2013年08月31日
怖い話。お聴きになりたいですか?(病院編)
これは友人の奥様が看護師として駆け出しの頃に初めて勤務した病院での出来事です・・・。
彼女の名前はDさん。
看護学校を卒業して初めて勤務した東京都にある某大学病院の脳外科病棟で厳しく激しい勤務の日々を送っていました。
そんな多忙な日常の中で一年が過ぎ去ろうとしていた頃のお話です。
ある、夜勤の夜・・・。
2月末の寒い夜でした。
東京都下でオートバイ事故の患者が救急搬送されて来ました。
患者は23歳の男性。氏名はSさん。
都内の国道をオートバイを運転中に事故に遭い救急搬送されて来たものだったそうです。
頭部を強打していて脳挫傷、脳内出血の疑いが濃く、すぐに検査が開始されスタッフ達の懸命な救命措置が続きました。
幸いにもその男性は一命を取り留め、脳外科病棟のNCUに入院して来ました。
その二日後の夜、面会時間も終わる頃に一人の女性がSさんを訪ねて来ました。
年齢は20歳代位でグレーのダウンコートにジーンズで茶色いブーツ姿の色白で小柄な女性でした。
折角お見舞いに来て下さったのだと思いNCUを案内し、ガラス越しに眠る彼をその女性は見つめていました・・・。
そして・・・その翌日も。
またその翌日も・・・。同じ時刻になるとその女性はSさんを見舞に来ます。
看護師であるDさんは何か不思議な気持ちになり日中、Sさんを見舞う親族にその女性のお話をしてみました。
すると・・・Sさんの母親が血相を変えました・・・。
Sさんの母親がおもむろにバッグの中から一枚の写真を出しました。
その写真にはDさんが案内したあの小柄な女性とSさんが笑顔で写っていました。
そして、Sさんの母親が言いました・・・。
Sさんはあのバイク事故に遭った日、彼女であったあの小柄な女性が入院している病院に急いでオートバイを走らせていました。
あの小柄な女性の名前はN美さん。
N美さんは急性骨髄性白血病で、あの日急性転化が始まり危篤状態になりその連絡を受けたSさんは病院に駆けつけるべくオートバイを走らせていたのでした。
その途中でSさんは通過しようとした交差点を無理に右折して来た対向車と激突!
救急搬送されることとなったそうです。
その晩、午前1時22分。N美さんは21年の短い生涯を閉じてしまったそうです。
その話を聞いた看護師のDさんは「あれが幽霊?ええ?」何が何だか分からなくなってしまったそうです。
そして・・・その晩は・・・N美さんは姿を見せず・・・。
Dさんはその晩は夜勤でナースステーションに居ました。
時間は23時も過ぎて23時15分になる頃でした・・・。
突然、ナースコールが鳴り響き表示を見るとNCUのSさんからでした。
NCUに駆けつけてみると特に何の異常も無く、意識も比較的ハッキリしていたSさんもナースコールをした覚えが無いと言います・・・。
不思議に思ったものの異常無しを確認したDさんは再びナースステーションに・・・。
すると今度は深夜1時20分頃・・・NCUのSさんの心電図の異常を示すエマージェンシー音が・・・。
表示を見ると「0」!!!!!!
DさんはNCUに駆けつけてみるとSさんの心電図は普通に表示され、Sさんも普通に眠っていました。
「???」
再びナースステーションに戻ったDさんは病棟のエレベータのところでグレーのダウンコート姿の女性の後姿を見掛けました。
Dさんは「N美さん!」と、思わず声を掛け走って後を追いました。
グレーのダウンコート姿の女性は凄い速さで非常階段の方に行ってしまいDさんは追い付くことなく消えてしまいました・・・。
Dさんは後で落ち着いて考えてみると・・・。
Sさんが事故に遭った時間が23時15分頃。
N美さんが息を引き取った時刻が1時22分。
あの不思議な現象が起きた時間が重なる・・・。
そして、今日はN美さんの初七日・・・。
N美さんはSさんにお別れを言いに来ていたんでしょうかね・・・。
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Posted at
2013/08/31 20:19:04
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