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2019年11月06日

リムジン あれこれ

リムジン あれこれ 今でこそ絢爛豪華で派手なリムジンは何処でも見かけられる時代になりましたが、我が国、以前はこれ程一般大衆が触れたり乗れるものじゃありませんでした。

白塗りでチンドン屋みたいな形相から如何にも安風情なニワカ豪華な安物リムジンが出回る今日この頃、今や高校生がシニア・プロムに行く時までチャーターする時勢ですが、昔はごく限られた人々の足か、冠婚葬儀の乗り物がリムジンなのでした。

キャデラックのリムジンは最初から専用車台を用いて自分の工場で作ってましたが、当時の標準からしても非常に地味な佇まいなんですよね、今の時代と違って。標準ではパデットルーフも注文装備で非常にさっぱりしていて、それに全長が延長されたとは言え、それでなくても長大なキャデラックです、窓やら柱が多少変更されたぐらいではすれ違いの際にもきずかないの違いで、その代わり注文すればオペラウィンドウの大きさ、後窓の大きさからキャリッジルーフの様なランダウ・バーの飾りから用途に合わせた仕様が選べました。


面白いのは大型キャデラックが1971年にフルモデルチェンジした際、扉の窓枠が無い、所謂スバルの様にサッシュレスになったのですが、角をゆるい曲線にして特徴にしていたのは設計したビル・ミッチェル氏が彼の作品、1939年型の Sixty Special (60 Specialと記してはいけませぬ) を連想させる為だと言われています。



問題は後席の扉です。モデルチェンジする以前からリムジン型は屋根まで食い込み乗降し易い特別扉が装備されていましたが、今回も同じく、特大の扉だったので、前席は軽快なサッシュレス窓枠の扉で後席は装甲車の様な巨大な窓枠が屋根にまで食い込む扉になっていました。


それも時代の流れか、1977年にダウンサイズされたCボデーのリムジンは前後扉とも普通の窓枠付きで屋根に食い込まないごく一般的な形状になってしまいました。


何故かフォードはこの手のプロフェッショナル・カーに余り興味を持たず、架装屋さんに外注出してたんですが、有名なのはジョン F. ケネディ大統領が乗っていたリンカン・コンチネンタルのリムジンですね。あれは流石に車両は自社の実験部で組み立てられましたが、実際の内装などは矢張り有名な架装屋さんのヘス&アイゼンハード社が受け持っていました。戦後は自前でリムジンを製造してないフォード車を何故使ったかと言うと、ハリーチュルーマン大統領が選挙戦の際、GMが車両提供を渋ったのに腹を立てたのが原因と言われています。以前書きましたけど、合衆国と密接な関係にあるイズラエルも初代首相のワイズマン博士にリンカン・コスモポリタンを献上して愛用されたのも有名な話です。

そのフォードですが、傘下で一応リムジンを提供する、まあ、関連会社とでも申しましょうか、部門がありまして、そこで色々なリムジンを販売していました。その会社はアンディ・ホットン・提携会社 (Andy Hotton Associates 通称 AHA) と言いまして、創立者、ホットン氏は駆け出しからフォードの技術学校卒業の社員だったのですが、自分で高性能排気管部品を設計し、デイヤボーン・スチール・チュービング (DST) と言う会社を設立、それをフォード社に純正品として売り込む事に成功、特に警察仕様とか特殊用途が得意で、徐々にフォードから特別展示用のショーカーなどの製作も頼まれます。

フォード系のセダン車をリムジンに改造したりプロフェッショナル・カーにしたりと、その中でも4扉ハードトップのLTDまで伸ばしちゃったのは凄いと思います。他に如何にもリムジンと言う車種の他、言われなければ判らない控えめなストレッチもあった様で、中々センスが良いと感じます。。。


DST社が鉄のチューブ、排気管で始まったのは、それよりもっと歴史のあるAMP社も同じですね。American Metal Products 社の創業は1917年。この会社も鉄のチューブを使って自動車の座席フレームなどを納入し始めたのが最初。後にイリノイ州の片田舎セントラリアで家庭用ヒーター製造していたシーグラー社やらを買収、リヤジェットで有名なリヤ社の一部門も抱えて名前もリヤ・シーグラーになります。現在でも世界中の自動車製造会社に座席の設計・生産・納入をしていますが、面白いのはAMP時代の頃、戦後誰もがやりたがる様に連中も自前の自動車を作りたくて小型の試作車を作ります。流石チューブ屋さんでして、なんと車台の骨格に丸いチューブを使っていました。結局この自動車生産計画は放棄されるのですが、その計画を買い取ったのがウイリス・ジープやらアルミナム、造船で有名なヘンリー J. カイザー氏。彼はこのAMPの試作車を元にして川崎三菱でも生産された小型車、ヘンリーJ を製造した訳です。。。


冒頭の写真は1983年から3年間だけ売られたクライスラーKカーを元にした、その名もクライスラー・エクゼキュテヴ・セダーンとリムジン。セダーンはホイールベースが124インチ、リムジンは131インチ。ご想像の通り、生産は例のASC、アメリカン・サンルーフ・コーポレーションが担当。共に殆どが三菱製のV6エンジンを載せていました。この冗談見たいな車はリムジンが1494台、セダーンが206台売られましたが、その後出たダウンサイズされたキャデラックのリムジンを見れば、クライスラーの方がマシに見えて来る程、プロフェッショナル・カー業界は暗黒の時代に突入したのでした。。。。。アイ。
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Posted at 2019/11/07 13:05:35

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