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2017年07月15日

浅草&スカイツリー物語『その二 浅草六区編』

浅草&スカイツリー物語『その二 浅草六区編』
今回も浅草の歴史を追いながら夜の浅草の名所やグルメスポット等『浅草六区』の周辺を探索してみた。
まずはTX浅草駅からスタート。

つくばエクスプレスが開通して六区へのアクセスは随分便利になった。

まずここ浅草六区の歴史を調べてみた。
明治17年浅草寺境内は『浅草公園』と命名されて一区から七区まで区割りされた。
それぞれの区は
・一区:浅草寺境内(本堂と五重塔)
・二区:仁王門から仲見世
・三区:浅草寺境内の伝法院
・四区:公園内のひょうたん池があった所
・五区:花やしき周辺
・六区:浅草公園の西側
六区は明治時代から見せ物小屋、演芸場や活動写真(今の映画)、オペラ館等歓楽街として発展してきた。


・七区:雷門から浅草公会堂付近
この区名は昭和26年現在の台東区が発足するまで使用された。

前置きが長くなったがこの通りを歩く前にグルメスポットの紹介から。
浅草のグルメといえば古くから天丼の名店が多いことで知られている。
今日は六区のほど近く伝法院通りにある『大黒屋』にお邪魔した。


創業は明治20年の老舗天麩羅店で、いつも行列が絶えない人気店である。
天丼のメニューは3種類
海老4本がのった海老天丼が人気であるが、今日はさほどお腹も空いていなかったので、海老2本かき揚げ1本の天丼を注文した。


待つこと15分程で注文の品が運ばれてきた。江戸前天丼特有の胡麻油の香ばしい香りと丼からはみ出す程のボリュームは充分すぎる位に食欲をそそる。

こちらのタレは独特で色が黒くかなり濃厚であるが、シットリと海老に染み込んだ食感はやはり伝統的な味わい。御飯との相性も抜群に良く箸を持つ手はターボ車のように高速回転しあっという間に完食した。

今日は六区から花やしき周辺までくまなく散策してみたが、この地の歴史や思い出等を新旧織り交ぜながら紹介していく。

①六区ブロードウェイ
すしや通りとひさご通りを結ぶ約300mの商店街。ニューヨークのブロードウェイにちなんで名付けられたものである。
昭和初期には映画館や演芸場等が30館近く軒を並べていた。


私がこの地に訪れるようになったのは昭和60年頃のこと。まだ少しの映画館や演芸場は残っていたが、既に斜陽の時代を迎えこれらは少しずつ閉店し取り壊され商業施設やパチンコ店等に姿を変えていった。


この街の隆盛期の頃は夜のネオンが不夜城のように輝く華やかな世界。浅草寺と共に浅草の象徴であったことの記録を見つけることができる。


ここ数年の浅草再開発プロジェクトの進行により、街並みは昔の華やかなイメージを取り戻しつつある。(夜の街の華やかさやビルのダイナミックさが出るよう一部本機のアートフィルターで撮影)


