
火曜日の朝は本社と電話会議があるのですが、何せ当地、持ち株会社と時間差が6時間もあるので、火曜日の朝は起床するのが朝4時45分なので、一日中頭が朦朧とします。ってな具合なので今日のブログもまたキャデラックに関して。。。。
近代に入り我々中年はXXX車は昔と変わってダメになったとか、自分の周りでは特に今のシトロエンは昔のシトロエンじゃ無い(メルセデスも同様)と嘆くのをよく聞きますが、まあ、ごもっともな話では御座いますが、時代の流れに上手く乗れないと結局は本末転倒なので、最新型VWゴルフが昔のクラウンと同じくらいの寸法になろうとも、川の流れに追いつけない自分を見ては悶々としている次第でございます。
特に変化で非常にためらうのは車両名称の変更です。ダットサンを辞めニッサンに。コローナを辞めてプレミオに(ぼくの好きな4扉車の一つ)。一番有罪になるのは矢張りキャデラックやリンカンを三文字にしちまった経営陣でしょう。長い間、高級車は車名の響きだけで確実に上下の関係が即判断でき、その名前の響きに憧れ、恐れ、尊敬をしていたのが、多分欧州車に影響されたのか、初めは標準モデルのサブネームだったのが逆になり、購買層は混乱。新しい顧客を取り入れる事だけに熱中したこの経営陣は数年経つと他社へ移ったりで悪改名だけは残りますから始末が悪い。。。1980年代後半に始まったキャデラックのDTSやらSTSの命名がまた今度変わるそうで、最初のアルファベット二文字の後に数字が一つ。再度残念と思っていましたが、その名の与えられる新型キャデラックを見たら、あんなもんに伝統ある昔の名前つけない方が余程いいと感じて、ナットク。歳をとるのって嫌ですね。。。。
今日は1985年に再びダウンサイズされたキャデラックのお話です。
既に第一次ダウンサイズが行われた1977年からデヴィルもフリートウッドも同一車種になり、二つの違いはただトリムと装備が変えてあるくらいの興ざめ状態で、1985年の小型化の際にも変更は無く、110.8インチのホイールベースに寸ずまりの角っぽい車体は1977年の変化の時に比べ、大幅な販売台数減少に見舞われました。
そこでフリートウッドのお客さんの要望に応じて1987年型から、フリートウッドよりさらに上級車種を設け、昔懐かしい
Sixty Special 仕様を出します. これは老舗のコーチビルダー、ヘス&アイゼンハード社に委託製造されて、Bピラー以降を切って貼って5インチの延長をして115.8インチのホイールベースに改造、後席ヘッドレスト、後席天井には折り畳み式の鏡、後席フットレスト(1977年からの復活!)ABSブレーキ標準装備、ステインレススチールの排気管、それに延長部分の継ぎ目を隠す為のパデッド・ルーフ(セヴィルと同じ)などなど。値段もデヴィルと同じ長さのフリートウッドよりさらに高く、オマケにこの長胴仕様はたったの2年間だけの生産で終わっちゃったんです。文句の多かった普通のデヴィルとフリートウッドが1989年に113.8インチのホイールベースに統合された際、Sixty Special も同じ車体になり(お陰で2インチ短くなった)Sixty Special の名前は残りましたが、単なるフリートウッドの豪華トリム仕様に終わりがっかりです。
1987年式、普通のデヴィル。
1987年式、このフリートウッドも廉価版のデヴィルと長さ同じ。エレガンスはオペラランプ付き
同じ1987年式でもフリートウッド Sixty Special は5インチ長い特別仕様。後扉のドア取っ手の位置が違うのと、後扉の窓枠が幅広なのが判ります。フリートウッドにはパデッドルーフ有無両方ありましたが、1987と1988年式のSixty Special は切り貼りして車体延長しているので、溶接継ぎ目を隠す為、全てパデッドルーフが標準です。
1989年式からデヴィルもフリートウッドも Sixty Special も全ても同じ長さ。
これは1992年式のデヴィル。
これは1992年式のフリートウッド Sixty Special、デヴィルと普通のフリートウッドと長さは同じ。翌年のモデルからフリートウッドの名称はこの前輪駆動車体から消えます。フリートウッドは差別をはかるために後輪にフェンダースカートがついてます。
面白いのは同じ頃イタリヤで作られていたピンファリーナ製のアランテと同様に、イタル・デザインのジョージェット・ジウジアーロさんが1989年型のフリートウッド Sixty Special 用に22ウェイパワーシートをデザインするんです。デトロイトの自動車にイタリヤの内装!それも手で選ばれた厳選された牛革が座席だけではなく内装にふんだんに使われ(通常GMの革座席は ”着座面革張り” と但し書きが書かれて広告されている) 序でにと同じ頃のビュイック・エレクトラの最上級仕様ウルトラにも同じ機構の座席が用意されました。特にビュイックのは凝っていてキャデラックと同様、基本の座席制御は扉の肘掛けに付いているのですが、細部調整は座席中央をかバット引き起こしタッチパネルを操作するのです。このタッチパネルは例のオペラランプと同じエレクトロルミネセン方式で灯られているので、操作パネルを引き起こすとスイッチが入りバッテリー電圧が37V交流にインヴァータを用い圧昇され作動すると言うからくりで、意外と堅牢設計みたいでした。。。その代わり星の数程ある座席内の空気袋が経年変化で空圧を保てず、って言うのは仕方なかったのかも。。。。
ジュージアーロ・デザインのキャデラックの22ウェイパワーシート。
下部の飲み物置き場は電動でせり出します。
こちらは基本的に同じ座席ビュイック仕様。
ビュイック仕様の基本操作は肘掛けに。
細部調整はコチラで。。。
ビュイックの後席。足置きはないのね。
この車体最後の年、1993年はフリートウッドの名称は後輪駆動の大きい従来型キャデラックに譲られ、前輪駆動の1985年から続いた方はデヴィル、フリートウッドの代わりはSixty Special, 一番豪華でこの特別座席装備の奴だけ
Sixty Special Ultra と名前を変え最後になり、翌年から大型化された前輪駆動車体に衣替えをします。。
短胴故に文句が出た所で、コーチビルダーは待ってましたとばかりに色々企んでは見るのですが。。。。このマローニー社のストレッチは繋ぎ目から錆びたり工作水準の低さから評判よくなかった様です。面白いのはホイールベースを延長しただけでなく、後ろのオーヴァーハングも伸ばして何とかバランスを保とうとしている試み。。
キャデラックの最新型。。。。目もあてられない。。。。。嗚呼、神よ!
産みの親が同じだったのかしら。。。。此方はニッサン 。
オマケ。以前フォード・マスタングの次期提案にランボー型とブルース・ジェナー型があったのは有名な話でしたけど、このフォックス・シャーシに生まれ変わるマスタングの提案。。。。
あっと思う程、これに似てませんかねえ。。。。あの初代ソアラーが登場した時、衝撃でした。。
いいな〜、サイズも手頃な2扉車。ハードトップなのがエエ。
Posted at 2019/08/07 09:56:57 | |
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