
「新鮮な魚が食べたいですね。」
魚と言われても、鯵から鮪まで様々なものがいるわけだが、この人が右脳でしか考えてない状態で、何が食べたいと言っても、答えは出てこないだろうと思った。それに、新鮮な魚というところまで指定したのだから、後は考えてほしいと思っているだろう。
そこで、館山に新鮮な地魚を食べに行く提案をしたところ、「関アジ」を思い出したのか、即答でOKであった。
日程の関係から、今回は遠くにはいけないため、千葉の館山にある、地魚で有名な寿司屋「富鮨」と、横須賀のイタリアンレストラン、「アクアマーレ」に行くことにした。 どちらのお店も予約は必須である。
当日は、写真の通りいい天気であるが、週末だから、朝からアクアラインに向かう道路は渋滞していて、海ほたるまでは、のろのろ運転が続く。 1.5に比べて2.0は同じギア比で、排気量が大きい分、低速トルクが厚いので渋滞時の走行が幌車より楽である。海ほたるあたりから、道路が空いて快適なドライブとなる。

館山フラワーパーク
房総半島を横断して、鴨川へ抜ける道を選ぶ。走りやすいワインディングロードと、苺が目当てである。多くのクルマは、マザー牧場や鴨川シーワールドに向かうため、館山自動車道を南下するルートを選ぶだろうから、逆行するルートを選んだわけだ。 今日は快晴でまさにオープン日よりであるが、同行者が「太陽を浴びると灰になって死ぬ体質」らしいので、太陽が出ている間はオープンにできないという、何のためにロードスターに乗っているのかわからない状態で走ることになる。 その点、RFは屋根を閉じていれば室内の狭いクーペになるだけなので、まだましなのかもしれない。
この時期は、苺狩りが盛んで、あちこちのでイチゴ狩りができるが、これもまた予約しておかないと、週末などは「今日は無理です」と断られることになるので、注意した方が良い。 「きみつのいちご」ということで、メジャーどころの「渡邉いちご園」に伺う。30分ほど食べることができて、お土産を買って帰ることもできる。「紅ほっぺ、やよい姫、おいCベリー、かおり野」と種類があるが、何を食べたのかメモをするのを忘れていた。

渡邉いちご園のいちご
世間一般の女性の認識として、オープンカーと背の低いスポーツカーは好まれない。それがフェラーリであっても、ロードスターRFであっても同じである。(ちなみに、フェラーリF355より、RFの方が大分ましだとのこと。 F355は古いクルマだから仕方ないか)乗り降りはしづらいは、荷物は置けないわ。 さらに、美容に多額の費用をかけてる身からすれば、「わざわざ太陽の光を浴びるなんて自殺行為でしかない」というわけだ。 世間でロードスターを買うために、説得せねばならない相手がうんと言わない理由は、金銭的なことだけでなく、「自分の好みの反対」のクルマをなぜ買おうとするのかわからないということも多いのだと思う。

かつて、F355は絶不評だった。。
気を取り直して、県道92号線を進む。 何かと不評のBOSEオーディオも、音楽ソースがスマホならば、大きなことは言えない。 流石にBlueToothでつないだ音は聞くに堪えないが、USBケーブルでデジタルソースをBOSEのアンプに流せば、それなりに聞けるレベルだと思う。 スマホ接続のいいところは、クルマのオーディオの音楽ソースを誰もが持ち込めることにあると思う。 過去の「カーオーディオ」の時代は、ドライバーの独りよがりな選曲で選ばれた音楽をずっと聞いてなければならなかった。 それは、聞かされる方も苦痛だっただろうが、準備する側もそれなりに苦痛だったのだから、それからの解放はありがたい。 また、相手の音楽の趣味が分かって、それはそれでいいものだと思う。たとえその中身がアニソンとボカロつながりの米津玄師ばかりだったとしても。

iPhoneとマツコネはUSB接続でつなぐべき
道の駅などにもよりつつ、鴨川を経由して館山へと向かう。千葉県も関東地方の農産物の生産を支えていることがよくわかる。 この辺は、空からは見慣れた場所で、空中からはゴルフ場ばかりが目立つけれど、地上では様々な農産物が作られている。 道の駅で地場の野菜や落花生を買うのは楽しい。
「富鮨」は住宅地から離れた海の近くにたっており、思ったより奥まったところにある。駐車場も前後で止めれば6台くらいは駐車可能だが、周りの道路は狭いので行き違いには注意した方が良い。 この店の主人は非常に話好きなので、旅程に時間がない人はつかまらないように注意した方がいい。鮨は大振りの地魚の身が乗っていて、安いとは言えないけれど、美味しいと思う。脂ののった白身がうまい。

