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2013年11月17日

神の造形(Alfa Romeo Tipo33/2 Stradale)

神の造形(Alfa Romeo Tipo33/2 Stradale) アルファに限らず古今東西の車で好きな車は色々あるのですが、世界で一番好きな車は何かと問われたら迷うことなくTipo33/2ストラダーレと答えます。
Tipo33/2ストラダーレは、打倒ポルシェを狙ってアウトデルタが開発した2L以下クラスのGr.6レーシングカーTipo33/2のドライブトレインに、フランコ・スカリオーネ (Franco Scaglione)がデザインした世にも美しいアルミボディーを架装したロードバージョンです。
細かい話は後にして、まずは1967年から69年の間に僅か18台だけ製造された、この珠玉のスポーツカーの実車写真をお楽しみください。
どこから見ても完璧な美しさの、まさに神の造形です。






















Tipo33/2のシャシーは、φ200のアルミチューブを組み合わせたH型フレーム(サイドチューブ内は容量100Lの燃料タンク)を基本に、その前方にフロントサズやステアリングギアボックスを取り付けるためのペリメーターフレーム(鋳造マグネシウム合金製)とオイルクーラーやラジエターを支えるパイプフレームを取り付け、後方にサイドチューブを内側に曲げながら延長したような鋳造マグネシウム合金製のフレームを取り付けてエンジンやリアサスを支える、という構成になっています。
なお、これらの鋳造マグネシウムフレーム部品はカンパニョーロ製のようです。
ストラダーレのシャシーも、ホイールベースを伸ばすため100mm延長されていることと、チューブの材質がアルミからスチールに変更されていること以外は基本的に同一です。




コンペティションマシンのボディーはFRP製のようですが、ストラダーレの方はカロッツェリア・マラッツィの職人がアルミ板から叩き出したものです。

エンジンは、コンペティションマシンと同様90°V8 1995cc DOHCエンジンをミッドシップに搭載していますが、270hpから230hpにディチューンされています。
重量はコンペティションマシンよりは重くなっていますが、それでも700kgしかなく、空力的なボディーと相まって260km/hの最高速を可能にしています。






ストラダーレには、豪華な内装のデラックスモデルと、よりスパルタンなライトウエイトモデルがあったようですが、この写真はデラックスモデルのインテリアのようです。


Tipo33/2ストラダーレのミニカーは、1/43ではMinichampsとM4から、1/18ではAUTOartからダイキャスト製のものが発売されていますが、私が最も好きなのはこのTechno Modelのレジン製ミニカーです。
最初の発売は20年位前だと思うのですが、今でもこれが決定版だと思います。
プロプーションや塗装もばっちりだし、特にウインドウ周りの繊細な感じが実車のイメージを上手く再現していて、実車と同様何時まで見ても見飽きない珠玉の一品です。





話のついでに、Tipo33/2のコンペティションマシンの方も簡単にご紹介しておきましょう。

Tipo 33/2 Fleron, #66 Roberto Bussinello/ Nanni Galli, Sebring 12hrs 1967
最初に実戦に投入された潜望鏡のようなエアインテークが特徴的なTipo33/2は、デビュー6日後にベルギーのフレロンで行われたヒルクライムレースで優勝したことから、Fleronと呼ばれています。
丸っこいノーズが高速でリフトを発生させるという空力的な欠陥があり、フレロン以降のレースでは目立った戦績を残すことはできませんでした。
Provence Moulageのレジンキットをアマチュアモデラーが組んだこのミニカーは、1967年のセブリング12時間レースにアウトデルタから出走し、リタイアに終わった車です。




Tipo 33/2, #26 Andrea de Adamich / Nanni Galli, Mugello 1967
1967年7月のムジェロのレースから、空力的な改善を図ったバージョンが投入されましたが、はかばかしい戦果は得られませんでした。
MG Model製のこのミニカーは、このムジェロのレースでリタイアに終わったマシンを再現しています。




