
キャンプ用品を物色しに上京してその旅にキャンプを反映しないという頓珍漢を演じたのが前項であったが、
このキャンプ用品を揃える行為というものも一筋縄ではいかない(-_-;)という今講釈。
基本的にまずキャンプ用品を揃えるには「登山用品店」と言うモノに行かなければならないのだが・・・・・
まず広島ではこのアプローチから間違っていた。
1980年代後期に登山用品を購入できる店は近所にさえ幾つか出てきていた。
しかしそれらは正確には
「レジャー用品専門店」
であった。
今でもあちらでは定番のコグランを筆頭に、凝った製品のオンパレードだった。
つまり山に登るとかではなく数寄者でレジャーにあると助かる便利クッズのよろず扱いのようなモノで、通販で取り寄せるような物の個人経営ショップだった。
その通販も今ではアマゾンを筆頭に随分お手軽になったが、当時は代理店次第で当たり外れを言うのが野暮なほど怪しかった。
ソレが現物を揃えてくれるのだからもはや宝の山だった。
・・・・・・・・・・・・・・今見ると怪しい製品も多かったんだけどもね(-_-;)。
しかしそう言う店が長続きしようはずもなく早晩店を畳み、入れ替わって広島市内に進出してきたのが前項で述べたロッジや秀山/好日荘など東京で幅を利かすよろずアウトドアショップだった。
しかし結果から言うと低山ばかりの広島で儲けも期待できようもなく、好日荘を除くとこれらも瞬く間
に撤収していった。
ショップで唯一の希望の糸と言えば、そう言う移り変わりの激しい中にあって近所の材木問屋が副業でやっていてくれたショップと、思いがけず福山で起業し広島にも支店を置きA&F製品さえ扱ってくれる「アシーズブリッジ」がその変遷期に腰を据えてくれたのは幸いだった。
ただ前者は今年店を畳んでしまう(-_-;)。
一方好日山荘は一時上州屋など抱き込んだりと営業規模を計りながらも何とか広島に居座り続け、ここ数年本拠を据え直した。
さて、もう一方で業界の事情も酷い物であった。
実際登山用品とかのネイチャーアウシングクッズというモノは必要最低限の性能を突き詰められる物だから永年使い継がれたブランドが培われそうな物なんだが、
これがとんでもなく流行や時勢になびきまくる(-_-;メ)。
これが時代の訴求に応えた逸品だ!と登場してきた製品が嘘のように物の数年で消えることがある。
いや、
製品じゃなくメーカー自体が無くなることも珍しくない。

例えばこれは2000年前後に登場し好評を得た
「haroマークデザイン」
と言うブランドの製品群だ。
~完全に余談だが、
底に敷いてるチタンディッシュから、
まず左からチタンカトラリー(食器)、
オウフキン(ステンレス布)
アリゾナストーブ(Xの字になってる金具)
光触媒チタンピック
の5点。今じゃ他社からコピー品も出てるが当時皆斬新だった。
他にもロッキーカップやその蓋と識ってる者だけがほくそ笑む製品がまだ続く。

アリゾナストーブはシエラカップやトランギアと組み合わせれば無類の用途をもたらした。
チタンを筆頭に新素材でしかも単体では疑問符の拭えないものの他の定番製品と組み合わせたら多汎な使途を呈するまさに目から鱗な製品を続々輩出したベンチャー企業だ。
が、5年持たなかった(T_T)。
こんな業界なんである、アウトドア製品なんて。
マニアには他にもタープ(天幕)やテントで揺るぎない定評を得ていた「Moss」がMSRに併合されるなど、信じられないコングロマリットが繰り返されていた。
~MSRもガソリンコンロや雪山踏破品、浄水機器などで揺るぎない定評を持つ新興企業
また「カテゴリー喪失(!)」なんてのもしょっちゅうで、

肩痛で大きな荷物が辛かった私に福音を奏でてくれた
「ヒップバッグ」
と言う製品も無くなって久しい。
現在は「トレイルラン」と言うスポーツの広がりで極小さめのディバッグのショルダーベルトに給水機器などのポケットを設けた物が流行ってて、かつては20lと言う大容量を誇ってたヒップバッグは07年のTNF・16lデイハイカーを最後に販売されなくなった。
先項に挙げたほぼ寝袋なテントだって、昔はもっといっぱい販売されてたんだが今や数えるほど。
特に個人向けのミニマムな装備はきら星とも言えない短さで市場から消え去る。
こんな感じで、
まぁ解りやすく言えば、
アウトドア用品というのは、
「その製品に惚れた時だけが買い時だ!」
と言うまことシビアな状態なのだ。
こんなのに貧乏人が付き合わされるのだから、たまったもんじゃない(T_T)。
Posted at 2016/11/07 19:50:16 | |
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