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2021年07月25日 イイね!

ナッシュ、モーモン教と車中泊

ナッシュ、モーモン教と車中泊














ぼくはなるべく宗教と政治に関する話題は避ける様にしているのですが、この程度なら大丈夫かと。。。お気を悪くされたらゴメンなさい。

オアフ島北部にある観光客の人気施設、ポリネジアン文化センター。先日その前を通ったら看板娘だったシトロエンのHYヴァンが跡形もなく2台とも消えていました。ポリネジアン文化センターはご存知、隣接されているモーモン教の大学、ブリガム
ヤング大学の運営で日曜日はお休みです。ポリネジアン・ショーなどに出演する人達は布教先、太平洋の小さな島から若者を連れてきて働かせて、同時にお隣の大学で学ばせて単位を取らせると言う仕組みらしいです。

そのモーモン教の熱心な信者で2012年に大統領選挙に立候補したのがミット・ロムニーさん。彼のお父さんだった人がアメリカン・モータースの社長だったジョージ・ロムニーさんです。ご存知、アメリカン・モータースは昔のハドソンとナッシュ・ケルヴィネータ社が合併して誕生した会社ですが、その後、ヘンリーJカイザーの持っていたジープ社も傘下に入れ、1970年台経営難に陥った際、フランスはルノー公団の一部となった後、続く経営不振の最中、フランス勢で唯一AMCを支持していたジョージ・ベスが同件に絡んで暗殺された後クライスラーに売却され現在に至るわけですね。ああ、ややこしい。

そのジョージ・ロムニーさん、産業家だけでなくモーモン教の宣教師としても活躍して、息子のミット・ロムニーさんもそれに倣い、学生時代フランスへ渡ります。その宗教活動中、5人載せたシトロエンを運転中、酔っ払い運転のメルセデスと正面衝突に遭い大怪我をします。

お父さんのジョージ・ロムニーさん。彼は自動車製造組合なんかの理事もしていた事もあって自動車産業には以前から関係があったんですが、お友達にジョージ・メイソンと言う人がいました。メイソンさんはウイスコンシンのナッシュ自動車の2台目代表でその巨漢とは裏腹に斬新な技術を取り入れた小型車がこれからの先を担うと言うのが信条で、戦後、昔の車体を焼き直した旧型車を皆が売っている最中、車輪を覆った風呂桶をひっくり返したような流線型のエヤフライト新型車を作ります、その後も出す車出す車、小型車に専念し、煌びやかで派手なデトロイト主流の大型車に対抗出来ず、結局1954年にハドソンと一緒になりアメリカン・モータースになった訳でした。

ロムニー氏を初代アメリカン・モータースの社長に命名したメイソン氏、でも悲しいかな、メイソン氏はアメリカン・モータース創立間もなくこの世を去ります。メイソン氏の葬儀の際、牧師としてユーロジー(回想録)のスピーチを行なったのもロムニー氏でした。

ロムニーさんはその後政界に移りミシガン州知事や連邦政府の役員を務め、モーモン教の信者の絶大なる支持を誇っていました。

話は前後しますが、元祖、ナッシュ自動車の創立者、チャールズ・ナッシュ氏が後継者を探していた際、選ばれたメイソン氏はケルヴィネータと言う冷蔵庫会社の代表をしていました。メイソン氏はそれ以前にも自動車業界には関与あったんですが、当時、各自動車会社は電気冷蔵技術の会社を傘下に持っており、GMはフリジドエヤ、クライスラーはエヤテンプ社、ナッシュ社は車両空調装置を一番最初に開発した会社ですから、チャールズ・ナッシュさんがメイソン氏を選んだのも何となくわかります。メイソン氏がナッシュ社に来る際出された条件はケルヴィネータ社も一緒についてくると言う事で、結局ナッシュは、ナッシュ・ケルヴィネータと言う、自動車会社なのに冷蔵庫の会社との兼ね合いみたいな名称になったのでした。

面白いのは小型、軽量、新技術を好んでいたナッシュ氏、戦後すぐこの流線型絵やフライトで業界のどきもを抜きますが、恰幅の良いメイソン氏も体格に反して小型車が大好きで、超小型のナッシュ・メトロポリタンの計画を進めたのもメイソン氏と言われています。