②電気館
1903年(明治36年)日本で初めての常設映画館『電気館』が建設された。


当時の建物の形を残し現在は飲食店とマンションが入居する電気館ビルに生まれ変わっている。


正面のモニュメントには英字で『DENKIKAN』の文字が残されている。


③浅草ROX
電気館の対面に1986年(昭和61年)スーパー、衣料品、温泉施設(まつり湯)、飲食店、ゲームセンター等の商業施設として開業したのが
『浅草ROX』


それ以前は松竹演芸場があったが1983年(昭和58年)に閉館した。


7階のまつり湯の露天風呂からはスカイツリーを一望できる。


③浅草フランス座 東洋館
渥美 清 萩本 欽一 ビートたけしさんを筆頭に数々の有名人を輩出した名門のストリップ劇場。


当たり前だが決して彼らが脱いでいた訳ではないので誤解がないように❗️下積み時代の彼らはここでショーの司会や幕間のコントや漫才で修行を重ねメジャーになっていった。


1951年(昭和26年)にストリップ劇場として開業したが、その後閉館や改装を繰り返し現在の寄席や漫才専用の演芸場の形になったのは2000年(平成12年)のこと。


一度おふくろが上京した時に一緒に寄席を観たが、随分喜んでいたことを覚えている。


東洋館から伝法院通りに向かうわずか100mの六区通りの街頭にはこの地で活躍した33人のスターの顔写真が掲載されている。


何故か『ビートたけし』がいないのはこの街の七不思議と言われているが……
良く見ると右上に『予約済み』の人物が一名いる。


実際通りには空白で『予約済』の写真が1枚あった。ビートたけしが予約しているという噂がネットでは流れている。


④大勝館
1908年(明治41年)開業の映画館で昭和20年頃には日活や松竹系の映画が上映されていた。 その後映画館は廃館となり、ストリップ劇場やボーリング場に姿を変えていった。この時期日本は高度成長期に突入し、日本全国にボーリング場ができた頃である。


2001年(平成13年)建物を改装し大衆演芸場として営業を再開した。


特に食事処の『大勝館』は池袋の名店『大勝軒』のつけ麺が食べられたのでよく訪れた。


2007年(平成19年)建物の老巧化により閉館となり、その後2013年(平成25年)ドン・キホーテに生まれ変わった。

オープンした当時は歴史ある浅草の街には不釣合いであったが、最近では街の景色に溶け込んできたように感じる。

⑤浅草ロック座
浅草でストリップ劇場といえば半世紀の歴史を持つ日本最古参の『浅草ロック座』


現在もパチンコ屋やネットルームがある雑居ビルで営業が続けられている。


若い頃に一度訪れたことがあるが、パリの『クレージーホース』をモデルにした芸術的な路線で『ファッションヌードシアター』という看板が掲示されている。


今年5月ここの創設者で長年経営に携われた『齋藤 智恵子 名誉会長』が死去されたことは記憶に新しい。

⑥まるごとにっぽん
東宝会館とボーリング場があった場所に、2015年新たなランドマーク『まるごとにっぽん』がオープンした。


角にあった交番は今も同じ場所にある。


日本全国の名産品や食品、雑貨、お酒等を販売する商業施設であり、リッチモンドホテルが同居している。


店内は広々とした造りで全国の隠れた名産品や価値ある逸品を購入できる。


⑦JRA WINS 浅草
六区の一番角にあり、1974年(昭和49年)に開設されたJRAの場外馬券場『WINS 浅草』


若い頃競馬に熱中した時期もあり良く訪れた場所であったが、何故かここでの成績はあまり良くなかった。


この場所の歴史を調べてみると、昭和初期まではひょうたん池があった場所。


その後1959年(昭和34年)にはド派手な浅草新世界ビルが建っていた。キャバレー、飲食店に温泉施設、五重塔が輝く屋上にはプラネタリウムにビアガーデン、更に屋外には遊園地もある総合レジャー施設。

その後火災が発生しわずか5年の短期間で営業は終了した記録が残っていた。

⑧世界館/浅草新劇場/中映劇場/名画座
六区の一番角でJRAの丁度対面にも映画館があった。いずれも昭和初期に建てられた松竹系の劇場であった。


昭和60年頃建物が補修され、古い映画を3本500円で見ることができる劇場もあった。それなりに客も集まっていたと記憶している。


新劇は寅さん専用、世界館は成人映画だったかな?名画座は時代劇や任侠物、中映は洋画専用で、意外と名作がリバイバル上映されることが多くたまに鑑賞することがあった。


そして2012年10月この街に歴史的な出来事が起きた。これらの映画館はいずれも築80年の建物であり、老巧化により全て閉館することになった。
『映画館発祥の地 浅草からついに映画館の灯りが消えた』

(最後の上映日に押しかけた写真家の方々)

跡地にはパチンコ店、劇場、飲食店等を配した複合施設『マルハン松竹六区タワー』の建設が計画されているが……


2014年開業予定の建設計画に対して、工事は全く行われていない。

この街に映画の灯りが再びともる日が来るのだろうか?