地魚の鮨(3240円)
千葉の郷土料理のさんが焼きと、伊勢海老のみそ汁を頂く。伊勢海老のみそ汁は小ぶりの伊勢海老が丸ごと入っていて、汁にたっぷりエビの味が出ているだけでなく、具も楽しめるので、是非注文した方が良い

郷土料理のさんが焼き
この料理は初めて食べたが、なかなかにおいしい。
もう一人は、新鮮な鯵のなめろうを注文

鯵のなめろう
伊勢海老の味噌汁を注文すると、お寿司のみそ汁が無くなる模様

伊勢海老のみそ汁
お店は、岸壁に立っているので、部屋から眺めの良い太平洋が見える。鮨屋として評価することはできないけれど、珍しい千葉の新鮮な地魚を食べるという経験をする上では、適切なお店だと思う。

太平洋
おなか一杯になったところで、海岸通りを回って、フェリー乗り場である金谷に向かう。わずか40分のフェリーだが、クルマもトラックもたっぷり運べる大きさなので、ある程度余裕をもって到着すれば積み残されることはない。 ロードスターは4M以下なので、航送料金も割安である。 約40分の船旅で久里浜に到着する。
途中を省きつつ、横須賀美術館の隣にある、アクアマーレに向かう頃には、太陽も傾き地表に沈みつつあるので、オープンで走行することにする。ヒータオン、シートヒータオンの状態ならば、寒がりの女性でも大丈夫ではあるが、そうまでしてオープンで走りたいという心境はきっとわかってもらえないと思う。多分。
アクアマーレは、それなりに有名なイタリアレストランで、週末は予約しないとまず入れない。今回は、メニューにないお料理も出してもらえるとのことで、まずは、マンボウの腸のソテー(ソテーはフランス語だけど、イタリア語がわからない)を頂くことになった。マンボウの腸を初めて食べたが、癖はなく、こりこりとした触感の味わいで、シンプルな味付けとよくあっていた。

マンボウの腸のソテー
天使の海老のパスタは、フレッシュな海老の触感と味わいが日本的ながらも、細めのパスタとトマトソースと組み合わされていて繊細ながらもバランスが良い。

天使の海老のパスタ
メインの恵水ポークロース肉は、ボリューム満点で食べごたえがあるし、味付けは岩塩ベースだから豚肉を味わう料理だと言える。火の通し加減が丁度よく、このポークが持つ味わいがよく引き出されていた。

メインの肉料理 「恵水ポークロース肉」
チョコレートのドルチェとシーズンの苺のドルチェを注文した。今日新鮮な苺をたくさん食べたせいか、少し物足らない感じであった。なぜか、写真はいまいちだと書いた生苺のドルチェの方。

生苺のドルチェ
それぞれ、好きなものをアラカルトで注文していて、コースを頼んだわけではないのだけれど、一定のコースの形にしてくれた。 このお店は、地場の素材を生かした、地産地消のイタリアンで、私達の好きなタイプのお店だ。マンボウの腸のソテー以外は、わかりやすい素材で作られたメニューが並んでいるが、選ぶ時にわくわくするので、是非アラカルトで注文することをお勧めする。
デザートだけは今一歩かなと思ったけれど、その他の料理はおいしい。スタッフのサービスはちゃんとしているので、満足が行く食事ができると思う。 お値段はかなりリーズナブルで、ワインが飲めないという状況ではあったけれど、ディナーでも一人1万円以下で済む。お客様の多くは地元の方であったように思えたが、東京からも遠くないので、横須賀に行ったときには、食べに行ってみることをお勧めする。
なお、食べ物の写真の中に時々出てくる「Foodie」の文字は、同名のiPhoneのアプリで取った時に記録されるものである。このアプリで取ると食べ物が美味しそうに見えるので使っている。

ロードスターRF(改装前)
ロードスターで回る小旅行としては、丁度よいコースであったと思う。あまりオープンにすることはなかったが、小型のクーペとして使っても、2名乗車でもそれほど狭くて困るということはなかった。 RSは乗り心地が固くて困るというシーンもないし、レカロのロゴが付いているシートも、腰が痛くなることもなく快適に過ごせた。屋根を閉じていると遮音性も高いので、もっと遠くまで旅行しても疲れないと思う。
Posted at 2018/05/16 20:35:23 | |
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