上官殿!
今週も引き続き、北海道における遠地自走偵察活動報告をさせていただきます!! (`Д´)ゞ ビシッ!
■報告まとめと予定
其の壱 大洗港~苫小牧~日高~余市~積丹~札幌
其の弐 札幌~小樽~日本海オロロンライン~稚内
其の参 稚内~サロマ湖~帯広
其の四 帯広~浦河~三国峠~幌加~帯広 ←今回
其の五 帯広~三石~新冠~苫小牧~大洗港
5日目【5月4日(木)】
《帯広市》
朝7時台に出発。
無料の
帯広広尾自動車道に乗り、北海道南部にある
浦河町を目指します。
《渡辺牧場》
競走馬を引退し、更に種牡馬・繫殖牝馬(子孫を残す)としても引退した馬たちを支援する認定NPO法人「
引退馬協会」の会員であるワタクシ二等兵。
其の壱でも紹介しましたが、ここ渡辺牧場にも支援している子がいます。
ただし現在、牧場関係者以外で立ち入れるのは、引退馬協会の一部の方のみですので、ご注意ください。
ナイスネイチャ
中央競馬(JRA)、それも最高位のG1レース戦線で長らく活躍。
安定して上位入賞するレースが多い事から”
ブロンズコレクター”として人気を博しました。
更に、2000年にJRAが発表した「
20世紀の名馬100」には、多くのG1レース勝利馬たちがトップ100から外れる中、71位に選出。
まさに ”記録より記憶に残る” アイドルホースです。
↓新しい馬券種類「ワイド」のキャンペーンキャラクターに選出
また存命中のJRA重賞(G1・G2・G3)勝ち馬の最長寿記録を更新し続けており、2023年5月時点で35歳。 人間でいうと100歳越えのご長寿馬でもありました。
(左:メテオシャワー 中:二等兵 右:ナイスネイチャ)
本来とても臆病な動物であるお馬さんですが、ワタクシ二等兵の目の前でウトウト。
何度も会っているので、人間で言う所の「子供のころ盆と正月だけ会う親戚のオジサン」のような感じで、一応は覚えてもらえているのでしょうか。
(ワタクシ二等兵撮影)
ナイスネイチャがウトウトし始めたので、牧場を後にし再び帯広方面へと移動。
「
糠平湖」近くの駐車スペースに、乙三三式車両改を駐車します。
《タウシュベツ川橋梁》
有名な建造物なので、知っている方も多いと思います。
2008年までは、
糠平三股林道を経由し徒歩で橋梁のすぐ近くまで行くことが出来ましたが、2023年現在、許可を得た車両以外は林道の通行が禁止されています。
だがしかし!
こんな遠くから眺めただけでは、我ら「陸上自走隊 横浜方面隊」の沽券に関わる。そして何より、上官殿の鉄拳制裁が、ワタクシ二等兵に下されるのは間違いない。(っ・д・)≡⊃)3゚)∵グフッ!
だがしかししかし!
いくら上官殿の鉄拳制裁が待っているとはいえ、通行を禁止されている区間に無理やり侵入するのは、それこそ我ら「陸上自走隊 横浜方面隊」、そして上官殿を貶めてしまう事になる。
だがしかししかししかし!
タウシュベツ川橋梁は「
旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」の一部。
そう!まだまだ他にも魅力的な橋梁はあるのです!!
《第二音更川陸橋》
1936年完成、断崖絶壁に沿った川を渡らない陸橋です。
とてもきれいな石積み護岸が続き、天然素材とコンクリートが自然と調和している美しい景観を見れます。
《第四音更川橋梁》
1936年完成、音更川に架かるところは撤去されています。
残ったアーチ橋には木が生い茂り、年月を感じさせますね。
そしてワタクシ二等兵のイチオシは、国道273号の国道橋からよく見えるコチラ。
《第五音更川橋梁》
国道橋と高さがそれほど変わらず、非常に見やすい橋です。
右奥、車が走っている辺りが、その国道橋。
そして道から外れたところに、下に降りれそうなスペースがあります。(赤矢印)
こんな時のために・・・長靴装着!
