
7月13日木曜日後半のイベントは『集団山見せ』
七つの舁き山が博多の街を超えて福岡中心部に渡る唯一の日が『集団山見せ』である。
福岡市の中心部を舁き山が疾走する華やかで特別な日であるはずだが……
舁き山見学時に舁き手の方から色々な話を聞かせてもらっていたが、その中で意外な言葉が耳に飛び込んできた。
『うちの長老は集団山見せには行かんけん?』
そもそも博多祇園山笠は福岡市博多区の博多部とよばれる地域の伝統的なお祭りで、山笠を博多の総鎮守『櫛田神社』に奉納される『神事』です。
それに対して集団山見せは『観光客誘致』を目的に福岡市より要請されたのを受けて、昭和37年より行われるようになったイベントです。

おそらく福岡市役所前の集団山見せの光景と思われるが、頑固な長老の方が本来博多の街で始まった山笠が福岡の街に行くのを拒否するのは理解できる。
幼い頃色々疑問があって『福岡と博多は何が違うのか』親父に質問したことがあった。
・親父は必ず『博多』と言っていたが、住んでいたのは『福岡県福岡市』
・博多っ子はいるのに福岡っ子はいない?
・空港の名前は『福岡空港✈️』でJRの駅は『博多駅🚅』更に港は『博多港⛴』
福岡と博多の違いを一言で言うと『商人の町が博多』で『武士の町が福岡』である。
江戸時代は那珂川を挟み隣り合った地域として『博多』『福岡』があり発展してきたが、現在では混乱や勘違いを生む要因がありすぎる。

歴史を紐解くと福岡城築城時は福岡と博多は双子都市の時代もあったようだが……
1889年市制施行時に新市名を『福岡市』にするのか『博多市』にするのか市議会で大論争が起きたようだ。
以下は福岡市のHPの広報の記録です。
その代わりということで、開通したばかりの鉄道の駅名は博多駅となり、これがまぎらわしい福岡市と博多駅誕生のお話です。
そもそも『福岡』の名前を持ち込んだのは福岡藩初代藩主黒田長政で、祖先の岡山県の地名『福岡』から名前を取ったようです。
ちなみに私は『博多派』みんカラでもブログ作成時は福岡という名前は使わずに幼い頃から親父が使っていた『博多』を使っています。
集団山見せはその名の通り7つの流すべての舁き山が一堂に会し、福岡市役所を目指します。
本番の追い山は櫛田神社をスタートし全長約5kmのコース。

それに対して集団山見せは呉服町交差点をスタートして、中央区天神の福岡市役所まで約1.2kmのコースである。
時刻は2時半🕝集団山見せのスタートまで十分時間があるので、今回のコースのロケハン兼ねて博多の街から福岡の街を散策してみます。
まずは那珂川に架かる『西大橋』

明治通りの橋の上にはまだ人の姿はないが……
テレビ局のカメラは既にスタンバイしていた📺

このあたりからは明治通り沿いに中洲の街が広がり、舁き山が呉服町から走って来る方向になる。
橋の上には大きなポリバケツがいくつも並んでいるがこの近くは危険🆖?

橋の上に小さな花壇がいくつもあった💐
この花壇の近くで場所取りは🆗
ゴール地点の福岡市役所の方に行ってみます。
西大橋の南側に架かる歩行者専用小さな橋が『福博であい橋』

川を挟んで商人の街『博多』と武士の街『福岡』に分かれていた二つの街が出会いつながってゆく、そんな想いをこめて名付けられた橋である。
橋の終わりの方には『FUKUOKA 』のエンブレムがあり、観光客が良く集まる場所である。
いよいよ福岡の街に入るが江戸時代にはこのあたりに関所があって、今でもその時代の石垣だけは残っている。
ガラス張りの建物が『アクロス福岡』で以前は県庁があった。
薬院新川沿いにあるこの石垣が博多と福岡の境目である名残である。

今でこそ石垣は低いが、昔は8mほどの高さがあり、川沿いに800mほど続いていたそうです。
天神中央公園の奥に見えるのが市役所なのでゴール🏁
時刻は間も無く3時🕒集団山見せ開始まで30分となり、西大橋の沿道には多くの人が集まり始めた。

平日のこの時間ということもありそれ程混雑していなかった。
隣に陣取っていた帽子の尾根遺産👒毎年山笠のイベントに脚立持参で写真を撮りに来られている本格派🪜📸

背中の文字は舁き手が身にまとう水法被の『中洲流』のデザイン‼️
同じメーカのカメラを使っていたので色々と山笠のことについて教えて頂いた。
何せにわか山笠ファンなので途中『師匠』からレクチャーして頂いた内容も盛り込んでみます。
橋の上に白バイが集まり警察の警備が始まったようだ👮♀️
集団山見せの参加者も配置に着き始めるようだが……
舁き手が身に纏う衣装について師匠にレクチャーしてもらいました。

舁き山を舁く際に着用する専用の法被が水法被(みずはっぴ)
山舁き中は頻繁に勢い水を浴びるとこらからこの名前がついたそうです。
一般的には『ふんどし』と呼ばれるが、博多祇園山笠においては『締め込み』が正式名称でした。
そして腰にぶら下げているのが『舁き縄』

山を舁く時に舁き棒にかける藁製の縄のこと。
舁き手の足がもつれた時、舁き縄にしがみつくことで転倒を回避する『命綱』にもなるそうです。
こちらの東流の三人集は赤い棒を持っているが…
山笠の前後にある『台』の上に座り、追い山や集団山見せではこの赤色の『鉄砲』と呼ばれる筒状の指揮棒を持ち、舁き手を叱咤激励して舁き山の全体指揮を取るそうです。
そして肩で風を切り歩く貫禄満点の中洲流のこちらの方‼️

