フェアラーリより速い2CV。2CVの最高速度は時速71マイル。フェアラーリ・モンデイアールが65マイルで走っていたら、2CVの方が速く走れる!
2CVとロールスロイス・シルヴァースピリット。なんと車輪の数は同じ、でも価格はうん10倍!
ポーシャ911より広い荷室!
やっぱり2CVね。
1977年にGMの一番ポピュラーで基本的なフルサイズ、Bボデー車がダウンサイズされフルモデルチェンジした時。様々な事情でGMより普通車の小型化、と言うより効率化をするのが遅れていたフォードとクライスラー。クライスラーは単純に倒産の危機が近くダウンサイズなんて贅沢な事考えている余裕は無く、フォードは2年遅れで普通車の衣替えを計画してはいたのですが、皆、GMの新型Bボデーがこれだけ成功するとは想像出来無かった様で、後から追う者、大パニックになります。
その際、フォードが出した苦肉の広告。Cボデーのキャデラックを槍玉に挙げ、ウチのLTDは、一番大きなキャデラックと同じ大きさ(でもダウンサイズされたキャデラックですよね。。。)なのに価格はダウンサイズされたシェヴォレイと同じ!と。ダウンサイズの相手にサイズと価格で挑戦しようと言う話。当然の事ながら、古めかしく見える様になったLTDの販売数は下落の途を走るのでした。。。
営業の人から言われた言葉で、真横から車体を撮影して印刷物に掲載するのは、余程デザインに自信がないと出来ないと。。昔のヴォルクワーゲン・ビートルやら1970年代の本田車がそれに当てはまりましたが、このダウンサイズされたシェヴォレイもそのプロポーション、伸びやかなライン、綺麗な線に鋭角に折れ曲がった後窓、破綻のない格好が堂々としています。これだけの寸法で2扉の贅沢さ。因みに此奴は廉価版のインパーラ。
フォードも負けちゃいられません。ダウンサイズしたLTD。撮影角度、背景がとても似てます。オペラ窓の後ろの横長の飾り、前半分の文字が描いてある所だけ、ほのかに光ります。
ダウンサイズされたシェヴォレイのカット・アウェイ図。これは未だ初期型なのでフルサイズのスペヤタイヤに全窓の昇降機構はパンタグラフのレールとローラーの機械式。1980年の大変更で窓の昇降は穴の開いた樹脂のテープで上下させる簡易式に。重量削減の為です。
因みにこの樹脂テープで窓を上下させる機構はGMが考案した物で、特許は1998年に失効しています。
後を追うフォードも似たような構造図で対抗します。昔からフォードの普通車は燃料タンクが後車軸の後ろに縦置きに配置されるのでトランクが異様に深いのが伝統。でもそのお陰で後日、クラウンヴィックの警察車が追突されると懸架装置のブラケットの一部が燃料タンクを突き刺さる位置にあり火災に発展する事が判明し、大騒ぎになりました。。。
もっと露骨に比較するのが好きだったのはAMC。アンバサドーとロールスロイスのシルヴァーシャドーの比較。いくら何でもチョット厳しい。。。
ロールスロイスより静かだから、一応フォード車も検討して下さいと。。。クラウンヴィック、じゃない、まだLTDと言われてた頃の話。
ビュイックのルセイバーからヴォルヴォ245にダウンサイズされた主婦。自分の以前の写真と現在の写真を比べて、1,000パウンズの脂肪を減らす事が出来たわ、と言うのは自分の事では無く自動車の事よ、と。。。
ヴォルヴォのターボ・ワゴンはまあ、基本的にはこの様にお考え下さい。黒塗りのランボーギーニ・クンターッシュ、ちゃんと正規輸入版になってますね。エライ。
比較して何でも自分が一番だ、と言うのが最良の案でないと問う広告。スバル、カローラ、ダットサンにVWラビット。商品比較で2位だったビュイック・オペル(いすゞジェミナイ)も良いですよ、と。でもこの広告のお陰でVWラビットの販売台数が随分増えたとか。。。
比較する車が冴えなかった。。。VWダッシャー(パサート)。 でも比較された車はもっと酷かった。この頃ポンテイアックは輸入車との経済性比較を毎回出してました。
フォード・グラナーダは執拗にメルセデスとの比較を展開してましたね。まあ実際の所、全然比較の対象にならない車種なんですが、でもそれを主張する理屈が結構面白かったりして。それにグラナーダは開発時、寸法をメルセデスのW114を目標にしていたと言う話でした。これ宣伝に使われたのはクープ版のSLC。1980年代初頭で廃止になりました。フォードは興味深い事に、2扉のクープやらは窓のフレーム桟を残すのが伝統と言うか非常に好きで、このグラナーダは勿論、フォックス車台に移行したマスタングも窓のフレームは残されていました(Tバー屋根仕様は除く)この点、GM系は皆フレーム無しのスッキリした格好。
モデル末期の1978年になってもメルセデスとの比較。どうだい、格好似ているだろう! でもグラナーダって結局は1960年代に設計された小型車マヴェリックの皮を新しくしただけだろ?って言われたか言われなかったか。このメルセデス(280SE )とのギャップの深さが当時のフォードの焦りを表している様に感じます。
矢張りメルセデスにコンプレックスを感じるのは何処でも同様らしく、1988年から始まったキャデラックの宣伝キャンペインは、その名も ”キャデラック・スタイル” TVの宣伝で ”キャーデラック、キャーデラック、キャーデラック・スタイル” と歌う背後で、紳士淑女が競馬、帆掛け船、演奏会などに颯爽とキャデラックで乗り付けるのですが、大失敗の惨めに縮んだキャデラック車の中で一つだけ輝く願いを込めてたのが、2座スポーテイー車のアランテでして、このキャンペインで沢山使われました。特に目の敵にしていたのがメルセデスのSLで色眼鏡をかけた女性がSLの運転席から追い越して行くアランテを羨望の眼差し、でも色眼鏡で見えない、で追うのが印象的で今でも覚えています。興味深いのはそのSLで、黄色の前照灯、進入不可の標識からしてどうもモナコ辺りで撮影されたのではないかと。まあアランテはイタリヤで製造された上、欧州でも販売された筈なのでそんな所から来ているのかもしれません。
尾翼が聳え立つ前夜のキャデラックは1958年型。サンフランシスコですね。コイト・タワーは見えますが、現在の高層ビルは一つもありません。
ああ、こう言う時代に戻りたい。
1960年型、カジュアルなデヴィル。セスナ機の翼の下で何やらチャートを見ています。翼の形状からしてセスナの172。機体番号N6225E。そこでこの機体を調べてみると。。。
実機の写真は見つかりませんでしたが、1959年式のセスナ172型機と判明。2004年まで同じ登録番号で飛び続け、2004年の暮れにケンタッキー州で墜落大破していました。長寿。同じ年式の機体の宣伝。
Posted at 2022/04/11 15:57:05 | |
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