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2014年08月25日

94北往記12。やこうバス


     13・第5日/バスに乗ってのホワイルナイト

▽根室駅前 22:00~札幌BC  6:30・夜行特急バスオーロラ号(札幌22 さ909)

※バスターミナルで煮え切らず

 JR根室駅から根室バスターミナルまでは徒歩二分も掛からない。
 20過ぎて私はこちらで休む事にした。
 と言うのも少し肌寒くなってきたからだ。
 風は荒天もあってか冷え込んでおり、8月末とは言え、此の風は広島では11月末並みの冷たさだ。
 ノサップ踏破の雨で体を冷やしていたのと、足のマメを潰してサンダルに履き替えているのが堪える。
 責めて風だけを防ぐ意味でバスターミナルの待合室に入った。
 中に入ってみると入口左手にインフォカウンターが、右手には各種パンフレットの入った棚。
 店の奥には土産物店・おっと、こちらはすでに終っている。
 その間の待合ベンチには脇に50インチ級のプロジェクションテレビが配置してある。

 これで広島市民球場でやっているCG戦を中継していた。
 北海道は円山球場(札幌ドームの前身)や旭川スタルヒン球場の関係で巨人ファンが多いらしい。
 それでなくとも球団のない地方じゃTV中継は巨人戦が多いから自ずと巨人ファンが多くなるのも仕方がない・と私が納得すると思ったら大間違い!だからこそ許せん!
 え?広島の人間だから広島を応援しているのじゃないかって?イヤ一寸違う。
(中略)
 だが私がカープファンになり切れないのは、昭和60年代の強いカープでは無くなったからだ。
 今のカープは「何を仕掛けるか解らない」チームから、「何を仕出かすか解らない」消極的なチームになった、ムラの多い大雑把なチームになった。
 今日もそんなカープがジャイアンツに負けて、そして終わった。観ていても精が出ない。

 野球が終わると、テレビも消え、カウンターもひとけが無くなった。

※これが夜行バス!

 外は雨、静まり返ったバスターミナル。
 この日最後の札幌行き夜行バスを捌くために機能は止まっていないものの、周囲は自動販売機だけが仕事をしていた。
 休憩には丁度いい。
 合皮製のチェアに座ってバス搭乗準備を待つ。
 トイレなどを済まし、各種パンフレットを拾い出して目を通す。
 その状態で30分が過ぎる。

 やがて私の他の乗客が続々入って来た。
 車で送迎される者、タクシーを使って来る者と様々だが、多くは此処から帰り道に就く者らしく、めかし気味の服装が圧倒的だった。

 やがてインフォカウンターは俄か活気づき、受付嬢が出て来た。
 受付嬢にJTBのクーポン券を渡すと、根室交通の乗車券を渡された。
 別に交換する必要は無かったが、暇なんでツイ‥‥‥(^^ゞ

 久しくディーゼル音を聞くことになる。
 札幌・北都交通のハイデッカーバスが2台、此の根室バスターミナルにやって来た。
 根室発札幌行きオーロラ号である。

 我々乗客は待ち兼ねたようにそのバスに向かう。
 私の切符は一号五番、因って一号車を目指す。ここで乗務員と落ち合う。
 ここで一対の黄色の楕円形のアクリルタグを貰う。
 そのタグには二つとも“5”と同じ番号が彫ってあり、その片方を荷物に括り着ける。タグを括った荷物はキャビンの下にあるトランクルームに積み込む。私は大きなスポーツバッグをそちらに任せて、徒歩行脚の装備のままのサブバッグを車内に持ち込んだ。

 車内はほのかな明かりがついているだけで殆ど真っ暗。
 外からのほの明かりと併せて車内の様子漸くが解る。
 座席はフル仕様のリクライニングシート。
 これは後に譲るとしてこれが三列、左右と中央が半分ずつシフトしている。
 私の席は、此のバス一番前の左、右、後ろ中央、二列目左、そして右の此の席である。

 座席に座ると、これがフル装備。
 夜行バスが航空機や寝台特急に対抗して装備を奢って久しいが、此処までとは正直思わなんだ。
 背凭れ肘掛け足置きは勿論、レッグレストと呼ばれる腿当てまで装備してある。
 そして各座席にはラジオまで装備。
 座席前方の小物入れネットに飛行機などで使われる前掛け形のチューブフォンが用意されている。

 装備に感心していると漸く発車時刻になった。
 乗務員が車の内外でチェックを急ぐ。
 かれこれの準備を終えて二人の乗務員が一号車に入る。
 22時を5分廻って、荒天の中バスは札幌に向かった。

※意外とコケ威し?

