
先に述べた件もあり、微妙な気持ちでの試乗となりましたね(^_^;)
新型ポロの感想ですが、Bセグで総合力でトップを争う良い出来映えには違いないのですがメディアで語られている程には良くはないな…
それが率直な感想でした(^_^;)
ゴルフと比較するメディアも有りますが、ある1点を除けばゴルフには敵いませんしね(^_^;)
まず見た目ですが、ゴルフと並べても遜色ない立派な佇まいから大きさを意識します。
そしてスタイリングの纏め方はVW車だからこそ許される、ハッチバックの王道とも言える保守的なものです。
先代ポロは一見ごくフツーのデザイン(ここがミソ)に見えますが、限られたボディサイズの中で腰高感を払拭し躍動感を出す為によくよく見れば随所にダイナミックかつ計算された造形美を成しているので、尚更に新型を見ると拍子抜けします…
新型のボディサイズで先代の様な凝ったデザインにしなかったのは、見た目にゴルフとの車格の差別化が出来なくなるのも理由の一つかと(^_^;)
現行ゴルフはシンプルかつクリーンさの光る質感高いスタイリングが信条の、虚勢とは正反対の大きくは見えない緻密なデザインですからね。
しかし新型ポロはただ凡庸ではなく、ボディサイズ拡大と全高を落とした結果 オーソドックスなスタイルながら腰高感は無く、随所で見られるプレスラインの綺麗さやディテールの良さなどのクオリティの高さで数年経っても質感高く見えるのではないかな?
そんな事から色んな意味で新型のデザインも先代同様に計算され尽くした結果なのでしょう。
内装は新しさを感じるインパネが目をひきます。
視認性も操作系もより使い易くなりデザインとの両面で進化を感じますが、残念ながら内装の質感は先代の方が上です。
特にドアトリムなどは…
きっとこの辺りでもコストダウンをしているのでしょう。とはいえBセグのファミリーユースなクルマの中では依然として他社より質感高いのではないでしょうか?
クルマに乗り込みます。
ボディサイズUpの恩恵はリアシートとトランクスペースにありますね。コレだけリアシートが広ければ長距離ドライブでも文句は出ないでしょうし、デザイン重視に振られた設計のCセグ車よりも快適に座れるのでは?
フロントシートは座面が先代よりも低く、包まれ感ある運転席周りのデザインと相まって、パッケージの違いやパーソナル感の演出などで車格が少し高まったのを実感します。
相変わらずベストなドラポジが得られますが、上記の様な演出の為にシートには相応なもう少し包まれ感が欲しいな… という欲は出てきますね(^_^;)
ただ現状でもシートの機能性自体に文句はありません。
走り出します。
発進時の軽快さは先代の方が上かな? 排気量ダウンと重量Upの関係で仕方ないでしょうね。ただし 走り出してしまえば先代と同程度の力強さを感じます。
極低回転域でのトルクのつき、タービンの回りだしは排気量の余裕で先代の4気筒の方に歩があります。
とはいえ、クルマの性格を思うとコレだけ走ってくれれば十分以上かと。
3気筒によるネガはアイドリング付近の振動がやや気になる程度です。巡航している分には振動や音質は気にならず、相変わらず良く出来たエンジンだと感心します。
個人的には回した時の3気筒独自のビート感が好きですし♪
ただ、回してもビート感程にはパワーがついて来ないのは少々寂しいですが(笑)
逆に言えば扱いやすさ重視の中間トルクを太らせいてるセッティングの証拠ですから、クルマの性格考えればコレは正義ですね。
乗り心地ですが、幹線道路では良好ですが荒れた路面では結構凸凹を拾ってしまい、そのショックは思ったよりもカドがあります。その際にリアシートあたりから微かな異音も聞こえます。
こう書くと荒い乗り心地かと思われるでしょうけど、そういう単純な事ではありません。
そんな荒れた路面でもスピードを上げると見事なまでに姿勢をフラットに保ちつつ路面の凹凸をしなやかに吸収してしまい、先代で見られる跳ねや突き上げ感は消え失せ、そのクラスレスな心地良さに呆気にとられながらも感心してしまいました。
セッティングする際に重要視されたスピード域が恐らく80㎞以上の領域なのでは?
欧州ではこんな速度域の性能が重要視されるのを改めて納得させられます。
しかしながら上記のネガな事柄はブッシュやダンパー、タイヤの特性変更など、年次改良で洗練され磨きがかけられるでしょうから熟成された後に改善されてる事でしょう。
ハンドリングですが、この項目はゴルフを凌駕していて驚きます(^O^;)
クラス最良の素直さではないでしょうか?
先代よりノーズが低くフロントオーバーハングは短縮されトレッドが拡大と3気筒という軽いエンジンの利点で、鼻先が軽く感じられのは勿論、ロールとピッチングの量も少ない上に収束も非常に速いので気持ち良いです。
旋回軸が先代よりも20㎝弱 車体中心に寄った感じでしょうか。
さらに加えてリアサスもフロントのロール方向の動きに合わせる様にリアも動かして旋回を助けるセッティングになっているのも楽しい気分にさせてくれる一因ですね。
ブレーキング時の姿勢も、これまでの前につんのめる様にフロントブレーキだけで止めている感じが四輪とも沈み込む様に安定して制動がかかるのも素晴らしいです。
リアがトーションビームなのにFF車の王道といえるトラクション重視のフロント&安定性重視のリアというVWの考え方から大きく変化しているのは驚きました。
ゴルフ7のリアがマルチリンク車からそんな傾向は感じれましたが…
乗り味の上質さまで含めると同じセグメントで総合力で新型ポロに敵うクルマは極僅かだと思います。
兄貴分のトーションビームのゴルフと比べると、少々ボディが大きくても問題なければハンドリング以外の全ての項目でやっぱりゴルフの方が優れているし、値引きも含むコスパ的にも満足できますよね(^O^;)
新型ポロのポテンシャルの高さは十分伝わるので、今後の熟成と魅力的な追加モデルが楽しみではあります。