
6V電装についてまとめてみたのである。
今後6V電装二輪車のレストアの参考になれば幸いである
図は6V電装車の灯火系と充電系の基本回路である
.単相発電
.灯火の交流点灯
.電圧規制装置(レギュレータ)無し
上記の内容を持つもっとも基本的な構成である。
主に125CC以下のバイクで多く使われたものであり、ハスラー90やハスラー250も基本はこの方式を採用している。
特徴は以下の通り
①この方式は灯火の交流電圧の規制(レギュレーション)は接続されているバッテリによって行う
接続されているバッテリが6Vとすれば、約6.8V以上の電圧が発生した場合、バッテリーが充電電力として、それ以上の電圧分の電力を吸収する。もし満充電であればその電力はバッテリーの電解液の電気分解のエネルギーと熱として消費される
②従って、バッテリーが未接続の場合あるいは接続端子に接触不良が発生すると灯火に規定以上の電圧が印加され、灯火が過電圧で切れる
③灯火の点灯の効率は、発電した交流電力をそのまま灯火に加える為、非常に良い、従って発電コイル等を小型化(ローコスト)が出来る
④昼間の無灯火の場合、灯火を回路から灯火分の抵抗負荷に切り替えて熱として放出する方式(ロードパル)と発電コイルの中点からのタップに切り替えて、発電電力を下げる方式がある。(ハスラー90,250)
維持、改良には以下の点を留意する必要がある。
①バッテリーの保水レベルのこまめな点検と補水
発電で余った電力は充電電流として消費される為、バッテリーの電解液が減りやすい
②バッテリーの接続端子の接触不良の点検
バッテリーに接触不良が発生すると、灯火の球切れが発生する
接続端子は確実に接続されているかを確認する
③バッテリーレス化
交流分の電圧規制が出来る、レギュレータが用意出来る場合は可能と思われるが、方向指示器.停止灯.警音器などの電力をノーマルの発電コイルでまかなえるかが、ポイントとなる。
従って小排気量車のノーマルの発電コイルでは対応は難しいだろう
④他の電池の使用
ニッカド電池の使用は充電特性の違いで使用は出来ない
密閉式のバッテリーも充電特性が異なるので、バッテリーを傷める事になる (密閉式のバッテリーは水分の還元機構の為、充電電流量に制限がある)
⑤12V化
発電コイルの容量によるが、これも小排気量車のノーマルの発電コイルでは対応は難しいだろう
12Vの灯火などの負荷を接続した状態で12V以上の発電能力があれば、比較的対応の可能性は高い
当然の事であるが、改造のリスクとメリットで判断すべき事である
6V電装車は奥深いのである
なお、本文の内容を参考に修理等の作業される場合はあくまで、自己責任でお願いします。
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Posted at
2008/10/19 02:27:40