ヶ岳や南アルプス、遠くは富士山まで見渡せました。
紀美子平に戻ってきて、ここでゆっくり昼休み。
前編はひとまずここまで。
後編は、紀美子平から吊尾根を渡り奥穂高岳山頂へ。
そして穂高岳山荘から、ザイテングラートを通り涸沢までの報告をさせて頂くぞい!!