何が理由でそうさせるのか、政治的な理由?事業計画の変更?合衆国主な自動車製造会社は20年くらいの周期で突然、ハタと輸出に力を入れる傾向があるのです。まあクライスラーは昔からシムカを傘下に持ち、フォードも独国で独自展開をし、将軍様も言われてミリャ、オペルを戦前から持ってましたが、合衆国製の車両を世界に輸出しようとすると、努力不足、世界経済事情の変化、まあ言い訳はともあれ、いずれも10年続かないのがオチでして、その地域から撤退する度に顰蹙を買うのは日本の方々にはご存知だと思います。
1990年代に将軍様が結構本腰でシェヴォレイの小型万能車、いわゆるS10ピックアップのステーションワゴン版のS10ブレーザーの右ハンドル仕様を開発し日本に送った事が興味深く、余りこちらの資料も無いので写真だけで色々見た所、随分と金のかかっている事が判明。。前照灯のスイッチは本来なら計器盤に付いている捻りスイッチの所、方向指示器のスタークを回転させる、一般的な部品に変更、4ウエイフラッシャーはステアリングコラムの上の押しボタンから計器類の左横の高い位置に移動、そこにあった本来なら四輪駆動の切替スイッチはその下の、本来ならばテールゲートのワイパーのスイッチがあった所に移植。エマージェンシーブレーキは足踏み式からレヴァー式に変更、ラジオの開口部が縦に広くなり、床から生える変速レヴァーは本来ならば斜め横型の形状からガングリップ式の縦型に。。。。ざっとみただけでこれでけが気になりました。初期型のS10ブレーザー はインドネーシアでオペル・ブレーザー として右ハンドル仕様で売られており、こちらとの比較も面白いのですが、数年後、この初期型S10ブレーザーの右ハンドルの計器盤をオーストラリヤで売られたホールデンサバーバン(メキヒコ製)に使ったのも何か訳があったのか、なぜならその時点でS10ブレーザーの内装は日本仕様と同じの新型に切り替わっていたからなので。。輸出仕様の開発、将軍本社で詳しい人がいたら本でも書けば売れるんじゃ無いかと(いや、そんなツマラヌ事を知りたいのは自分だけか。。)
これがインドネーシアで売られていたオペル・ブレーザー。手動変速のみ。
ホールデン・サバーバン、自動変速機のレヴァーは右側。エマージェンシーブレーキは座席間のレヴァー式。
これが日本仕様。画像どっかからお借りしました。ごめんなさい。
日本仕様、四輪駆動切替スイッチが、通常なら上方HVACの吹き出し口横にあるのが、右ハンドル日本仕様はここに下りて来てます。
でもインドネーシアの後期型オペル・ブレーザーは二輪駆動なのか、日本仕様では四輪駆動切替スイッチのある場所には、元祖合衆国仕様と同じく、後窓のワイパーやらのスイッチが収まっています。ついでに前照灯のスイッチもオリジナルと同じ、計器盤右端の回すスイッチ。
オーストラリヤで右ハンドルに改装する際、変速レヴァーも含め、ステアリングコラムを全てそのままで右に持ってくるのが多く、この古いC/Kも計器類も右に持ってきただけ。。。だからHVACの操作盤もステアリングの右手に。同乗者からは手が届かない。
本来ならこうですな。例の燃料タンクの位置はさておき、このシリーズのC/Kは頗る頑丈で耐用年数が長過ぎたきらいが。。それに比べて最新型は貧弱ですのお。。おまけに当時のグレード名だったスコッツデールとか、上級のシルヴァラードなんかに選べるタータンチェックの内装がハードボイルドのカウボーイ御用達にしては頗るお洒落だった。。。
元祖、サバーバン。
メキヒコ工場で作られていた右ハンドル仕様のホールデン・サバーバン。開けてビッっくり、この自動車の計器盤が全く違う車のを移植したとは誰が想像できたか。。。
これがその内装。
開けてビックリと言えば。。これ、見慣れた1973年型シェヴォレイ・インパーラ
1973年は前が大きなバンパでも後はまだ小さなバンパでした。
これがその内装。ん?なんか変?扉の内装は普通のインパーラですよね。。。
これが本来の1973年型インパーラの内装。扉の内装は同じなんですけど。。
実はコレ、計器盤だけ、同年のオールズモビルのを移植してきたんです。コレはオールズ98リージェンシー。
この変態インパーラは将軍様が1973年に1,000台だけ作ったエヤバッグ搭載の試験車で、実用試験で保険会社やら自社の社用車として世に送り出したものだったのです。デザイン自体オールズモビル主体で開発だったので、廉価な試験車両のシェヴォレイにそっくり移植しちゃったと言う訳です。この初期エヤバッグは全席3座配慮しただけでなく、衝撃により二段階の膨らみ方が既に取り入れられており、20数年後、本社技術部が全米くまなく探し回り、納屋で長い間惰眠を食っていた個体を買い戻し、衝突実験に持ち行った所、完璧に作動したそうで当時の技術でも偉く高度だったそうです。因みにシェヴォレイにエヤバッグが装備されるのは1980年代後半からで、1974年からキャデラック、オールズモビル などの高級車に注文装備で選べられたのですが、全く人気が出ず、クワドラステアを同じく、消滅の運命をたどりました。
コレがシェヴォレイに付けられたオールズモビルの計器盤。
後日、売り出されたキャデラックのエヤバッグ仕様。
コレはビュイック・エレクトラ。
オールズモビル・トロナード (大トロ)
今日の一台。本土系超級市場のセーフウェイの駐車場。おお、カローラのステーションワゴン。綺麗ね。
後窓を良く見ると。。。。好き者、いるんですねえ。。。
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2020/10/08 16:58:44