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さとちん@のブログ一覧

2022年08月28日 イイね!

謎の鉄道路線

上官殿!
ワタクシ二等兵の知人である名古屋方面隊長より、連絡が入りました!

(上官殿)どのような内容だ?

名古屋には、国内で唯一となる”謎の鉄道路線”があるとの事です!!

(上官殿)ほう、面白そうだな。分かった、偵察活動を許可する。

はっ! (`Д´)ゞ ビシッ!

(上官殿)ところで・・・

( ・ω・) ???

(上官殿)私への献上品(お土産)を忘れぬこと!

は・・・はぁ・・・
(いつもの事だけど、お好みじゃないと面倒なんだよなぁ)

(上官殿)お ・ ね ・ が ・ い ☆


はっ!
ワタクシ二等兵の全てを賭して調達いたします!!( ง ᵒ̌∀ᵒ̌)ง⁼³₌₃.フンフン




大曽根駅
上官殿に見事に乗せられてやって来た、愛知県名古屋市東区にある鉄道駅です。


ここを起点に「ゆとりーとライン」という、世にも奇妙な鉄道が発着しているという。聞くところによると「バスにしか見えない鉄道」との事。

「ゆとりーとライン」とは、名古屋市交通局の新交通システムであり、ガイドウェイバスと呼ばれるものです。

(。´・ω・)ん? バス??

ただ「ゆとりーとライン」は、法律上では鉄道として分類されているらしい。
どういう事だ???

大曽根駅の駅舎からは、ビルの3~4階に相当する高い位置に高架橋が通されており、ずっと先に続いている。モノレールのような感じだろうか?


っと・・・
おお!ちょうど駅に向かって車両が走って来た!!


ん?

ってか、バスっぽくね?
ってか、どう見てもバスだよね??
ってか、ここ鉄道路線じゃなかったけ???






バスでした(笑)


ますます混迷の度合いを深める、ワタクシ二等兵。
走っている車両は、どう見てもバス。
なのに鉄道路線とは、どういう事だ?

真実を探るべくワタクシ二等兵、駅舎に突入!



大曽根駅内
停留所ではなく、しっかり大曽根「駅」と表記されています。
駅舎もそうだったが、改札もモノレール乗り場っぽい。


エスカレーターを上がってホーム?へ。


進行方向を見ると、軌道があるのが分かる。
つまりこれは道路ではなく”案内軌条”となり、よって鉄道扱いになっているという事になります。


近づくと分かるのですが、ガイドレールと呼ばれるものが左右にあります。


バスの側面には軌道走行用の車輪(案内輪)があり、これが普通のバスとは違う所。


それをこの軌道でガシッと挟むことで、運転手はハンドル操作を一切行わず、アクセル踏むと決まった通りに進み、カーブでの減速や駅に停止するときにブレーキを使って止まります。このあたりは、列車と同じですね。
外から見たらただのバスにしか見えませんが、全然違う乗り物であることが分かります。

さぁバス・・・じゃない、列車がやって来ました!
(イオンの屋上駐車場にしか見えない)


ホームに入線してくるバス・・・じゃない、列車。
(もう面倒なので、以下はバスで)


乗り方は路線バスと同じ。
乗車時にICカードをピッとあてて、降りる時も同様。


早速車両の中へ。
まず最初に目に付く「15」と書かれたプレート。制限速度の表示です。
こういう表示は、鉄道路線ならでは。


当たり前だが、信号などの遮るものが全く無い一直線の道路・・・じゃない、軌道を進みます。


守山駅 手前
途中にはキツめの勾配もあり、これを電車で行くのは結構大変じゃないかと思います。


白沢渓谷駅 手前
その先には、ゆとりーとライン鉄道区間の最急勾配。
JRの最急勾配が40‰(パーミル)ですが、ここは何と60‰もあります。


ちなみにここまでの勾配だと、普通の電車で上ることは無理です。
ただし勾配に強いバスであれば、何の問題もありません。




小幡緑地駅
この駅で鉄道区間は終わりとの事なので、下車します。


乗車したバスを見送る、ワタクシ二等兵。
ただしまだ乗車したままの方が結構います。何故?


!?!?