ナッシュさん、経済的な事には念がなく、その一つが車中泊装備に戦前から拘っていました。1930年台は後席背もたれを前に倒し、トランクと貫通して頭を進行方向に向け簡易寝台するのを宣伝してましたが、戦後になるともっと本格的な装備になり、専用の寝袋、開けたままの窓に張る虫除けの網など、宣伝文句はナッシュ車は車中泊ができるので宿代が浮くので経済的だと、宣伝には必ず夫婦と小さな子供を挟んで団欒した絵が描かれていましたが、若い人たちが若干異なる用途に重宝した事は容易に想像できます。。。。

子沢山で知られるモーモン教のロムニー氏が代表になった後もこの車中泊寝台はアメリカン・モータースに受け継がれ、毎年必ずキャタログには図案が描かれていましたが、ロムニー氏が政界へ去った後しばらくして、この車中泊の図がキャタログから消えたのは偶然かしら。。。

1955年型辺りのナッシュ・アンバサドーの傍に立つ、ジョージ・ロムニー氏。


ジョージ・ロムニーさんの末っ子、のち大統領候補になったミット・ロムニーさん。多分1955年型ハドソン・ホーネット。


そのミット・ロムニーさんがモーモン教の布教先、フランスで遭遇した大事故。ロムニーさんが運転。計器盤から察すると普通のDS。メルセデスの酔っ払い運転だったそうです。




ミット・ロムニーさん、大統領候補。


お父さんのジョージ・ロムニーさん、毎年アメリカン・モータースのキャタログに登場してました。


ナッシュ社の二代め代表だったジョージ・メイソン氏。貫禄がある。見かけによらず小型車に信念を燃やしていた。。。ナッシュ社がアメリカン・モータースになって程なくして死去。



メイソン氏の進めたナッシュ・メトロポリタンの試験車でご満悦。


メイソン氏は流線型もお好き。皆をびっくりさせたナッシュ・エヤフライト。


そのナッシュの車中泊、戦前からやっていました。これは1939年型。


次第に進化し、前席も寝台の一部になります。宿代節約って言うのがいい訳。


専用の網戸、寝袋、かなり凝ってました。


このCピラー、中に強固なロールバーが入っていて横転時の安全性を謳ってました。


ランブラー1963年のキャタロブ。車中泊の宣伝、最後になったのは1963年頃。子沢山で有名なモーモン教、ロムニー氏も1962年に自動車業界を去りますから、なんとなく関係しているような。それにしても皆さん、寝巻きまで着ている芸の細かさ。着替えは何処で。。。。



車中泊と言えば、フランス車は昔から座席が平らになるのは当たり前でした。
これはプジョー。


プジョーの504。


シトロエンDSと同じくらい凄かった、ルノー12。5に次いで僕の好きなルノーです。七変化シートと呼んでましたね、むかし。


英国社でもオースチンなんかは寝台になりました。


ウチで乗っていたホンダ・エレメントも寝台可能でした。やったことありませんでしたけれど。因みに北米仕様は4人乗り。日本仕様は5人乗り。


北米で絶盤になったホンダ・フィットも背もたれが完全に倒れたそうです。


最新のフォードF150の注文装備で背もたれが水平に倒れ仮眠できると宣伝されてます。


ポリネジア文化センターにあったHYトラック。


おまけ画像。
帰宅途中遭遇した素晴らしい状態のK10トラック。1983年辺りか。。。


おまけ画像。
1960年代前半のTバード。ウィンドシールドワイパーが油圧で駆動されている。。


虹が地上に触る所は、ただ単に霧雨でした。。。


昨日のカハラ・ビーチ。


例のカハラにあるヘンリーJカイザーの邸宅。彼はピンク色が好きで何から何までピンクに染めましたが、門標も例外なく。敷地は余りにも広大で高価になりすぎたので、3分割されて売られた模様。一番安いロットが$18,000,000。


そのカイザー邸宅、一番端っこがボートハウスと言って埠頭まで付いています。その残り。お向かいは有名番組の主人公、ドッグ・the・バウンテイ・ハンターのチャップマン氏のお家。家賃納入滞っているらしい。。。。


冒頭の写真はロムニー親子、ミット氏とジョージお父さん。
Posted at 2021/07/26 09:37:29 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

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