
前編では華やかな開幕セレモニーの光景をレポートしたが……

後編は白熱した試合の模様をレポートします。
館内の掲示板に本日4試合の組み合わせが掲載されていたが、ランキングや過去の試合成績から独断と偏見で勝敗予想を付けてみました。

2-2でビクトリーマッチに突入すると予想したが、最後に誰が出場するかはその時にならないと分からない。
見る側からすると接戦になって1試合多く見れた方が良い。
最初の試合は日本生命 麻生 麗名&笹尾 明日香組 VS 木下アビエル 長崎美柚&木原 美悠組
いよいよ試合開始だがダブルスは3セットマッチ🏓

先に2セット先取したペアが勝ちとなる。
試合開始直後突然謎の尾根遺産が乱入してきた?

コラ〜💢張本〜💢そんな場所にモニタを設置したら邪魔だぞ〜💢💢
長崎選手のサーブで試合開始されたが……

明らかにモニタが死角になって邪魔🆖💢
席を移動している間に麻生・笹尾組が1セット目は先取していた。

悔しそうな表情を浮かべる長崎選手
2セット目になると長崎選手と木原選手の強打が決まり始めた🏓
コーナーぎりぎりに決まった長崎選手のスマッシュ‼️
第2セットは接戦となり長崎・木原組が先にセットポイントを迎えた。

ここでタイムアウト⏳卓球の試合では重要なポイントで1試合に1回1分間のタイムアウトを取ることができ、その時に水分補給やコーチのアドバイスを受けることができる。
試合再開後は息つく間もない激しいラリーが展開されたが……

麻生・笹尾組がポイントを取ってデュース‼️
卓球の公式戦はデュースは2ポイント差がつくまで続けるが、Tリーグ独自の1ポイント先取で勝敗が決する。
最後の最後まで激しいラリーが展開されたが……

勝ったのは麻生・笹尾組‼️
長崎・木原組は過去に世界大会でも優勝し世界ランキングも1位になったことがあるので圧勝すると思っていたが、卓球はその日のコンディションや対戦相手との相性等で番狂わせが多くやってみないとわからない。
2試合目は日本生命 早田 ひな VS 木下アビエル 木原 美悠
パリ五輪を目指す二人の注目の対戦である。

木原選手はダブルスに続き連続の出場になるが、団体戦のルールではダブルスとシングルスの重複出場は可能となっている。
試合前に相手とラケットを交換してラバーの特徴と色の組み合わせを確認してるが、私が卓球をやっていた時はなかったルールである。
卓球のラケットは形・大きさには制限がないが、両面のシェークハンドのラケットの場合、ラバーは赤と黒の異なる2色を使うということがルールとなっている。
学生時代はシェークハンドのカットマンとしてプレーしていたが、表側には回転系のラバーを裏側にはナックル系のラバーを付けて相手を混乱させる戦術をとっていた。
当時ラバーの色の制限はなかったが、試合前にお互いのラバーを確認し正々堂々とプレーするマナー的なルールである。
早田選手は長身で長いリーチを生かしたサウスポーからの強烈なドライブが武器。

日本人女子選手の多くは台から離れず早いテンポで打ち合う選手が多いが、早田選手は台から離れて男性的な卓球をするのが特徴である。
木原選手は全日本選手権で準優勝した時にテレビで一度見たことがあるが、フォアハンドの強烈なスマッシュが武器。

まだ18歳のスーパー高校生でトーナメントでも必ず上位に進出している次世代のエース候補である。
木原選手のサーブで試合開始🏓シングルスの試合は5セットマッチである。

いきなり早田選手のパワードライブが炸裂🏓
負けじと木原選手のフォアに周りこんでの強打が炸裂🏓

逆クロスのスマッシュは得意のコースで早田選手も届かない。
思わず拳を握りしめガッツポーズの木原選手✊

ポイントが決まる度に大声を上げる選手が多いが木原選手は至って冷静。
早田選手が最近好成績を残して五輪選考ポイントランキングでも1位をキープしているが……

フォアハンド一辺倒だった攻撃が、バックハンドでも強打できるようになったのが大きな進歩である。
試合は一進一退の展開で両者がポイントを取り合い全く互角の展開。
先にセットポイントを迎えたのは早田選手の方だが…

木原選手もポイントを取ってデュース‼️
ここで早田選手がタイムアウト⏳
しかし木原選手の豪快なスマッシュが決まり……

1セット目は木原選手が取った。
2セット目も強烈な打ち合いが連続し手に汗握る展開💦
木原選手は早田選手のバックを攻め始めた。
このセットもスコアは五分五分
ここから早田選手の強烈なパワードライブが続けて決まり……
2セット目は早田選手が取った。
ここで本日の入場者の発表があったが『2333人』

7割以上客席は埋まっていてアリーナ席もほぼ満席になっていた。
3セット目も激しいラリーが続き……
またまた互角の展開
木原選手のスマッシュが決まり先にセットポイントを迎えた。
早田選手も粘りを見せサービスからの速攻が決まった
早田選手が追いつきこのセットもデュース‼️

追いつかれた木原選手はたまらずタイムアウト⏳
1本で勝負が決着するのは見ていて非常にしびれる展開だが、木原選手のバックハンドがアウトとなり……

このセットも早田選手が取った。
思わずガッツポーズの早田選手✊
4セットは早田選手の動きが更に良くなり……

木原選手の強烈なスマッシュも長いリーチを生かして簡単に返せるようになってきた。
得点は5-0と早田選手が大きくリードしているが、卓球で5点以上差がつくと挽回はまず不可能。
更に早田選手の攻撃は更に加速して無双状態🏓
先程までの接戦が嘘のように点差が広がってしまった。
更に早田選手の躍動感あるフォアのパワードライブが決まり続けて……
10-5で早田選手のマッチポイント✌︎('ω'✌︎ )
神経な表情でサーブを打つ早田選手o(`ω´ )o