何と、ここから先は普通の”路線バス”として運行していくようだ。
駅を飛び出し、切り替えのポイントへと向かう。



名古屋ガイドウェイバス ロータリー
ロータリーは残念ながら立入禁止。
左側の看板では「人・自転車・車」 進入の進入が規制されており、「じゃ何が入れるんだ!」と思うかもしれませんが・・・そうです、鉄道なら入れるんです。


ここからは、敷地外の歩道から偵察。
小幡緑地駅から伸びる高架橋(=鉄道区間)の末端には、ゲートが設置されています。


おっ!
今まさに、鉄道区間を走り終えた車両(まだ列車です)が高架橋を降りてきました!!


ゲートの手前まで、軌道がありますね。
ここで、軌道を走るための案内輪を格納。


ゲートを通過。
このカットだと、車両(ここからバス)から案内輪が見えなくなっているのが分かります。


ちょうど反対側から、バス路線を走ってきた車両(まだバス)が、鉄道区間を走るため(これから列車)にやって来ました。


列車からバスへと変化した車両は、乗客を乗せたまま悠然と一般道を走っていきます。



一方、バスから列車へと変化しようとしている車両は、ゲートの前で停止中。
まだ案内輪は出ていません。


しばらく様子を見ていると、おーっ!
案内輪が出て来た!!


そしてここからは、”鉄道”として進んでいきます。


つまり・・・
ゲートの向こう側は「鉄道事業法」および「軌道法」が適用。
こちら側は「道路交通法」および「道路運送法」が適用。
ゲートがその境目。


いやー、面白すぎるな。
ちなみに大曽根駅から小幡緑地駅までの運賃は、たったの250円。
しかも朝夕でなくとも、10分おきにバス・・・じゃない列車が到着するので、機動性も文句なし。


以上が日本でもここでしか見られない、新交通システム。
バスにしか見えない鉄道路線、ゆとりーとラインの偵察報告となります!



おまけ1
小幡緑地駅から大曽根駅に向かっている途中、車窓から気になる風景を見つけ、緊急下車。
何と、一般道の直ぐそばに戦車が置かれているのを発見!(陸自 守山駐屯地)
我ら「陸上自走隊 横浜方面隊」としては、見逃せない光景であります!! (`Д´)ゞ ビシッ!




おまけ2
上官殿への献上品。
たいそう喜ばれておりました。(肉は正義)


(おわり)
Posted at 2022/08/28 19:11:56 | コメント(9) | トラックバック(0) | 偵察活動 | 日記
2022年08月20日 イイね!

夏季山岳訓練

上官殿!

夏真っ盛りではあるのですが、我ら「陸上自走隊 横浜方面隊」基地のある関東地方および周辺地域含め、何故か週末に天候が崩れることが多いのであります!!

(上官殿)まぁ確かにそうではあるな。

野営を伴う訓練実施が難しいため、単日での山岳訓練を行いたいと考えております!



今回の訓練地は、浅間山外輪山の最高峰である「黒斑山(くろふやま)」です。標高は2,404M。

まず浅間山ですが、過去数万年の間に幾度と無く噴火と山体崩壊を繰り返してきた極めて活発な活火山であり、周囲に複数のカルデラを擁しています。
黒斑山があるのは、その中で一番外側にある第一外輪山と呼ばれる場所です。

山岳訓練を行った当日、浅間山は噴火警戒レベル2に指定されており、山頂部には立ち入ることが出来ません。
それを知りながら、何故わざわざ訓練地として選択したのかと言うと、それは浅間山そのものを鑑賞するためです。

浅間山は、富士山と同様に観賞用の山として非常に見栄えがする山です。
遠くからでも一目でそれとわかるそのプリンのようなシルエットは、目の前で見れば迫力満点。

と言うことで、巨大プリンを眺める外輪山巡りに繰り出しましょう!



関越自動車道 → 上信越自動車道
早朝に「陸上自走隊 横浜方面隊」基地を出発。
関越道を北上し、藤岡JCTから上信越道へ。非常にいい天気!今日の訓練が楽しみです!!ヾ(○´▽`○)ノ彡☆


ところが!
長野県に入った途端にこの曇り具合・・・正面に見えるはずの浅間山は、影も形も見えず。今日の訓練は先行き不安です・・・(°_°;)


ところがところが!!

