
年を重ねる毎に1年というのはあっという間に過ぎ去るものです。例に漏れず懲りもせず、今年も日本列島の津々浦々をZ4と共に走り回りました。日頃の喧騒から逃れるように、週末のデイドライブから長期に渡るグランド・ツーリングに至るまで、シチュエーションは様々ですが振り返ってみると無駄にも思える程出掛けているものです。
財布の中身がハイオクガソリンと高速料金に持っていかれる代わりに得られるドライビングプレジャー。昨年・一昨年に続き三番煎じになり恐縮ですが、今年1年で駆け抜けたコースの中で、ドライバーが笑顔になる「道」にフォーカスしてみました。なお選定においては公平公正など微塵もなく、勝手気ままにセレクトしておりますので、極めて偏向したラインナップである事はご容赦下さい(伏)
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県道512号線 青山高原
年明けから間もない1月初旬に敢行した
紀伊半島ツーリング。布引山地へと続く県道512号線は、32基の巨大な風力発電機を眺めながらのハイランドロードです。真冬でも比較的温暖な紀伊半島は、冬季ツーリングの定番となっており、2年連続での訪問となりましたが、キリッと引き締まった高原の空気を頭頂部で感じながら、勾配が付けられた緩急溢れるワインディングを走れば、ドライビングプレジャーが炸裂。ターコイズブルーに輝く伊勢湾を眼下に収めながらのオープン走行は快感そのものです。
国道163号線へ抜けるダウンヒルは凍結しているので往復でのランとなりますが、南北約10kmに渡る緑の海原を駆け抜けるインプレッシブなコースでした。今度は季節を変えて走ってみたいものです。
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県道251号線 赤城ヒルクライム
初春の山間部の路面状況チェックのため、
3月に訪れた赤城山。ヒルクライムはいつもこの県道251号線と決めています。17kmに及ぶアプローチは、これでもか!という程の曲率で構成された九十九折の羊腸路であり、ボンネットに居座るN52B25A型ストレート・シックスエンジンの咆哮に心震わせられながら、雪月風花に彩られたドライバーズロードを謳歌。山肌は卯の花色に覆われ、路肩には残雪が見受けられましたが、AC&シートヒーター全開で頭寒足熱の悦楽に浸るのでした。
ボードコンピュータが示す外気温は0℃近くであり、そんな寒い中屋根を開けて走るなんてどうかしていると思われますが、晩冬の候がカブリオレにもっとも似合う時期であります。
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南阿波サンライン
ゴールデンウィークの
グランド・ツーリングで訪れた徳島県の海沿いにレイアウトされた県道147号線・南阿波サンライン。ツーリングマップルでも、海に飛び込んでいくようなコーナーリングがスリリング!とおススメされており足を運んでみましたが、ドライバーの心を擽る絶妙なシークエンスに思わず感嘆の声を上げてしまいました。
元有料道路という事もあり、路面は比較的スムーズで走りやすく、リアス式の断崖絶壁の上をオープン・エアで疾走すれば、否が応にもドライビングプレジャーが高まります。燦々と降り注ぐ陽光と群青色の海、皐月色の新緑が組み合わされたGT屈指の「道」。こんな気持ち良いコースがあるのに内陸部の国道を走るなんてもってのほかです。
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カルストへの道 東津野城川林道
四国・隠岐GTで訪れた
カルストへのアプローチライン。リズミカルに現れるコーナー、起伏に富んだスラローム、眺望素晴らしいストレートラインと盛りだくさんであり、ドライビングを楽しむという点では、メインのカルスト台地よりインパクト大でした。そんなドライビングプレジャーが20kmも続くわけですから、ステアリングを握る者にとってはまさに桃源郷。Z4のリアに追突され若干テンションが下がっていた所に出会ったドライバーズロードであり、GT続行のモチベーションを一気に高めてくれた道です。
この日はカルスト台地で宿泊し、翌日と合わせて2往復ガッツリ堪能させて頂きました。いやはや、日本にはまだまだ走るべき道がありますね。
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国道352-401-289-121号線 南会津
春の歌声が響く4月に足を運んだ
南会津。奥只見湖をなぞる樹海ラインはまだ冬季閉鎖中だったので、南会津が誇るローカルロードを時計回りに走りました。
70kmに及ぶロングツアラーロードは、緩やかな曲率が付けられた胸のすくようなストレートライン主体であり、オープンエアスタイルで駆け抜ければ、痺れるような快感に満たされ、ドライバーの口元は緩みっぱなし。無心になってステアリングを操り、ただひたすら白いセンターラインを追いかけていく。取り立てて観光地があるわけではないのですが、ドライブに没頭したい時にはうってつけだと思います。
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石鎚山スカイライン・瓶ヶ森林道
カルスト台地が四国の屋根ならば、
石鎚山スカイライン&瓶ヶ森林道はさしづめ四国の背骨と言った所でしょうか。
前半の石鎚山スカイラインは、大小様々な曲率のコーナーで構成された中低速ワインディングで、タコメーターの針をレッドゾーンに突き刺しながら、クイックな切り返しを駆け抜けます。眺望が優れているわけではありませんが、ロードレイアウトは秀逸であり、小気味良いターンインを繰り返す度にドライビングプレジャーが炸裂しまくるのでした。
