
5月から取り組んでいる新しいテーマが『牛久沼百景』
これまでの3回は5月1日に誕生した白鳥のひなが主役だったが……
今回の主役は『うなぎ』
近年は天然物のうなぎも取れなくなり、更に養殖用の稚魚シラスウナギの漁獲量が年々減少して価格も『うなぎ登り』になってしまった。
牛久沼でも昔はうなぎがよく取れていたようだが、この沼にはうなぎにまつわる古い歴史が残っていた。
1.うな丼発祥の地
牛久沼は『うな丼発祥の地』として広く知られている。
まずはその歴史を紐解いてみます。
そもそも日本でうなぎを食べるようになったのはいつの頃なのか少し調べてみた。
NHKのBS放送『新日本風土記』のうなぎトリビアの1シーンでは……
8世紀の万葉集の和歌の中で『夏痩せ防止のためうなぎが効果がある』ことが歌われていることが紹介されていた。

やはりいつの時代も夏の暑い季節はうなぎが一番ですね‼️
関東地方ではうなぎの名店が立ち並ぶのは『成田山参道』が有名であるが……
うなぎの蒲焼発祥の地を調べてみると……
意外にも埼玉県の『浦和』であった。
その時代は江戸時代までさかのぼり、中山道の浦和宿近辺で取れたうなぎを旅人に提供され好評だった記録が古文書に残されていたようです。
現在も浦和駅周辺には老舗店が立ち並び、駅の西口にはマスコットキャラクターの『浦和うなこちゃん』の石像が建てられています。
江戸時代の蒲焼はうなぎを丸ごと串に刺して焼いた料理のことで……

(江戸時代の蒲焼のイメージ)
串に刺さった姿が『蒲(がま)の穂』に似ていることから『蒲焼』となったというのが有力な説のようです。
江戸時代蒲焼は屋台や茶店のような場所で提供されるのが一般的だったようで、浮世絵にもその光景は描かれている。
ここからが江戸時代の牛久沼の話‼️
県や市のHPには牛久沼の『うな丼発祥の地』に関する逸話が掲載されていた。
この方が大久保今助さん❓
当時の面影を偲ぶため船着き場があった牛久沼水辺公園付近を歩いてみます。
ちょうどこの辺りが船着き場があった場所のようだが……
現在も小さな漁船が何艘も停泊している。
湖岸には沼で泳いでいた白鳥達がちょうど陸に上がってきたばかり🦢🦢
そして白鳥の親子が沖の方で泳いでいたが
ここからは白鳥の親子の話題🦢🐥
ちょうど湖岸の方に向かってきた。
あまり船着き場の方には来ることがなかったが……
生後1カ月を過ぎて一回り大きくなりたくましくなったように感じる。
うな丼発祥の地は200年以上の月日が流れて、現在は水鳥達と住民の憩いの場所となっていた。
2.うなぎ街道
ここ牛久沼のそばを走る国道6号沿いは、隆盛期には10軒近くの鰻専門店が軒を並べていて『うなぎ街道』と呼ばれていた。
この通りに国道6号のバイパスが出来たためお店のアクセスが悪くなり、閉店するお店が後を絶たなくなった。
更に東日本大震災の影響で店舗が被害を受け、現在営業しているのは4店舗のみ。
市のパンフレットにはこの4店舗の『うな丼』が紹介されている。
出身地の博多では関東と違いうなぎを食べる文化はあまり無く、店舗も少なかった。
上京当時三年程土浦市でホテル住まいをしていたが、安くて美味しい店が多くこのうなぎ街道も良く訪れた場所である。
当時は1500円も出せば『うな重』が食べられていた時代だったので、『うな丼』は食べた記憶がない。
今日はうな丼発祥の地で『絶品のうな丼』を食べてみることにした。
まずは現在する4店舗を紹介する前に、既に閉店しているが江戸時代創業の伝説のお店『水神屋』から……
沼のほとりに建ち唯一宿泊施設があり、良く訪れたお店の一つ。

横山大観、志賀直哉、松本清張をはじめ幾多の著名人の方が定宿として執筆活動に励んだ場所だそうです。
残念ながら東日本大震災で建物が損壊したため営業は終了し、今は廃墟となっている。
続いては船着場があった場所にひっそりと店を構える明治35年創業の『伊勢屋』
このお店もバイパスができてアクセスが悪くなったお店だが、休日のお昼時はかなり握っている。
以前一度訪れたことがあるが甘めのタレが印象に残っている。
そしてうなぎ街道ではダントツの人気を誇るのが『鶴舞屋』
バイパスの合流点から少し離れた場所にあるのでお店のアクセスも良い。
常に駐車場は車で溢れ繁盛しているようだが、このお店だけがお昼休みがなく通しで営業している。
去年一度訪れたことがあるが……
店内は昭和感が漂う雰囲気で、広々として窓からは牛久沼の展望が広がる。
この時もうな丼を食べたがタレはたっぷりとかかっているが優しい味付けでした。
うなぎ街道の一番端にあり比較的新しいお店が『山水閣』
4店の中では懐石料理も提供していて、一番高級感が漂うお店である。
かみさんと何度か訪れたことがあるが、店内では琴の演奏が鳴り響き雰囲気も抜群に良い。
そして最後は『桑名屋』このお店だけはまだ訪れたことがなかったので、今日はここでうな丼を食べてみます。
店舗は他の店とは異なり落ち着いた蔵のような外観でなかなか良い雰囲気。
紺色のシンプルな暖簾をくぐると……
こじんまりとした店内はレトロな感じは無く小綺麗な感じ。
今年になって値上げしたようだが、メニューを見ると他の店より500円位安く随分リーズナブル。
もちろん『うな丼』を注文し待つこと20分。
やっと注文の品が運ばれてきたが、どんぶりではなく丸いおひつに入った状態で登場した。

やはり注文を受けてうなぎを蒸して焼き上げるのでこの位の時間はかかる。
蓋をオープンすると香ばしい香りが鼻に抜け……
中には肉厚のうなぎが盛られ見るからに美味しそう。

他の店は鹿児島産のうなぎを提供しているが、このお店は三河産を使っているとのこと。
このお店は炭火で少し焦げ目を入れて香ばしく焼くのが特徴。
一口食べると甘めのあっさりとしたタレが口一杯に広がり身もフワフワ‼️
甘めのタレとフワフワ&香ばしさの食感を味わいながらあっという間に完食‼️
『美味しく頂けました』
最後の話題はここうなぎ街道沿いに来年開業予定の道の駅。
既に湖畔の整地工事は完了していたが一向に建物の工事が始まらない。
調べてみるとやはり地盤が軟弱なため補修工事が必要であり、開業は一年延期になるそうだ。