高峰高原ビジターセンター
登山口にほど近い駐車場に着いた時には、ご覧の通りの快晴!
山の向こうはこんな晴天だったのですね。ホント山って行ってみないと分からない。


本日はここ(車坂峠)からスタートし、外輪山最高地点の黒斑山へ登頂。
その後、外輪山の端に位置する鋸岳まで縦走し、火口原へ下り立入制限エリアの境界まで行きます。
下山は再び外輪の稜線まで登り、スタート地点の車坂峠へ。
コースタイムおよそ7時間。




黒斑山登山口
黒斑山への登山道には、表コースと中コースの二つのルートが存在します。


表ルートは展望が良いが、道中は登り下りを何度か繰り返す。
中コースは最短距離の登りだが、樹林帯の中を進むため展望皆無。
ここは当然、表コースへと進みます。

まだ朝の時間である樹林帯は、静けさに包まれています。
自分の息づかいと足音以外、わずかな風の音と鳥の鳴き声のみが周囲に響きます。


歩き出しは、小さなアップダウンを繰り返して少しずつ標高を上げていきます。



とは言え、そこは登山道。
徐々に傾斜はきつくなっていきます。


そこそこ傾斜はキツくなっていきます ε=( ̄。 ̄;A フゥ…


歩き始めて30分ほど、森の中から視界の開けたガレ場に出ました。


いつの間にか、眼下に雲を見下ろせる高さまで来てたのですね。
雲の下は小諸市街地。遠く向こうに見えるのは八ヶ岳連峰です。


再び樹林帯に突入。一歩一歩進むごとに確実に標高は上がっていき、


この長い階段を登り切れば、樹林帯を抜け一気に眺望が開けます。




槍ヶ鞘
外輪山の稜線に乗る場所。
目の前には浅間山が、その雄大な姿を見せつけます。


外輪山上の最初のポイントである、トーミの頭が見えました。
まずはあそこを目指して進みます。


これまでの手入れされた登山道から一転して、ガレ場の急登。




トーミの頭
なんとも不思議な名前をしておりますが、トーミとは遠見(とおみ)が訛った結果だそうです。


トーミの頭からは、浅間山の全体の姿を拝むことが出来ます。
活火山の証しである黒々しい山体と、麓に広がる鮮やかな緑。
写真ではなかなかスケール感が伝わりませんが、惚れ惚れするほど美しく巨大な山です。


ちなみにトーミの頭の足元はこの通り、断崖絶壁。目も眩みそうな高度感です。


浅間山を正面に左を見ると、これから歩く外輪山の稜線が。
予定では、外輪山の端にある鋸岳まで縦走し、その後に下の火口原へ下ります。


一番高い所が、黒斑山山頂です。
山頂手前の緑が剥げている部分、4人パーティーが登っているのが見えますね。


写真を撮り終えたら、そのまま黒斑山へと向かいます。
左に見える黒いのは、黒斑山山頂付近に設置されている火山活動観測施設の電気・通信ケーブルです。




黒斑山山頂
標高2,404M。
山頂はあまり広くなく、浅間山側の展望のみ開けています。


トーミの頭より少し標高が上がったので、火口が見えます。
噴煙が立ち上ってますね。


ここで、下界で買ったコンビニおにぎり2つと唐揚げを食べながら休憩。
満足したところで、山岳訓練を再開します。

黒斑山山頂からは、再び樹林帯。
しばらく歩くと、視界の開けた崖際の場所に出ました。


この道が本当に気持ちイイ!
浅間山を右手に望みながら、最高の稜線歩きを楽しめます。


やたらとゴツゴツ、岩が露出したピークが見えてきました。


ピーク直下はちょっとした岩場となっています。
今回の訓練で唯一手を使って登った場所です。




蛇骨岳
外輪山のピークの一つですが、名前がカッコイイ以外には取り立てて特徴の無い場所です。


この辺りになると外輪山の向きが変わって、正面に浅間山の姿が見えるようになりました。


右側は相変わらずの断崖絶壁です。あまり近づきすぎないように。


どんどん先へ進みます。
外輪山の稜線は、緩やかなアップダウンを繰り返しながら、浅間山本体へと近づいていきます。




仙人岳
特にこれと言った何かがあるわけでもない、ただの稜線上の一ピークです。(サクッと通過)


先にある鋸岳に向かいます。


Jバンドと呼ばれる、下の火口原へ下る道の分岐までやってきました。
一旦は通過して、外輪の先端部分まで前進します。


一番端が見えてきました。あそこが稜線歩きのゴールです。


鋸(のこぎり)の名を冠した山は日本全国に多数存在しますが、この山の鋸っぽさはかなりのハイレベルでは無いでしょうか。
現時点での、ベスト・ワン鋸の称号を送りたいと思います。