 国道44号線に上がるとバスは快走を始めた。
 乗車直後に渡されたオレンジジュースはバッグの中に仕舞込む。

 では此のバスの装備を一つ二つと試しますか。
 腿当てを揚げて背凭れを寝かせる。
 足がマメだらけだから極力足先に負担は掛けられない。
 この状態でも座席の前後方向には余裕がある。まず座席の使用感は及第点と言った処か。
 ただ、窓際が三列シフト配置のわりに窮屈に思われた。
 通路を確保しなければならないジレンマか。

 この状態でさて置き、次に座席のラジオを試した。
 医者の使う聴診器に似た形状の大きなステレオイヤホンを首の前に掛けた。
 インナイヤホンに慣れた私としてはこういうぶら下げる形のイヤホンがぎこちなくて仕方がない。
 だが旅も四日を消化して手持ちのカセットテープも聴き尽くし、バッテリーも無闇に消化したくない。
 気分転換の軽いつもりで聴いてみた。

 ところが、どうも調子が悪い。
 けっこう気の休まる音楽が流れる筈なのだが、その聞こえ方が変だ。
 なんだ(-_-;)片方しか音が出ていない。
 プラグを軽くこじったり挿し直したが、全く音が出る気配がない。
 乗務員に申告するも、予備のイヤホンで試しても症状は同じ。
 けっきょくラジオは故障という事でサービスを諦めた。

 外を見た。納沙布で私を襲った雨がなおも降り続く。
 雨は飛沫と靄を呼び、閑散とした風景を混沌とさせる。
 温根沼大橋を渡って風連湖を望む・と言う芸当が出来なかった。

 不意と足下に痺れを感じた。
 その源は脹ら脛。
 え?、脹ら脛はレッグレストを当てて休ませている筈なのに・と私も思ったのだが、そこに落とし穴があった。
 実は足の重みがそのまま下腿に伸し掛かって脹ら脛を圧迫する。
 これが意外と痺れる。
 けっきょく足先に重みを掛けまいとして他の処に負担が掛かるという結果だった。

 どうやら至れり尽くせりが次々仇になった格好になる。
 残る装備は足置きとリクライニング、そして後に触れるミッドデッキにあるウオータージャグになってしまった。

 此のバスは途中、厚床駅を経由する。
 外の風景は胡乱なまま見届けられず、体を楽に拘束するシートに抱かれた格好で揺られ続ける。
 故障のラジオに替わって自前のラジオを点けたが、根室市街をぬけると頗る受信状態が悪くなり、混信も著しくなった。
 その混信だが、広島ではハングルやダカログ語などが聴き取れる処、此の根室ではあのロシア語が特有の丸っこい響きで入ってくる。どのみち解りはしないのでラジオは仕舞った。

 夜行バスという空気を一通り嗅いだ後に到着した厚床。
 上部中央正面にあるデジタル時計は22時半を過ぎていた。
 此処で若干の乗客を乗せると、乗務員の手によって運転席と客席の間に大きなカーテンが曳かれる。これで風景とは一層無縁になる。
 ファーア、寝るか。

※コンテナ

 目が醒めた。

 外は明るくなっていたが、まだ青白い。
 時計を見ると4時半を廻ったばかり。
 窓に曳かれたカーテンを少し割くと、山深いなか僅かな平原が拡がる。
 後で調べてみると夕張連峰を抜けている最中の様だ。

 下っ腹に力が入らないのでトイレに行く。
 この手のバスは車両中央、左寄りにキャビン下を抉ってトイレスペースがある。
 階段というよりはステップと言える急な段を降り、ややも揺れる車内に手を取られながら引き戸を明けると必要最低限の洋式トイレがある。
 装備もスペースも要るものが何とか詰め込まれている。
 車内の揺れには思いの外手を焼いたが、何とかつつがなく終えることが出来た。

