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2020年07月20日 イイね!

あった! リアッタ! 夢の膨らんで萎んだビュイック

あった! リアッタ! 夢の膨らんで萎んだビュイック








先週街へ、会計士さんの事務所に行った際、地下駐車場で異様な雰囲気を放つ赤い自動車、久しぶりに見ました、ビュイック・リアータ。我々は限りなくリアーラみたいに発音しますが。。。


左右四方擦れ放題の現状を見ますと、多分ご年配の方が新車の時から縋るように乗り続けている低距離走行車って言う感じで、シブいですな〜。


着色窓で室内を覗けず何年式かはパッと見ただけは判りませんでした。リアータは1980年代後半にビュイックから登場した新技術満載の所謂ヘイロー・カー。別に量産儲ける為に作られた訳では無く、当時、ビュイックは年寄りの乗る車と言う定評があったのですが、その購買平均年齢を下げるのでは無く、こう言った技術満載でビュイックの未来を老人達に示し、あいや、ビュイックの未来は凄いんだと、爺様達にもっとエレクトラやらルセイバーを買ってもらおう、と言うのが魂胆だった様です。

車台は前輪駆動のリヴィエーラ、トロナード、エルドラードやらのを縮めて、デトロイトの古い工場を改装して、その名もリアッタ工房。通常の生産ラインとは違い、車体を台車に乗せて組立工がよってたかって組み立てて行くと言う生産性及び初期投資の非常に具合の悪いやり方、と言っても少量生産の特殊車ですから、と。結局一度も利益を上げる事なく、4年間で21,000台強を生産し終わり。


昨日、仕事で北海岸へ行った際、キャムハイウェーでまた見ました、リアータ。こっちは売り物。この狭いオアフ島に全部で一体何台のリアータがあるのか、その内の2台を1週間以内に目撃したんですから、チョット大事件です。






ビュイックで初めての格納式前照灯。それまで隠れる前照灯はありましたけどいずれも前照灯の前の蓋で目を隠す方式。電球だけは固定でした。


Jカーのスカイホーク、後期型は通常の前照灯と隠し前照灯2種類あり、注文装備でステーションワゴンにも装備できました。固定電球、電動で隠し蓋が開いたり閉じたり。赤いのは通常の前照灯。




キャムハイウェイで目撃した金色のリアータは、程度の良い低走行車、でも残念な事に1990年型大改良された後の奴。それまではHVAC、音響、ドライヴコムピュータ、診断、機構表示を全て昔のテレヴィジョンよろしくCRTの表面に極薄マイラー樹脂を貼り付け当時としては画期的なタッチスクリーンの操作を可能にした物が装備されてました。これは1985年頃からビュイック・リヴィエーラに採用され、AC/Delcoの長年かけて開発された仕掛けで、面白い事にCRT自体はあの、電子装置開発、軍事電子機構の製造、消費者用にはテレヴィジョンなどの最新先端音響家電で有名だったゼニス社ZenithElectronics社製だった事です。ぼくが人間が初めて月に降りた場面を見たのが祖母の家の古い電視で家具の様なコンソールの扉を開ける様な奴で、電源を入れてからお湯でも沸かした頃にやっと画像が浮かび上がる物で、矢張りCRTは暖気時間を要するらしく、このリアータ等のGMのCRTも暖気が必要なので特別な仕掛けがあり、運転席の施錠を解除して扉を開けるとCRTの電源が入り自動的に暖気が始まり、エンジン始動させる頃には用意が出来ました、と言う仕組み。運転席の扉を開けると物事が始まるのは我が家のプリアスの制動与圧や、ヴォルクワーゲン・ジーゼルのグロープラグなんかもそうでしたね。驚いた事にこの機構、操作性、応答速度、耐久性がかなり優れた物でして、不具合が生じても現在でも専門の業者が比較的安く修理してくれるらしいです。表示に付加価値が随分あって、設定した記念日になると警告音がなったり、設定した速度以上に達すると音がなったり、設計者は樂しかっただろうな〜と。。。







ゼニス社の有名な発明。テレヴィジョンの遠隔操作。これはアルミナムの棒をスイッチで弾くと超音波が発生し、それを ”聞く” 受信機がテレヴィジョンセットに内蔵させており、周波数によってチャンネル変更できたり電源切ったりできました。その前は特殊な光を発射・受射する仕組みで、欠点として窓から太陽光などが当たると勝手にチャンネル切替が始まったりする困り物。超音波式はかなり普及して、1980年台まで使われました。



興味深いのは不具合が発生すると速度計下の位置に不具合発生!と黄色で表示され、右を見ろと矢印が現れます。右の矢印先を見るとCRTの主表示に不具合の詳しい情報が表示されます。


これ、古いボーイング737型機と似てます。737は目線の先の計器盤上のヒサシにマスターコーション・ライトと言うのがありまして、不具合が発生するとマスターコーション・ライトが光り、その横の黒い長方形の診断パネルを押すと不具合の生じた系統が浮かび上がり、診断パネル自体が頭上パネルと模した形なので、それを元に頭上を見上げると不具合箇所の警告項目が判ると言う仕組み。これは当時、3人乗務から2人乗務に変更された際、頭上パネルは普段の視野外なので不具合が起こった際気がつきにくいので考え出されたんだと思います。。。




そのCRTを使ったHVAC/音響らの集中制御システム、最初は1985年型のリヴィエーラで始まり、当時同じ車台を使っていたトロナードやらにも感染しますが、数年後、皆通常のスイッチ式に格下げされちゃいました。この売り物の金色リアータもそうです。残念。リヴィエーラは1986年に見るも無様なダウンサイズをやらかし、当時の小型GM車と格好が非常に似ており、1989年に慌てて車軸間はそのままで上屋、前後をいじって格差を設けるもの、パッとせず。その後1995年にモデルチェンジになった丸々と肥った奴はそれなりに伸びやかで個性がありましたが。。。


廉価版のNボデーにそっくり。


頭とお尻を伸ばした改良型。だからさ〜。。。この写真のニーニー、髭剃ったら友人のクリスくんそっくり。




最近のビュイックのターゲットの客層は想像つかないですが、今年からの新型ビュイックにはBUICKの文字のエンブレムを入れず、その代わりあの三本の盾だけは残すそうです。




リアッタを描いたデイヴィッド・マッキントッシュ氏。白壁タイヤ履いてるう!


最後に白壁タイヤ履いたのは確か最後のタウンカー。2010年。


同じ生産ラインで作られていたマーキュリーのグランド・マーキー。2009年にはあった。


2010年には消えた、もっともその頃のグランド・マーキーは輸出と業販専門で一般消費者は買えませんでした。


おまけの画像。シャークス・コーヴの木陰。オアフ島北海岸は冬は荒波で手もつけられませんが夏は穏やかでジョートーさ〜。
Posted at 2020/07/21 07:40:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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