
今日は祝日、大統領の日、本当はリンカンとワシントン大統領の誕生記念なんですが、2月の第3月曜日にやると言うしきたりなので、両大統領の実際の誕生日とは多少ズレます。明日は満月でぼくらの知る元宵節。旧暦正月から15日目は春節の終わりを告げる日で、台灣なんかでは灯篭を空に飛ばすので有名です。
リンカンと言えば(何故か日本ではリンカーンと長めに呼ぶようで。。)フォード最後のフルサイズの車台、パンサー・プラットフォームの生産が終わってから早くも8年になります。GMが本当のフルサイズ車から1996年に撤退してからはこの、パンサー系の車輌がのち15年間、大型セダーンを要求する需要に対して独占場の状態になり、結構な数の車輌が生産されました。
生産終了にあたり死活問題にまで発展したのはリヴリー業界、タクシー・ハイヤー・リムジンなどと警察でした。あるタクシー会社はクラウンヴィックを数百台を買い占め保存、徐々に数年後にこの ”新車” を営業に出したり、あるニューヨーク市地区のリムジン屋さんもタウンカーを数十台買い溜めしておいたものの、不意の洪水で全車水に浸かっちゃったとか言う話も聞きました。
買い溜めされたタウンカー群
まだGMのBボデーが売られていた頃、業界の通説はやはり、カプリースの方が力もあるし、車体のバランスも優れていてフォードは劣ると言うものでしたが、Bボデー生産中止後、フォードは何故かパンサー車台の改良に本腰を入れ出し数回の改良、特に最終型は前ブレーキがデユアルピストン式になったりサスペンションの改良、ラック&ピニオンの操舵系に成長した奴は乗り心地をそのままに操縦性が劇的に改良され (法改正対応の変更だけでなく、実質改良は最後の最後まで実施されていたのも感心)、さらに贅沢にリンカン・タウンカーには長胴型のLシリーズ、フォード版のクラウンヴィックにも営業用(タクシ)にも長胴型が開発されました。安定した需要があった中東には中東仕様があって、特殊装備搭載で人気でした。
中東仕様にあった特別ラジエータ・グリル
リヴリー仕様の短胴と長胴。
タウンカーの短胴と長胴体 L 仕様
ぼくも2005年、デスヴァレーでの撮影業務の際、追従車のリンカン・タウンカーをロスアンジェリースで借りて合計2000キロ強を走りましたが、この時程、パンサー車台の凄さを見せ付けられた事はありませんでした。横風でもビクともしない直進安定性、路面のエクスパンションジョイントをかわすサスペンションのブッシングの設定、摂氏48度での空調性能、座席の構造、急旋回時操舵入力を入れた後の傾斜安定性、これでもか、これでもか、刻々と変わる運転環境に、タウンカーは表情崩さす澄ました顔でスイッとかわす。もう新車では体験できないあの経験、非常に貴重な時間でした。。。
操舵がラック&ピニオンになり操縦性が劇的に改良されたモデルは平坦なホイール車輪表面で判ります。それまでは深いデイッシュ形状でした。
日本でも知る人は知ると言うか、自動車産業に深い人は結構大きな米車のセダーンを愛用してるんですよね。。。あの巨匠、五十嵐平逹氏も(近頃の自評自動車評論家とは全く次元が違う。。)ビュイック党だったそうで。
話によると現在でもタウンカー、クラウンヴィックを専門に ”再生” する業者がいるそうです。いいな〜。
はみ出し情報: 我がハワイ州のオアフ島にはリンカンのデイーラーは一軒も無いんです!マウイに行けばあるそうですが。でも普通のフォード店で通常整備できるのでご安心を。
Posted at 2019/02/19 06:21:01 | |
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