後半の瓶ヶ森林道は、林道とは名ばかりのしっかり舗装された1.5車線路。奥深い森の中を延々と進んでいくと、パッと視界が開け、山肌をなぞる雲上のスカイラインが待ち構えていました。石鎚山を軸とした連峰が織り成す壮麗な景観美を横目にしながら、尾根伝いにのびる山岳路をオープン・エアで走れば、そこはもう悦楽の境地。アクセルを煽る必要のない、いつまでも走っていたい、そう思わせてくれる空への架け橋でした。
天気の移り変わりが激しい四国ですが、カルストに引き続き快晴に恵まれたのは、日頃の行いのおかげでしょう(違う)。
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日光山王林道
6月に訪れた
日光で出会った道。
cocoichiさんのブログでその存在を知るにあたり、これは走ってみるべきだと朝駆けに至った次第です。国道120号線から脇道へ入り、木漏れ日が注ぐエントランスをくぐり抜けると、広狭多彩な20kmに及ぶ1~2車線幅の林間路がお出迎え。路面はガレている箇所は見受けられますが、砂利が浮いているような所はなく舗装されており、オンロードタイヤで十分問題なく走る事が出来る林道です。
シャープな切り返しが続くかと思えば、緩やかなリズムのスラローム、果ては猿の集団が闊歩する断崖を縫うアドベンチャー路まで登場し、とてもスリリング。観光バスで混雑する中禅寺湖方面を走るより、川俣へ抜けるこちらの道の方が遥かに刺激的であり、日光エリアを訪れる際はリピート間違いなしでしょう。
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牡鹿コバルトライン
気怠くなる程の暑さから避難するために
東北地方へ足を運んだ7月。牡鹿半島の尾根伝いにのびる県道220号線牡鹿コバルトラインは、ツーリングマップルでお勧めされている風光明媚なドライバーズロードです。距離はそれほど長くないですが、その名を体で表す色鮮やかなコバルトブルーの海原が眼前に広がるシーニックラインであり、これだけで足を運ぶ価値はあるかと。
しかし牡鹿コバルトラインの真の醍醐味は、等高線をなぞるようにレイアウトされた軌道の妙であり、風にたなびく羽のように現れるライト・ターン&ショート・ストレートに、ドライビングプレジャーが右脳を刺激します。いやはや、このシークエンスは反則級です。路面はアンジュレーションも少なく、ボンネットに収められた6つのシリンダーから放たれるトラクションを全身で感じながら、心躍る極上のワインディングを駆け抜けました。
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西伊豆スカイライン
関東近郊で1年を通じてドライビング・ダイナミクスを楽しめる所と言えば、西伊豆スカイラインは上位に食い込んでくる事でしょう。今年も何度か足を運びましたが、7月にはサスペンションをKW社製へ換装した際の
インプレッション目的で走りました。
駿河湾沿いの県道17号線から真城峠越えの県道127号線へとスイッチし、スピードレンジの高いヒルクライム・ダウンヒルを疾走し、九十九折の低速コーナー中心の県道18号線をトレース。そして、稜線上のスカイラインとなる県道127号線・411号線へとアプローチするこれらのコンビネーションは、何度走っても飽きる事はありません。
N52B25A型直列6気筒エンジンのナチュラルな加速から、コーナー手前でブレーキで減速、ステアリングを切り回し、ターンアウトからスロットルを開放!馬鹿の1つ覚えみたいにこれを繰り返すだけですが、ドライビングプレジャーは炸裂しっぱなしであり、30kmに及ぶ西伊豆縦断路はまさに桃源郷であります。
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ナイタイ高原への道
お盆休みに10日間に及ぶ
北海道GTを敢行しましたが、やはりナイタイ高原は外せません。広大な丘陵地帯に引かれた1本の線は、起伏に富んだスラローム形状を誇り、北海道のスーパーストレートに慣れてきた頃に走るとその存在感は倍増。特に大きな弧を描きながら空へと飛んでいきそうなバンク形状のカーブはこの道のハイライトであり、素晴らしい道+美しい景色+頬を擦る涼風=駆け抜ける歓びの方程式が成立です。
牧場敷地内に造られたプライベートロードですが、このレイアウトを構築するあたり、牧場のオーナーは間違いなくドライブ好きと推察します。北海道は遠いですが、いずれ再訪したいですねぇ。
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プラス1 - 知夫里島
ゴールデンウィークのGTで初めて足を踏み入れた隠岐エリア。
tododesuさんのツーリングレポートで知った、人口600人弱の隠岐諸島の中で最も小さいサイズの知夫里島ですが、この小さな箱庭のような島には想像できない程の非日常が詰め込まれていました。
新緑に染まった標高325mの赤ハゲ山をヒルトップに、なだらかな山肌にレイアウトされた蛇のように曲がりくねった道は、圧倒的な存在感を放っており、その道のど真ん中で自由気ままに食事に没頭する放牛達というシーンはあまりに現実離れしています。一周僅か15km程度の距離であり、ドライビングプレジャーを味わうような道ではありませんが、時間の経過を忘れさせる比類のない光景であり、これぞまさにグランド・ツーリングという体験でありました。
振り返ってみると、例年同様この1年もよく走りました。2シーター+ハードトップルーフという、ロングツーリングにはめっぽう向かないZ4ですが、旅先で出会う感動はこのドイツ製カブリオレがあってのもの。さぁ、来年はどこへ行きましょうか。
Posted at 2016/12/17 14:38:12 | |
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BMW Z4 | 日記