ポルシェの歴代モデルの中から、ある分野で優れたクルマや出来事のトップ5を紹介する映像連載企画“トップ5シリーズ”。今回のテーマは、“モータースポーツの印象的な記録”のトップ5。さまざまなモータースポーツ活動と共に歩んできたポルシェだが、その豊富な経験の中でもナビゲーターが特に印象に残ったレースや出来事をピックアップして紹介している。ナビゲーターは、WEC(世界耐久選手権)覇者で、ポルシェのワークスドライバーも務めるマーク・リープ氏だ。
Top 5 1986年のパリダカールラリー(ポルシェ959 パリダカール)
マーク・リーブ氏が第5位に挙げたのは、「1986年のパリダカールラリー」。独自の4WDシステムを搭載した「ポルシェ959 パリダカール」は、1万3000kmに渡る過酷なレースで強みを発揮した。この年のパリダカールラリーには軽量化した3台を投入し、見事1-2フィニッシュを達成。残る1台も6位入賞という快挙を成し遂げた。
Top 4 1982年のルマン24時間でのトップ3独占(ポルシェ956)
1982年のルマン24時間レースでFIA(国際自動車連盟)のグループC規定に合わせてわずか1年という短い期間で開発が行われた「ポルシェ956」。最初の耐久レースとして参戦したルマン24時間レースで、なんといきなり1位から3位までを独占。ポテンシャルの高さを見せつけた。さらにプライベーターによる参戦も加わり参加台数が増えた翌年のルマンでは、トップ10中、9位以外をすべて956が独占した。
Top 3 1973年のカンナムカップ(ポルシェ917/30スパイダー)
1973年に米カンナムカップで登場した「ポルシェ917/30スパイダー」は、ポルシェ史上もっともパワフルなレースカーとなった。最高出力は1230ps。最高速度は380km/hを誇った。そのあまりのポテンシャルの高さに、レース主催者がレギュレーションを変更せざるを得なくなったというほど性能が飛び抜けていた。
Top 2 1983年のニュルブルクリンクのレコードタイム(ポルシェ956)
第2位は、ポルシェが1983年に成し遂げたニュルブルクリンク北コースのレコードタイム。マシンはこれまた「ポルシェ956」だ。956は1983年に、ステファン・ベッラのドライブで、ニュルブルクリンク北コースのレコードラップを達成。タイムは6分11秒という今日の技術水準から見ても圧倒的なものだった。その並外れた性能のヒミツのひとつは、走行中に空気の流れで車体を路面に吸い付ける効果を生み出す“グランドエフェクト”。これを取り入れた最初のクルマが、956だった。
Top 1 2013年のニュルブルクリンクのレコードタイム(ポルシェ918スパイダー)
そして第1位に選ばれたのは。2013年に実施されたニュルブルクリンク北コースのタイムアタック。マシンは「ポルシェ918スパイダー」。ドライバーは今回のナビゲーター、マーク・リープ氏その人で、6分57秒のタイムを叩き出した。これにより918スパイダーは、ストリートリーガル(公道を走れるナンバー付きモデル)で7分を切った史上初のモデルとなった。
眺めるだけでなく「本気で買う」場合はかなり悩むかも
カーセンサーnetに掲載された総台数やユーザーからの問い合わせ総件数など、実際の様々なデータを独自のルールでポイント化し、輸入車の中で最もポイント数が高かったモデルをその年のイヤーカーとする「エッジ・カー・オブ・ザ・イヤー」。ポルシェ911のタイプ964がイヤーカーに輝いたわけだが、第2位につけたのが同911のタイプ996、つまり旧々型911であった。
筆者としてもタイプ996は憎からず思っている車の一つなので、2位というのは大変めでたいことだと思う。しかしその伝を聞き、「みんなイメージだけで問い合わせてないか?本当の本気で996を買う気があったうえでの問い合わせか?」という疑問が湧いたのも事実だ。
なぜならばポルシェ911タイプ996の中古車というのは今、本気で買うとなると「果たしてどの年代のどのグレードを選ぶべきか?」というのが少々決めづらい車種だからだ。
カーセンサーEDGE.net読者には今さら釈迦に説法だろうが、996型ポルシェ911の概略をまずはごく簡単におさらいしておこう。販売期間は98年4月から04年7月で、その主要グレードは以下の5系統にざっくり分けることができる。
・普通のカレラ(リアエンジンの後輪駆動。MTとティプトロニックS)
・普通のカレラ4(ビスカスカップリングを用いた4WD版。MTとティプトロニックS)