鋸岳
ここまで近づくと、浅間山本体はスマホカメラでは全く収まりきらないほどの大きさ。


麓には広大な裾野が広がっています。


なお浅間山の登山道はすべて長野県側にあり、群馬県側からアタック出来る道は存在しません。
過去におきた浅間山噴火の溶岩流が、すべて群馬県側に向かって下っていったと言う事実がその理由です。



Jバンド
分岐まで戻ってきました。ここから外輪山下の火口原へと下ります。


高度感バツグン、断崖絶壁の脇を下っていきます。
慎重に降りていけば、取り立てて危険と言うほどの道ではありません。



降り切ったところ。
個人的にですが、まるでジブリ映画に出て来そうな光景が広がっています。


ちなみに、下ってきた道を見上げるとこんな感じです。
まあ、なんと言うか崖ですね。


この後、上まで登り返さなければならないという事実は、ひとまず忘れることとする。


そして浅間山本体。やはりこの山はとてつもなく大きい。


湯ノ平口方向に向かって、谷底の道を歩いていきます。
この付近一帯は、賽の河原と呼ばれています。




賽の河原分岐
噴火警戒レベルが2以上の場合、この先は立ち入り禁止。
このように厳重に封鎖されます。


もちろんワタクシ二等兵は、最初から浅間山を眺めに来ただけなので、規制突破なんてリスキーな行為に手を染める気は毛頭ございません。



湯ノ平口
このまま真っ直ぐ進むと、浅間山登山口に到達します。


目の前に絶壁にようにそびえ立つ外輪山。
あの向こうに行かないと、登山口には戻れません。


正面に見えている岩が、行きに通ったトーミの頭です。
下から見上げると、こんな感じだったのですね。




草すべり
かなりの急斜面を登ります。
上からは真夏の太陽が照りつけ、瞬く間に大粒の汗が噴出してきました。


ぜーはーぜーはー (;´Д`)
おかしいな。下山ってこんなに苦しいものだったっけ。。。

振り返るとこんな感じです。物凄い急斜面であることがお分かりいただけるかと思います。


急登と登り続けること、およそ1時間。
やっと、行きで通った外輪山の稜線上まで戻ってきました。


登山口へ戻ろうとしているので、先ほどの急登も、登っているのに下山中であるわけです。うーん・・・

再びトーミの頭から、浅間山を眺める。
そのプリンのような姿を、惜しげもなく見せつけ続けていました。


さて、今度こそ本当の下山?を開始しよう!


帰りは中コースを通ります。
コースタイム的にはこちらのルートが最短。展望皆無な樹林帯の道ですが、もう展望はお腹いっぱい。


展望は皆無ですが、道中を楽しもうと思えばいくらでも楽しめます。
蜂さんと蝶々が、仲良く蜜を堪能中。


快調に飛ばして、トーミの頭からは一時間かからずに、高峰高原ビジターセンターまで戻ってきました。




黒斑山における山岳訓練は晴天の下、大成功のうちに終了しました。

例え浅間山本体に登ることが叶わずとも、外輪を巡るだけでも十二分に満足の行く登山が可能です。
目の前にそびえ立つ浅間山を見上げれば、「大きいことはいいことだ」と言う言葉が持つ迫真性を、ひしと感じることが出来るでしょう。
「鑑賞用の山」として、非常にオススメします。

<コースタイム>
登山口(7:40)-トーミの頭(9:00)-黒斑山(9:15~9:35)-蛇骨岳(9:55)-仙人岳(10:10)-鋸岳(10:35)-賽の河原分岐(11:15)-湯ノ平口(11:30)-トーミの頭(12:25~12:45)-登山口(13:40)

「お疲れ、自分」


(おわり)
Posted at 2022/08/20 22:00:42 | コメント(5) | トラックバック(0) | 偵察訓練 | 日記
2022年08月06日 イイね!

酷道走破訓練 後編

上官殿!
本日は前回に続き、酷道走破訓練の後半を報告させていただきます!!

今回訓練地として選択した、国道152号
長野県上田市を起点として、ほぼ真っすぐ南下。静岡県浜松市を終点とする、総延長269kmにも及ぶ長大国道です。

ところがこの国道152号、100番台とかなり初期に国道指定された路線にも関わらず、約70年もの間、分断箇所(=国道が途切れている区間)が2ヶ所もあり続けています。
しかもその2ヶ所とも、今後どころか未来永劫、国道を開通させる予定すらないという。

前編では1つめの分断箇所である「青崩峠(あおくずれとうげ)」前後の報告を致しました。
今回の後編では、なぜその青崩峠に国道を通す予定すらないのか。
そしてもう1つの分断箇所である「地蔵峠」についての報告をさせていただきます!



