C7コルベットのグランスポーツとカマロSSに試乗することができました。
個人的な話になりますが、アメリカ車全般に対する印象は、先代マスタング(リアサスがリジットのやつ)をショールームで見て、その内装の安っぽさに驚愕して以来、沢村慎太朗氏や福野礼一郎氏がその走りの良さを評価していても、どうしても興味の対象にできなかった思い出があります。
以下に感想を箇条書き。
1.カマロSS
マグネティックライド等の走行性能に関する部分のほか、ヘッドアップディスプレイに至るまでフル装備。BMWやポルシェのオプション商法と比べたら限りなく良心的。この内外装で650万なら安いと思えます。
・ステアリング形状
最近のクルマでは珍しくステアリングのリム形状に違和感が無いので、9時15分の位置で握っても違和感なく握っていられます。
ただしこのクルマもD型ですが、今どきのクルマはみんなコレなので、そこはもう諦めるしかないのかも。

D型ですが極端なものではなく許容範囲内
・ステアフィール
適切な重さがあるだけでなく、路面の描写力も高く濃厚なフィール。そのため油圧といわれたら信じるレベル。
フィールがクリーミーな反面、描写力が低く運転の実感が薄くなっている最近のBMW各車よりも確実に上。そして記憶の中にあるポルシェのEPSよりも描写力は上だと思えるレベル。
・ボディ剛性感
かなり高い。内装建て付けも良好で音が出ることも少ない。総じて20インチを完全に履きこなしている。
・AT
レスポンスも充分でこれなら不満なし。
2.コルベットグランスポーツ
この個体にはカーボンセラミックブレーキ付き。価格は911クラスながら、外装はスーパーカー並みの大迫力。
・ステアフィール
カマロと比較すると軽すぎる感のある仕上がり。路面描写力も含めて設計の新しいカマロの方がステアフィールの作り込みレベルは上。
ただしこちらもステアフィールはEPSだと気づかないくらいに濃厚で、絶対的なレベルは高い。
・ステアリング形状
こちらも良い出来。握っていて違和感を感じることのない出来(これもD型なので切り返しで持ち替えない限り)。
いずれも現行のポルシェやBMWのステアリングホイールよりも格段に上。
・ボディ剛性感
テールゲート+タルガトップ+20インチという強烈なネガ要素を持つボディとは思えない出来。40キロで走っていてもホンモノ感を味わっていられる本当に素晴らしい出来。
・ブレーキ
カーボンセラミックブレーキ装着。短時間かつ急減速を伴う場面は無い試乗のため、真価を試すことは当然ながらできませんが、初期から効きが立ち上がるもののコントロールは容易な仕上がり。
・少しの試乗でもホンモノ感は充分に感じられましたが、このクルマの場合は市街地で流した程度で真価を発揮するクルマではなさそう。
2台とも、それぞれの同価格帯のポルシェ(ケイマン、911)と並ぶか、それ以上の出来だと思います。特に、すでにポルシェのスポーツカーに乗っていて、それを買替えるというのであれば、全く違う世界の味わえるカマロやコルベットを選んだ方が満足度は高いかもしれません。
…ただ、ドイツ車を好むひとにとって、アメ車の内外装のデザインはかなりハードルが高いのも事実。私も実際に購入するとなると、やはりカマロではなく718ケイマンを選んでしまいそうです。
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2018/04/30 00:04:30