
台風12号の暴風圏から逃げるように関西を出発したパーティレース大遠征。
デビューレースの結果は予選6位、決勝2位でした。
写真は2番手なのに図図しくも1番手よりも喜んでいる私。
応援してくれた皆様の期待に少しは応えることができたのでしょうか?
デビューレースで入賞することができたことは勿論嬉しかったですが、
仲間と共に一つのレースを戦うことは一生の宝物になると思えました。
その価値は1位であろうが最下位であろうが同じだと思います。
勿論、順位が良ければ尚良いですが…
やっぱりワンメークレースは最高に楽しいですね♪
お手伝いに来てくれたクルーの皆、応援してくれた友人、企業様、
主催者様、アドバイスをくれたパーティレーサーの皆様、そして嫁さん。
たくさんの人たちからの応援を頂き、それを表彰台まで運ぶ事ができました。
ありがとうございました!!
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ここからは自分メモのようなもので、レース中の展開を私の主観で書いています。
だらだらした長文なので暇な人は読んでみてください(笑)
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金曜日の晩に関西を出発して大雨の中筑波を目指した。
そして何とか早朝に筑波に到着。
初レースということで準備にバタバタしつつも無事車検をパスして予選を済ます。
結果は12台中6位。攻めきれずもう少し何とかなったんじゃないかと
クルーと反省会をしつつ、本番のレースの時間がやってくる。
パレードランを済ましてスターティンググリットに着くなり
雨が降るということで幌を閉めてよいとのアナウンスが流れる。
ピットクルーにお願いして直に幌を閉めてもらいフォーメーションラップがスタート。
…暑い。曇で太陽が照ってないだけまだマシだけど、
真夏に耐火服とヘルメットで全身を覆ってヒーター全開は罰ゲームみたいだ。
しかし皆条件は同じ。
前を走る人がエアコンをつけたまま走ってくれてないかな~(笑)
レッドシグナルは5秒前でブラックアウトだったかな?
そんなことを考えてる間に5秒前の看板が…もうすぐ本物のレースが始まるのだ。
回転数を5千回転付近に合わせてサイドブレーキを持つ。
シグナルオフと共にレーススタート!
スタートはホイルスピンも無く上手く決まった。
イン側に居たこともあって第1コーナーで2台パス。
これで一気に6番手→4番手にジャンプアップ。
コースが狭く抜くのが難しい筑波でこれは大きい。
そしてスタート直後の混戦で接触を避けつつ前の92号車を追いかけることに。
一周してきたところでラインが甘く1コーナーで95号車に
インを刺されて4番手→5番手に後退。
ああ、しまった…タイムアタックではなくレースをしているのだ。
インを空けるのは抜かして下さいと言っているようなもの。
反省しつつ今度は95号車を必死に追いかける。後ろは少し離れているので大丈夫。
そうすると1周もしないうちに案外早くチャンス到来。
バックストレート手前のヘアピンで95号車よりも少し速く脱出成功。
バックストレートで95号車と並ぶ。イン側は私。
ということで最終コーナーに並んで入り95号車をなんとかパス。
5番手→4番手に再浮上。
今度はインを空けないラインで95号車を押さえつつ、3番手の92号車を追いかける。
前とは少し離れているのでこのまま95号車を押さえることが重要か?
そんなことを考えながらも前と後に神経を集中させて数周が過ぎる。
レースの半分が過ぎたあたりでフロントガラスにポツポツと水滴が。
…来たな、雨か。番狂わせの雨が来た。
雨はどんどん強くなり路面はあっという間にウェットに。
ドライからウェットの難しいレースが始まったが不思議と楽しかった。
初のレースでドライとウェットで戦える。さらに繊細な技術が要求される。
自分自身を試せることに感動しながらタイヤのフィーリングにより一層
神経を尖らせ前を追いかける。
あちこちで黄旗が振られコースアウトやクラッシュ、スピンする車両が出てくる。
いつだったか判らないがポールを獲った54号車もスピンしてしまい
順位は4番手→3番手に上がっていた。
雨を楽しんだおかげか少し前にいた2番手の92号車との距離はどんどん近くなり
勝負できる距離に。その前にはNC2クラスの車両と絡む1番手が。
後ろにいた95号車とは距離が開いて前だけに集中できる展開になった。
刻一刻と変わる状況が楽しい。めちゃくちゃ楽しい。
ワンメークレースの醍醐味に感動しつつ、このままずっとレースがしたいと思えた(笑)
そして雨の中92号車をパスできる機会を冷静に待つ。
シフトミスをしてくれないか?ラインを外してくれないか?