前編にて報告した通り、青崩峠は「あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退」と一般に販売されている道路地図に書かれていた場所です。


なぜ標高もそれほど高くない峠(1,082M)に、道路を通すことが出来ないのか?
それは国道152号に沿ってある、世界最悪レベルとも言われる岩盤崩落地帯「中央構造線」が理由となっています。

中央構造線とは、九州西部から関東まで横断する世界第一級の断層のこと。
静岡県・長野県あたりでは、浜名湖北部から急激に北上し諏訪湖まで伸びているのが分かります。(黒線で囲んだあたり)


この線形って何かに似てませんか?
そう、国道152号のルートとほぼ同じなのです。


つまり国道152号は、世界第一級の断層に沿って走る道路だと言うこと。
更に掘り下げると、その断層上に国道が分断されてしまっている「青崩峠」と、そこを避けるためにトンネルを掘ろうとしたものの地盤が軟弱なため結果困難と判断された「兵越峠(ひょうこしとうげ)」があります。

下の地図は、国土交通省が2005年に兵越峠の下にトンネルを通すことを断念した後、それに替わる新ルートを検討した時の図面です。
※細いオレンジ色・・・国道152号
※細い紺色・・・兵越林道(前回報告で偵察)


図面にはA~Dの4ルートが書かれています。
A・・・断念した兵越峠トンネルの開通前提
C・・・工事難度は一番低いが、遠回りする上に費用は一番かかる
D・・・Aより短いトンネルで兵越峠を通過するが、その後は現在の兵越林道(細いクネクネ道)を活用するためメリットが少ない


結果、地質調査から固い岩盤が多く、費用も半分以下で済む、中央構造線の西側を通るB案が採用となりました。

そのB案が、前回報告で登場した「青崩峠トンネル」(画像左・静岡県側)
国道152号の延伸ではなく「三遠南信自動車道」として進められています。


ではその青崩峠トンネルは、大丈夫なのか?
これまでの経緯からすると、今度こそ開通出来るのか不安な状態ではありますが、実は既にトンネルの貫通は完了しているのです!
正確には開通したら避難用通路に転用される”調査用トンネル”は既に貫通しており、現在は車が通る”本坑”を掘っている最中です。

とは言えこの青崩峠トンネル、難工事であることに変わりありません。
何せ断層が27本近くあるのですから。


しかも岩盤は、どこに何があるのか分からないレベルでグチャグチャに折り重なっている上に、場所によっては岩が ”Ω” のように曲がりくねっています。


それだけではありません。
これ以上の計画失敗は許されないため、かなり慎重かつ念入りに調査をしたにもかかわらず、掘り始めて直ぐにトンネルが変形し始めたのです。


その力は凄まじく、トンネルが崩れ落ちないように支えるぶっとい鉄柱(支保工)ごと曲がったほどです。
その後、もう1本支保工を追加する事で何とか調査抗を開通させ、現在はこれらの経験を元に本坑を掘っています。




さてそんな青崩峠トンネルの長野県側出口は、こちらも前回報告で登場した兵越林道と、国道152号との交差する付近となります。

飯田市南信濃八重河内
画像右側の森林地帯の向こうで、三遠南信自動車道として工事が行われています。
ちなみに現在通行止めとなっている、乙三三式車両改の向こう側に伸びる国道152号は、整備される予定はありません。


長野県側から青崩峠へのアプローチはこれ以上出来ないので、大人しく国道152号の通行可能区間へと進みます。


進み始めて直ぐ、大きな工事現場が。
三遠南信道が開通すれば、「小嵐IC」となる場所です。


和田バイパス
この後はしばらくの間、片側1車線ではあるが広々とした快走路が続く。
この辺りは、三遠南信道の開通後もそのまま利用される区間です。


下市場トンネルを抜けると、国道418号との交差点に差し掛かる。
ちなみにこの国道418号は、日本最凶酷道として全国にその名を馳せており(酷道マニアの間のみ)、この交差点がその終点となります。
※日本最凶酷道の偵察記録はコチラ→


