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2020年05月13日 イイね!

もう一つのフルサイズ。前篇。

もう一つのフルサイズ。前篇。日本の人々が合衆国に対する印象って常々に思うのですが、現実とはかなりかけ離れていて、ロスアンジェリースやらニューヨーク・シテイーみたいな大都会はほんの一部だけでありまして、全国殆どは農村、田舎町と荒野でありまして、兎も角50ある各国々が一体となって合衆国なんですから、勿論気候、地形、人種も異なりますし、それぞれ言葉、習慣、食べ物も場所によっては全く違います。でも大雑把に見てみれば依然として我が国はアジアより格段に保守的、宗教的、かつ愛国心が強いと思います。

その保守的な社会の中では確実に格差と順番が決まっており、それを代表するのが自動車の種類とサイズでした。あのお家はシェヴォレイのシェヴェルに乗っていると聞けば即、その家庭の財政的な位置、思想から年齢層までかなり正確に想像できたもんでした。


キャデラック、子供やら奥さん同伴なんてのもあるんですが、こうやって設計図を丸めた建築家みたいな人もよく登場するんですよね。。。。


その格差制度の崩壊が始まったのが矢張り、ダウンサイズと言う言葉が流行り出した1970年代中頃です。 ”世界サイズになりました” と広告していた初代キャデラック・セヴィルなどは異端児としても、単にスタンダード車、言い換えれば標準車だったフルサイズ車が最初に縮んでからと言う物の、数年はミッドサイズ車がフルサイズ車より大きかったり、見た事もないへんちくりんな輸入車が突如フルサイズ車になったりと混乱が続きます。それまではミッドサイズ車は大体車軸間が112ないし118インチ、それ以上はフルサイズと呼ばれていましたが、GMのC/B車台が縮小された際、GMは政府に働きかけて車格を車軸の距離で分けるより車内容積で測りましょうと働きかけ法律を変えちゃったんです。

とは言え、この車格の定義も数種類ありまして、一番一般的に使われるのが環境保護庁が使うこの車内容量の数字以外にも、全国高速道路安全協会 (NHTSA) で使われる車両規格、保険機構高速道路安全委員会 (IIHS) とかは皆、基準がバラバラで、NHTSAは乗用車が3,500パウンド以上が”重量級”として扱い、独自に衝突実験を行うIIHSは車両占有面積を使います。

占有面積、5平米カー。覚えてますか?初期型シャレード、ヨカッタな〜。


環境保護庁が使うこの車内容積は、車内とトランクの容積を足した物で、120立法フィート以上がフルサイズ車と見做されます。これも少しトリックがありまして、車内容量が少し狭くてもトランクが広ければフルサイズ車と胸を張って威張れたりできます。

それが1984年に発売されたサーブ9000で、小ぶりな車体で客室容量が102立法フィートに対して荷室が24立法フィートなので、ロールスロイスを除いて輸入車で初めてのフルサイズ車になりました。



この頃になると既にフルサイズ、ミッドサイズなどの縮尺で自動車を選ぶ人が少なくなり始め、製造元も此奴はフルサイズだ!なんて宣伝もしなくなり、まあ1980年代までは6人乗りだ!っと主張していた宣伝はありましたが、その後、3列座席の多目的車の普及で6人乗りの意味もすっかり失われた現在であります。



合衆国で最初の前席ベンチシートの6人乗り日本車はトヨータ・アヴァロン。(厳密に言うとケンタッキー州の米国車)1994年から2012年まではフルサイズ車でした。室内容量107、トランクが14それぞれ立法フィート。現行型は総計119立法フィートのミッドサイズに降格。



いくらか以前の浮世だった ”スタンダード車” と呼ばれたシェヴォレイのBボデー車は室内110にトランク21立法フィートと堂々たる正真正銘のフルサイズ。


世界を揺るがした1989年の初期型レクサスLS400は不思議な事にミッドサイズでした。室内が97、トランクが13立法フィート。現行型も二輪駆動型で室内99とトランク13のミッドサイズ。


リンカンのタウンカーが2011年に消えたので、シェヴォレイ・インパーラは2013年型が我が国で買えた最後の6人乗りフルサイズ・セダーンでした。


一応これでも3人がけ。


これも去年製造終了したフォード・トーラス。室内102とトランク20立法フィートでフルサイズだっただけでなく、最後まで頑なに5マイルバンパーを死守した自動車でした。まあ、警察車両に使われる車種だったので必然的だったのか。。



現在もフリートやらにか細く未だ売られているクライスラーの300もフルサイズ。室内106、トランク16立法フィート。


今日の変態車。その昔、ポンテイアックのフィエーロを改造してフェラーリなどにしていたミシガン州にあったコーポレート・コンセプツ社が数台作ったその名もルテナント。前半分がいすゞのエルフ、後半分がGMのC/Kピックアップトラック。矢張り両方GM系のせいか、チグハグなのに何故か似合ってる。。。





GM、フォード、クライスラーの他に、長い間第四の自動車製造会社だったアメリカン・モーターズAMC, は事実上フルサイズに値する車種を二つ持っていて、一つはマタドー、もう一つはアンバサダー。このAMCのお話は次回にお預け。何とAMCとトヨタが絡んでます。。。。。



Posted at 2020/05/14 10:43:50 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

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