最後の大型リンカンと言っても2000年代のタウンカーの事ではありませぬ。フルサイズ車が本当に大きかった頃のハナシです。
そのリンカンもダウンサイズされる事になり、最後の華よと、フォードが世に出したのが、4扉コンチネンタルと2扉のマークVに追加された、コレクターズ・エデイションと言う注文装備でした。これが普通の注文装備パッケージだったのか、それとも限定だったのかが疑問なんですが、多分限定ではなかったみたいです。
この頃のリンカンはこう言った内外装を着飾った特別仕様車が得意だったのですが、このコレクターズ・エデイション、余り宣伝もされていなかったの不思議ですが、その特別装備ですね。まあ座席が山羊さんのカシミヤを混ぜた豪華織物を使っているとか、計器盤一部が革張りだったとか、色々あるのですが、ぼくが卒倒しそうになったのは、絨毯なんです。
知る人ぞ知る1979年、フォードは絨毯の品質に問題があって色々苦労してたんですが、この特別仕様のリンカン。昔の自動車の絨毯はちゃんと毛足が生えている絨毯で、その毛足が一旦上に出て繋がったまま下生地に戻ってくる、所謂ループ・パイル、そのループを宙で切ったカットパイルやらあるんですが今は全く毛足もなにも無くて、ただザラザラした合成樹脂の繊維を張り巡らして糊で形成した物を使ってるのが残念です。軽量で製造容易、遮音性に優れ安く作れ、製造組み付けも簡単です。
でも昔は(ごめんなさいね、昔の話ばっかりで)ちゃんと絨毯、それも各級があって、特にフォード車はフルサイズ車には18オンスのカーペットを使ってますと誇らしげに言ってました。だがこのリンカンの特別仕様車は違うんです。
普通のリンカン車が18オンスの絨毯を使っていた時分になんと、36オンスの絨毯を使っているのでした。それだけでは終わりません。まあこのクラスの高級車になるとトランクにも絨毯が敷かれているのは不思議ではないのですが、この特別仕様は何とトランクに敷く絨毯が、通常室内に使われている高級の18オンス絨毯なのです。それでも満足しなかったのか、トランクリッドの内側まで18オンスの絨毯が貼られているのでした。
この豪華絢爛さ。まあ一般消費者が見ればただの貨物室でしょうが。。
普通?のリンカン。格段に座布団の枚数が減りますね。
今時高級車の宣伝に、どう言った絨毯が使われいるとか、座席の生地がどう言った織物で作られているとか、絶対出てきませんから。そういう世の中、良くなったのか、悪くなったのか。。
この余り知られていなかった特別仕様、生産台数は12,673台。今では何台残っているか。。。。。
リンカンはあれだけデカイ図体でいながら扉の窓枠が無いスポーテイーな振る舞いが素敵でした。日本の古い犯罪物の番組を見ると結構出演しているので、当時はキャデラックより人気があったのかもしれないですね。
この C.W. Ramsay と言う人。日本フォードの社長さんと察しますが、彼のバイオが全然見つからないんです。何処から来た誰だったのでせうか。
おお、久しぶりにシェヴィー・ノーヴァを目撃。20年ほど前、同型青色のノーヴァをタクシーで運営している人がいたんですけど、もう無くなっちゃったみたいです。ハワイでは昔、数台しか保有していない小さなタクシー会社があちこちにあって、所謂流しではなく、小さなギャラージで待機していて、電話が鳴ったら出て行くと言うのが普通でして、その名残のタクシー屋さんの駐車場がまだ2、3件残ってます。

Posted at 2024/10/07 03:20:54 | |
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