⑨ひさご通り
六区ブロードウェイの北側に位置するのが『ひさご通り』
ひょうたん池が埋め立てて建てられたWINS 浅草のすぐ近くである。


この商店街を歩くと山谷や吉原に抜けることができるが、ここまで来るとまず観光客の姿は無く夜になると人影はまばらである。
この辺りは上京した頃の思い出の場所がいくつかあったので少し散策してみた。


まずは商店街の入り口にあるラーメン屋。九州から上京し初めてここで醤油ラーメンを食べたが、とにかくしょっぱい味😖であった。

当時は280円位だったと記憶しているが、まだこの値段で営業しているのは良心的である。

上京時は茨城県に在住していたが、月に1回東京に出張に来た時定宿にしていた旅館がこの辺りにあった。

来てみるとそこは洒落たレンガ造りの建物『浅草九劇』に姿を変えていた。
玄関の看板は『WIRED HOTEL』

ネットで調べてみたが、1階にはカフェバー、2階はアイドルが公演を行う劇場、3階から10階までが客室。客人同士で色々な情報を交換する場を提供する新しいコンセプトのホテルのようである。

そして色々と調べてみるとこの地には1890年(明治23年)当時としては凄い建築物があったことがわかった。
ロンドンのビッグベンにも似たデザインであるが、実際にイギリス人が設計したレンガ造りの『凌雲閣』である。


12階建てで日本で初めてエレベーターが搭載されて展望台があり当時としては高層ビルであったことから入場者が押しかけ、現在のスカイツリーと同じ位の人気であったようだ。


その後1923年(大正12年)の関東大震災により半壊し解体された。


⑩花やしき
1853年(寛永6年)に誕生。戦争の影響で休園した時期もあったが、今年で開園164年を迎えた日本最古の遊園地。


花やしきは日本一狭い遊園地であるが、更に最古のジェットコースターは日本一怖いと言われている。


確かに狭い敷地にぎっしりとアトラクションが配置されているのが伺える。


既に営業は終了していたので『花やしき通り』を浅草寺の方へ歩いてみることにした。


1軒まだ営業しているお店があったので、覗いてみると日本人形を販売していた。浅草らしいお店である。


境内に入ると今日は五重塔の脇に綺麗な月が輝いていた。


この辺りのあまり歩いたことがない通りを歩いてみると……
そこにはまだセピア色が似合う昭和の景色が残っていた。
今ではあまり見かけないジャズバー


下町芸人の演芸場


初音小路のスナック街


道に迷いそうになったので、今日はつくばエクスプレスで帰路につくことにした。

⑪TX浅草駅
TX浅草駅の地下のコンコースには企業の広告と共に明治・大正時代の浅草の景色が壁一面にデザインされている。








ブログタイトルとして掲載した『凌雲閣』もこの場所で撮ったものである。後から気付いたのだが、良く見ると建設が計画されているマルハン松竹ロックタワーの外観デザインも凌雲閣をモチーフにしたものである。
この街が残した歴史をいつまでも残して行くという取り組みに敬服した。

来週は隅田川を探索してみます。
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Posted at 2017/07/15 08:24:03

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この記事へのコメント

2017年7月15日 8:44
tempest-variantさん、おはようございます。昭和60年、まだ日本が活況に沸いていた時代から30数年あまり。その頃から昭和の香り残るこの街を知る方が切り取る光景を浅草六区編という素敵なタイトルととも勉強させてもらいながら拝見いたしました。伝統の味、天丼。東洋館や東映映画を楽しんだあとに、多くの人がこれを味わって来たかのような想像も楽しく思います。隅田川、そして一区や五区などの編も楽しみにしております。
コメントへの返答
2017年7月15日 18:33
こんにちは。コメントありがとうございます。自分で語れるのは映画館だけだったのですが、色々調べてみると明治時代からのこの街の歴史にも夢中になってしまい、ブログに残してみました。
今この街は大きく変わろうとしています。都心では駅の近くに高層マンションが立ち並んでいますが、この街はホテルの建設ラッシュです。昭和の景色が少しずつ姿を消して行くのは時代の流れなのかと思っています。

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