Tipo 33/2 Dytona, #20 Udo Schütz/ Nino Vaccarella, Dytona 24hrs 1968
翌1968年型は、100kg近く軽量化を果たしたクーペボディーのマシンで、フロントに有ったラジエターとオイルクーラーをボディー両サイドに移し、空力的な改善も施されています。
世界スポーツカー選手権の初戦デイトナ24時間レースで総合5位、クラス優勝を遂げたことから、Dytonaという呼称が付きました。
Best製のこのダイキャストミニカーは、上記のデイトナでクラス優勝したマシンを再現しています。




Tipo 33/2 Long Tail, #39 Ignazio Giunti / Nanni Galli, Le Mans 24hrs 1968
1968年のルマンで総合4位に入賞した、ロングテールのTipo33/2を再現したミニカー(Best製)です。




Tipo33はその後、総合優勝を狙うべく3L V8エンジンを搭載したTipo33/3、F1 エンジンと同様の3L水平対向12気筒エンジンを搭載したTipo33/TT12へと進化し、1975年に悲願のメイクス世界タイトルを獲得するのですが、そのお話はまた別の機会に・・・・。

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この記事へのコメント

2013年11月17日 16:09
Tipo ヨダレ・・・

シャシの画像よく見つけて下さいました。
見たかった部分なんですよ。
当時は、カーボン素材の無い中でMgとAlで頑張って居たんですね。
熟年工万歳です。

トップ画 11枚目 ウットリする程のテールショットじゃ有りませんか。

低音と高音の混ざり合う、アルファサウンドが晩秋の小道に響く音が聞こえてきました。
コメントへの返答
2013年11月17日 18:19
こんばんは!!

シャシーの構造を記述した文章読んでもイマイチイメージが湧かなかったのでネットで写真を探したのですが、これがなかなか無いんですよ~。
やっとこの小さい写真2枚を見つけました。
イマイチ鮮明じゃないけど、一目瞭然ですね。

マグネシウムは耐食性が悪いので年月がたつと強度的に不安がありますが、現存している車は大丈夫なのでしょうか?
本気で走るのはちょっと怖いかも・・・・。

私も11枚目の写真は中々気に入ったのでトリに持ってきました。
しかし、どの角度から撮っても絵になる車ですね~。
2013年11月17日 18:00
こんばんは!!

待ってました \(^O^)/
よくぞこれだけきれいな画像を揃えられましたね。
ミニカーもステキ。僕はコレクションには向かない性格(飽きっぽい、ものぐさetc..)なので、ストラダーレはモノが少ないわりに値段も高くてあきらめていたのですが、あるんですね。カッコいい!!

以前、横浜でムゼオのコレクションを持ってきて展示したイベントがあって、その時にもう一回見ました。イタリアで会って、10何年ぶりかの再会??
ヘッドライトから続くボリューミーなラインが、見る角度で刻々と変わるんですよ。グラマラス、と思って見てると、スリークで低い印象の時も。まさに彫刻みたいだ、と思いましたけどね。
ただ、当時見た個体は、新車の状態そのままみたいで、細かいところにヤレが出ていて、少し悲しかった思い出があります。ああいう芸術品に近いクルマは、完璧なコンディションを維持した方がいいと思うんですけどね。
コメントへの返答
2013年11月17日 18:32
こんばんは!!

ネットで写真を探したら、次から次にきれいな写真が出てくるので一杯並べてみました。
ほんとに絵になる車です。

Techno ModelのTipo33はこのメーカーの最高傑作ですね。
写真より実物の方がもっと素晴らしいです。
最初に発売されたのは20年くらい前だと思いますが、未だに色褪せません。
今でも新品を買えますよ。

私も30年くらい前に、有名な岐阜のT氏が購入したTipo33をFujiでまじかに見たことがありますが、すごく低くて最高に美しかったです。
走行もしましたが、途中でスピンなんかするもんだから、思わす皆目を覆いました(笑)
幸い、車にダメージはなかったですが・・・・。
音もなかなか良かったな~。
2013年11月17日 18:41
こんばんは!

今回も勉強させていただきました。
ティーポ33/2ストラダーレ、美しいです。
仰るとおり、まさに「神の造形」ですね。
これ、間違いなく買いますよ。
ミニカーですけど(笑)
コメントへの返答
2013年11月17日 18:53
AUTOart一台お買い上げ~(笑)
2013年11月18日 22:45
こんばんは!

