ＰＲＯ．＠ＯＩＬＫＩＮＧのブログ一覧

Ｗｅｂ上を徘徊していると最近こんな話題をよく見かける。「ゴルフ５は南アフリカで製造されているので心配」「ゴルフ４の中古を買う場合は後期モデルは南アフリカで作られているので前期モデルの方がいい」など。まぁ、この発言の意味するところは、さしずめ「アフリカ人が作ったモノなど信用できん」っと言ったところではないだろうか。
ＶＷゴルフが南アフリカの工場で生産されだしたのは何も最近のことではない。南アフリカ製のゴルフ２を実際に見たことがあるのでおそらくはゴルフ１、オールドビートルのころから生産していたのではないだろうか。もっともそのころはアフリカで販売するもののみを生産していたと思われる。
最近はドイツ国内で製造されているＶＷ車はかなり少ないと思われる。理由は当然コストだ。ドイツという国は人件費が世界的に見ても高いことで有名な国である。なので当然国外生産の方が安く済む。これはＶＷに限ったことではなくヨーロッパの企業は生産拠点を人件費が安い東ヨーロッパへと移してきているようだ。ちなみに私のゴルフに履いているピレリータイヤは"made in turkey"という文字を読むことができる。
南アフリカで日本仕様を製造するというのは理にかなった話だと思う。何故なら日本では過剰装備仕様を販売しなくてはならない。だが販売価格をむやみに上げることはできない。そこで人件費の安い南アフリカの工場で作る。それに南アフリカは左側通行の国つまりは南アフリカ仕様は右ハンドルだ、同じ生産ラインで作れる。日本への輸送費だってヨーロッパから運ぶより近いので安く済むはずだ。
企業がモノを作る場合、いつ、誰が作っても同じでなくてはならない。同じ品質でなくてはならない。そうなるように努力する。世界的に評価の高い日本製電気製品、日本国内で作られているのは店頭にならんでいる何割だろう。現状はmade in japanの文字を探すことが困難な状況だ。もちろん海外生産されている物が故障しやすいとか品質が悪いなんてことは無い。ＶＷも同じこと、本国で製造している方法と全く同じことを南アフリカでアフリカ人がやっているだけのこと。もちろん彼ら、彼女らはある日突然車の製造を始めたわけではない。何年も前からＶＷを作っているのだ。それに品質管理などの技術スタッフは本国の人間、あるいは本国でしっかり教育された人間が携わっていると思う。それでもなお「南アフリカ製ＶＷはダメだ」というのならそれは、なんの根拠もない偏見に満ちた「人種差別発言」だ。