通称 エアパーク (浜松市西区)
航空自衛隊の活動を理解してもらおうと
1999年に開館した博物館です
浜松基地に隣接してます
正面にはF-86Fセイバー戦闘機 初代ブルーインパルス
1964年 東京の空にオリンピックのシンボルマーク 5つの輪
1970年 大阪万国博覧会で「EXPO'70」
を描いたことで有名
「事業仕分け」の際に有料化実験のため入館料が必要でしたが
現在は無料
案内のパンフレットと 全天周シアターの入場整理券を貰いました
後ろの模型はもらえません・・・
後方左から F-35 YS-11 C-1
F-35は空自導入予定のステルス戦闘機です
前列左から F-86 T-2 T-4
初代~3代目のブルーインパルス
では 館内1階から
先進技術実証機(ATD-X) 通称「心神」
風洞実験用模型
次世代 純国産戦闘機を目指し研究中
レーダーには昆虫~小鳥程度にしか映らないステルス性能だとか
F-2支援戦闘機 実物大モックアップ
現在は「支援」の名称が外されて「戦闘機」となってます
ベースとなったF-16「ファイティング・ファルコン」は名称が長いので
パイロットたちは「バイパー」と呼んでるそうで
F-2は2000年に配備が開始されたので下一桁の「ゼロ」と組み合わせ
旧日本軍の傑作戦闘機「零式艦上戦闘機(ゼロ戦)」にも掛けて
非公式ながら「バイパー・ゼロ」という愛称があります
F-2 搭載兵装
手前から
上
90式空対空誘導弾 AAM-3短距離空対空ミサイル
下
AIM-7F スパロー中射程空対空ミサイル
Mk.82 500ポンド無誘導爆弾
Mk.82 91式爆弾用誘導装置付き GCS-1
80式空対艦誘導弾 ASM-1空対艦ミサイル
機首部分
ベースになったF-16と違い
キャノピー(風防)が分割式
鳥などとの衝突(バードストライク)に対して強化されてます
注意書きが書いてありますね
ジェット燃料の[JP-4A]は灯油とガソリンを半分づつ混ぜたもの
他には[JP-5][JP-8]がありますがこちらは灯油とほぼ同質
座席は30度ほど後方に倒れてて
パイロットにかかる重力加速度(G)を軽減させてます
緊急脱出の時は火薬で風防を吹き飛ばし
ロケットエンジンで座席を打ち出す射出座席
モックアップのためエンジンは搭載されてません
エンジンの横 上下に開いてるのは空力ブレーキ
空気抵抗を利用し減速させます
F-16から変更点 尾翼後端の下から伸びてる部分に
ドラッグシュート(パラシュート)を格納装備
着陸滑走距離を短縮出来ます
航空自衛隊の基地内の任務と活動を数分の動画を使って説明
F-1支援戦闘機
三菱重工業が製造した国産初の超音速戦闘機
開発当時「航空機による対艦ミサイル攻撃」は最新の技術でした
日本では「専守防衛」を掲げてるので
対地・対艦攻撃能力を持つ「攻撃機」という名称は使えないため
「支援戦闘機」という種別が出来ました
現在はF-2や配備予定のF-35など戦闘機と攻撃機の任務を両方こなせる
多用途戦闘機(マルチロール機)が主流のため
支援戦闘機の種別は無くなり戦闘機に一本化されてます
尾翼に兜武者のマークは 第3飛行隊/三沢基地(青森県) 所属機
機体後端のフタが上に開いてる部分はドラッグシュート格納部
エンジンは ロールス・ロイス・チュルボメカ製「アドーア」を
石川島播磨重工業(現 IHI)がライセンス生産した
TF40-IHI-801A ターボファンエンジンX2基
少し斜め下向きに搭載してるのが特徴的
2基のエンジンの間から下がってる棒は
緊急着陸のとき 短距離で止まれるように
滑走路に張られた伸縮するワイヤーを引っ掛けるための
アレスティングフック
コクピット
フレームの両脇には後方確認用のミラーが付いてます
F-2やF-15などは射出座席にパラシュートが付いてますが
F-1などはパイロットがパラシュートを装着してから操縦席に乗り込みます
それなので 座席の背もたれ部分が凹んでます