頭に紅白の捻り鉢巻をつけているのでかなり位の高い方だそうです🪢
時刻は3時半を少し回ったところ🕞
既に最初の舁き山は呉服町をスタートしているはずだが、西大橋の入り口に細長い板を掲げた子供達が集まっていた。

この集団は『先走り』で文字通り山笠の先を走る一団。
流の名称と町名が書かれた『招き板』を持つ子供や『招き旗』を持つ年長者で構成されるそうです。
今年の一番山笠は『土居流』

『ヤー』の合図と共に一斉に走り出す子供達
山笠は女人禁制と思っていたが小さな尾根遺産もかなり参加していた。

髪を振り乱し締め込み姿で走る姿は凛々しいです。
各町の年長者や功労者が先走りで持ち、子供の世話をしつつ山を招き寄せる役目を担っているそうです。

こちらの方は三世代の参加のようです。
いよいよ舁き山が近いてきた。
表は『黒田長政』

『オイサ、オイサ‼️』
台の一番手前に座っているのはお祭り男の高島市長‼️

5年前のどんたくのパレードにも参加していたので相当お祭り好きのようだ。
見送りは『黒田官兵衛』

『オイサ、オイサ‼️』
遠ざかる一番山笠だが良く見ると水法被のデザインに色々な種類がある。
師匠に質問してみると水法被は背中に流名、もしくは町を表す文字や図柄がデザインしてあるが、土居流は複数の町が集まった流なので町単位のデザインの水法被だそうです。
次の舁き山は二番山笠『大国流』
一斉に走り出す先走りの子供達🏃♂️🏃♀️

この流の水法被のデザインも種類が多いようだ。
舁き山は大国様をモチーフにした『薫風来』

『オイサ、オイサ‼️』
舁き山が走る時に盛んにかけられる水のことを勢水(きおいみず)と呼ばれているが、バケツのそばから離れた場所に陣取っていたので濡れずに正解だった。

この勢水のことは前日舁き手の方に聞いていたが
『山笠は水をまかんと走らんばい💦』
真夏の熱くなった舁き手を冷やす冷却水の役割を果たすと共に、道路を濡らすことで舁き山の胴金と道路の摩擦を少なくして、スムーズに動かす助けをするそうです。
三番山笠は『東流』
一斉に走り出す先走りの子供達🏃♂️🏃♀️
舁き山は戦国大名『真田信繁』

一蘭本社の『ようこそ福岡へ』の看板を入れるよう師匠にレクチャーを受けていたが、標識で隠れてしまっていた🆖
大きく突き出た槍は迫力満点💯

『オイサ、オイサ‼️』
送り側は人形がない構成だが、全て東の一文字で統一された水法被はシンプルだがカッコいい🆗
四番山笠は『中洲流』
先走りの先頭に立つのは可愛い小さな尾根遺産

まだあどけない表情で精一杯手を振ってくれた。
このイベントは3歳から参加できるようだが……

よちよち歩きで精一杯の先走り🏃♀️
舁き山は鬼と登り龍👹🐉

『オイサ、オイサ‼️』
全て中洲の文字で統一された水法被はカッコいい。
五番山笠は『西流』
ヤーの掛け声と共に一斉に走り出したが……

小さな尾根遺産達の姿が多い。
舁き山は鎌倉時代の武将『源為朝』

『オイサ、オイサ‼️』
大谷翔平選手が被る兜に似ているカモ🦆
舁き山はあっという間に通り過ぎて行くが、観光客へのお披露目も兼ねていることから追い山よりスピードダウンして走るそうです。
六番山笠は『千代流』
先頭を行くのはお手手繋いで笑顔が可愛い二人組の尾根遺産👧👧

千代の文字が入った水法被に締め込み姿は様になっています🆗
千代流は他の流と異なり招き板ではなく全て招き旗だった。
千代流の舁き山は太陽を司る女神『アマテラス』をモチーフにした人形。

『オイサ、オイサ‼️』
これまでの勇ましい姿の武士と異なり一際目立つ存在。
見送りは『スサノオ』神話の世界ではアマテラスと兄妹関係のようだ。
やはり水法被の背中の文字は統一感がある方がカッコいい🆗
千代流最後を飾るのはおじいちゃんの腕の中ですやすやと眠る男の子👦💤

集団山見せは追い山と異なりほのぼの感がいいですね🆗
最後の七番山笠は『恵比須流』
厳つい感じの長老三人集が先頭を務めているが、鉢巻の色が異なるのでおそらく上位の方々。
招き板を手にした子供達が位置について……

よーいドン‼️
恵比寿流の舁き山は『源頼光』をモチーフにした人形。

『オイサ、オイサ‼️』
前方に突き出した刀は迫力満点💯
ここが市役所前のゴール地点🏁

あちこちから勢水が飛び交いシャンパンファイトのような光景🍾
最後に山笠の師匠‼️色々とレクチャーありがとうございました。
この後はこちらのお店で『うどんタイム🍲』

とにかくメニューが多過ぎて何を食べるか迷ってしまう。
注文したのはゴボ天と丸天をミックスしたうどん🍲
かしわ飯とセットで790円はコスパが良い🆗
博多うどんは麺が出汁を吸って少なくなるので…

やかんの出汁を追加するのが正しい食べ方‼️
残された山笠のイベントは『流舁き』と『追い山』
流れ舁は櫛田入りのリハーサルを境内で無料で観覧できるイベントだった。

既に追い山の入場券は全て売り切れ🆖
次回は櫛田神社境内からの『流舁き』をお届けします。