アバルト(純正) アバルトコルサシート  

アバルト純正オプションのアバルトコルサシート by sabeltです。

595コンペティツィオーネには標準装備となっています。

レザーとアルカンターラのコンビ素材で、988ブラックと995ブラウンの2種類がありますが、車体色によってシートのカラー設定が決められています。

シートのカラー以外にもバックレストの調整ダイヤルと、後席に乗り込む際のレバーのカラーもそれぞれレッドとブラックの変更点があります。

デザインですが、個人的にヘッド部に向かって三角形状になるデザインが妙に目を引いて、そこから興味を持って見ていたら、なんとリア側は剥き出しのカーボンシェル。

さすがの私もこれには驚き、他に購入検討していた輸入車を一気に蹴散らす決め手となったデザインです。

そこで気になる使用感ですが、座ってみてまず、少なかれ「着座位置は高い」と感じるかもしれません。

sabeltと共同開発で作られたアバルトコルサシートですが、シート高の調整機構は無く、身長167ｃｍの私の場合、ちょっと高めかな？と感じたものの、ルーフやフロントガラス、サンバイザーの圧迫感もなく許容範囲内でしたが、170ｃｍ以上の方だとローポジアダプターの必要性を感じるかもしれません。

※新車保証を気にする方はローポジアダプターを購入する前にディーラーへご相談ください※

1つ注意したいのは、私以下の身長でスポーツフィールを求めるあまり、無駄にシートのローポジション化を行うと、シートベルトは肩ではなく、首に近いところにかかってきます。

当然ですが更に見切りが悪くなり、最小回転半径5.4ｍという見た目がコンパクトな割りに小回りが効かないので、状況によっては思いっきり前のめりになって首を亀のように伸ばして路地を曲がったり他車とすれ違う事になり、爆音を放つ欧州車だけに運転が下手くそと思われ、何とも不細工な光景に映りますので注意が必要です。

また、シート位置を下げて目線が下がる一方で、ペダルの立ち具合など、あらゆるところの違和感が表面化してくる可能性があるので、十分に検討してから行ったほうが良いでしょう。

機能面ですがバックレストの調整ダイヤルはデザインを重視してのことか右手側、つまりドア側にあり、乗り込んでドアを締めてしまうと手が全く入らないので調整はできません。

※厳密には肩を上げてシートのショルダー部から手を突っ込めば、ドアを閉めた状態でバックレストの調整が可能です※

ベルトのキャッチ部はシートのだいぶ下の方にあるので、慣れないうちは差し込みづらいと思います。

肝心の座り心地ですが、スポーツシートなのでクッション材は当然ハードタイプが入っていますが、沈み込み量は少ないながらも十分で、個人的にロングドライブもまったく苦になりませんでした。

これについては個人の感性や好みもあるので、ぜひ試乗で体感してみてください。


総評ですが、私個人としては他レビューで見るほど肉薄で硬くもないし、長時間座っていても何の問題なく、仕立ても十分上質な物だと思いますが、スポーツシートという性質上、そして595コンペティツィオーネのトータルで考えると、やはり人を選ぶのかもしれません。

レーシーなデザインのわりにサポート性はそこそこなので、本気でサーキットを走る場合は交換も視野に入りますが、ストリートでイタリアのホットハッチを楽しみたいという方には、シートの持つ雰囲気と合わせて十分な魅力があると思います。