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2025年06月07日

ポルシェ、公道を走れるレースカー『963 RSP』発表。50年前に誕生の917ロードカーをオマージュ

ポルシェ、公道を走れるレースカー『963 RSP』発表。50年前に誕生の917ロードカーをオマージュ
 ポルシェは6月6日、フランスで来週14~15日に開催される第93回ル・マン24時間レースに先立ち、公道走行が可能なLMDhカーベースのワンオフモデル『ポルシェ963 RSP』を発表した。

 このクルマは、マルチマチック製シャーシを基にポルシェが開発したLMDhレースカーを大幅に改良したもので、1970年と翌71年のル・マンで連覇を果たした『917』のロードゴーイング・バージョンが製造されてから今年で50周年となるのを記念して作られたモデルだ。

 車名の“RSP”はロジャー・サール・ペンスキーの頭文字であり、このワンオフモデルの車名は、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)を構成する組織を率いる88歳の元レーサー兼チームオーナー、ロジャー・サール・ペンスキーの名にちなんでいる。

 プロジェクトはポルシェ、PPM、そしてポルシェ・カーズ・ノース・アメリカ(PCNA)のコラボレーションによって実現した。このコンセプトは、ロード・アトランタで行われた、PCNAのティモ・レッシュ社長兼CEO、ポルシェ・モータースポーツ副社長のトーマス・ローデンバッハ、そしてポルシェ・モータースポーツのLMDhファクトリーディレクターであるウルス・クラトルによる会議の中で生まれ、その後PPMでマネージングディレクターを務めるジョンサン・ディウグイドにアイデアが提示されたことでさらに発展。最終的に、ペンスキー氏がこのクルマの顧客に指名されることとなった。

「物語に登場する917はロードゴーイングカーではあるものの、紛れもなくレーシングカーだった」とレッシュ氏は半世紀前に作られたストリートバージョンについて語った。

「そこで私たちは、963 RSPにも同じアプローチを採用することにした。最高品質の美しい素材を使用しながらも、その内部は紛れもなくレーシングカーそのものだ」

 WEC世界耐久選手権と、北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方でチャンピオンシップを獲得したプロトタイプを、公道走行可能な状態にするためには大幅なモディファイが必要となったが、その目標は、オリジナルの公道仕様917のコンセプトに可能な限り近いオマージュを生み出すことだった。

 その結果、この特別なクルマはラッピングではなく、塗装のみで仕上げられた最初の963となった。外装はシュトゥットガルトのポルシェ博物館が所蔵する記録に基づき、サンプル塗装された“マルティーニシルバー”を使用し、3層ラッカーで塗装されたという。なお、ヒンジやウイングコネクターなどの細かい部品はサテンブラック仕上げとなり、リヤには3Dプリントされた「963 RSP」バッジが装着された。

 ボディワークのさらなる変更点としては、専用のフェンダー開口部の作成、レーシングカーに必須のカーボンファイバー製ウイングブランキングプレートの撤去、ノーズへのエナメル製ポルシェバッジの追加、フロントおよびリヤのナンバープレート取り付けポイントの追加などが挙げられる。

 一方、インテリアは大幅にオーバーホールされ、シート、レッグクッション、ルーフライニング、ピラー、ステアリングホイールなどが一新。コックピット全体にタンレザーとアルカンターラが採用された。また、特注仕様として、エンジニアは着脱可能な3Dプリンター製カップホルダーを追加した。

 プロジェクトチームは最後に、963 RSPが公道走行に耐えられるよう、いくつかのメカニカルな変更も実施した。車高は可能な限りの最大設定まで引き上げられ、よりしなやかな乗り心地を実現するために、調整式マルチマチックDSSVダンパーはもっともソフトな設定に振られている。

 エンジニアはまた、コントロールユニットを改良し、車両がターンシグナルを操作できるようにしたほか、ヘッドライトを公道走行に適した位置に調整できるようにした。これらの変更に加え、ホイールアーチを覆うボディワークの改良、ミシュランのウエットコンパウンドタイヤの採用、そしてホーンの装着などにより、この特別なクルマは公道走行とナンバープレートの装着に必要な基準を満たしている。

 パワートレインに関しては、MGU(モーター・ジェネレーター・ユニット)からのパワーデリバリーが再マッピングされ、公道走行に適したスムーズなパワーデリバリーを実現。また、最高689PSを発揮する4.6リッターV8ツインターボエンジンをガソリンスタンドのガソリンで稼働させるための再マッピングも必要となり、ポルシェはこれを「大変な作業だった」と評した。

 ル・マン24時間レースの期間中、このクルマはサルト・サーキットで展示される。その後はポルシェ博物館に収蔵されるが、7月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、インスピレーションの源となったポルシェ917とともに登場予定だ。

 ポルシェは、963 RSPは公道走行が承認されたものの、同社のモデルラインナップに新たに追加されたものではなく、1台限りの限定生産モデルであることを確認している。




















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Posted at 2025/06/12 23:59:11

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