飯田市上村上町
直進方向は、三遠南信道の一部開通区間である矢筈トンネル。国道474号としても指定されています。
ワタクシ二等兵の目指す国道152号は、左斜め前方。


ちなみに標識には、しらびそ高原と大鹿と案内されているが、林道経由であり決して国道152号がそれらに繋がっている訳ではない。

国道152号へと進むと、右にカーブを描きながら上村川を2回渡り、三遠南信道(国道474号)の下をくぐります。


高架をくぐった先で直進するのが国道。


案内標識には国道表記こそ無いが、152号と記されている。
通行不能の文字と共に。


左が林道、直進が国道。
知らない人からすれば、どう見ても直進方向が国道とは思えないだろう。


林道との交差点から奥は、普通車同士で離合(すれ違い)すら出来ない、完全1.0車線幅の狭路となります。
しかし途中には、山間部の狭路においては信じがたいようなストレートが。
両側を木々などで視界を塞がれているが、人が飛び出してくる心配はないだろう。動物が飛び出してくる可能性は否定できない。


しかしこの先は行き止まりのはずなのに、何故か対向車が来る。
また狭路ではあるが路面は比較的安定しており、管理されていることが伺える。

ストレートを過ぎると、左側に人工物が見えて来ると共に、センターラインが現れて片側1車線道路となります。
そして見えてきた人工物は、かなりの規模のキャンプ場であると判明。

大島河原河川公園
しっかり国道標識も設置されています。


そしてキャンプ場を通り過ぎると、図ったかのように道幅が狭くなり・・・


舗装状況もどんどん悪くなります。
1つのキャンプ場のためだけに整備されている国道、152号・・・

そしてあっという間に行き止まり。


ここが国道152号の2つ目の分断箇所(=国道が途切れている区間)の端点。
道幅もこんな感じ。転回すら出来ない。


通行止めとなっている先は路面に多くの堆積物があり、管理しているようには見えません。


確認出来る限りでは、2014年くらいまではこの先に進めたようだ。以下、知人からの拝借です。
ゲートのあった場所。


ワタクシ二等兵が行けなかった先へ侵入。


路面はアスファルトからダートに変化し、


この上りを越えると


目の前が開け、現れたのは河原・・・
例えゲートを通過出来たとしても、国道は河原に吸い込まれるように消えていきます。




さてワタクシ二等兵の偵察活動に報告を戻します。
林道との交差点まで戻ってくると、ここにも国道152号の標識が。
来るときには見えなかったので、これを見るのは先のキャンプ場利用者が帰るときだけである。


一部開通している三遠南信道および国道474号へと戻ると、いくつかの橋脚が建っているのに気づく。


トンネル工事をしている様子の一切ない森林帯の先に建てられているが、矢筈トンネルを含む三遠南信道の一部として計画されていたのだろう。
橋脚はかなり前に建てられたようだが、以来工事が進んでいる気配はない。



長野県大鹿村
先ほど飯田市側では、地蔵峠へ向かう国道152号は河原へと消えていきました。
ところが峠の向こう側である大鹿村では、地蔵峠まで国道が開通しているのです!


道自体はこの先も続いていますが、地蔵峠から先は蛇洞林道となり、国道ではありません。
では国道152号線の道筋はどこへ続いているのか?というと、地蔵峠から谷底へと真っ直ぐ下っているのである・・・


もっと具体的に言うと、このガードレールの切れ目から下るのが正しい道筋のようです。


本来なら、更にここから調査を進めるのが我ら「陸上自走隊 横浜方面隊」であるが、今回はここで時間切れ。
何しろ今夜は、上官殿と隊員一号(長女)、そして二号(長男)を焼肉にお連れする任務を仰せつかっている。

中央道の渋滞に巻き込まれながらも、何とかお財布としての役割を果たし、上官殿ご満悦の表情を見て安心する、ワタクシ二等兵であった・・・(泣)

(おわり)
Posted at 2022/08/06 23:32:26 | コメント(7) | トラックバック(0) | 偵察訓練 | 日記

プロフィール

「@チョコレース 木曽駒ですか!中岳超えて頂上まで行ったのかな?」
何シテル?   07/22 19:08
車歴・・・AE86レビン⇒FC3S(前期)⇒Z16A⇒FC3S(後期)⇒FD3S⇒SF5フォレスター⇒フェラーリ456GT⇒SG5フォレスター⇒BMW335i⇒...
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