ため息ですよねぇ~♪

こんな質感なら、せめて…
ミニカーだけでも!と真剣に考えております!
コメントへの返答
2013年11月18日 23:01
こんばんは!!

実車は絶対買えないけど、ミニカーならまだ買えます。
普通のミニカーよりちょっと高いけど、価値は充分あります。
私は数年前にこちらで手に入れましたが、まだ在庫が残ってるようですね。
国内で今即納できるのはここくらいでしょう。
http://www.vimala.co.jp/spazioshop/shop/alfa%20romeo%20models.htm
2013年11月20日 22:02
こんばんは。

神の造形、その表現イイですね~。
ホントにそんな感じします。自分のマイベストです。

このクルマのエンジンサウンドがまた良いんです。
何度もYoutubeにあるサウンドを聞いてました・・・
コメントへの返答
2013年11月21日 2:45
こんばんは!!

ギリシャ彫刻みたいというか、ケチの付けようのない完璧な美ですね。
個人的には、Ferrari P4と並んで今まで世の中に現れた車の中で一番の美人だと思います。

上のコメントに書いたように、昔Fujiで生の音を聞きましたよ♪
2019年12月18日 12:40
こんにちは!

tipo33/2stradale綺麗ですよね!
日本で実車を16年程前に見たことがあります。
こんなところに・・・とびっくりしました。
何と売り物!
何も言っていないのに、オーナーさんが
この金額ならいいよと金額提示されましたが
凄い金額で勿論無理です(^ ^;)
鳥肌の立つ様なオーラがありました。
その後直ぐにその車海外に行きましたよ。
ただ手で触れられる貴重な体験をさせて頂きました。
コメントへの返答
2019年12月18日 17:54
はじめまして!

Tipo33/2 Stradaleは私が最も美しいと思う車です。

私も30年以上前に、アバルト自動車美術博物館の小坂オーナーが手に入れた個体が富士スピードウェイを走るのを間近で見ました。 
今年の7月にミラノに行った時にアルファロメオ歴史博物館で再会しましたが、完璧な美ですね。

今オークションにでたら二桁億円かな?
2020年2月24日 13:42
はじめまして。エレガントさと獰猛さの絶妙なバランスですね。ロードカーとしては反則みたいな気もしますが(笑)、機械部分の美しさも格別です。

その昔スクランブルカーマガジンの試乗記事で驚愕して以来(T氏所有の頃)一度現車を見て見たいものだと願っていますが叶わず、今では国内には存在しないかもしれませんね。

昨日たまたま手に取ったSuperCG誌(456GTが巻頭の号)、奈良にあった某ショップの広告で「C.キティ(モトリモデルニ)がオリジナルの図面からサンクションⅡとして18台限定再生産、数台確保可能」という記載があったのですが、結局ボツになったのでしょうね。。。(^^)
コメントへの返答
2020年2月24日 16:02
はじめまして。

私もその記事の載ったスクランはまだ所有していますよ。
T氏の所有というのは私の勘違いで、ギャラリーアバルト自動車美術館館長の小坂さんの所有車ですね。
その記事のすぐ後のイベントかなにかで、富士スピードウェイを走る姿や間近でエンジン音も聞きました。

まだギャラリーアバルト自動車美術館が所有していると思うのですが、長らく閉館中なので、残念ながら国内で見る機会は無いですね。
是非聖地ミラノのMuseo Storico Alfa Romeoを御探訪下さい。
アルフィスタなら、朝から閉館まで居ても飽きない素晴らしい博物館ですよ。

プロフィール

「4Cで広域農道攻めてたら、ミッションのオーバーヒート警告が出て(ミッション油温計は130℃😱)セーフモードに入ってしまい、パドル操作を受け付けなくなった😰 クールダウンして再始動したら正常に復帰したけど、暑過ぎです😓」
何シテル?   07/13 16:41
セクシーな赤いイタリア娘をこよなく愛するRosso Alfaです。 ちょっと古めのレーシングカーとそのサポートカー、トランスポーターのミニカー収集も趣味の一つ...
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