T-2高等練習機をほぼそのまま転用しF-1を開発したため
後席に火器管制装置 レーダー警戒警報装置などを搭載
風防(キャノピー)をふさいでしまったため後方視界が悪くなってしまいました
パネルに並ぶスイッチの数がスゴイ・・・
その後方には20mm航空機関砲の弾倉
750発が入ります
機首下方左側に20mm航空機関砲のM61をライセンス生産し国産化した
JM61A1バルカン
F-2 F-15にも搭載
発射速度は毎分4000発と6000発の切り替え式
最高速の6000発/分で撃った場合 合計で約7.5秒で撃ち尽くします
砲身が加熱し曲がってしまうので連続射撃は2秒以内に制限
射撃時の反動は約2トン
左 F-3-IHI-30 ターボファンエンジン 推力 約1670kg
ブルーインパルスなどで使用されてるT-4中等練習機用のエンジン
双発なので2基使用します
右 J-79-IHI-11A ターボジェットエンジン 推力 約4540kg
F-104で使用してたエンジン
単発機なので1基で使用
開発次期や推力が3倍弱違うけど大きなエンジン
J-79エンジン
徐々になくなりつつあるターボジェット
燃焼ガスの噴射のみで推力を得てます
ターボファンと比較すると高速向きです
F-3エンジン
主流のターボファン
エンジンの前方に送風機(ファン)を取り付け
燃焼ガス噴射とファンの回転による空気流で推力を得てます
ターボジェットと比較して燃費が良いです
2階へ
1960年 浜松第1航空団第2飛行隊内に
「空中機動研究班」としてアクロチームが誕生
発足当初は「インパルス・ブルー」というコールサインだった
正式名称を決めようと自衛隊内にて公募を行ったところ
浜松基地近くの天竜川にちなみ「天竜」の意見が多かったため採用しかけたが
古臭いとの反発がありそれまで使ってた「インパルス・ブルー」を逆さ読みし
「ブルーインパルス(青い衝撃)」と正式に決まりました
1998年まではカラースモークを使用してたが
手間がかかったりコストがかかったりで使用しなくなりました
MIM-104 パトリオット
広域防空用の地対空ミサイル
航空自衛隊では「ペトリオット」の名称
「発射機」「レーダー装置」「アンテナ・マスト」「射撃管制装置」「電源車」
で構成されてます
現在 弾道ミサイル迎撃能力を持たせた「PAC-3形態」へ改修したものが各地の高射部隊に配備されてます
91式携帯地対空誘導弾
「携SAM」「スティンガー」と言われることも
ジェットエンジンの排気から出る赤外線を捕らえて追尾する赤外線ホーミング誘導と
ミサイル先端のカメラが目標形状を覚えて追跡する可視光画像誘導を組み合わせてミサイルを目標まで誘導していきます
上
64式7.62mm小銃
国産初の自動小銃(ライフル)
7.62x51mmはNATO(北大西洋条約機構)の標準弾
しかし日本人の体格に合わせて64式は発射火薬を減らした減装弾を用います
セレクタレバーにはア/タ/レの文字
ア「安全」 タ「単発」 レ「連発」
陸上自衛隊では後継の89式5.56mm小銃に主力が移りつつあるけど
航空自衛隊や海上自衛隊では現在も64式が主力
下
9mm拳銃
スイスのSIG および当時傘下だったドイツのザウエル&ゾーン が開発した
「SIG SAUER P220」をライセンス生産し国産化
使用弾薬は9x19mmパラベラム弾
幹部自衛官や警務隊などが装備してます
対空機関砲VADS (Vulcan Air Defense System)
航空機関砲 M61を元に射撃管制装置を組み合わせた
基地防空用の対空機関砲
20mm砲弾を分速3000発で撃つことが出来ます
半球状の天井スクリーンに戦闘機のコクピットからの映像
やレスキューヘリの救助シーンなど迫力ある映像が観れる
全天周シアター 上映時間は約15分
撮影機材や投写機が古めなので
映像解像度が低いのが惜しい・・・
長いので
2/2へつづく・・・