人1人分くらいが歩ける程度の道を辿ると、前方に見えて来ました。
下から見上げる「
第五音更川橋梁」
近くで見ると、かなりの迫力。
士幌線のこの区間が廃止となってから40年以上。所々崩れ落ちている姿が、皮肉にも遺構としてより輝くことになった。
第五音更川橋梁の下をくぐり、反対側へ。
音更川のきれいな流れと橋梁、周囲の木々など、紅葉の季節にきたら相当フォトジェニックな画像となるだろう。
橋梁の偵察を終えて戻っていると、ふと「かつての線路跡はどうなっているのだろう」と思い始めた。
ただし線路は先ほどの橋梁の高さ、つまり歩ける道からはかなり高い所を通っている。 当然、線路跡へ辿り着けそうな斜面はどこも傾斜がキツく、登るのはいいが降りる時に困りそうな所ばかり。
そんな中、ワタクシ二等兵でもかろうじて登り降り出来そうな場所を発見。
立入禁止の表示等が無いのを確認し、ヨイショヨイショと登りだす。
到着。
当然ながら遺構は何も無いが、山の中を突き抜ける整地された様子を見ると、これがひと目で線路跡というのが分かる。
第五音更川橋梁の手前まで行ってみる。(もちろんここから先は立入禁止)
路線が廃止され、人の手が加えられなくなってから40年以上。 それでもここまで保てているのは驚きである。
さて、かつてこの第五音更川橋梁の南側すぐの所に駅があり、現在でもホーム(旅客用・貨物用共に)及びポイントを含む線路が残っています。
《幌加駅跡》
昭和20年代は木材の搬出基地として、昭和30年代は洞爺丸台風(青函連絡船「洞爺丸」が転覆)後の風倒木の処理でも活躍し、350人が暮らしていました。
豊かな森に戻りつつある現在からは想像のつかない、活気ある町があったのです。
(ほぼ同じ場所から撮影)
しっかり保存活動も行われているため、現在は現役当時の士幌線の様子を伝える、数少ない遺構となっています。
廃線巡りはここまで。
乙三三式車両改に乗り込み、幌加から更に北へと向かいます。
《三国峠》
北海道の国道で最も高い所を通るのですが、それよりもこの三国峠、このカットの写真が有名ではないでしょうか。
木々が色づく紅葉の時期、または一面真っ白の冬季に来ると、より素晴らしい一枚になるかもしれません。
今日の夜営地(宿泊地)は、昨日と同様に帯広。
三国峠から再び南下を開始。
・・・・・・・・・・
する途中にちょっと寄り道。
《十勝牧場 白樺並木》
これも有名な観光地。
当日はお空も曇り、時間も夕方という事もありイマイチ冴えない画像となっていますが、天候・季節があえばかなり良い写真が撮れますね。
さてさて、寄り道も終えて無事に帯広市内へ。
今日の夕ごはんは、帯広名物のひとつである ”豚丼”
行く店も決めてあるし、時間もまだ19時を少し過ぎたくらい。
美味しいものを食べて、明日に備えるぞい!
・・・・・・・・・・
えっ???
閉まってる??????
スマホを開く。
調べる。
閉店時間19時。
・・・・・・・・・・
ドカドカドカーーーン!!!
ここまでの活動報告から、事前にしっかり計画を立ててからの偵察活動だと思っている方もいるかも知れない。
しかしそれは・・・
間違いだ!!!
実際今回の遠地自走偵察活動で事前に決めているのは、予約を必要とする "往復のフェリー” ”宿泊する夜営地(ホテル)” ”訪れる牧場”のみ。
今回の報告で言えば、長靴を履いてまで探索した ”第五音更川橋梁”も、遺構として保存されている ”幌加駅跡”も、その周辺の橋梁遺構も、全て偶然見つけたもの。
そう!
ワタクシ二等兵、偵察部隊としては致命的と言える「計画性」が、旅行・・・ではない偵察活動時には、ほとんど無いのである!!(๑• ̀д•́ )✧ドヤッ
とは言え頭の中が豚丼一色だった、ワタクシ二等兵。
北海道偵察時には多大にお世話になるセイコーマートにて豚丼を購入し、心のスキマを埋めるのであった・・・
《追伸》
今回の偵察活動報告の中にもありました
ナイスネイチャですが、ワタクシ二等兵の訪問からわずか三週間後の5月30日、訃報が届きました。
既に5月中旬から体調を崩し始め、食べる量も極端に減少。
ナイスネイチャがこの世に生を受けた時から関わっている牧場の皆さま(渡辺牧場はナイスネイチャの生まれ故郷)が、考えられるあらゆる手を尽くしましたが、35歳、人間換算だと100歳越えのナイスネイチャには、持ち直すだけの体力が無かったようです。
5月30日、ここ数日眠ることすら出来なかったナイスネイチャ。
この日は「疲れたなぁ」と放牧地の青草の上で自ら横たわり、青空とそよ風の中、鎮静剤と麻酔薬を使った上で安らかに息を引き取りました。
以下のURLは、ナイスネイチャを長年支え、献身的なケアを続けてこられた渡辺はるみさんによるご報告です。
ナイスネイチャの食が落ち、体調が変化した5月以降の闘病記録が綴られていますので、興味があるかたはぜひご覧ください。(引退馬協会のサイトです)
https://t.co/STr9XuqKZU
(つづく)