 このトイレ周辺のミッドデッキには先程少し降れた半自動のウオータージャグと電話機がある。
 此処では今一つ解らなかったが、テレビで見たのでは此処の僅かな隙間に運転助手の文字通り横になるスペースもあるらしい。
 ちなみに此の日の運転助手は、空席となった私の前の席で寝入っていた。

 此処に潜ると、屋根までの高さが半端ではない。
 此処から狭苦しい中周囲を見回すと、バスというよりはコンテナという感じになってきた。
 とりあえずジャグから冷水を注いで席に戻った。

 窓外の風景は相変わらずだが平野が少し開け、山の標高も低くなっている。
 不意と気が付いたのが、此処が国道274号線ということだった。
 国道38号線では無く屈曲や標高差の激しい此処を通るというのは些か意外だったが、JRの石勝線と一緒で距離を取ったものと思われる。
 いずれこの路線も高速道が通ってそこを通るのだろう。
 屈曲の緩い道を跳ばすバス。
 窓外には農耕地、ビニールハウス、夕張メロンのコマーシャル看板が流れる。
 もう一休みしようっと。

※再び札幌へ

 次に目が醒めたのは既に札幌近郊に入ってからだった。
 周囲を覆っていた分厚いカーテンが引き剥がされる。

 北広島市と近く名を変える札幌郡広島町界隈である。
 存じ上げている方も多いが、北海道では明治期に入植した開拓使の出身地がそのまま地名になったものが多い。
 此の広島町は云わずものがな広島県出身者が入植した地域である。
 一方で逆に北海道古来の地名は根室で通過したトーサムポロや歯舞、屈斜路などのアイヌ語であり、これらの地名の差異は裏を返せば国策の名を借りた明治政府の北海道侵略という視点がある。

 北海道の歴史は明治以降と浅く思われがちだが、それは古来から長らく続いてきたアイヌの歴史を黙殺してのことだ。
 だが我々の習う北海道は“蝦夷地”という曖昧な表現に象徴されるようにアイヌの正しい理解は等閑にされている。
 これでは侵略よばわりもされかねないか・と我が無知を今更恥じる。

 ともあれ、札幌の市街は目前となった。
 ここに来て今度は缶コーヒーを配られた。
 小銭を切らしているので有難く頂こう。
 市中心部に程近いバスセンターまではややも時間が掛かるが、寝ぼけた頭をゆっくり醒ますには都合がいい。
 そして天気は久方振りの青空。まだ目の醒めていない、日曜の札幌市街であった。

 やがて6時が過ぎた。
 だが、バスがターミナルに入る様子が無い。札幌名物テレビ塔も目前となり・と言う所でバスは路肩に寄った。

 どうも到着らしい。

 バスセンター行きを考えていた私には些か呆気ない到着であった。歩道に出て、タグにそって大荷物を受け取ると、バスは先を急ぐように発車した。他にも函館発のバスがいたらしく、発車したバスが4台に増えている。
 しまった(゚Д゚)。札幌駅前まで行くのなら乗っていればよかった。

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~後記

 まぁ大層なことは書いてるけど、けっきょく疲れて寝ぼけてただけでした(-.-)。
 もうね、随分とこさ精力使い果たしましたとも。

 うん、実は今も(-_-;)。

 さて今回の加筆は削除も含まれてますm(_ _)m。
 もう言葉の限り巨人ファンを逆撫でする文言が綴られてますので。
 この時期はもう野球ファンじゃなくアンチ巨人ファン以外の何物でもなかったんですよね。
 でも本文にも書いてありますがもうカープがこの頃から優勝できなくなってたし。
 愛想が尽きつつあったのも事実です。

 まぁ、05年騒動でみんな醒めましたけど。

 今は北海道にも地元プロ野球があるのでその意味じゃ事情が変わったかな(^^ゞ?
 今度はファイターズを応援させてくれるだろうか?
 それともコンサドーレかな?
 その辺りの事情は随分変わりました。
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Posted at 2014/08/25 20:22:21

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