
本日は12月12日に新型が登場したダイハツ ムーヴに試乗しました。私の記憶の中では未だ先代の小日向文世さん、岡田准一さんによる「TNP27」のコミカルなCMが残っており、最近のクルマとしては比較的短期間である4年で「新世代ベストスモール」としてフルモデルチェンジされました。
グレードは最上級モデルのRS“Hyper SA”です。
なお、ムーヴは「軽自動車」の中ではまとまりのあるクルマであって、全体的には良くできていて、「買って損をした」ということはないでしょう。このブログにおける「私の気になること」は
ムーヴを指名買いされる方には全く気にしなくても良いことであって、
ムーヴを他車と比較して購入される方は参考程度に読んでいただければ幸いです。
エクステリア

基本としてはキープコンセプトながら、「変えたい」という意識の強いデザインに見受けられます。雑誌の記事によれば、今回はカスタムモデルが基本デザインとのことで、カスタムモデルの方が標準モデルよりもまとまりがあるようなデザインに見受けられます。
タイヤの踏ん張り感を強調したフェンダー部分や全体のラインに工夫の跡は見られますが、正直言うと、フロントマスクはN-WGNそのものに見えるんですよね。

また、スピンドルグリル風にまとめたムーヴよりも、分割グリルでLEDアクセサリーライナーで他のスバル車との共通性を持たせたOEM車のステラのほうがデザインのまとまりが良いように思えました。
インテリア

クオリティは十分に高いです。が、デザインに少々凝り過ぎているところ、分割線のやや煩雑な部分があることで、デイズ/ekシリーズには少し及ばないかな、という感じです。
なお、Hyperモデルに装着されるギャラクシーマーブルのデコレーションパネルは安っぽくて、全体の雰囲気を台無しにしている印象を受けました。
試乗中の静粛性は現代の水準では「普通」の印象で、ウェイクの方が若干エンジンノイズが低いように感じました。
シート

クッションの硬さはなかなかのもので、ある程度の長距離なら十分に耐えうるシートだと思いました。
しかし、ここもクッションの出来や表皮のクオリティでデイズ/ekシリーズには少し及ばない印象です。
と、いうことでシートバックの高さを除く部分ではスバル製ステラにも少し及ばない印象です。
エンジン・トランスミッション
先代の改良版のターボエンジン KF-DET+CVT です。
ターボチャージャーはあくまで余力用に徹していて、燃費を考慮して低速時の過給は低めに抑えている印象です。かと言って力不足は感じません。
CVTは代を重ねるごとに改良されていますが、「カタログ燃費」を意識したセッティングが施されているため、街中では多少せわしないような感じがあり、また急加速は苦手な印象です。
サスペンション・乗り心地
「コイルスプリングやアブソーバーの最適化、キャンパーの高剛性化、ロアアームブッシュの改良、中間ビームなどの剛性を高めることで、優れた操縦安定性とフラットな乗り心地を実現」とのことでしたが、惜しい。伸び側の減衰力がもう少し引き上げられれば良かった。伸び側の減衰力が少し足りないため、道路の大き目な凹凸を通過する際、ボディが若干横揺れしてしまいます。最近代車で乗った先代ワゴンR(AZ-ワゴン)はそこがよくできていて横揺れはほぼ皆無だったので、余計に物足りなさを感じました。しかし、デミオやフィットにはかなわないものの、ヴィッツやパッソよりはしっかりしたフットワークである印象です。
ステアリングの印象は走行中はあまり変な印象はありませんでしたが、パーキングスピードで一気にタイヤの向きが分からなくなってしまうほど軽くなってしまうところがきになりました。
総括
私の記憶に間違いが無ければ、先代登場時に4年サイクルのモデルチェンジを改める趣旨のアナウンスがされていたかと思いますが、ホンダNシリーズの台頭や日産の本格軽参入などもあって早急に新型を登場させる必要があったのでしょうね。
今回の新型も真面目な造りこみに好感が持てるのですが、
私としてはシートとサスペンションの造りこみがもう一歩引き上げられればライバル車を引き離せるのに、と思った次第です。
Posted at 2014/12/22 19:58:01 | |
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