上官殿!
大変申し訳ございませぇぇぇーーーん!!
(上官殿)おぅ!? 二等兵、何だ急に!?!?
今年の秋口に、とある「
戦争遺跡」の偵察を行ったのですが、いろいろあってまだ報告出来ておりませんでした!!!
(上官殿)戦跡か・・・確かにそれは軍部に顔向けが出来ないな・・・至急報告書を整えよ!
《東京メトロ副都心線 西早稲田駅》
今回は新宿区の”
戸山地区”にある戦跡の偵察です。
江戸時代、この辺りは ”尾張徳川家” の下屋敷があり、13万6000坪という広大な敷地の約8割を「
戸山荘」という庭園が占めていました。
明治時代になると政府に接収され、1873年(明治6年)に「
陸軍戸山学校」が置かれます。
上が現在、下が1936~1942年頃の航空写真。
赤枠内に、細長い建物がいくつもあるのが分かります。
これは、長さ300mもある ”
射撃場”
流れ弾の危険性や騒音問題が近隣の住民から上がったため、射撃場の建物は分厚いコンクリートで覆われいました。
《陸軍大久保小銃射撃場 跡地》
現在この辺りは「
早稲田大学 西早稲田キャンパス」がとなっており、
「
51号館」が建っているのが、正にその射撃場があった場所です。
またキャンパスの直ぐそばには、射撃場の土塁跡があります。(土が盛られているところ)
こちらの木が生い茂っている場所も、土塁跡。
長さ300mの屋内射撃場は1928年(昭和3年)完成なので、それより以前に使われていたと思われます。
そして↑の場所には、土塁跡以外にも、とある戦跡が残されています。
どこだか分かりますか?
ここ
寄ってみましょう。
何やら石碑?っぽいのがあるのが分かります。
更に寄ってみましょう。
その正体は・・・
陸軍の境界石
普通に歩いていたら、まず気付くことは無いでしょう。
都会の、それも民家のガレージの片隅にポツンと佇む、戦前の歴史。
こういうのが、戦跡偵察の醍醐味と言えます。
続いて、戸山ハイツに隣接する「
箱根山」に向かいます。
《箱根山》
石碑には「
陸軍戸山学校址」の文字が刻まれています。
そしてこの石碑の向かいには「
軍楽隊 野外音楽堂跡」
軍楽隊は、式典などで演奏活動を行う組織。
フルートメーカー「ムラマツ」創業者の村松孝一氏や、芥川龍之介の三男で作曲家だった芥川也寸志氏らが所属していました。
こちらは1915年(大正4年)、野外音楽堂での開園式の様子です。
むちゃくちゃ人が集まってますね (´▽`*)
野外音楽堂から上に進むと、白い建物が見えて来ます。
正面へ回りましょう。
《戸山教会・戸山幼稚園》
一見何の変哲もなさそうですが、門の前にある階段から既に違和感が。
《陸軍戸山学校 将校集会所跡》
この半地下式の石造り部分が、将校集会所の跡とされています。
今度は箱根山を西に進み、若松住宅を目指します。
《陸軍軍医学校 跡地》
跡地には、かつて公務員宿舎として利用されていた若松住宅がそびえ立っていますが、現在は廃墟となっており、立ち入りは出来ません。
この廃墟となった若松住宅の麓にも、戦跡が残されています。
分かりますか?
ここです!
寄ってみましょう。
”医療” と書かれた軍医学校の車止め
《東京陸軍第一病院 跡地》
道を挟んで向かい側にあるのは「
国立国際医療研究センター」
ここはかつて「
東京陸軍第一病院」でした。
先ほどの画像をよく見て見ると、何か不自然なところがあります。
分かりますか?
そう、ここです!
これは・・・
陸軍第一病院と軍医学校を結んでいた地下道跡
近くに行くと、通路っぽいのがよく分かります。
何やら塞いだ感に溢れてますね。
実はコレ、なかなか見つからなかったのですが・・・
見つけた時は、めちゃくちゃテンションが上がりました(笑)
《陸軍軍医学校 跡地》
「
国立感染症研究所」
この施設も、軍医学校跡地に建てられています。
最近だと新型コロナウイルスの研究などで、一時期頻繁にメディアに登場しましたが・・・
1989年(平成元年)、この施設を建設中に、大量の人骨が発見されています。
戦時中、細菌や毒ガスの研究をしていた通称「
731部隊」
その「
731部隊」と関係の深い「
防疫研究所」があったことから、生体実験の犠牲者ではないかとの意見もあります。(真偽は未だ不明)
研究所内には納骨施設があり、特別に見せていただくことが出来ました。(許可を得ています)
亡くなった方へのご冥福をお祈りいたします。
という訳で、新宿・戸山地区の戦争遺跡を偵察してまいりました!(`Д´)ゞ ビシッ
言われないと分からないようなものも多いのですが、思った以上に残っていて驚きです。
西早稲田駅への帰り道。
何気ない日常風景の中にも、しっかりと戦跡は残っています
こちらは
学習院女子大学の周囲を囲む、レンガ壁。
学習院女子大の敷地内には、かつての「
近衛騎兵連隊宿舎」と「
炊事所」が残っており、このレンガ壁もその当時から現存しているもの。
ワタクシ二等兵、そして我ら「陸上自走隊 横浜方面隊」は、車両での移動を主として偵察活動を行っている。
が、こうした徒歩での偵察活動では、普段「だた通り過ぎてしまう」だけの風景に注目する機会を与えてくれます。
上官殿!
やはり偵察の基本は徒歩ですね!!
(上官殿)確かに情報収集は、足で稼ぐのが基本だからな。
その通りでございます!!!
今度は上官殿もいかがでしょうか!?
(上官殿)う~ん・・・
基地(=自宅)がお好きなのはもちろん存じておりますが、たまには外出された方がよろしいかと。
(上官殿)・・・・・・
運動不足が過ぎると体調を崩しやすくなるだけではなく、見た目もいろいろ不健康に・・・あ
(上官殿)・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
(上官殿)二等兵・・・
(((( ;゚д゚))) ヒッ!!!
(上官殿)いろいろ話し合いが必要なようだな・・・
(おわり)
Posted at 2024/12/21 21:14:03 | |
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