・カレラ4S(ワイドなターボボディをまとったカレラ4。MTとティプトロニックS)
・ターボ(問答無用のターボ4WD。当然ワイドなターボボディ。MTとティプトロニックS)
・GT3(自然吸気のハイパワースペシャルバージョン。後輪駆動、MTのみ)
その他にGT2やタルガ、カブリオレなどもあるにはあるが、話が長くなるので、そのあたりの少数派モデルは今回の話からは除外させていただく。あしからず。
で、上記5系統のなかの自然吸気エンジン搭載モデルは、これまたざっくり前期型と後期型に分けることができる(自然吸気のなかでもGT3は話がちょっと別ですが)。
・前期:01年8月まで。排気量3.4Lで、ヘッドライトは割とフツーな形状
・後期:01年9月以降。バリオカム・プラス付き3.6Lに拡大。ターボと同じ涙目ヘッドライトに
以上が、ポルシェ911タイプ996という車の超ざっくりした概略だ。
買いたくても、そもそも流通量ほぼゼロなグレードもある
そのうえで「なんとなく」購入を考えるなら、欲しくなるのはターボやGT3などの高出力系だろうか。確かにそれらは素晴らしい車で、筆者も大好きではある。しかしいざ本当に買うとなると、予算と流通量の面で若干の問題が出てくる選択でもあるのだ。
これからする話はすべて「走行5万km以下の個体のみを狙う場合」だが、ターボはMTの流通量が1月13日現在3台のみで、ティプトロニックSでも6台のみ。しかも中古車相場はMTがおおよそ600万~900万円で、ティプトロニックSでも540万~630万円付近。……出して出せない金額でもないが、高額であることは間違いなく、また「こんなに出すならいっそ997のカレラの方が……」とも思ってしまう微妙なラインである。つまり996型911ターボとは、素晴らしい車であることは間違いないが、「中古車としては相場的にややビミョー」なのである。
「じゃあGT3で!」とのんきなことを言う人もいるかもしれないが、996型GT3の中古車相場はおおむね800万~1100万円であり、なおかつ流通量も少なめ。お金があってお好きな人は狙えばいいし、こちらもかなり素晴らしい車だ。しかし決して「簡単に買える車」ではないのだ。
では素のカレラやカレラ4はどうだろうか?01年8月までの前期型は正直今やちょっと中途半端に古く見えてしまうので(モダンでもなくクラシカルでもないということ)、狙うのであれば涙目ヘッドライト+3.6Lエンジンになった後期型だろう。こちらであれば5万km以下の個体もそれなりに流通量豊富で、相場もまあまあこなれている。具体的には車両価格300万~400万円ぐらいといったニュアンスだ。
「じゃ、それのMTで!」と、これまたのんきなことを言う人がいるかもしれないが、カレラもカレラ4もMT仕様はかなり希少。ていうか1月13日時点で5万km以下のカレラMTは全国でたった2台であり、カレラ4のそれは0台だ。買いたくてもほぼ買えないのである。トルコン式ATであるティプトロニックSでもあなたは満足できるのか?そこをあらかじめ真剣に考えておく必要はあるだろう。
中古車として何かと好バランスなのはカレラ4Sか
筆者の個人的な嗜好に多分に基づいた話かもしれないが、カレラ4Sは中古車としてなかなか好バランスな選択なのではないかと思う。ステキなワイドボディとターボ譲りの強力なブレーキシステムを備えつつ、5万km以下物件の中古車相場は420万~490万円。高いっちゃ高いが、「中古車らしさもあるっちゃある」という、なかなかそそられるプライシングだ。そしてティプトロニックSが流通の中心ではあるものの、MT版もそれなりの数は流通している。最高である。
唯一の問題は「涙目型ヘッドライトについてどう考えるか?」だろう。あれがお好きな人もいるだろうが、丸目の991や997が多数派を占めるようになった現在の都市部では、あの涙目が思いのほか古くさく見えてしまうというリスクはある。そのあたりを心のなかでどう処理するおつもりか、購入前に真剣に考えておくことをいちおうオススメしたい。
あとはいわゆる「インターミディエイトシャフトの破損問題」というのもあるわけだが、後期型は社のサービスキャンペーンにより今や大半の個体が対策品のベアリングに交換されており、またそもそも「すべての996のインターミディエイトシャフトが破損する」という話でもない。その発生確率は、対策前であっても実は割と低いものだったのだ。それゆえここについては、グレードを問わずさほど神経質になる必要はないのではないかと筆者は考える。