自分もミスをしないように無理をせず、何度かラインを変えて
揺さぶりをしてみたりひたすら待ちの姿勢を貫く。
そんなことをしているとレースも終盤になり、通り雨も止んで
路面はセミウェット、一部ドライというなんか凄い展開に。
2番手の92号車の走りは冷静。少しラインが膨らんでも崩れることなく
このままレースが終わってしまうんじゃないかと思ってしまうくらい。
今の自分の技術では92号車をパスするのは難しい。
それに終盤になるとクラッチが滑るトラブルが発生。
シフトチェンジしたときに回転軽の針が上がったままで
リアにエンジンパワーを伝えてくれない。
どんどん厳しくなる状況。タイヤはウェットのおかげでまだ変化は少ないが
クラッチがダメになってしまい自分の技術力不足を思い知る。
ヒール&トゥが粗いのか?シフトアップが粗いのか?それともスタートのクラッチミートか??
頭の中で一瞬考えるが今は2番手を追いかけなければ。
シフトアップ、ダウンを少し待ちクラッチミートを丁寧に。
ストレートで少し離されるようになってしまうがそれでも諦めず
ひたすら92号車を追いかける!まだ勝負できる距離は保っている。
そしてファイナルラップの最終コーナーがやってくる。
もう92号車をパスするチャンスは無い。
クラッチを労わり着いていくのが精一杯だった。
しかし最後まで前を追いかけてレースを楽しもうと思っていると、
92号車の前を走っていたNC2クラスの車両がファイナルラップの
最終コーナー立ち上がりでスピン。
後ろを走っていた92号車のラインが変わってアクセルが一瞬緩んだ。
チャンス?それを見ていけると思った私は濡れている路面をリアタイヤと
相談しながら全力でコーナーを曲がる。
最終コーナー立ち上がりで2番手との距離がぐんぐん近くなる。
まさか!いけるか!?頼む!!!!!どうだ!!!??
何にお願いしたのか分からなかったが92号車と同時にゴールして
鼻差で私が前に出たみたい。競馬か(笑)
リザルトのタイムは同着だった。奇跡だ。
最後の最後で3番手→2番手に上がって準優勝でした。
もう何が起こったか分からなかった。
もしかしたら3位かもと思っていたがどちらにせよ
表彰台に立てるのが嬉しくて泣きそうだった。
ココまで自分が来れたのは自分の実力だけじゃないことがはっきり分かった。
レース中は氷山の一角のようなもので、ドライバーが一番目立つけど
車両の準備から移動、当日の準備から何から何まで全て仲間に手伝ってもらった
下積みがあるからこそ入賞までこれたのだ。
レースが終わった後、今まで戦ったレーサーの方々と笑顔で握手ができた。
別のクラスのレーサーとも笑顔で握手ができた。
全力でサポートしてくれたピットクルーとも握手ができた。
こんなに握手がしたくなったのは初めてだ。
パーティレースは最高だと思えた。
モータースポーツは色んな種目があるけど、パーティレースを選んでよかった。
パーティレースに出ると決めたことに感謝できた。
モータースポーツを諦めず続けたことに感謝できた。
自分を支えてくれた全ての人をその場に集めてお礼が言いたかった。
楽しみ、感動し、モータースポーツの醍醐味を満喫できた一日でした。
次はいつ参戦できるか判りませんが、自分のペースで
準備を進めてまたパーティレースに参戦したいと思います。
こんな感動が味わえるパーティレースって最高ですよ♪
最後まで読んでいただきありがとうございました。