最後は木原選手のボールがネットにかかり早田選手の勝利✌︎('ω'✌︎ )
観客の歓声に応える早田選手🤗
日本生命が2勝したのであと1勝で勝利が確定する。
3試合目は日本生命 伊藤 美誠 VS 木下アビエル 平野 美宇

伊藤選手と平野選手は同じ年で、幼い頃から天才卓球少女としてテレビにも出演し、大会でも切磋琢磨してきたライバルである。
伊藤選手のプレーやフォームは独創的かつ個性的で、試合中に相手が全く予想しないプレーをやることがあるのが特徴🏓

特にサーブの肘を高く上げて台に潜り込むようなフォームは変則的というより、伊藤選手には失礼だが『変態的』
平野選手はテンポの速い高速卓球が武器で、過去の東アジア選手権で中国選手を総なめにし『ハリケーン平野』と恐れられたことがある🏓

近年は東京五輪には出場したが成績は低迷し、伊藤選手や早田選手の後塵を排している。
平野選手はTリーグ発足後日本生命のエースとして4連覇に貢献しテレビCMにも出演していたが、今年から木下アビエルに移籍したようだ。
過去の実績も実力的にも伊藤選手の方が上であるが、五輪選考レースを考慮すると平野選手も負けられない戦いである。
ルールに従いお互いのラケットをチェックして🏓

伊藤選手のサーブでゲーム開始🏓
二人共台から離れずに打ち合う早いテンポの高速ラリーが持ち味‼️
最初はバックハンドのラリー
今日は平野選手のフォアの強打が冴えて次々にポイントを取っていた🏓
立ち上がりは平野選手がリード‼️
伊藤選手は相手の打つ球のスピードや回転に合わせてカウンターショットを打つので、相手の球に慣れるのに時間がかかり、最初のゲームはポイントが取れないのはいつも通り。
伊藤選手が得意のバックハンドで応戦し、徐々に追い上げるも先に平野選手がセットポイント。
ここで平野選手の豪快なスマッシュが炸裂した🏓
1セット目は平野選手が先取‼️
ここで当然黙っていないのが伊藤選手。エンドが変わりサーブをする位置を変えて変化をつけていた。
平野選手のレシーブが甘くなったところを……

周りこんでいきなりスマッシュ‼️
前半戦は伊藤選手が調子を上げてきてリード。
伊藤選手の台についての速攻が冴え渡りセットポイント。
ここでまたサーブする位置を台の右端に変えた。

何かやるなと思っていたがやっぱりあのサーブか。
重要なポイントの時はこれまで使っていないサーブを使うのが一般的だが……
ここで使ったのは東京五輪で金メダルを決めた高速のロングサーブ‼️

『ここでそのサーブを使うか』というような中国男子選手の呆気にとられた表情が印象的である。
平野選手も予想外のサーブにレシーブミス。

伊藤選手が2セット目を取り1-1のイーブン
3セット目に入ると伊藤選手がやりたい放題。
フォア前の短いサーブに対してバックで構えて……

逆チキータの『変態打ち?』
球に強烈な横回転をかけるので大谷選手のスライダーのように鋭角に変化するエグイ球である。
同じコースのサーブに対して今度は秘技『美誠パンチ』
伊藤選手の卓球は見ていると楽しさと驚きがあり、観戦者の心をわしづかみにする。
このゲームも両者台についてバックハンドの打ち合いが多かったが……
スコアは伊藤選手が順調にポイントを重ね『7-5』
ここで伊藤選手の世界で誰もが真似できない変態プレーが飛び出した。

伊藤選手がバックハンドで打った球はコーナーの四隅ではなくもっと内側で、平野選手が手を伸ばしても届かない場所。
伊藤選手はバック側に特殊な粒々のラバーを貼っていることにより成せる技‼️
ガックリ肩を落とす平野選手と思わずガッツポーズの伊藤選手の姿が対象的である。
このセットは伊藤選手の逆チキータのレシーブも冴え渡っている。

平野選手も何をしてくるか分からないので相当混乱しているのではないか(゚o゚;;
伊藤選手の気合いが入った表情と独特の構えのサーブ
伊藤選手はセットポイントを取ったところでタイムアウトを取った⏳
平野選手のフォアハンドがミスとなって🆖

3セット目も伊藤選手が取った🆗
伊藤選手があと1セット取ると日本生命の勝利🏆
4セット目は平野選手が鋭い眼光からのサーブ🏓
ここで伊藤選手は予測不能で奇想天外のプレー‼️

台のコーナーまで回り込んでからのフォアハンドスマッシュ🏓
更に台の下にしゃがみ込んで打った『曲芸打ち』のフォアハンドドライブが……

見事にコーナーに決まり平野選手は台の外に追い出されてしまった。
ガッツポーズの伊藤選手に対して苦笑いを浮かべて肩を落とす平野選手。
何度も紹介している逆チキータの後ろから撮った写真

全く教科書にもない打ち方なので誰にも真似できない
平野選手もフォアハンドドライブが決まりこのセットは接戦となった。
ゲームカウント8-6と伊藤選手がリードして……

後がない平野選手はここでタイムアウトを取った⏳
タイムアウト後伊藤選手はバックハンド中心からフォアハンド中心に攻め方を変えた。

このあたりも伊藤選手の試合運びが上手いところ🆗
結局このゲームも伊藤選手が取ってセットカウント3-1で勝利となった✌︎('ω'✌︎ )

更に日本生命が3-0で勝利が確定した🏆
結局最後は伊藤選手のワンマンショーのようなゲームになったが、卓球の醍醐味を十分に満喫できた。