以上いろいろ申し上げてしまい恐縮だが、これらのことを踏まえたうえで「それでも996を買いたい!」というのであれば、それはもう大変素晴らしい選択である。そこそこお手頃な予算で、いまだ世界的にも第一級といえるスポーツマシンを手に入れられるのだから、それが素晴らしくないわけがないのだ。エッジ・カー・オブ・ザ・イヤー第2位、おめでとうございます。
□□2016エッジ・カー・オブ・ザ・イヤー□□
1位ポルシェ911(タイプ964)533pt
2位ポルシェ911(タイプ996)531pt
3位ポルシェ911(タイプ991)529pt
4位ポルシェケイマン(タイプ981)527pt
5位ポルシェボクスター(タイプ981)510pt
6位ポルシェ911(タイプ997)503pt
7位アルファロメオアルファ147501pt
8位ポルシェボクスター(タイプ986)482pt
9位ポルシェ911(タイプ993)478pt
10位ポルシェ911(タイプ930)474pt【carveiw!ニュースより】関連情報URL : MT、走行5万km以下の旧々型ポルシェ911を探す
ポルシェは歴代モデルから、ある特定の分野における優れたクルマや技術をピックアップして紹介する映像連載企画“トップ5シリーズ”を展開中。今回のテーマは、“レース由来の技術トップ5”。レースで勝つために生み出され、その後市販モデルにも生かされた技術をフィーチャーしたものだ。さっそく見ていこう。
今回プレゼンターを務めるのは、往年の名レーシングドライバー、ヴァルター・ロール氏。ラリーでの活躍のほかポルシェのテストドライバーも務め、ドライビングの達人として知られる大ベテランだ。レースとポルシェの両方に造詣の深いプロフェッショナルがどんな技術をピックアップするのか気になるところだ。
ヴァルター・ロール氏がトップ5に選んだのは、炭素繊維強化樹脂、いわゆるカーボンファイバーだ。“戦うポルシェ”こと「GT3 RS」のボディ各部に採用されている。RSの特徴は軽いことで、その特性に大きな貢献をしているのがカーボンファイバー。その軽量素材を採用した先駆けの1台が「911 GT1」。90年代後半にマクラーレンF1などに対抗すべく投入されたレーシングカーで、後期型ではシャシーにもカーボンが用いられていた。
トップ4に選ばれたのは「モードスイッチ」。運転中にワンタッチで走行モードを切り替えられるものだ。今ではスポーツカーのみならずハイブリッドカーにも採用されるまで一般化した技術だが、918スパイダーのそれはパワートレインのプログラミングが変わるだけでなく、20秒間に渡りフルパワーが発揮されレスポンスも向上する「スポーツレスポンス」など6つのモードを備える本格的なもの。
トップ3は、セラミックブレーキ。軽量化、耐フェード性、制動力の向上など多くのメリットを持つ。ポルシェはこの技術をレーシングカー「962」で初めて採用。現在はボクスター/ケイマンからハイエンドモデルにまで採用される、ポルシェの代表的な技術のひとつとなっている。
トップ2は、ターボチャージャー。ポルシェは69年から70年代前半に投入した917シリーズで、北米のCan-AMシリーズを席巻。レースでの優位性に貢献した技術が「917-10K」シリーズに採用したターボチャージャーだ。5リッターV12をターボ化したエンジンは900-1000psを発生。レースで強さを発揮した。圧倒的なパワーを誇るエンジン技術は「GT2」をはじめとする市販モデルにフィードバックされているという。
そしてヴァルター・ロール氏がトップ1に選んだのは、E-パフォーマンスコンセプト。2014年に登場したプロトタイプレーシングカー「919ハイブリッド」に採用された技術だ。2リッター4気筒ターボエンジンという小排気量エンジンに2個の回生ブレーキを備え、ブレーキング時のエネルギーに加え、排気の熱エネルギーによる発電も行った。2016年にはルマン24時間レースでの優勝にも貢献している。そこに採用された技術は、パナメーラの最上級モデル「パナメーラ4E-ハイブリッド」に生かされているとのことだ。
ポルシェ ジャパン株式会社は、モータースポーツにおける高性能、体系的な軽量設計、そして純粋なドライビングエクスペリエンスを提供する新型911 GT3の予約受注を、4月6日(水)より全国のポルシェ正規販売店にて開始すると発表した。価格は2,115万円。
新型911GT3では、日常的な公道走行とサーキットの間のつながりがさらに緊密になっている。新型911 GT3に搭載される4リッター水平対向エンジンは、最高出力368kW(500PS)を発生する高回転型の自然吸気エンジンで、純血種のレーシングカーである911 GT3カップのエンジンがほとんど仕様変更されることなく使用されている。
