暮秋の月も中頃になった連休前日の朝。秋色めいた霞みがかった空の下、ゆっくりと朝食を済ませ、自宅のパーキングスペースへ。ボディカバーを取り外し、Z4の狭いトランクに5日分の荷物を詰め込みます。イグニッションボタンを押し込むと、ボンネットに収められた6つのシリンダーが活動を始め、甲州街道を都心方面に進みながら暫し準備運動。途中でパッセンジャーをピックアップし、首都高から東北自動車道へと乗り込みました。
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ハイウェイ・トラバース
今回は9月下旬の3連休にかこつけて有給休暇を思い切り放り込み、東北エリアを走り回る魂胆です。平日スタートなので道中は空いているかと思っていましたが、意外にもトラフィックは多く、観光車両やトラックと数珠繋ぎになりながら北上。お昼を回ったあたりでSAに入り、持参したお弁当でのんびりとランチタイムを過ごしました。
宇都宮を過ぎたあたりからは交通量は激減し、マイペースで進行。今日は裏磐梯にある宿へ向かうだけであり、早く着き過ぎるのもどうかと思い矢吹ICでアウト。国道294号線で天栄村を経由しながら猪苗代方面へとスロットルを開けていきます。
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背あぶり山
緩やかな曲率で描かれたツアラーラインを堪能し、郡山市内へと合流。県道374号線に寄り道し、背あぶり山公園を目指すことに。勾配の付けられた中低速の林間路はバラエティに富んだレイアウトとなっており、やや荒れた路面に注意を払いつつ、嬉々としてターンインを繰り返します。標高870mのヒルトップからは霞んだ空気の先に会津や郡山の市街地が微かに見え、誰もいない静寂に包まれた奥深い山並みを眺めながら小休止。背あぶり高原にはキャンプ場もあるので、真夏の避暑地として利用するのも良いかもしれません。
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暮方の裏磐梯
時間が止まったかのような景色を楽しんだ後は来た道を戻り、猪苗代湖のアウトラインを形成する県道376号線でレイクサイドラインに興じます。ガソリンスタンドでZ4にハイオクガソリンを注入し、国道115号線・459号線で裏磐梯へ。凸凹が多くKWのサスペンションだとかなりお尻に響きますが、夕暮れに染まった桧原湖の傍にあるペンションに到着です。
メルヘン調の宿の夕ご飯はなかなか美味であり、持ち込んだワインも進み、すっかり暗くなった夜空を眺めに外へ出るとさすがに冷え込んでおり、星座鑑賞もそこそこに熱々のお風呂へ飛び込むのでありました。
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グランド・ツーリング2日目。裏磐梯の夜はその標高ゆえ予想以上に寒く、久し振りの布団に包まり快眠となりました。高原の朝の空気は実に爽快であり、曇りがちな空ではありますがマイナスイオンたっぷりの森を散歩します。
ペンションの美味しい朝ご飯を頂きチェックアウト。暖機を済ませたZ4に乗り込み、iDriveナビゲーションシステムに目的地を入力。まずは白布峠に通じる県道2号線へと向かうことにしました。
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西吾妻スカイバレー
元有料道路の西吾妻スカイバレーだった県道2号線は、磐梯エリアの有名所の道の中ではややマイナーかもしれませんが、バンク角のついた屈強なヘアピンカーブが連続するタフな上りが特徴的です。東鉢山七曲りと称される九十九折のスネークラインを駆けあがり、中腹のパーキングスペースに車を止め走ってきた道を見下ろすと、アスファルトで構成された羊腸路の背後に、青々とした桧原湖と標高1,816mの磐梯山が悠然と座していました。
県境を越え山形県側に入ると、ここからは前半で稼いだ標高を一気に払い戻すダウンヒル。日差しも少ないのでハードトップを開放し、麗しい高原の風を纏いながらオープン・エアの快感に身を任せます。風にたゆたう木々の擦れる音や鳥の囀り、やや湿り気を帯びた自然の薫りが頭上から降り注ぎ、ステアリングを握るドライバーは終始ご満悦。緑豊かなネイチャービューを楽しめるコースを走る時は、やはりオープンに限ります。
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月山越え
総延長30kmに及ぶ山岳路を楽しんだ後は、最上川とクロスラインを描きながら国道287号線で北上。国道112号線月山花笠ラインにスイッチし、仁田山放牧場に寄り道しつつ、豪快に月山越えを敢行します。交通量は多いですが、要所でスロットルを踏み込み、タコメーターの針を無駄に旋回させながら月山第一トンネルへ。6つのシリンダーから放たれる各々のアリアは、楽譜をなぞるようにアンサンブルを奏で、聴覚に痺れるような快感をもたらします。
幾つものトンネルを潜り抜け鶴岡市へと入った後は、広域農道庄内こばえちゃラインを選択。日本海側は雲が多いものの、頭上は青空が顔を覗かせており、風光明媚な直線路をのんびりと流していきます。稲穂が輝く金色の絨毯は秋の到来を醸し出しており、心地良いファストランとなりました。
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出羽富士
道の駅しょうないでトイレ休憩を挟み、メタルルーフをトランクに収納したドイツ製カブリオレは県道210号線鳥海ブルーラインへ足を踏み入れます。ドライビング・ダイナミクス溢れる起伏に富んだ林間路の中、右足の踏み込みに応えるようにZ4は加速を続け、標高を上げていくにつれてキャビンには冷涼な風が流れ込み、否が応にもボルテージは上昇。ドライビング・プレジャーを謳歌しながら稜線に出ると、高低差のある雄大な景色が眼前に広がります。
空気は霞んでいるものの、青々と茂る樹海の先に日本海を一望することができ、標高2,236mの鳥海山の山肌は僅かに色づき始めておりました。
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ウィンドファーム
県道131号線で海原へと落ちていくようなダウンヒルを駆け秋田県に突入し、すぐ傍にある仁賀保高原へ。ウィンドファームで有名なスポットですが、総出力24,750kWを絞り出す15基の巨大な風力発電機は、時計の秒針の如くスローペースで回っていました。ススキの穂がゆらめく秋めいた色彩を放つ標高500mの高原の涼風は極上であり、ツーリング・エッセンス満載のひとときが流れます。ここにはキャンプ場も立地しており、きっと避暑地にはうってつけでしょう。
煌びやかな草原に引かれた魅惑のスラロームを1往復半走り、駆け抜ける歓びを謳歌。これだからグランド・ツーリングはやめられません。
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世界三景
県道32号線で市街地に復帰した後は、日本海東北自動車道の無料区間を活用しつつ北上を続けます。羽越本線と並走する国道7号線をトレースし広大な八郎潟を抜けると、県道55号線寒風山道路に到着。信号待ちの間に20秒のシークエンスで屋根を開け、斜陽を浴びながら芝生に囲まれた絶巧のワインディングを駆け抜ければ、もれなくドライビング・プレジャーが炸裂です。
ヒルトップに到着すると、稜線へと消えていく夕日が広大な干拓地を照らしており、隠着沈黙の時間が流れる美しいサンセットタイムを堪能。肌寒いものの風は穏やかで、霞がたなびく秋の風景に一抹の寂しさを感じつつ、四輪車ですがラリー帳3ヶ所目を制覇です。
逢魔時は過ぎてゆき、国道101号線を流して能代市内にある本日の宿に到着。ホテルの1階にある食事処で夕飯を頂き大浴場で1日の汗を流し、明日の天気予報と地図を睨めっこしながら2人の晩酌は進むのでありました。
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BMW Z4 | 日記
Posted at
2017/10/21 20:21:00