リアアクスルステアを装備し、体系的な軽量構造で再設計されたシャシーは、エンジンのパワーを最高のドライビングダイナミクスに変換するため特別にチューニングされている。レーシングカーと同じテストサーキットでの開発、かつ同じ生産ラインで製造されることで、ポルシェのモータースポーツテクノロジーが再び公道仕様のスポーツカーに組み込まれた。
ポルシェGTシリーズのオーナードライバーの多くは、自らが所有するスポーツカーでサーキットを走ることを好む。新型911 GT3は、3.88kg/kW(2.86kg/PS)のパワーウエイトレシオによってサーキットでもその本領をいかんなく発揮する。車両重量は1,430kg。
GT3専用に調整された7速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)を標準装備するこの2シーターの0-100km/h加速タイムは3.4秒、最高速度は318km/hに達する。純粋なドライビング愛好家のために、ポルシェは911 GT3に6速マニュアルスポーツトランスミッションも準備。マニュアル仕様車の0-100km/h加速タイムは3.9秒、最高速度は320km/h。
リアアクスルステアリングを備えたシャシー ポルシェモータースポーツの経験に基づく新型911 GT3のシャシーは、向上したドライビングダイナミクスに合わせて最適化されている。
このニューモデルでは、911カレラSより車高が25mm低く設定されており、より精巧な基本設計に加えてアクティブなリアアクスルステアリングによって卓越したハンドリング特性も備えている。リアアクスルステアは、速度に応じて後輪を前輪と同位相または逆位相操舵して、俊敏性と安全性を同時に向上させている。ダイナミックエンジンマウントとリアディファレンシャルロックもドライビングダイナミクスの更なる向上に寄与する。
911 GT3のスタイリングには、その存在意義が明確に表れている。
そびえ立つカーボン製のリアウイングは、このスポーツカーのフォルムがエアロダイナミクスに基づいていることを強調。軽量設計のフロントエンドとフロントスポイラーは、エアフローのさらなる向上のために最適化されている。強化されたエアロダイナミクスは、排気のための開口部を備えた軽量なリアエンドと新しいディフューザーによって明らかとなっている。
インテリアは、911 GT3のドライビングエクスペリエンスに相応しい仕様になっている。直径360mmのGTスポーツステアリングホイールは918スパイダーに由来。運転席と助手席の両方に、サイドサポートが強化されたスポーツシートプラスが装備される。
シートの前後調節は手動で、高さとバックレストは電動で調節可。911 GT3は2シーターであるため、後部のスペースにはカバーが施されている。また、911 GT3のシートには3つの仕様が追加される。全てのシート機能(18-way)が電動調節されるアダプティブ スポーツシート プラスと、可倒式バックレスト、内蔵式胸部エアバックおよび手動式前後調節機能を備えたスポーツバケットシート。そしてカーボン模様仕上げの軽量なCFRP製フルバケットシート。
標準装備されるポルシェ トラックプレシジョンアプリ リアルタイム交通情報とオンラインナビゲーションモジュールを含む標準装備のポルシェ コミュニケーション マネージメントシステム(PCM)には、コネクト プラスモジュールとトラックプレシジョンアプリも含まれる。
911 GT3のドライバーは、トラックプレシジョンアプリによって、スマートフォン上での詳細なドライビングデータの表示、記録、および分析が可能となっている。
タイヤ交換してきました。 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/04/30 20:43:00 |
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ポルシェ・オリジナル・パーツ・カタログ カテゴリ:公式HP 2011/03/08 00:00:49 |
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ポルシェ・ミュージアム カテゴリ:公式HP 2011/02/14 10:26:45 |
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